ウルトラ兄弟
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ウルトラ兄弟(ウルトラきょうだい)とは、特撮テレビドラマ作品『ウルトラマン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」において、歴代のヒーローをグループ化した設定。M78星雲光の国の宇宙警備隊員のうち、地球防衛に当たったエリートによって結成された称号というべきものであり、義兄弟である。
現在正式に「ウルトラ兄弟」を構成する歴代ウルトラマンは以下の通り。
- 長男 ゾフィー
- 次男 ウルトラマン
- 三男 ウルトラセブン
- 四男 ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)
- 五男 ウルトラマンA
- 六男 ウルトラマンタロウ
- 七男 ウルトラマンレオ
- 八男 アストラ
- 九男 ウルトラマン80
- 十男 ウルトラマンメビウス
1980年代前半には、80と共に戦ったユリアンも含める雑誌記事があったが、その後の公式設定では一旦抹消された。その他にもM78星雲出身のウルトラマンは何人かいるが、ウルトラ兄弟の一人との設定はされていない。
構成の変遷は、1971年の『帰ってきたウルトラマン』放映時は4人であったが、『ウルトラマンA』と『ウルトラマンタロウ』が順次加入、1974年には『ウルトラマンレオ』39話において、ウルトラマンキングによりウルトラマンレオとその実弟アストラが兄弟として認められた。1980年の『ウルトラマン80』では、主人公がウルトラ兄弟か否かは劇中での言及はなかったが、2006年の『ウルトラマンメビウス』のDVD3巻インストにおいて、初めて明確に80がウルトラ兄弟の九男であると表現された。また、『ウルトラマンメビウス』最終話でメビウスがエンペラ星人を倒した後、晴れて正式に「ウルトラ兄弟」の一員となったので、ゆえに2007年4月時点では10名が確認されていることになる。
なお、ウルトラの父とウルトラの母の実子は、上記のうちウルトラマンタロウだけであり、基本的にウルトラ兄弟に血縁関係はないが、例外として実の兄弟であるウルトラマンレオ・アストラ兄弟と、従兄弟の間柄であるウルトラセブンとウルトラマンタロウ(セブンの母親はウルトラの母の姉)がいる。また、ウルトラの父とウルトラの母に引き取られて育てられたウルトラマンAと、ウルトラの父とウルトラの母の実子であるウルトラマンタロウは元々義兄弟の仲という事になる。
[編集] 設定の変遷
この設定は1971年の『帰ってきたウルトラマン』放映時に雑誌掲載権を独占していた小学館の学習雑誌のスタッフがゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン(後年ウルトラマンジャックの名が設定される)の4人を兄弟と設定したのが始まりである。しかし、設定後にウルトラマンとウルトラセブンの家族構成は第一期ウルトラシリーズの時代にされた設定との矛盾があるとの指摘で、「同じ星から来た兄弟のように仲の良い仲間」というニュアンスに修正されている。
『帰ってきたウルトラマン』での歴代ヒーローとの共演が好評を博し、『帰ってきたウルトラマン』最終回におけるバット星人の台詞の中で初めて「ウルトラ兄弟」という言葉が語られ、これ以降の劇中で定着した。
その後『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』の3作でこの設定は強調され、歴代ヒーローの共演がたびたび行われた。また、小学館の雑誌設定においても、従来からのM78星雲光の国の設定にウルトラ兄弟の設定が加えられて発展し、ヒーローの故郷の様子や歴史、家族構成などが、背景設定として第二期ウルトラシリーズを盛り上げた。これら雑誌設定の中では「ウルトラの父の下で兄弟の誓いを結んだ宇宙警備隊の精鋭戦士団」とされたが、劇中では特に言及されていない。
「過去のヒーローが弱すぎて現役時のイメージと異なる」「ウルトラマンに家族を設定し人間的な会話をさせるのは神秘性をそぐ」等の批判はあるが、この設定が第二期ウルトラシリーズの大きな柱であった「人間的なウルトラマン」というテーマを支えたことや、ヒーローの客演というイベントでドラマを盛り上げたことなどの功績は多大なものがあり、またその後も断続的ではあるが現在までシリーズ作品が製作され、年齢層、世代を超えて親しまれるきっかけとなった。
1980年の『ウルトラマン80』では、雑誌上の記事等では「ウルトラ兄弟」の設定は存在したものの劇中では言及されず、1984年公開の映画『ウルトラマン物語』でゾフィーからウルトラマンタロウまでの6名のウルトラ兄弟(この作品ではレオ兄弟及び80は「ウルトラ兄弟以外の戦士」という設定)としての活躍が描かれたのを最後に登場していない。但し、海外製作の『ウルトラマングレート』と『ウルトラマンパワード』では設定上は繋がりが示唆されていた(グレートに関しては主題歌にもウルトラ兄弟の名が登場する(日本語吹き替え版用))。
円谷プロはその後、初代ウルトラマンの持つ神秘性をそぐとして「兄弟」「ファミリー」という呼称を1984年公開のウルトラマン物語を最後に全面的に排除し、替わりに「ウルトラヒーロー」「ウルトラ戦士」という呼称で統一を図った。「5兄弟」は「ウルトラ5大戦士」、「6兄弟」は「ウルトラ6大戦士」といった具合にである。やがて『ウルトラマンティガ』の大ヒット期を迎えるが、横の繋がりを持たないキャラクター人気の継続が困難となり、雑誌展開の公式ストーリー『バトルオブドリームNOA』、テレビドラマ『ウルトラマンマックス』で試験的に昭和作品世界を復活させる。但し、ティガと時期を同じくして製作された『ウルトラマンネオス』ではM78星雲・宇宙警備隊設定を採用しているものの、オリジナルビデオ作品だったため、定着しなかった。
ウルトラマンシリーズ40周年記念作品『ウルトラマンメビウス』ではウルトラマン80までのウルトラマン(父、母、ユリアンも)が第1話に登場し、新たな兄弟であるメビウスを全員で地球に送る(『ウルトラマンメビウス』においては、「ウルトラマン」や「ウルトラの父」などの呼称は全て地球人が勝手に名づけたレジストコードという設定である)。また、2006年9月16日公開の映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』ではウルトラマンタロウまでのウルトラ6兄弟が登場した。メビウス最終話においてサコミズ隊長よりウルトラ兄弟へ仲間入りしたことが告げられ、また第30話では地球がウルトラ一族にとって特別な存在である事、第36話ではかつて地球を訪れたウルトラ戦士と地球人の少年が「兄弟」の約束を交わして以来、ウルトラ一族にとって「兄弟」が特別な意味を持つ言葉となっている事が語られている。