ネプツニウム
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一般特性 | |||||||||||||||||||||||||
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名称, 記号, 番号 | ネプツニウム, Np, 93 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | アクチノイド | ||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 3, 7 , f | ||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 20250 kg·m−3 (α) 19360 kg·m−3 (β) 18000 kg·m−3 (γ) no data |
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単体の色 | 銀白色 |
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原子特性 | |||||||||||||||||||||||||
原子量 | [237,0482] amu | ||||||||||||||||||||||||
原子半径 | 175 pm | ||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Rn]5f4 6d1 7s2 | ||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 22, 9, 2 | ||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 3, 4, 5, 6 (両性酸化物) | ||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 六方晶系 (α) 正方晶系 (β) 立方晶系 (γ) |
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物理特性 | |||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 | ||||||||||||||||||||||||
融点 | 910 K (636.8 ℃, 1179 °F) |
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沸点 | 4273 K (4000 ℃, 7232 °F) |
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モル体積 | 11.59 × 10−3 m3·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 336 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 3.2 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | no data | ||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | no data | ||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | no data | ||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 1.36 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | no data | ||||||||||||||||||||||||
導電率 | 0.822 W·m−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 6.3 W·m−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 604.5 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
ネプツニウム(Neptunium):原子番号93の元素。元素記号はNp。アクチノイド元素の一つ。超ウラン元素でもある。銀白色の金属で、展性、延性に富んでいる。常温、常圧での安定な結晶構造は、斜方晶。摂氏280℃付近から正方晶となり、更に摂氏580℃付近より体心立方構造(BCC)が安定となる。比重は、20.45、融点は摂氏640℃、沸点は摂氏3900℃。原子価は、3価~7価(5価が安定)。
ネプツニウム239の半減期は、2.4日。ウラン238は天然にも存在するので、ネプツニウム239、プルトニウム239は天然にもごく僅かに存在する。
他にネプツニウム236(半減期15.4万年)、ネプツニウム237(半減期214万年)などがある。
ネプツニウム237はネプツニウム系列(ネプツニウム237からタリウム205までの崩壊過程の系列)の親核種である。この系列の元素で半減期が一番長いネプツニウム237でも半減期が214万年しかないため、この系列は天然には存在しない(ビスマス、タリウムを除く)。
目次 |
[編集] 歴史
1939年(1940年?)マクミラン、アベルソン(アーベルソン)がウラン238に中性子を当てて、ネプツニウム239を作った(人工的に作られた最初の超ウラン元素)。海王星のNeptuneが語源。
[編集] 特徴
ネプツニウムは外観は銀のようで、ほかの元素と活発に化学反応を起こす。 また、ネプツニウムは温度によって結晶構造が異なる。
- αネプツニウム
密度は20.25kg/m3
- βネプツニウム
280同意上577度以下の状態のネプツニウムで、正方晶系である。
密度は19.36kg/m3
- γネプツニウム
577℃以上の状態のネプツニウムで、立方晶系である。
密度は18kg/m3
また、ネプツニウムは4つの酸化状態が存在する。
- Np+3
淡い紫色をしており、Pm+3に類似している。
- Np+4
黄緑色をしており、Pm+4に類似している。
[編集] 用途
ネプツニウムはプルトニウム238製造の際に用いられる。
また、ネプツニウムは原子力発電等に使用されるプルトニウム239の製造原料となる(ウラン238+中性子→ウラン239→ベータ崩壊→ネプツニウム239→ベータ崩壊→プルトニウム239)。なお、アイソトープ電池に使用されるプルトニウム238はウラン238の(d,2n)反応でネプツニウム238を作ることで生産されている。
[編集] 核兵器の製造
ネプツニウムは核分裂性で、理論上、原子力燃料として使用することができる。1992年には、アメリカのエネルギー省がネプツニウム237が「核起爆装置のために使用できる。」という機密扱いの事項を解禁した。
しかし、ネプツニウムは現在、核兵器製造には利用されていない。
[編集] 発生
ネプツニウムはウラン鉱の中から極微量見つかる。
ネプツニウム237はプルトニウム生産の際の副産物としてしばしば発見される。
[編集] 同位体
ネプツニウムには安定同位体が存在せず、すべてが放射性同位体である。ネプツニウムには19の同位体が存在し、質量範囲はネプツニウム225からネプツニウム244まで及ぶ。
比較的安定している同位体は214万年の半減期を持つネプツニウム237、15万4000年の半減期を持つネプツニウム236、396日の半減期を持つネプツニウム235が存在する。 残りの同位体は4.5日未満の半減期を持っており、また大多数これらの同位体のほとんどが50分未満の半減期を持っている。また、ネプツニウムには4つの準安定状態(meta州)の同位体が存在し、もっとも長い半減期を持つのは236mNpで22.5時間の半減期を持っている。
[編集] ネプツニウムの化合物
- NpO2+
青緑色をしている。
- NpO2++
淡いピンク色をしている。
- NpO2
他のアクチノイド系列のようにネプツニウムもこのような化合物を作る。
- Np3O8
ネプツニウムはハロゲンとも化合しNpF3のような化合物を作る。
- NpF3
- NpF4
- NpCl4
- NpBr3
- NpI3
また、ネプツニウムは複雑な化合物を作る。
- NpO2(OH)2-1
- NpO2(CO3)-1
- NpO2(CO3)2-3
- NpO2(CO3)3-5
このような化合物は極微量に土の中やウラン鉱の中に含まれている。