レディオヘッド
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レディオヘッド Radiohead | |
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![]() 左から エド / コリン / トム / フィル / ジョニー |
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出身地 | ![]() |
活動期間 | 1985年~現在 |
ジャンル | ロック |
レーベル | EMI Parlophone Capitol Records (現在は契約していない) |
メンバー | トム・ヨーク ジョニー・グリーンウッド エド・オブライエン コリン・グリーンウッド フィル・セルウェイ |
レディオヘッド Radiohead は、イギリスのロックバンド。
1985年にオックスフォードで結成。1992年にメジャーデビュー。現在までに6枚のアルバムを発表。同時代の音楽界において、最も創造的な音楽グループとして賞賛されてきた。ロック・電子音楽・ジャズ・現代音楽などのジャンルを横断した音楽性や、アルバムごとの急進的な変化について評価が高い。1997年に発表したアルバム『OK Computer』は、1990年代のポップ・ミュージックにおける金字塔としばしば評される。イギリス本国をはじめ、アメリカや日本にも多くのファンを抱える。
- 「Radio Head」や「レディオ・ヘッド」という表記は誤りである。
- 「Radiohead」の英語圏での本来の発音は「レイディオヘッド」である。
- 日本人のファンの間では「レディヘ」と略されることがある。
目次 |
[編集] メンバー
- ジョニー・グリーンウッド (Jonny Greenwood, 1971年11月5日 - )
[編集] 備考
- コリンとジョニーは実の兄弟である。
- 結成以来、メンバーはまったく変わっていない。
- ウェリングボロー生まれのトムを除いて、すべてオックスフォード生まれである。
- プロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチと、アートワークのスタンリー・ドンウッドはバンドの活動に欠かせない存在であり、しばしば第六・第七のメンバーと称される。
[編集] 来歴
オックスフォード郊外にある全寮制の男子校アビンドン・スクールで当時中高生であったメンバー5人は出会う。それぞれ別のバンドで活動したのち、1985年に「On A Friday」(命名はコリン・グリーンウッド)というバンドを結成。
1991年にEMI傘下のパーロフォンとメジャー契約し、バンド名をレディオヘッドに変更する。1992年にEP『Drill』でメジャーデビュー。翌年、1stアルバム『Pablo Honey』(1993年)からのシングル『Creep』が若者から熱烈な支持を受け、世界的なヒットとなる。この当時はトリプルギターにベース、ドラムという比較的オーソドックスなロックバンドであった。
ギターロックをより押し進めた2ndアルバム『The Bends』(1995年)により、人気を不動のものとする。この頃から次第にロック以外の音楽と接近していき、メンバー各自が様々な楽器を使い分けるようになった。この作品からプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチと組むようになる。
そしてその頃イギリスで流行していたトリップ・ホップなどからの影響もうかがわせるような曲を作りはじめ、1997年にはそれらの実験的な試みの結晶ともいえる3rdアルバム『OK Computer』(1997年)を発表した。このアルバムは全世界で大きな評価を獲得し、高いセールスを記録。2005年にはチャンネル4が行なった「偉大なアルバム・トップ100」投票でトップに選ばれた。ちなみに同年のデジタル・ラジオ局、BBC 6 Musicのリスナーが選んだ「過大評価されすぎのアルバム・トップ10」の6位にも選ばれている。
長い制作期間を経て発表された4thアルバム『Kid A』(2000年)では、実験的な電子音楽とバンド・サウンドを融合させ、前作『OK Computer』からの劇的な変化を遂げた。この急進的な変貌ぶりに多くのファンは戸惑いを覚え、賛否両論を巻き起こした。
翌年には『Kid A』と同時期に制作された5thアルバム『Amnesiac』(2001年)を発表。1920年代のスウィング・ジャズを取り入れるなど、ジャンルに捕われない音楽性をより明確にした。 また同年に初の公式ライブアルバム『I Might Be Wrong : Live Recordings』を発表した。
6thアルバム『Hail to the Thief』(2003年)では、これまでの実験性を包括したうえで改めてバンドサウンドに立ち返った。またこのアルバムを最後にEMIとの契約を終了。同年、ジョニーが初のソロ作品としてテレビ・ドキュメンタリー『Bodysong』のサウンドトラックを発表。
2006年にはトム・ヨークが初のソロ・アルバム『The Eraser』を発表した。2005年から新作に向けた活動が再開されているが、リリースは2007年以降となる予定。
[編集] 特記事項
- バンド名はトーキング・ヘッズの曲「Radio Head」に由来する。アルバム『True Stories』に含まれるレゲエ調の曲。
- 1991年にメジャー契約するまでは「On A Friday」というバンド名だった。バンドが毎週金曜日に練習していたことに由来する。
- トム・ヨークの弟アンディ・ヨークもミュージシャン。Unbelievable Truthというバンドで活動していた。
- これまでに800回以上のライブをこなしてきたが、同じセットリストを繰り返すことは滅多に無い。
- 満を持して登場したサマーソニック2003ではヘッドライナーを務めた。東京公演ではラストに近年ではほとんど演奏しなくなった『Creep』を演奏し、ファンの間では伝説となっている。
