グラディウスV
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ジャンル | 横スクロールシューティング |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | トレジャー、KCE東京 |
発売元 | コナミ |
人数 | 1~2人同時プレイ |
メディア | CD-ROM |
発売日 | 2004年7月22日(日本版) 2004年9月14日(北米版) 2004年10月8日(欧州版) |
価格 | 6,980円(税別) 2,800円(ベスト版) |
対象年齢 | CERO: A(全年齢対象) ESRB: Teen PEGI: 3+ OFLC: G |
『グラディウスV』 (GRADIUS V,ぐらでぃうす ふぁいぶ) は、2004年7月22日に発売されたプレイステーション2専用ソフトで、コナミの横スクロールシューティングゲームグラディウスシリーズのひとつ。開発を担当したのは、元コナミ社員によって設立された株式会社トレジャー。同社のオリジナルシューティング斑鳩の開発チームによって製作された。
従来アーケードシリーズが背負ってきたメジャーナンバーを家庭用オリジナルながらにして継承した本作は、「未知なる領域へ!」をキャッチコピーに掲げ、操作面での新フィーチャー「オプション操作」を重点に置いた構成により従来のテイストを残しつつも新しい「グラディウス」のスタイルを提唱した。
本作は北米のゲーム・オブ・ザ・イヤー2004において「PS2ベストシューティング賞」と「ゲーム・オブ・ザ・イヤー第6位」を受賞した。
目次 |
[編集] ストーリー
美しい青き惑星グラディウス。この星は過去、幾度にも渡る亜時空星団バクテリアンの侵略を退けてきた。しかし、滅びたかに思われたバクテリアンは闇の深遠にて密かに増殖・進化し続け、新種のバクテリアン細胞が誕生していたのであった。
グラディウス暦8010年、対沙羅曼蛇戦で確認された巨大な眼球状の生命体「ゼロスフォース」を初めとするバクテリアン軍が突如としてグラディウス衛星軌道上にワープアウトし、宇宙ステーションが襲撃された。これに対しグラディウス軍は直ちに反攻作戦を開始、かつて幾度もバクテリアンとの戦いを潜り抜けてきた超時空戦闘機「ビックバイパー T301」にも出撃命令が下った。
[編集] 概要
アーケード版グラディウスII -GOFERの野望-の成功以来、グラディウスシリーズの多くはこの作品のシステム・ステージ構成等を手本として制作されてきた。これは取りも直さずグラディウスIIが優秀なゲーム性を備えていたためであったが、同時にこの事は10年以上にわたりグラディウスシリーズにおける発展を阻む枷ともなっていた。
例えば、従来のシリーズではパワーアップすると強力な攻撃が可能になり爽快感を味わえるものの、一度ミスするとノーマルショットを2発しか撃てない初期状態に戻されるため、復活には熟練を要し、初心者は残機がいくら残っていてもゲームオーバー一直線ということも珍しくなかった。また、1コインで何周も遊べるという構成は対戦格闘ブーム以降のインカム(収入)重視のゲームセンターのオペレーターから敬遠される原因にもなっており、必然的にプレイ時間の短縮を促すように高難易度化し、マニア以外は手を出しづらい状況になっていた。
それらの点をふまえ、システム面やステージ構成面、そして演出面などに積極的に変更が加えられている。例を挙げればノーマルショットの発射弾数増加、ミスしてもその場で復活できる、オプションの再取得といった点である。また、弾幕系シューティングの要素が取り入れられている。例を挙げると当たり判定が非常に小さく、敵弾の速度が比較的遅いといったことから、敵の攻撃が回避しやすくなっており、「避け」の爽快感が味わいやすくなっている。また、「オプション・コントロール」の導入により、従来のグラディウスシリーズの魅力であったオプションを使った戦略をさらに拡張している。
それ以外には、従来の作品には毎回登場していた、「モアイ」ステージや「火山」ステージが省かれた。作曲にコナミの音楽スタッフではなく崎元仁が起用され、さらにコナミからの希望によりこれまでのシリーズのメロディ主体からリズム主体のトランス風の曲調になった。
こうした大きな変化はあるものの、プレイを重ねて攻略を組み立てるというスタンスは不変であり、デフォルトでの難易度はシリーズ中でも高い部類に入るが、難易度設定やコンティニューも完備されており、シリーズ初心者への救済措置も用意されている。ハードウェア的にプレイステーション2の性能を充分に生かしたグラフィックも特筆に値する。
