アメリシウム
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一般特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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名称, 記号, 番号 | アメリシウム, Am, 95 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | アクチノイド | ||||||||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 3, 7 , f | ||||||||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 13670 kg·m−3, no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
単体の色 | 銀白色 |
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原子特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||
原子量 | [243.0614] amu | ||||||||||||||||||||||||||||||
原子半径 | 173 pm | ||||||||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Rn]5f7 7s2 | ||||||||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 25, 8, 2 | ||||||||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 3, 4, 5, 6 | ||||||||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
物理特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 (磁性体) | ||||||||||||||||||||||||||||||
融点 | 1449 K (1175.8 ℃, 2148 °F) |
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沸点 | 2284 K (2010 ℃, 3650 °F) |
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モル体積 | 17.78 × 10−3 m3·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 14.4 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 238.5 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 1.3 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | 110 J·kg−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
導電率 | 68 μΩcm | ||||||||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 10 W·m−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 576.39 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
アメリシウム (Americium):原子番号 95 の元素。元素記号は Am。アクチノイド元素の一つ。第3の超ウラン元素でもある。安定同位体は存在しない。銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造 (HCP)。比重は、13.67 で、融点は摂氏 995℃(850℃~1200℃ の間)、沸点は摂氏 2600℃。
展性、延性があり、希酸に溶ける。原子価は、2価~6価(3価が安定)。化学的性質はユウロピウムに類似する。
目次 |
[編集] 歴史
1945年、グレン・シーボーグ等(米国)が、原子炉を使ってアメリシウム 241 を作った。原子炉内のプルトニウム 239 に2個の中性子を当てると、プルトニウム241 ができ、これがベータ崩壊して、アメリシウム 241(半減期 432.2 年)となる。
発見された同位体の中で最も半減期が長いのは、アメリシウム243の7380 年。 元素名はアメリカ大陸の名に由来する。
アメリシウムとキュリウムの発見は、1945年に子供のクイズ番組上で非公式に発表された。
[編集] 特徴
アメリシウムは銀白色をした放射性の金属で空気中に放置すると白く曇る。純粋なアメリシウムはネプツニウムやプルトニウムより輝いている。
アメリシウム241のガンマ線のエネルギーは非常に低く(0.06MeV)、低エネルギーガンマ線源として蛍光X線分析装置などに用いられる。
アメリシウムには剥離性がある。
[編集] 用途
アメリシウム 241 は、煙感知器に利用されまた、厚さ計にも利用される。アメリシウム242は中性子ラジオグラフティーの中で使用される。しかしアメリシウムの合成は難しく、強い放射能のため非常に高価である。
ベリリウムとの混合物は、中性子源となる。そのほか、放射線源としての利用もある。
[編集] 同位体
アメリシウムには安定同位体が存在せず、すべてが放射性である。
アメリシウムには18の同位体が確認されており、質量範囲はアメリシウム231からアメリシウム249までがある。
432年の半減期を持つアメリシウム241と7370年の半減期を持つアメリシウム243が比較的安定している。残りの同位体は51時間の半減期を持っており、そのほとんどが100分未満の半減期を持っている。さらにアメリシウムの同位体には8つの準安定状態の同位体が存在している。