建築学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
建築学(けんちくがく)とは、建築物の設計や歴史などについて研究する学問である。構造や材料などの工学的な側面と、デザインや建築史について研究する芸術的・文化的な側面を持つ。かつての建築家があらゆる課題を各自解決する必要があったように、建築学は総合的学問であったが、現代では分化が進んでおりそれぞれの分野に特化している。建築学科は、日本の大学に於いては工学部や理工学部の下に設置されるが、他国では建築学部や芸術学部に属すことが多い。
- 明治時代の当初、"Architecture"は「造家」と訳されていた。伊東忠太は、造家学では工学的意味合いが強いため、建築と改めることを提唱した。造家学会、造家学科は建築学会、建築学科などと改められたが、工学的傾向は変わらなかったようである。
- 参考:
- 現在日本においていう建築家とは、「作家性」のある意匠設計責任者(アトリエ事務所主宰者、または組織設計事務所・ゼネコン設計部門チーフ)をさすことが多い。建築士は国家資格である。
- 一級建築士試験は学科(建築計画、建築構造、建築施工、建築法規)と設計製図課題で行われる。
目次 |
[編集] 建築計画
合理的な配置、動線、規模、備品の数などについて研究する。(平面計画)
[編集] 建築構造
鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造、木構造などの構造、および構造力学について研究する。
[編集] 建築材料
倒壊、消耗、破損などを防ぐべく、建築に用いられる材質について研究する。 また、日本では古来より、木造建築物による火災被害が深刻視され 木造建築物が密集した地域が数多く存在していた事により、 火災が一度発生すると被害が拡大し、経済的に多大な損失を与えていた為、 戦後は主に不燃性、難燃性素材開発を目的とした研究が重要視されてきた。 近年に至り、不燃性、難燃性素材の開発がほぼ完成形を見せる一方、 現在では主に地震に対する耐震、免震素材への興味が高まりつつある。
[編集] 建築意匠
デザインについて研究する。またそれに関連して、図法(平面図・立面図・断面図やパース図等の書き方)や、CADの使い方も学ぶ対象となる。
[編集] 建築史
古代以来の各時代や社会と建築の関係、工法の発達などを研究する。
[編集] 参考書物
建築を学ぶにあたって、よいと思われる書物を挙げておく。
- 新建築 2005年で創刊80年をむかえる月刊誌。建築家の最新作15~25作品と、論文、対談などからなる。日本建築学会賞作品部門などの賞も、ほとんど新建築掲載作品が受賞している。新建築社。
- 現代建築の見かた 鈴木博之が、建築をキーワードで分類している。王国社。
- 建築意匠講義 香山壽夫の東京大学での講義録。建築史に基づいた正統的意匠論。東京大学出版会。
- 見えがくれする都市 日本の都市・建築に共通する「OKU」(ハーバードでもこれで講演した)についての、槇文彦の著書。欧米の「中心」との相違などが述べられている。鹿島出版会。
- 集落の教え100 原広司の集落論。世界中の集落について、「教え」が載っている。
[編集] その他
建築設備、文化財修復などの分野や、近年では環境工学の面からも研究が行われている。関連の深い分野に土木工学、都市計画、アーバンデザイン、オフィスデザインなどがある。
[編集] 関連項目
![]() 産業・技術 > 建築 - 建築物 - 建築用語 - 建築史 - 建築学 - 建築家 - 建築士 - 建築基準法 - 建築行為 - 建築確認 - 建設コンサルタント - 大工 - 設計 -施工 - 土木工学 - インフラストラクチャー - 都市 - 都市計画 - 景観 - 造園 - インテリア > 美術 |
カテゴリ: 建築教育 | 工学 | 建築関連のスタブ項目