[編集] 変更点
本作では前作までのシステムを踏襲しつつも数々の大きな変更がなされている。
[編集] オプション操作
本作の最も特徴的なシステム。「オプション操作ボタン」を押すことで各オプションのタイプに応じて特殊な操作を行うことができる。
オプションのタイプと特殊操作は以下のとおり。
- フリーズ - 操作ボタンを押すことでオプション陣形を固定させたまま自機を移動させることができる。
- ディレクション - 操作ボタンを押しながら方向キーを動かすことでオプションの攻撃方向を変えることができる。
- スペーシング - 自機の上下にオプションが装備され、操作ボタンを押すことでオプションの間隔を変更できる。
- ローテート - 操作ボタンを押すことでオプションが自機の周りを回転する。
[編集] 自機性能・パワーアップ
本作のビックバイパー(自機)はショット連射可能量が従来の2倍になっており(画面内2発から4発に)、さらに自機の当たり判定が大幅に縮小(約1ドット)など、パワーアップしてない状態でも大幅に強化されている。
各パワーアップはオプションのタイプに応じた味付けがなされている。パワーアップシステムについてはグラディウス (ゲーム)#パワーアップを参照。
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カプセル数 1 2 3 4 5 6 タイプ1 スピードアップ ノーマルミサイル ダブル レーザー オプション(フリーズ) フォースフィールド タイプ2 スピードアップ 2-Wayミサイル テイルガン レーザー オプション(ディレクション) フォースフィールド タイプ3 スピードアップ イーグルウィンド テイルガン レーザー オプション(スペーシング) フォースフィールド タイプ4 スピードアップ 2-Wayバック ダブル レーザー オプション(ローテート) フォースフィールド
- スピードアップ - 5速までスピードアップ可能。最高速度になるとSPEED UPがINIT SPEED(イニシャルスピード:初速)となり、0速に減速できるようになる。
- ミサイル - 4タイプそれぞれ性能は異なるが、弱体化されると共にショットが大幅に強化されたので補助武装としての意味合いが強くなっている。
- ノーマルミサイル - 下に地面を移動するミサイルを発射する。
- 2-Wayミサイル - 上下に地面を移動しないミサイルを発射する。
- イーグルウィンド - 上下どちらかの自機(オプション)に近いほうにミサイルを発射する。
- 2-Wayバック - 後方に2-Wayミサイルを発射する。
- ダブル - 前と自機斜め上に攻撃するダブル、または前後に攻撃するテイルガン。
- レーザー - 本作では全機の装備がレーザーで統一されているが、オプションタイプの違いによってレーザーの使用感覚は大きく変わってくる。
- タイプ1と3、タイプ2と4でレーザーの性能は微妙に異なる(2と4はワインダーが使えない代わりにレーザーが途切れない)が、レーザーの性能は前三作(II~IV)に比べると一律して高い。
- オプション - 自機を追従して移動、自機と連動して攻撃する赤い球体。詳細はオプション操作項目参照。
- フォースフィールド - 自機全体を守るバリア。耐久値は3発。当たり判定が通常の状態よりも半径1ドット分増加する。
なお、パワーアップは一定条件を満たすことにより、自分の好みに応じて装備を変更できるエディットモードが出現する。エディットモードには通常時に選択可能な4タイプの装備以外に、過去に登場した装備が複数追加されている。
[編集] ゲーム進行
全8面。2周目以降も永久に続いていき、段々と難易度も上昇していく。また、一部箇所ではシリーズ初となる「ステージ中のデモムービー」が挿入される。
従来のグラディウスシリーズ同様、ミスすると最後に通過したチェックポイントからやり直しになる「グラディウスタイプ(戻り復活)」と、本作のデフォルト設定であるその場で即座に復活する「沙羅曼蛇タイプ(その場復活)」の2つが用意されている。その場復活設定時に自機が破壊された場合は、オプションが前方に飛び散り、復活時に再取得が可能である。なお、戻り復活にした場合のチェックポイント(復活ポイント)の間隔はステージ構成同様若干長め。
[編集] ステージ構成
