第20回NHK紅白歌合戦
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第20回NHK紅白歌合戦は、1969年12月31日(JST)に東京宝塚劇場で行われた、通算20回目のNHK紅白歌合戦。21時から23時45分にNHKで生放送された。
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[編集] 概要
- 「人形の家」でヒットをとばした弘田三枝子が二年ぶり、2回目のカムバックをはたし、話題になった。
- 曲目には、1年のヒット曲以外に、かつてのヒット曲が多数盛り込まれた(村田英雄「王将」、西田佐知子「アカシアの雨が止む時」など)。これは、夏に放送された第1回「思い出のメロディー」の成功を踏まえたものと思われる。ところが、視聴率は前年比マイナス7.2ポイントの69.7%と、紅白歌合戦視聴率史上初の60%台に落ち込んだ。その後、1973年(第24回)、1982年(第33回)、1989年(第40回)、さらに2000年(第51回)以降、過去の名曲を多数揃えるという構成が試みられたが、第24回以外は、いずれも当時の過去最低視聴率を記録している。
- この回の紅白勝敗判定の電光掲示板はステージで上からぶら下がる方式ではなく、審査員席の後方上部に設けられていた。
- この回の紅白もカラー放送であったが、現存する映像は宮田輝アナウンサーの夫人が自宅で録画し、後にNHKに提供されたモノクロVTRのみである。そのモノクロVTRは完全版であり、『思い出の紅白歌合戦』(NHKBS-2)で放映された。
- この年から日本レコード大賞(TBS)も同じ大晦日の午後7時~9時に開催&テレビ生中継されるようになり、歌手達のレコード大賞から紅白への移動が始まった(この大移動は日本レコード大賞の開催日変更により2005年で終了した)。
- 紅組女性陣の移動組は(五十音順)青江三奈、いしだあゆみ、佐良直美、水前寺清子、高田恭子、弘田三枝子、ピンキーとキラーズ、美空ひばり、森山良子、由紀さおりらで、レコード大賞では司会、紅白では審査員の女優・浅丘ルリ子も移動組。浅丘ルリ子はどちらの舞台でも歌わなかったが、この年はシングル『愛の化石』が大ヒットしている。
- この年のレコード大賞のVTRは鮮明なカラーのビデオ映像で全編現存していて、今でもTBSの番組で時々紹介されているが、上記の移動女性歌手達の中で「いしだ(全身、紺色のドレス)・佐良・弘田・今陽子(=ピンキー。黒の帽子に、金色の衣裳)・森山(インナーが白で、ピンク色のスーツ)」は、この紅白のオープニング衣装がレコード大賞の衣装のままである(※翌年の1970年紅白参照)。
- この回のカラー写真は現存し、エンディングの『蛍の光』合唱の時の由紀さおりのドレスの色は水色である。
- NHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』でいしだあゆみ(いしだ自身も出演)をモデルにした役・夏子(上原多香子)が紅白に出場するシーンで、この年の紅白の舞台セットや内容をカラーで再現した。
[編集] 司会者
[編集] 演奏
- 紅:前半-原信夫とシャープス・アンド・フラッツ(指揮 原信夫)、後半-小野満とスイング・ビーバーズ(指揮 小野満)
- 白:前半-有馬徹とノーチェク・バーナ(指揮 有馬徹)、後半-宮間利之とニュー・ハード(指揮 宮間利之)
- 総合指揮:藤山一郎
[編集] 審査員
- 浅丘ルリ子(女優)
- 市川海老蔵(歌舞伎俳優)
- 今井通子(医師・登山家)
- 大谷直子(女優、連続テレビ小説「信子とおばあちゃん」出演)
- 菅野義丸(日本万国博覧会協会副会長)※後にKDD(国際電信電話)社長
- 佐藤愛子(作家)
