コールドプレイ
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コールドプレイ(Coldplay) | |
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出身地 | ![]() |
活動期間 | 1997年 - 現在 |
ジャンル | オルタナティブ・ロック ブリットポップ |
レーベル | EMI(ラテンアメリカ/アジア) パーロフォン(ヨーロッパ/カナダ) キャピトル・レコード(アメリカ合衆国/オーストラリア) |
メンバー | クリス・マーティン ジョニー・バックランド ガイ・ベリーマン ウィル・チャンピオン |
コールドプレイ(Coldplay)はイギリスのロックバンド。1998年にロンドンで結成されると、デビュー・アルバム『パラシューツ』のヒットとシングル『Yellow』の大ヒットにより世界的な成功を得た。クリス・マーティン(ボーカル・ギター・ピアノ)、ジョニー・バックランド(ギター)、ガイ・ベリーマン(ベース)、ウィル・チャンピオン(ドラム)から構成される。
繊細で美しい楽曲はイギリスだけではなくアメリカでも人気を博し、1stアルバム『パラシューツ』は全世界で600万枚、2ndアルバム『A Rush of Blood to the Head(静寂の世界)』は全世界で1000万枚以上のセールスを記録した。また2003年にシングル『Clocks』でグラミー賞「最優秀レコード賞」を受賞している。3rdアルバムとなる『X&Y』も全世界で840万枚のセールスを記録し、2005年に最も売れたアルバムとなった。
コールドプレイの楽曲はさまざまなアーティストの影響を受けている。初期の楽曲は特にジェフ・バックリィやレディオヘッドと比較されることが多く、U2にも影響を受けているとされる。『パラシューツ』以降は他方面からの影響を得たとされ、『静寂の世界』ではエコー&ザ・バニーメンやジョージ・ハリスン、『X&Y』ではジョニー・キャッシュやクラフトワークにも影響を受けているとされる。
コールドプレイはフェアトレードなどの社会的・政治的運動を活発に支持している。さらにバンド・エイドなどの慈善コンサートにおいても公演を行っている。
目次 |
[編集] メンバー
- イングランド南西部のデヴォン州に生まれる。音楽活動以外にも、発展途上国から先進国に対する輸出を中心とした公正な商品の取引を推進しようとするフェアトレードに参加している。また、グラミー賞の授賞式ではジョージ・ウォーカー・ブッシュとイラク戦争を批判し、民主党の大統領候補だったジョン・ケリーを支持した。私生活においては、アメリカの女優グウィネス・パルトローと2003年12月に結婚し、一男一女を儲けている。21歳まで童貞であった。
- ジョニー・バックランド (Jonny Buckland、1977年9月11日 - ) / ギター
- ロンドン生まれ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのファンだった兄の影響で音楽を始める。ボーカルのクリスをして「ジョニー・バックランドなくしてコールドプレイの音楽は存在しない」と言わしめる存在。ジミ・ヘンドリックスらに影響を受けているとされている。ちなみに、映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』にはクリスとともにカメオ出演をしている。
- スコットランド生まれ。16歳のときからベースを始める。大学に入ると初めは工学を専攻したが建築学に専攻を変更した。しかしそれにドロップアウトしコールドプレイの活動に集中した。ジェームス・ブラウンやビートルズ、ピンク・フロイドに影響を受けているとされている。
- ウィル・チャンピオン (Will Champion、1978年7月31日 - ) / ドラム
- イングランド南部のハンプシャー州生まれ。若いころはトム・ウェイツに影響を受け、ギター・ピアノ・ベースといった楽器に触れていたが、ドラムにはコールドプレイに加入するまで経験していなかった。コールドプレイ加入前は「Fat Hamster(ファット・ハムスター)」というバンドで活躍していた。クリス曰く「人間ジュークボックス」。
[編集] 歴史
[編集] デビューまで(1996–1999)
1996年9月、後のコールドプレイはロンドン大学学生寮のRamsay Hallで出会う。クリスとジョニーは学年最初の週に知り合い、その後一年間彼らはバンド結成の計画を練った(ある時期にはイン・シンクに影響を受けたPectoralzと呼ばれるボーイズバンドを考案していた)。結局、バンドの方向性が決まらぬうちに、ガイが仲間に加わった。1997年までコールドプレイはロンドンの小さなクラブで演奏をしていた。この頃は「Starfish(スターフィッシュ)」というバンド名で活動をしていた。
