ザ・ウルトラマン (漫画)
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『ザ・ウルトラマン』は、ウルトラシリーズを題材とした内山まもるの漫画作品。コロコロコミックなどに連載された。TVアニメシリーズのザ☆ウルトラマンとの関連性は全くない。
[編集] 概要
第二期ウルトラシリーズ終了後に、小学館の学習雑誌やコロコロコミックで連載された作品。単行本では第二期ウルトラシリーズ放映時に小学館の学習雑誌で連載された、同作者による『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』の漫画化作品も収録されており、さらに双葉社から発売された単行本では、1997年に朝日ソノラマの雑誌宇宙船81号に掲載された『ウルトラマンティガ』の漫画版も収録されている。
「ジャッカル編」を始めとするオリジナルストーリーでは内山まもるの卓越した画力も相まって非常に大仕掛けな読み応えのある物語が展開されている。各ウルトラマン達はいわゆる人間的な描写がされており例えばウルトラマンAは陽気でおおらか、ウルトラマンレオは若い好青年といった性格付けがされている。ゾフィーを主人公とするストーリーが比較的多くまた下記記述のようにオリジナルの怪獣やウルトラ戦士が登場する。ウルトラ戦士が鎧や剣などの武器や戦艦などの兵器を使用する場面も見られ、後のいくつかの作品にも影響を与えている。
また、上記のTVシリーズの漫画化作品も、本編とは異なる設定や展開が多い。特にタロウとレオでは完全なオリジナルストーリーも挿入されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 本作オリジナルキャラクター
- メロス
- 宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部隊長。最大の特徴は戦闘時に頭部から足まで全身を包む極めて強靭な鎧(メロス曰く肩当部分は特に強靭であるとのこと)でブラックホールの高重力を防ぐ機能さえ備えているという。ブレスレットからの遠隔操作で着脱が可能で、鎧の頭部には地球人のような目鼻口を持つ顔面パーツがあるが、素顔はジャンボーグ9に幾らか似たウルトラマン顔である。後年のTVシリーズ『ウルトラマンマックス』に登場したウルトラマンゼノンはこのメロスが原案と思われる。必殺技は鎧の腹部に装着されたブーメラン「アンドラン」(左右2つに分割してそれぞれを投げる「ダブル・アンドラン」というバリエーションがある)、鎧の肩の部分のサスペンダー状のパーツから発射する「アンドロレーザーN75」、全身のエネルギーを集めて腕から放つ最強の必殺技「レーザーショット・アンドロメロス」。ウルトラの国がジャッカルによって壊滅させられた際にジャッカル軍団に対抗すべく来援した。ゾフィーとは旧知の仲。やや皮肉っぽく斜に構えた性格で、当初は単独でジャッカルを倒そうとするが、その為に残り少ないウルトラ戦士が犠牲になった事を反省し、ゾフィーらと共闘する。
- TVシリーズのアンドロメロスに影響を与えているとも言われるが、設定上の関係は全く無い。
- ファイタス
- メロスの弟。やはり鎧(もしくはスーツ)を纏い、仮面を着けている為、素顔は不明。最強のウルトラ戦士に憧れ、ウルトラの国の道場で師範代を務めるウルトラセブンに対して勝負を挑んだ。細身の剣が武器。最後はセブンとの勝負に敗れ、命を落す。『ファイタス』という名はのちに『恐竜戦隊コセイドン』のファイタス号に使われる事になる。
- エルフ
- ウルトラマンタロウの幼馴染で親友だったが、バルタン星人の王・キングバルタンとなり、宇宙征服を企てる。デザイン的にはタロウと同様にセブン系統。タロウと再会して改心するが、裏切者としてタロウと共に囚われる。バルタン星人の宇宙侵攻を阻み、タロウを脱出させる為、タロウの必殺技「ウルトラダイナマイト」を真似て自爆、動力炉を破壊した。タロウは訓練により自爆しても再生する事ができるが、エルフはそれができないのを承知の上で自ら死を選んだ。
- ウルトラマンレオの両親
- 名前は特に出てこない。故郷の獅子座L77星がマグマ星人に破壊された際に行方不明となり、死んだと思われていたが生存していた。ババルウ星人(このババルウはテレビシリーズ39話でレオに倒された星人の弟)に囚われて人質となり、レオ兄弟は脅迫されて心ならずもウルトラ兄弟と戦う事に。エネルギーさえ回復すれば囚われていた円盤から自力で脱出できたところから見て、戦士としてもそれなりの実力を持っていると思われる。
- なぜマグマ星人ではなくババルウ星人なのかは不明(公式設定ではアストラはマグマ星人の捕虜となり、キングに救出された事になっている)。また、本作では円盤生物を操るブラック指令とババルウ星人が協力して地球へ侵攻するという設定変更が行なわれている。