- 鶴岡一人(NHK野球解説者)
- 平幹二朗(俳優、大河ドラマ「樅ノ木は残った」主演)
- ほか各地方の視聴者代表8名。北陸トンネル工事に従事していた人も
- 中山卯郎・NHK芸能局長
[編集] 出場歌手
紅組 | 白組 | ||
---|---|---|---|
歌手 | 曲 | 歌手 | 曲 |
青江三奈(3) | 池袋の夜 | 布施明(3) | バラ色の月 |
いしだあゆみ(初) | ブルーライト・ヨコハマ | 千昌夫(2) | 君がすべてさ |
小川知子(2) | 初恋のひと | 西郷輝彦(6) | 海はふりむかない |
カルメン・マキ(初) | 時には母のない子のように | アイ・ジョージ(10) | ク・ク・ル・ク・ク・パロマ |
越路吹雪(15) | 愛の讃歌 | 春日八郎(15) | 別れの一本杉 |
奥村チヨ(初) | 恋泥棒 | ザ・キング・トーンズ(初) | グッド・ナイト・ベイビー |
水前寺清子(5) | 真実一路のマーチ | 三田明(6) | サロマ湖の空 |
由紀さおり(初) | 夜明けのスキャット | デューク・エイセス(7) | 筑波山麓合唱団 |
伊東ゆかり(7) | 宿命の祈り | 菅原洋一(3) | 潮風の中で |
岸洋子(6) | 夜明けのうた | 坂本九(9) | 見上げてごらん夜の星を |
森山良子(初) | 禁じられた恋 | 鶴岡雅義と東京ロマンチカ(2) | 君は心の妻だから |
島倉千代子(13) | すみだ川 | 三波春夫(12) | 大利根無情 |
弘田三枝子(6) | 人形の家 | 橋幸夫(10) | 京都・神戸・銀座 |
黛ジュン(3) | 雲にのりたい | 佐川満男(3) | 今は幸せかい |
西田佐知子(9) | アカシアの雨がやむとき | 村田英雄(9) | 王将 |
梓みちよ(7) | こんにちは赤ちゃん | 水原弘(6) | 君こそわが命 |
高田恭子(初) | みんな夢の中 | 美川憲一(2) | 女とバラ |
中尾ミエ(8) | 忘れられた坊や | ダーク・ダックス(12) | あんな娘がいいな |
ピンキーとキラーズ(2) | 星空のロマンス | 内山田洋とクール・ファイブ(初) | 長崎は今日も雨だった |
ザ・ピーナッツ(11) | ウナ・セラ・ディ東京 | フランク永井(13) | 君恋し |
佐良直美(3) | いいじゃないの幸せならば | 舟木一夫(7) | 夕映えのふたり |
都はるみ(5) | はるみの三度笠 | 北島三郎(7) | 加賀の女 |
美空ひばり(14) | 別れてもありがとう | 森進一(2) | 港町ブルース |
[編集] 主なゲスト
- 藤田まこと
- なべおさみ
- 水の江滝子
- 森光子
- 林美智子
- 黒柳徹子
- ハナ肇とクレージーキャッツ
- 西山千
- 金井克子
- ザ・ドリフターズ
- 月の家円鏡
- 森繁久彌
- 左卜全
- 古今亭志ん朝
- 浜木綿子
- 瑳川哲朗
- 高橋英樹
- 宮川泰
- 三浦布美子
- 三遊亭小圓遊
- 関敬六
- 南利明
- 井上忠夫
[編集] 外部リンク
- NHK紅白歌合戦公式サイト
- 紅白歌合戦完全マニュアル - 視聴率など。
- Red and White Song Festival
- 紅白歌合戦出場歌手・曲目一覧
- 紅白歌合戦情報 - リンク集など
- NHK総合「紅白歌合戦」 - ビデオリサーチ。1962年(第13回)以降のテレビ視聴率を掲載。
NHK紅白歌合戦 1951 | 1952 | 1953 1月 | 1953 12月 | 1954 | 1955 | 1956 | 1957 | 1958 | 1959 |
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