本作はモアイ等従来定番だったステージも登場しないものが多く、全体的に人工的なステージが多めになっている。ステージギミックはオプション操作を活かしたVならではの物も多い。また1面あたりの長さがやや長めになっているのも特徴で、1周約1時間強、従来アーケードシリーズでは最長とされた「グラディウスIII -伝説から神話へ-」に匹敵する。ボスはグラディウス独自のボスである「コア」を持つものが極めて多い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
面 | ステージ | 解説 | ボス |
---|---|---|---|
1 | 惑星グラディウス衛星軌道上空 | 宙域を占める無数のゼロスフォースが印象的。敵の数は多いものの攻撃は緩いため処理は簡単。ボス戦でも敵弾や砲台の処理を丁寧に行うと楽。ちなみに1周目と2周目以降では形が若干異なり、前者ではC字になっており「視力検査コア」とも呼ばれ、後者では円形の形になっている。 | ビッグコアMk-I Rev.2 |
2 | 惑星グラディウス都市上空 | 艦内を進む前半とボスラッシュの後半による2部構成。前半ではやや狭い地形でのオプション操作がカギ。中盤では、もう1機の自機をオプションでサポートできる箇所がある。1度目のボスラッシュは沙羅曼蛇、グラディウスIIからおなじみのボスが再び登場する。 | デス Mk-III、テトラン、ビッグコア Mk-II、ビッグコア Mk-IV |
3 | 惑星グラディウス都市地下階層 | 2面よりも狭くやや入り組んだ地形のステージ。普段はあまり意識しない後方・上方への攻撃手段がないと縦スクロールのエリアで苦労することも。ボスも縦穴での戦闘で、地形のブロックを意識して戦う必要がある。オプション操作のタイプによっては、倒しきれずボスが逃亡してしまうことが多い。 | グランドスパイダー |
4 | バクテリアン細胞中枢 | おなじみ細胞ステージ。従来シリーズの「火山」のように弾を吹きだすハッチなど、過去の作品を連想させるギミックも含まれている。前半・中盤では動きを邪魔される間に敵にやられることがあるので、敵の処理をきちんとする必要がある。後半の復活細胞は恒例。ボスは4つの穴からの攻撃を見切るのが勝利の近道。 | ヒュージハート |
5 | アステロイド前線基地 | 飛来する隕石を破壊しながら進む面。前半の動く地形エリアなど地形と絡んで悩まされるが、V屈指の圧倒的弾幕で攻撃してくるボス戦では逆に隕石を盾にして戦うことに。 | ブラスターキャノンコア |
6 | バクテリアン増殖工場 | 地形によってかさが増えたり溢れたり、雪崩れ込んだりする緑色のゼリー体に追われる前半では、ゼリーの処理と安全な場所の確保を先手を打って行うことが肝要。後半は2度目のボスラッシュ。 | ローリングコア、サークルコア、ビッグコア Mk-III、カバードコア Mk-II |
7 | バクテリアン要塞中枢 | 外伝の最終面と同じく、前半が高速面、後半が要塞面という構成。空中戦は処理落ちを起こすほど膨大な敵が出現する。前半の高速面は、敵配置が多めだが、IVのような危険なギミックはほとんどないため、パターンを覚えればそれほど問題ではない。SFC版「III」にも登場した強敵ビーコンとの戦闘を挟み、入り組んだ地形とギミックが待つ要塞面へ。ボスのエレファントギアはいわゆる「クラブ」の系列だが、12個のコアを破壊すると倒すことができる。 | ビーコン、キーパーズコア、エレファントギア |
8 | 惑星グラディウス都市上空 | 最終面は2面前半パートの別ルート。2面に比べると若干複雑な配置。途中で出くわす下方の自機は2面時のプレイヤーの動きを再現しているため、このときのサポートが活きてくる。ラストボスの残り1つのコアを破壊したのち、脱出。操作不能になるまでは地形に当たるとミスになるので注意。 | ベノム |
[編集] 特典
本作には、初回生産版特典に『ビックバイパー開発史』、早期購入特典に『プレミアムDVD -OPTIONS(オプションズ)-』が用意されていた。
[編集] 関連リンク
- 公式サイト:グラディウスV公式サイト
- 発売元:コナミ
- 開発元:株式会社トレジャー
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本編 | グラディウス - グラディウスII - グラディウスIII - グラディウス外伝 - グラディウスIV - グラディウスV |
沙羅曼蛇 | 沙羅曼蛇 - ライフフォース - 沙羅曼蛇2 - 沙羅曼蛇 ポータブル |
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