エアバス A400M
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エアバスA400M | ||
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概要 | ||
分類 | 軍用輸送機 | |
乗員 | 3-4名 | |
初飛行 | 2008年(予定) | |
製造 | エアバス | |
寸法 | ||
全長 | 45.1 m | |
全幅 | 42.4 m | |
全高 | 14.7 m | |
翼面積 | ||
重量 | ||
空虚時 | ||
最大離陸重量 | 136.5 t (300,900 lb) |
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機関 | ||
エンジン | 4 × ユーロプロップ・インターナショナル TP400-D6 ターボプロップ |
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出力 | 4 × 10000 馬力以上 | |
性能 | ||
最大速度 | 300 ノット |
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巡航速度 | マッハ 0.68-0.72 | |
フェリー航続距離 | 9,300 km | |
実用上昇限度 | ||
上昇率 |
エアバスA400M (Airbus A400M)は、エアバスが開発しているターボプロップ4発輸送機である。
目次 |
[編集] 概要
C-130やC-160トランザール輸送機の後継機として、アエロスパシアル、ブリティッシュ・エアロスペース、ロッキード、MBBが参加して1982年より国際協同開発が開始された。国際共同計画に付きものの各社・各国の思惑の違いにより開発は遅延し、その間にロッキードは新型のC-130Jを開発を行うために計画から脱退、代わりにアエリタリアとCASAが参加している。初飛行は2008年に予定されているが、遅延する可能性があることをエアバスの関係者も認めている。2010年から配備が開始される予定である。1機あたりの価格は、1億ユーロ。
2003年5月に、ヨーロッパ各国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、トルコ、ベルギー、ルクセンブルク)はOCCAR(共同兵器調達機構)を通じ、212機のA400Mの調達に同意している。その後、調達機数はヨーロッパ各国で180機に修正された。本機の採用状況は、開発の遅延により決して良好なものではない。例えば、イタリアが撤退している他に、イギリス空軍はアメリカ合衆国よりC-17をレンタルし、その後5機の購入を決定している。ヨーロッパ以外については、南アフリカは8機(他にオプション6機)、マレーシアが4機の購入を決定しており、カナダ軍も検討を行っている。チリは3機購入する予定であったが、引き渡しが2018年~2022年と遅く、コストがかかりすぎ性能も過剰であるとしてキャンセルしている。
[編集] 機体
高翼配置の主翼でT字尾翼を持ち、主脚は胴体にバルジを設けてそこに収容、胴体後部はそりあがってランプが取り付けられるなど、機体構成は軍用輸送機としては一般的なものである。また、空中給油ブローブが胴体上部より前方に突き出し、プローブ・アンド・ドローク方式での空中給油が可能である。ペイロードは最大で約37tとC-130の約2倍と大きなものになり、大馬力のターボプロップエンジン4基と浅い後退角のついた主翼により、速度も向上する。また、STOL性も考慮されるなど、国際活動での長距離かつ迅速な展開に配慮している。機体材質は複合材が主であり、操縦席はグラスコックピットとなる。操縦系統もフライバイワイヤである。
エンジンについては、P&Wカナダとユーロプロップのものが提案されたが、ヨーロッパの輸送機を作るのだ、という政治的要因もあり、ユーロプロップのTP400が採用されている。TP400はSNECMA M88のコアをベースとした、旧西側ではかつてない大出力のターボプロップエンジンで、それぞれが8翅のプロペラを駆動する。
[編集] 発注
発注日 | 発注した国 | 受領年 | 機数 |
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2003年5月27日 | ドイツ | 2010年 | 60 |
2003年5月27日 | フランス | 2009年 | 50 |
2003年5月27日 | スペイン | 2011年 | 27 |
2003年5月27日 | イギリス | 2010年 | 25 |
2003年5月27日 | トルコ | 2009年 | 10 |
2003年5月27日 | ベルギー | 2018年 | 7 |
2003年5月27日 | ルクセンブルク | 2017年 | 1 |
2004年12月15日 | 南アフリカ | 2010年 | 8 |
2005年7月15日 | チリ | 2018年 | 3 |
2005年12月8日 | マレーシア | 2013年 | 4 |
合計: | 195 |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Airbus Military (英語)