- ウルトラ戦士たち
- ウルトラの国にはウルトラ兄弟以外にも100万人のウルトラ戦士がいるとされているが、シリーズ本編に登場した事は一度も無い。本作で登場する名も無きウルトラ戦士の多くは概ねウルトラマンか帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)に酷似した姿をしており、個人の名前は一切出て来ない。地球人に変身する事もできる。
- ウルトラの母の率いる救護部隊・銀十字軍の隊員も登場する。やはり本編にはほとんど登場しないウルトラ一族の女性で、母に似た姿だが頭の両側の飾りがない。
- ベーダー人との戦いの際、「ウルトラ忍者部隊」なる特殊部隊が登場する。通常のウルトラマンとは赤と銀の配色が逆になっている。隊長であるゾフィーの権限でも200名しか動員できないとされているところから、全体の人数は多くないと思われる。あるいは宇宙警備隊とは別組織であるとも考えられる。
- ウルトラキラーゴルゴ
- ウルトラ一族への刺客として名高い宇宙人。マグマ星人に雇われ、ウルトラマンレオに決闘を挑む。ネーミングはゴルゴ13からと思われるが、暗殺者というわけではなく、あくまでも刺客であり、人質などの卑怯な手段を嫌う(最初の対戦ではレオを敗北寸前まで追いつめるも、マグマ星人が人質を取っていた事を知り、義憤から再戦を告げて立ち去っている)。山1つを消滅させるほどの強力な光線技でレオを苦しめるも、地球に留まっていたタロウの協力により、2人の合体技「ダブルストリウム光線」で倒される。
- レオのオリジナルストーリーに登場する、(発表順では)漫画版初のオリジナルキャラクター。
- ジャッカル
- 宇宙大魔王。ジャッカル大魔王とも呼ばれる。黒髪に湾曲した角をもつ。かつてウルトラマンキングに敗れて宇宙の地獄ブラックホールに追放された宇宙人。ブラックホールのエネルギーを吸収し、更に強力になって復活、ウルトラの国を壊滅に追い込む。変身能力を持ち、ゼットン、ブラックキング、バードン、エースキラーなどの強力な怪獣に変身してウルトラ兄弟を次々と倒した。ゾフィーを始めとするウルトラ一族に変身する事もでき、M87光線でアストラを倒し、撤退するウルトラ戦士たちに紛れ込んでウルトラの国への侵入を果たした。彼の変身は姿だけではなく能力もコピーでき、しかもオリジナルよりも遥かに強いという。ジャッカル本来の武器は、ウルトラ戦士をも一撃で倒すほど強力な「ジャッカル破壊光線」。髪が金色に輝くと最大出力の破壊光線を放射でき、本編ではこれでウルトラの国の最重要施設であるプラズマ核融合炉を破壊し、ウルトラの国を壊滅に追い込んだ。四天王を筆頭とする100万人のジャッカル軍団を従えている。軍団の構成員はジャッカルに良く似た姿だが、髪はジャッカルと四天王にしかなく、四天王以下は階級に応じて角が短くなっている。またジャッカル軍団のマークの位置が異なる(ジャッカルは額、四天王は左胸、軍団長は胸部中央、軍団員は腹部)。最下級の軍団員であっても、普通の怪獣より強いとされている。
- ジャッカルが倒された後、四天王以下生き残りは一度は見逃されるが、その後ファイタスの計略により再びウルトラ一族に戦いを挑み全滅した。
- なお、ジャッカルに倒されたウルトラ兄弟の中にセブンは含まれていないが、最後に(おそらくキングの力で)復活してジャッカルを倒すメンバーにはセブンも加わっている。内山作のレオ編でセブンはシルバーブルーメに特攻して命を落としており、この機会に一緒に復活したものと思われる。
- パイレーツ星人
- 宇宙海賊。レオの指揮するパトロール艇を撃墜し、捜索の為出撃してきたゾフィーの率いるウルトラ戦艦をも次々と撃沈、旗艦を拿捕して地球侵攻を目論む。
- ベーダー人
- ベーダー総統に率いられる宇宙の侵略者。100日眠り100日活動するという周期で行動する。ウルトラの国が誇る大要塞を破壊し、地球とウルトラの国を目指して侵攻する。
- アヌビス星人
- ウルトラ一族に降伏を要求し、受け入れなければ「超空間破壊砲」でウルトラの国を破壊すると脅迫する。実は超能力を持つ「生体コンピュータ」に操られていた。
- アサシン星人
- 暗殺のプロ。忍者暗殺星人と呼ばれ、彼に狙われて生き延びた者は宇宙にいないと言う。ゾフィー暗殺の為ウルトラの国に潜入し、ゾフィーに重傷を負わせ、セブン、ジャックを次々と倒す。ウルトラ一族の必殺技がほとんど通用せず、個人技では最強クラスであるAのスペースQの直撃でさえも脳震盪を起こさせる程度の効果しかない。武器は刀。
[編集] 関連項目
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