アルメニア人
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アルメニア人( - じん)は、アルメニアの主要民族。中東系の民族で、インドヨーロッパ語族に属するアルメニア語を使用している。
古代から国家を建設し、世界で初めてキリスト教を国家宗教とした。また中世の東ローマ帝国ではギリシャ人に次ぐ主要民族として多くのアルメニア人が官僚や将軍・聖職者として仕え、中には皇帝になった者までいる[1]。なお、アルメニア人は単性論のアルメニア教会の信者がほとんどだが、東ローマ帝国に仕えた者は東方正教会の信者となり、言語もギリシャ語を使用していた。
12世紀にアルメニア王国や東ローマ帝国が衰退・崩壊した後は世界中に拡散し[2]、商工業の担い手として各地にネットワークを広げて活躍した。この点はよくユダヤ人[3]と比較されることも多い。移住先に於いても独自のネットワークを築き宗教をアイデンティティとすることなど、両者には共通している側面もある[4]。シリアやイスラエル[5]には比較的大規模なアルメニア人社会が存在する。ヨーロッパではフランスに40万から50万人といわれるアルメニア人が住み、政界・銀行・芸能など多方面に進出して、フランス社会に大きな影響力を持っている。
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[編集] 関連項目
[編集] 註
- ^ ヘラクレイオス王朝・マケドニア王朝の2つの王朝はアルメニア系
- ^ 一部は11世紀にトルコ南東部のキリキアに移住しキリキア・アルメニア王国を建国、14世紀末まで独立を保った
- ^ 「ユダヤ人が三人いても、一人のアルメニア人に敵わない」という諺も存在する(藤田田が著作『ユダヤの商法』で紹介した)
- ^ 但し、アルメニアという大規模な集住地域(土地)や言語を失ってはいない
- ^ エルサレムにはキリスト教徒やアラブ人とは別にアルメニア人地域が存在する