グロービートジャパン・平和神軍観察会事件
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グロービートジャパン・平和神軍観察会事件(グロービートジャパン・へいわしんぐんかんさつかいじけん)は、ラーメン花月など多くの豚骨ラーメン屋を日本でチェーン展開しているグロービートジャパンが、同社を日本平和神軍のフロント企業だとしてネット告発しているウェブサイトの平和神軍観察会を運営する個人を名誉毀損で訴えた事件である。
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[編集] 概要
裁判でグロービートジャパンと右翼カルト新興宗教の一体性が問われており、マスコミではない個人がウェブサイトで表現をするにあたってどの程度の根拠があれば記述しても良いかが問題となっており裁判の主要な争点となっている。個人でも表現に責任が伴うのは当然だが、裁判で証拠として採用されるには調査会社やマスコミと同程度の事前調査が求められ、インターネットで個人が公開する批判的文章は、ほとんど全てが名誉毀損となりうるからである。名誉毀損の裁判は、通常の推定無罪原則とは逆で、表現者側が無実を証明しないと敗訴や有罪になってしまう。この逆転構造を利用し、企業が批判を潰すために高額な賠償金を請求する裁判を起こす例が名誉毀損訴訟の賠償額の高額化とともに増加している。このように、表現者に対して言論弾圧となる効果を狙って高額な請求をする訴訟はSLAPPと呼ばれ、同様の事例に武富士名誉毀損裁判やオリコン・烏賀陽裁判などがある。
[編集] 争点
平和神軍観察会は、グロービートジャパン株式会社・日本平和神軍・株式会社イオンド大学日本校の3団体は密接に関係しており全て中杉弘(本名黒須英治)の影響下にある、と主張している。グロービートジャパンは、それぞれ全く別個の活動をしている団体で、少なくともグロービートジャパンは、平和神軍やイオンド大学とは関係しておらず、それらの活動の内容も知らないと主張している。
[編集] 資金提供
グロービートジャパンは従業員でもなく役員でもない中杉弘(本名黒須英治)に対して、給与の名目で年に数千万円もの資金を継続して提供し続けている。刑事裁判の証人尋問での代表取締役社長である北条晋一(本名黒須伸一)の証言によって、中杉は全く仕事をしていないことが判明しており、この資金提供は脱税ではないかとの指摘もある。[1]
[編集] グロービートジャパンが中杉弘(黒須英治)に提供した金額
[編集] 利益供与
グロービートジャパンが所有する保養施設の花月荘を、株式会社イオンド大学日本校に無償で貸与している。表面上の貸与先はイオンド大学のオーナーである中杉弘(本名黒須英治)だが、電話番号が株式会社イオンド大学日本校と同一であるなど、実質的にイオンド大学日本校に貸与している。また、花月荘の運営で得られる収入は、すべてイオンド大学日本校の収入となる。
[編集] グロービートジャパンの体質的問題
背景には、グロービートジャパンの体質的な問題があることを避けては通れない。グロービートジャパンは、自社に都合の悪い記述は許さないと言う姿勢を一貫して取っており、それはグーグル八分の申請をはじめはてなダイアリーキーワードやWikipediaの書き換えにも現れている。Wikipediaでは当事者による編集は望ましくないとされているが、グロービートジャパンの取締役である大橋正純(特別:contributions/yamayan、特別:contributions/m-ohasi)が自社に有利なように執拗な書き換えを行っている。
[編集] 民事裁判
2003年2月10日にグロービートジャパンは、平和神軍観察会の管理人である個人に対し、名誉毀損と営業妨害を理由に3,150万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に提起する。中杉弘(本名黒須英治)が運営する日本平和神軍やイオンド大学との一体性があるかのような記述をされたためである。
判決では、東京高等裁判所での控訴審と最高裁判所での上告審において「代表取締役黒須伸一その他取締役と日本平和神軍を主宰する黒須英治とが親子という身分関係にあるだけではなく、被控訴人(グロービートジャパン)の方から黒須英治に対して積極的に提携を求めたとまではいえないが、黒須英治は被控訴人のオーナーを自称するなどしており、被控訴人と黒須英治とは一定の関係があると評価することは誤りではない」と、両者について一定の関係性が認定されたものの、「日本平和神軍との関係が個別の法主体性を否定されるほど一体又は極めて密接なものであるとまでいうことはできない」として、平和神軍観察会の管理人に77万円の賠償を命じる判決が確定している。
[編集] 刑事裁判
グロービートジャパンからの告訴を受け、2004年12月28日に平和神軍観察会の管理人が東京地方検察庁から起訴される。2005年6月27日午後1時30分から東京地方裁判所第425号法廷にて初公判が開かれ、2006年11月時点で刑事裁判は続行中である。山口貴士らと共に弁護人の一人である紀藤正樹によると、日本で初めてウェブサイト上の表現が名誉毀損罪で起訴された刑事裁判とのことである。 この刑事裁判では、代表取締役の北条晋一(本名黒須伸一)と鶴見嘉弘(本名靏見嘉弘)が証人として尋問されている。だが、このように時代の最先端を行く重要な裁判であるにも関わらず、東京地方検察庁の検察官である中村憲一が開廷中に居眠りするなど不真面目な態度を取り、閉廷後に問題となっており[2]、2007年5月25日午後3時30分から午後4時30分まで東京地方裁判所第428号法廷で開かれる予定の次回公判でも検察官らは居眠りするか傍聴人の間で注目されている。
また、2005年11月25日、第4回公判の直前に、被告人である平和神軍観察会の管理人や弁護士・傍聴人らを脅迫して日本平和神軍と中杉弘を宣伝するシール状のビラが法廷への入口手前の床に貼られ、裁判が妨害され証人尋問が中止されている。この事件は毎日新聞(毎日新聞社)や週刊現代(講談社)などでも報道され[3][4]、グロービートジャパンと日本平和神軍の関係が有名になる。
[編集] 参考文献
- 田中康男「有名ラーメンチェーンと“カルト右翼”の奇妙な関係」『TITLE』2000年12月号 文藝春秋 2000年
- 藤田庄市「シリーズ 現代のカルト…第五回 宗教法人売買」『新潮45』2002年6月号 新潮社 2002年
- Beyond「ラーメン花月・平和神軍名誉毀損事件」『ハッカージャパン』2005年9月号 白夜書房 2005年
- 「有名ラーメン店とあやしい新興宗教団体の関係が裁判で明らかに!」『BUBKA』2006年1月号 コアマガジン 2006年
- 井上恵一朗「新鮮 法廷ブログ - 意識して証言」『朝日新聞』43247号15面 朝日新聞社 2006年9月2日夕刊
- 吉本敏洋(Beyond)「第2章 グロービートジャパンに関するグーグル八分」『グーグル八分とは何か』九天社 2006年12月21日 ISBN 4861671469
- 「グロービートジャパン・平和神軍事件」として、詳しく解説されている。