- トム・ヨークは村上春樹がとても好きで、彼の作品『ねじまき鳥クロニクル』などについてインタビューで熱弁している。村上もレディオヘッドを愛好しており、小説『海辺のカフカ』の中でアルバム『Kid A』を登場させている。この際「レイディオヘッド」と表記しているが、これは日本での表記を知らずに、英語発音をそのまま書いたためである。
- コリンを除いた4人はベジタリアンである。
- バンドのメンバーそれぞれがかなりの音楽通で、有名になる前のSigur RosやSparklehorse等を前座に率いたことがあるほど。ちなみに、これがきっかけとなりSigur Rosは世界的に名が知られることとなった。また、メンバーのコリンはSparklehorseのライブにDJとして参加していたことがある。他にも、トムがJeff Buckleyのライヴにインスパイアされた後に名曲「Fake Plastic Trees」を完成させた逸話がある。
- 2001年にアメリカのアニメ『サウスパーク』のエピソード『Scott Tenorman Must Die』に、メンバー全員が本人役で出演した。レディオヘッド・ファンの少年に実際に会いに行くという役回りであった。
- トムをはじめ、メンバーはMacユーザーである。
[編集] メンバーが好きなミュージシャンなど
この項目についてはノート:レディオヘッドで議論されています。
- 全メンバー
- トム・ヨーク
- Scott Walker / Elvis Costello / Magazine / The Beatles / Queen / JAPAN / Blur / Public Enemy / Aphex Twin / Autechre / Jeff Buckley /ノーム・チョムスキー / 村上春樹 / ジョージ・オーウェル / クシシュトフ・ペンデレツキ
- ジョニー・グリーンウッド
- Sonic Youth / Miles Davis / Charles Mingus / Art Blakey / オリヴィエ・メシアン / ペンデレツキ / NEU! / CAN
- エド・オブライエン
- Marvin Gaye / The Clash / U2 / Asian Dub Foundation / Stievie Wonder / The Jam
- コリン・グリーンウッド
- American Music Club / Burl Ives / Stax Soul / White Stripes
- フィル・セルウェイ
- Nick Drake / The Beat / Paul Weller / John Lennon
- 参考資料
[編集] アートワーク
- グラフィック・アーティストのスタンリー・ドンウッド (Stanley Donwood) は、『The Bends』以降、レディオヘッドの全作品のアートワークを手がけている。
- 彼はトム・ヨークの大学時代からの友人であり、トムの社会活動にも一緒に参加している。
- Slowly Downward 公式サイト
- トム・ヨークもDr.Tchock名義でアートワークに参加している。
[編集] 社会問題に関する活動
レディオヘッドのメンバーは社会問題に関心が強く、これまでに多くのキャンペーンに関わってきた。
- チャリティー・アルバム『HELP』(1996年)
- ユーゴスラビア内戦によるボスニア戦災孤児を救済するため、ブライアン・イーノが呼びかけたチャリティー・キャンペーン。イギリスの数多くのミュージシャンが参加し、レディオヘッドも楽曲『Lucky』を提供した。
- http://www.warchildmusic.com/
- チベタン・フリーダム・コンサート (1997年 - 1998年)
- チベットの独立問題・人権問題を訴えるため、ビースティー・ボーイズのアダム・ヤウクが呼びかけたキャンペーン。トムとジョニーが第2回と第3回に参加している。
- http://www5f.biglobe.ne.jp/~letsrock/TFC.html
- ジュビリー2000 (2000年)
- 途上国の債務帳消しを訴えた国際的なキャンペーン。U2のボノや坂本龍一らとともに、トム・ヨークも賛同した。
- http://www5f.biglobe.ne.jp/~letsrock/Jubilee.html
- Band Aid 20『Do They Know It's Christmas?』(2004年)
- MAKE POVERTY HISTORY (2005年)
- Friend of the Earth "THE BIG ASK" (2005年)
- イギリス政府の地球温暖化に関する政策の変更を訴えるキャンペーン。
- http://www.foe.co.uk/ http://www.foejapan.org/
- チャリティー・アルバム『HELP: A Day In The Life』(2005年)
- 上記『HELP』からの10周年を記念したキャンペーン。レディオヘッドは新曲『I Want None Of This』を提供した。
- http://www.warchildmusic.com/
- イギリスの自殺予防団体「サマリタンズ」
- フィル・セルウェイが学生時代から支援しており、チャリティー・オークションやチャリティー・マラソンなどに参加している。
- http://www.samaritans.org.uk/
[編集] 日本でのライブ・ツアー
- 1994年6月 クラブチッタ川崎など
- 1995年6月 渋谷公会堂など
- 1998年1月 赤坂ブリッツなど
- 2001年9月 日本武道館など
- 2002年9月 日本武道館など
- 2003年8月 サマーソニック2003 千葉マリンスタジアム
- 2004年4月 Japan Tour 2004 幕張メッセなど
[編集] 日本との関係
- トムとジョニーは一時期日本語を学んでいた。車の中で日本語学習のテープを流していたという。来日中のジョニーは片言の日本語をよく話すらしく、トムは日本のライブで「ドウモ」と挨拶することでも有名。ちなみに発音がうまい。
- トムは来日すると渋谷や原宿へショッピングに出かけ、多くの洋服を買うとのこと。