1998年にはウィルがバンドに加わり、メンバーが揃った。ウィルはバンドに加わるとギターからドラムに転向した。この時ウィルはドラムの経験がなかった。そしてこの頃に、同じロンドン大学の学生だったキーンのティム・ライス=オクスリーから、「コールドプレイ」というバンド名をもらい、自らのバンドの名前にした。ちなみに「コールドプレイ」とは、Philip Horkyの詩のタイトルにちなんでいる。また、オクスリーはコールドプレイのメンバーからキーボードとして参加するように頼まれたが、すでにキーンのメンバーとして活動していたので断った。
そしてコールドプレイは1998年5月にEP『Safety』をリリースする。このEPは500枚ほど生産されたが、その多くがメンバーの友人等の手に渡ったため、実際に販売されたのは50枚ほどとなった。さらに12月にはインディーズ・レーベルのFierce Pandaと契約し、翌1999年4月にEP『Brothers&Sisters』をリリースした。このEPはまず2500枚ほどが生産された。この頃になるとコールドプレイの曲はラジオなどで流れ始め、次第に支持を広げていった。
そして1999年春にEMIの傘下パーロフォンと契約した。契約後、コールドプレイは新しいEPの製作に取り掛かるが、その途中クリスとウィルがバンドの方針をめぐって喧嘩をしてしまう。その後和解するが、メンバー個人の尊重・ドラッグをしないというバンドとしてのルールが決められた。そして4月にEP『The Blue Room』をリリースした。
[編集] パラシューツ(1999-2001)
コールドプレイは1999年からデビューアルバムの製作に取り組んでいたが、発売に先立って2000年3月にシングル『Shiver』をリリースした。これが全英チャートトップ40に入り、このシングルで初めてMTVに登場した。続けて6月にリリースした『Yellow』は全英チャート4位に入り、注目を浴びる。さらに1stアルバム『Parachutes』をリリースし、ついに全英チャート1位を獲得する。パーロフォン側は4万枚程度のセールスを予想していたが、実際は2000年末までにイギリスだけで160万枚のセールスを記録した。そしてこのアルバムはマーキュリー賞などイギリスの数々の音楽賞を総なめにする。『Parachutes』は『The Bends』から『OK Computer』の頃のレディオヘッドに強い影響を受けていると言われる。
コールドプレイは2000年8月にサマーソニック出演のために初来日している。アメリカでは、『Yellow』や『Trouble』がラジオで流れ人気を博す。『Parachutes』は11月にアメリカでも発売し、プロモーションのため全米ツアーを敢行する。このツアーはアメリカのクラブを回るものだったが、「サタデー・ナイト・ライブ」や「Late Night with Conan O'Brien」、「The Late Show with David Letterman」といったテレビ番組にも出演した。『Parachutes』はビルボード誌において最高51位まで上がり、イギリスだけでなくアメリカでもヒットする。2002年には、グラミー賞の「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を受賞した。
[編集] 静寂の世界(2001-2004)
コールドプレイは2ndアルバムの製作を2001年から進め、2002年8月に『A Rush of Blood to the Head(静寂の世界)』が日本で先行リリースされ、続いてイギリス・アメリカでもリリースされた。このアルバムにはアメリカ同時多発テロ事件の直後に作られた『Politik』や、シングルとしてリリースされて人気を博した『In My Place』、『The Scientist』、『Clocks』といった曲も含まれている。『静寂の世界』は、イギリスなど世界11ヶ国で1位を獲得し、ビルボード誌でも前作『Parachutes』を上回る5位となった。
2002年6月から2003年9月にかけて、コールドプレイは5大陸を周る世界ツアーを行う。この世界ツアーでは自らの曲だけでなく、アクアの『Barbie Girl』などのカバーも演じた。2003年7月26日には再来日しフジ・ロック・フェスティバルに出演した。この5大陸ツアーの間に、オーストラリアのシドニーで『Live 2003』の映像と音源を収録した。
『静寂の世界』は2003年のグラミー賞の「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を再び受賞し、その中の一曲『In My Place』では同賞「最優秀デュオ/グループ・ロック・パフォーマンス」を受賞した。さらに2004年には、同じく『静寂の世界』の一曲『Clocks』で同賞「最優秀レコード賞」を受賞した。
[編集] X&Y(2004-2006)
コールドプレイは2004年から新しいアルバムの製作に取り掛かったが、思ったような曲ができなかった(メンバー自身が後に振り返っている)。そこで気分転換のため、メンバーが一緒に過ごす時間を増やしたという。「Nappies」と称し、クリスの娘誕生を祝ったビデオを作って公式サイトにアップしたこともある。
