アンリ・デュティユー
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アンリ・デュティユー(Henri Dutilleux 1916年1月22日 - )は、フランスの作曲家である。フランス6人組よりも、やや若い世代で、20世紀後半から現代にかけてのフランスを代表する作曲家の一人である。「デュティーユ」と書かれることも多い。
目次 |
[編集] 生涯
- フランス西部、ペイ・ド・ラ・ロワールのアンジェに生まれる。
- 1933年から1938年まで、パリ音楽院に学ぶ。アンリ・ビュッセルに師事。
- 1938年、ローマ賞を受ける。
- 1943年から1963年まで、ラジオ放送のための音楽の作曲を仕事とする。
- 1961年から、エコールノルマル音楽院で教える。
- 1970年、パリ音楽院に客員教授として招かれる。
彼の曽祖父はコンスタン・デュティユーという画家で、ドラクロワの親友であり彼の作品やコローのコレクターでもあった。コローの作品やバルビゾン派から影響を受けたフォンテーヌブローの森を主題とした風景画などの作品がある。アンリ・デュティユーは1999年、この曽祖父の作品および彼によるドラクロワのコレクションや手紙類を、ルーヴル美術館およびフランス国立図書館に寄付している。
[編集] 作風
ラヴェル、ドビュッシー、ルーセルら、近代フランス音楽の伝統を受け継ぎつつも、メシアン、ブーレーズといった大家とは異なる路線を歩みながら独自の世界を切り拓いている。作品の数こそ多くはないが、それぞれの完成度は高く色彩感と抒情性にあふれている。90歳を迎えた2006年現在も現役であり、質の高い音楽性は今もなお健在である。音楽性の高さにおいてフローラン・シュミットと双璧と言える。三善晃にも大きな影響を与えている。
[編集] 作品
- 2曲の交響曲
- 交響曲第1番(1950年)
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- 第1楽章のパッサカリアをはじめ、古典的な様式に基づきながらも、従来の調性にとらわれず主題の音程関係による「自由な無調性」を模索した作品。
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- 交響曲第2番「ル・ドゥーブル」(1959年)
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- 大管弦楽の一部の首席奏者たちが小編成の室内楽として扱われ、二重の編成が対比される。
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- 作曲家一番の代表作。いわゆる変奏曲だが、従来の主題と変奏という概念にとらわれず、より自由な変容を目指した作品。
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- 響き、間隙、動き Timbres, espace, mouvement (1978年)
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- ゴッホの絵画『星の夜』の印象に基づく作品。
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- 瞬間の神秘 Mystère de l'instant (1989年)
- 時の影 The Shadows of Time (1997年)
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- 小澤征爾による委嘱作品。管弦楽に3人の童声が加わる。
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- コレスポンダンス(往復書簡) Correspondances ソプラノとオーケストラのための (2003年)
- 協奏曲
- 室内楽曲
- フルートとピアノのためのソナチネ Sonatine pour flûte et piano (1943年)
- 弦楽四重奏 「夜はかくの如し」 Ainsi la nuit (1976年)
- 器楽曲
- ピアノソナタ Sonate pour piano (1947年) (Wikipedia Commonsに音源あり)