- 日本の音楽雑誌「SNOOZER」や「rockin'on」に頻繁にインタビューが掲載される。特に「SNOOZER」誌には、活動休止中の2000年に独占的な取材を許可しており、トム・ヨークは編集長の田中宗一郎氏を信頼している模様である。
- 音楽誌「BUZZ」2001年11月号では、来日中のジョニーが世界的なオンド・マルトノ奏者である原田節氏と対談している。
[編集] ディスコグラフィー
詳細は英語版Wikipediaのディスコグラフィーを参照
[編集] アルバム
- パブロ・ハニー / Pablo Honey(1993年)
- ザ・ベンズ / The Bends(1995年)
- OKコンピューター / OK Computer(1997年)
- キッドA / Kid A(2000年)
- アムニージアック / Amnesiac(2001年)
- ヘイル・トゥ・ザ・シーフ / Hail To The Thief(2003年)
[編集] EP
- Itch (1994年)
- No Surprises - Running From Demons (1997年)
- I Might Be Wrong - Live Recordings (2001年)
- Com Lag : 2+2=5 (2004年)
[編集] 映像作品
- Live at the Astoria (1995年, VHS)
- 7 Television Commercials (1998年, VHS/DVD)
- Meeting People Is Easy (1999年, VHS/DVD)
- The Most Gigantic Lying Mouth Of All Time (2004年, DVD)
- Live at the Astoria [Re-release] (2005年, DVD)
[編集] トリビュートアルバム
- Radiohead Tribute-Master’s Collection- (2006年)
- Black Star / つばき
- Just / I-lulu
- Fake Plastic Trees / THE LOCAL ART
- Let Down / sacra
- Everything In Its Right Place / LITE
- Karma Police / audio active
- IDIOTEQUE / 佐藤タイジ
- Creep / LUNKHEAD
- HIGH AND DRY / 音速ライン
- No Surprises / TRICERATOPS
- The National Anthem / SUGIURUMN
[編集] コラボレーション
[編集] トム・ヨーク
- Pink Floydの楽曲『Wish You Were Here』をカバーに参加。(1997年)
- Drugstore
- アルバム『White Magic for Lovers』の楽曲『El President』にボーカルで参加。(1998年)
- PJ Harvey
- アルバム『Stories From The City, Stories From The Sea』の楽曲『This Mess We're In』にボーカルで参加。(1998年)
- U.N.K.L.E.
- アルバム『Psyence Fiction』の楽曲『Rabbit in Your Headlights』にボーカルで参加。(1998年)
- 映画『ベルベット・ゴールドマイン』サウンド・トラック
- トムとジョニーが参加し、Venus in Fursというバンド名でRoxy Musicの楽曲をカバー。(1998年)
- アルバム『Selma Songs』の楽曲『I've Seen It All』にボーカルで参加。(2000年)
[編集] ジョニー・グリーンウッド
- Pavement
- アルバム『Terror Twilight』にハーモニカで参加。(1999年)
- Bryan Ferry
- アルバム『Frantic』の楽曲『Hiroshima...』にギターで参加。(2002年)
[編集] その他のメンバー
- Asian Dub Foundation
- エド・オブライエンがアルバム『Enemy Of The Enemy』の楽曲『1000 Mirrors』などにギターで参加。(2003年)
[編集] その他
[編集] レディオヘッドのライブで前座を務めたミュージシャン
[編集] レディオヘッドの曲をカバーしたミュージシャン
- Christopher O'riley / John Mayer / Pearl Jam / Jamie Cullum / MOBY / Brad Mehldau / Panic! At The Disco
[編集] 参考文献
- 『エグジット・ミュージック - レディオヘッド・ストーリー』 Mac Randall著 丸山京子訳 シンコー・ミュージック刊
- 『music life』1997年6月号 シンコー・ミュージック刊
- 『CROSSBEAT FILE Vol.2 レディオヘッド』シンコー・ミュージック刊
[編集] 関連項目
- レミオロメンの「レ」はレディオヘッドの頭文字からとられたものである。
[編集] 外部リンク
[編集] 公式サイト
- Radiohead.com / 公式サイト
- DEAD AIR SPACE / メンバーによるブログ
- w.a.s.t.e / グッズショップ
- a radiohead website / 東芝EMIによる日本語サイト
[編集] 国内のファンサイト
- Through tHe brOken Mirror / 詳細なバイオグラフィーや現地レポートが充実
- Radiohead + Colin Greenwood / 日本語による速報ニュースやイラスト日記が人気
- idiot computer / 掲示板でのファンの交流が盛ん
[編集] 海外のファンサイト
- At Ease / 世界最大のファンサイト。あらゆる情報が満載。
- Green Plastic / At Easeの次に有名なファンサイト
- RHDiscog.com - Radiohead Discography / 詳細なディスコグラフィー
- 楽曲の歌詞 / 楽曲の歌詞