超ウラン元素
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超ウラン元素(ちょうウランげんそ)とは化学において、ウランの原子番号である92よりも原子番号の大きい元素のこと。
[編集] 概要
原子番号が1~94の元素は、3つの元素(43-テクネチウム、61-プロメチウム、87-フランシウム)を除いて自然界に存在する。
しかし、原子番号95以降の元素は、基本的に全て人工的に作り出さねばならない。また、全て放射性で、半減期は地球の年齢よりかなり短い。よって、これらの元素が地球誕生の頃に生成されていたとしても、はるか以前に消滅してしまっている。
現在地球上で発見される超ウラン元素は、基本的に原子炉や粒子加速器で人工的に作られたものである。但し、Np-239とPu-239は自然に生成され続けている。具体的には、ウラン鉱石が自発核分裂による中性子を捕獲した後、更に二段階のベータ崩壊を起こし、Pu-239となる(U-238 > U-239 > Np-239 > Pu-239)。
発見されていない超ウラン元素や、発見されていてもまだ公式に名前がつけられていない元素は、IUPACの定めた元素の系統名を用いる。超ウラン元素の命名は、冷戦時には議論の原因となっていた。
[編集] 発見したグループ
冷戦時の超ウラン元素の大多数は、二つのグループによって生成されている。
- カリフォルニア大学バークレー校(現在のローレンスバークリー国立研究所、アメリカ)
- エドウィン・マクミラン - 超ウラン元素の最初の生成者。
- グレン・シーボーグ - 後任者。
- アルバート・ギオルソ - キュリウム、バークリウム、カリフォルニウムの発見時、シーボーグのチームに属しており、後任となった。
- ローレンスバークリー国立研究所
- 重イオン研究所(GSI、ドイツ)
冷戦時に超ウラン元素の発見をしている他の二つのグループは、当初の報告の正当性が疑われている。
- ノーベル物理学研究所(スウェーデン)は、102番元素を発見したと発表し、ノーベリウムと名付けた。彼らの発見はもはや認められていないが、「ノーベリウム」という名称は、最終的に認められることとなった。
- ドブナ原子核共同研究所(ソビエト連邦→ロシア)
- ソビエト連邦時代、以下の元素を生成したと主張していた。
- 104 ラザホージウム(Rf) - クルチャトビウムを提案していた
- 105 主張は認められていないが、「ドブニウム」という名称が正式名称となっている。
- 106 シーボーギウム(Sg)
- 107 ボーリウム(Bh) - ニールスボーリウム(nielsbohrium)を提案していた。
- 108 ハッシウム(Hs)
- 109 マイトネリウム(Mt)
- ロシア時代に発見されたものは正式に認められている。
- ローレンスリバモア国立研究所(アメリカ)との合同研究チームによる発見。
- ソビエト連邦時代、以下の元素を生成したと主張していた。
[編集] 超ウラン元素の一覧
- 93 ネプツニウム(Np)
- 94 プルトニウム(Pu)
- 95 アメリシウム(Am)
- 96 キュリウム(Cm)
- 97 バークリウム(Bk)
- 98 カリホルニウム(Cf)
- 99 アインスタイニウム(Es)
- 100 フェルミウム(Fm)
- 101 メンデレビウム(Md)
- 102 ノーベリウム(No)
- 103 ローレンシウム(Lr)
- 104 ラザホージウム(Rf)
- 105 ドブニウム(Db)
- 106 シーボーギウム(Sg)
- 107 ボーリウム(Bh)
- 108 ハッシウム(Hs)
- 109 マイトネリウム(Mt)
- 110 ダームスタチウム(Ds)
- 111 レントゲニウム(Rg)
- 112 ウンウンビウム(Uub)
- 113 ウンウントリウム(Uut)
- 114 ウンウンクアジウム(Uuq)
- 115 ウンウンペンチウム(Uup)
- 116 ウンウンヘキシウム(Uuh)
- 117 ウンウンセプチウム(Uus)
- 118 ウンウンオクチウム(Uuo)
- 119 ウンウンエンニウム(Uue)
- 120 ウンビニリウム(Ubn)
- 121 ウンビウニウム(Ubu)
- 122 ウンビビウム(Ubb)
- 123 ウンビトリウム(Ubt)
- 124 ウンビクアジウム(Ubq)
- 125 ウンビペンチウム(Ubp)
- 126 ウンビヘキシウム(Ubh)
...
(魔法数により可能性が指摘されている範囲までを記載)
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