はっぴいえんど
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[編集] メンバー
[編集] 来歴
小坂忠、柳田ヒロらとともに結成したバンド・エイプリルフールを脱退した細野晴臣と松本隆、そして大瀧詠一と鈴木茂が出会い、1969年にバレンタイン・ブルーという名前で結成された。1970年4月にハッピーエンド、更に平仮名表記のはっぴいえんどとバンド名を改名。
活動期間中に、URCレコードから『はっぴいえんど』『風街ろまん』、ベルウッドレコードから『HAPPY END』を発表している。
バンドの作詞担当であった松本隆が、ダブルミーニングなどの技法を積極的に歌詞に取り入れ、独特の世界を構築。またサウンド面においてはアメリカのバッファロー・スプリングフィールドや、モビー・グレープに影響された先進的な音であった(尤もこの時期には、日本でも既にプログレッシブ・ロックが注目されており、バッファロー・スプリングフィールドは過去のものとなりつつあった節がある。しかし、1970年の洋楽専門雑誌では、特集で彼らが回顧されており、その音が全くの時代遅れではなかったことがわかる)。
また、今でこそシングルとアルバムのバージョンを違えたりリミックスする事は一般的だが、シングルカットする際にはアルバムの音源を使うのが通例だった当時において、彼らは既にシングルとアルバムのバージョンを違えて発表していた。なお、シングルがキングレコードから発売されたのは、当時キングレコード社員だった三浦光紀がはっぴいえんどに注目し、「12月の雨の日」のシングルバージョンのレコーディングスタジオにキングスタジオを提供したためである。
遠藤賢司、岡林信康、加川良、高田渡らのバックバンドとしても、コンサートやスタジオ録音などを行っている。
1972年末に惜しまれつつ解散したが、1973年の文京公会堂と、1985年の国立代々木競技場で再結成のライブを披露している。
彼らの代表曲「風をあつめて」は2003年、米国映画『ロスト・イン・トランスレーション』でも取り上げられた。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- (説明のない曲はアルバムと同音源)
- 12月の雨の日/はいからはくち - 1971年
- 両曲ともアルバムとは別バージョンで、このシングルバージョンは、現在「はっぴいえんどBOX」の『はっぴいえんど』『風街ろまん』のボーナストラックと『SINGLES HAPPY END』で聴ける。
- 「あしたてんきになあれ」「風をあつめて」「あやか市の動物園」収録。「あやか市の動物園」は第2回全日本フォークジャンボリー(1970年8月9日)でのテイク。
[編集] アルバム
- はっぴいえんど(通称:ゆでめん)- 1970年8月5日
- 風街ろまん - 1971年11月20日
- HAPPY END - 1973年2月25日
- CITY - HAPPY END BEST ALBUM - 1973年9月10日
- ベストアルバム。収録されている「はいからはくち」は小坂忠をコ-ラスに迎えた未発表バージョンである。
- 1973年9月21日に文京公会堂で行われた、解散コンサート「CITY - LAST TIME AROUND」の模様を収録。ただしはっぴいえんどはすでに1972年12月31日をもって解散していたため、再結成コンサートともいえる。各メンバーのソロ活動のお披露目の場ともなった。
- シングル曲を集めたベストアルバム。はっぴいえんどのシングルは勿論の事、同時期に出された大瀧詠一のシングル二枚や細野晴臣のシングルも収録。尚、タイトルは現在「SINGLES HAPPY END」になっている。
- ライブアルバム。「ロック叛乱祭」(1970年4月12日)、「第3回全日本フォークジャンボリー」(1971年8月7日)、「加橋かつみコンサート」(1971年4月14日)での演奏を収録。
- ライブアルバム。CDでのみ発売。「第2回全日本フォークジャンボリー」(1970年8月9日)、「ロック・アウト・ロック・コンサート」(1971年8月21日)、「加橋かつみコンサート」(1971年4月14日)、「第3回全日本フォーク・ジャンボリー」(1971年8月7日)での演奏を収録。
- ボックスセット。オリジナル・アルバム『はっぴいえんど』『風街ろまん』『HAPPY END』、ライブアルバム『ライブ・はっぴいえんど』『THE HAPPY END』と、はっぴいえんどがバックで演奏を務めた楽曲を集めた『バッキング音源集』、未発表ライブ音源を多数収録した『ライブ・ヒストリーvol. 1』『同vol. 2』がセットになっている。