気分も一新した彼らは製作に戻り、2005年6月に3rdアルバム『X&Y』を出した。このアルバムの他のアーティストからの影響については、ガイが「デヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、ピンク・フロイドからデペッシュ・モード、ケイト・ブッシュ、クラフトワークまでさまざまなアーティストの曲を聞いた」と後に語っている。『X&Y』は前作と同様に日本で先行リリースされた。このアルバムは発売が遅れたので、所属するEMIの株価が大幅に下がってしまった。『X&Y』は28ヶ国で初登場1位を獲得し、イギリスのチャート史において最も早く売れたアルバム第2位となる(ちなみに第1位はオアシスが1997年に出したアルバム『Be Here Now』)。
2005年6月から2006年7月にかけて、コールドプレイは「Twisted Logic Tour」という世界ツアーを行った。そして初の単独来日公演がこのツアーの中で2006年7月に行われた。7月18日・19日の日本武道館ライブでこのツアーが終了した。
2006年2月にコールドプレイは『X&Y』でブリット賞「ベスト・アルバム賞」、『Speed Of Sound』で同賞「ベスト・シングル賞」を受賞した。その授賞式でクリスが「これから何年もの間僕たちを見ることはないでしょう」と発言し、解散説が流れたが、本人たちは否定している。
[編集] 次回作のアルバム(2007- )
2007年1月に次回作のアルバムは今までのケン・ネルソンに替わってブライアン・イーノがプロデュースすることが明らかになった。そして2月から3月に南米ツアーを行った。4thアルバムは順調に進めば2007年暮れに発売される予定。
[編集] アルバム
- パラシューツ(Parachutes) / 2000年
- 1.Don't Panic
- 2.Shiver
- 3.Spies
- 4.Sparks
- 5.Trouble
- 6.Yellow
- 7.Parachutes
- 8.High Speed
- 9.We Never Change
- 10.Everything's Not Lost〜Life Is For Living
- 11.Careful Where You Stand
- 12.For You
- 静寂の世界(A Rush of Blood to the Head) / 2003年
- 1.Politik
- 2.In My Place
- 3.God Put A Smile Upon Your Face
- 4.The Scientist
- 5.Clocks (フジテレビ系「F1グランプリ 2004」エンディング・テーマにも起用される)
- 6.Daylight
- 7.Green Eyes
- 8.Warning Sign
- 9.A Whisper
- 10.A Rush Of Blood To The Head
- 11.Amsterdam
- X&Y / 2005年6月1日日本先行発売(イギリスでは同月6日発売)
- 1.Square One
- 2.What If
- 3.White Shadows
- 4.Fix You (2005年9月14日シングルカット)
- 5.Talk (2006年1月25日シングルカット)
- 6.X & Y
- 7.Speed Of Sound (2005年5月11日アルバム発売に先駆けてシングルカット)
- 8.A Message
- 9.Low
- 10.The Hardest Part (2006年5月24日シングルカット)
- 11.Swallowed In The Sea
- 12.Twisted Logic
- 13.Till Kingdom Come (日本盤のみに収録されたボーナストラック)
[編集] 外部リンク
コールドプレイ |
クリス・マーティン | ジョニー・バックランド | ガイ・ベリーマン | ウィル・チャンピオン |
ケン・ネルソン |
ディスコグラフィ |
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スタジオアルバム: パラシューツ | 静寂の世界 | X&Y |
ライヴアルバム、EP: Safety EP | Brothers & Sisters EP | The Blue Room EP | Trouble Live EP | Live 2003 |
コンピレーション・アルバム: Castles | The Singles 1999-2006 |
シングルCD: "Ode to Deodorant" | "Brothers & Sisters" | "Shiver" | "Yellow" | "Trouble" | "Don't Panic" | "In My Place" | "The Scientist" | "Clocks" | "God Put a Smile upon Your Face" | "Speed of Sound" | "Fix You" | "Talk" | "The Hardest Part | "What If" |
ツアー |
A Rush of Blood to the Head Tour | Twisted Logic Tour |