クルミ
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?クルミ属 | ||||||||||||
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![]() オニグルミ Juglans ailantifolia |
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分類 | ||||||||||||
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種 | ||||||||||||
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クルミ(胡桃、英: walnut)は、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称。 またその核果の仁を加工したナッツ。仏語ではノア(noix)。木材としてはウォールナット。
原産地はヨーロッパ南西部からアジア西部とされ、北半球の温帯地域に広く分布する。樹高は8-20mにおよぶ。
目次 |
[編集] 実
生産はアメリカ・カリフォルニア州と中国が多く、日本では長野県が最も多い。 長野県東御市(旧長野県小県郡東部町)が胡桃の生産量日本一である。
5-6月に開花し、その後直径3cm程度の仮果とよばれる実をつける。仮果の中に核果があり、その内側の仁を食用とする。
食経験は古く、紀元前7000年前から人類が食用としていたとも言われている。脂質が70%をしめ、ビタミンB1、ビタミンEも多い。オイルも抽出され、食用の他に塗装などにも用いられる。
米国では子孫繁栄の意味を込めて、結婚式の際に胡桃を撒く習慣がある。
[編集] 木材
木材としては日本国内でも「ウォールナット」で通っている。北米やカナダで産出。チークやマホガニーと共に世界三大銘木のひとつ。
木質は重硬で衝撃に強く、強度と粘りがあり、また狂いが少なく加工性や着色性も良いという特性を持つ。落ち着いた色合いと重厚な木目から高級家具材や工芸材に用いられてきた。米国大統領の指揮台や、米国最高裁判所のベンチに使用されるほか、衝撃性の強さを生かし、ライフルの銃床にも使用される。
1660年から1720年に掛けて、ヨーロッパ市場では、イギリスデザインやウォールナット種の製品が大きな人気をはくし、ヨーロッパ家具の歴史では「ウォールナットの時代」と呼ばれる程に持て囃された。
[編集] 含まれる種
[編集] 食用とされるもの
- オニグルミ(鬼胡桃) Juglans ailantifolia
- ヒメグルミ(姫胡桃) J. ailantifolia var. cordiformis
- シナノグルミ J. regia
- テウチグルミ J. regia var. orientis
[編集] その他
クルミ科のヒッコリー(英:hickory、中:美国山核桃、学名:Carya spp.)の材は、ドラムスティックの材料に多く使われる他、食品の燻煙に用いられる。
[編集] 「くるみ餅」の地域性
仙台などで「くるみ餅」といえば、くるみ餡で和えた餅を指すが、大阪などにおける「くるみ餅」は植物のくるみではなく、餅を餡で「くるむ」という語源であり、ここで用いられる餡は主に枝豆である。したがって、この「くるみ餅」はずんだ餅に酷似する。