シューター
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- 射撃競技者。
- 総合格闘技の修斗(シューティング)の競技選手。
- シューティングゲーム。当該項目を参照。(海外では、"shooter" と表記することが一般的)
- シューティングゲームを好んでプレイするゲーマーの名称。本項では、これについて記述する。
ビデオゲームでの用語として使われる『シューター』とは、シューティングゲーム、特に縦横方向強制スクロールのシューティングゲームをすることを好む人(ゲーマー、おたく)のこと。
この言葉の初出は明らかではないが、アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」の中で度々用いられたことがシューターという呼称の普及に大きく関わっていると言う説がある。
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[編集] シューターの特徴
シューティングゲームはコンピューターゲームの中でも歴史が長く、基本システムがほぼ完成されている一方で、完成されているが故にその難易度の高さや、慣習的攻略方法の多さ、とっつきの悪さからプレイする人を選ぶ傾向がある。このためシューターとなるには訓練(やりこみ)やセンス(反射神経)が必要となる。これは特にライトゲーマー(カジュアルゲーマー)の志向とは対極的で、中でもシューティングゲームを好む女性は少数とされる。
また、大部分のシューティングゲームは硬派志向で、萌えを持ちこむことは上級シューターの間では(プレイヤーの趣味に関わらず)嫌われる傾向にあった。2006年12月現在、硬派志向は根強いものの、一時期ほどではないと思われる。萌えとシューターを参照。
[編集] シューターの技・用語
- 連射 - 詳細は当該項目を参照。弾を多く発射するためにボタンを高速で連打する技術。ただし自動で連射が行える「連射装置」が広く用いられていることや1990年代後半からはソフト上で理想的な最高速連射が行われる仕組みが組み込まれたものが多くなったことにより、連射のノウハウは衰退しつつある。
- 切りかえし - 敵弾を画面片側に誘導しておいてから、敵弾同士の隙間の広い場所を見定めて逆サイドに突破する技。
- 安全地帯 - 自機を置いても敵の攻撃が当たらない場所のこと。通称「安地(あんち)」。
- 稼ぎ - ゲーム内における点数稼ぎのこと。「テンカセ」とも呼ばれる。2007年現在では、作品ごとに異なるユニークな得点増加の仕組みを熟知し、通常のプレイでは出せない高得点を目指す行為が根幹となっているものが多い。アイテムを連続で取る・連続で破壊なとで獲得点数が倍になっていくゲームもある。より効率的な稼ぎのために故意にミスをし同じ場面を繰り返す等の方法もある。
- 1面番長 - いちめんばんちょう。上記の「稼ぎ」行為に没頭するあまり、全ステージの攻略よりも1面や序盤の高得点だけに執着するプレイヤーをこう呼ぶ。ほとんどの場合が蔑称。
- パターン化 - 通常の「攻略パターン」のほか、点数を稼ぐ「稼ぎパターン」、やられて自機のパワーダウンしたときに使う「復活パターン」などがある。
- 永久パターン - ゲーム中のある場面で、そこから一切先に進むことなくプレイを続けることができるパターンのこと。これができるゲームは発覚した時点で一般にスコア集計の対象外となる。技術的に困難なものは「実力永久パターン(実力永パ)」と呼ばれる。1クレジットで長時間プレイができるため、ゲームセンターの営業上好ましい行為とされず、通例上禁止されている。
- 自爆 - ゲームによってはパワーアップなどの結果で上がりすぎた難易度(ランク)を一時的に下げるためにわざとやられることがある。やられて復活が難しい場合に諦めて使うこともある。
- 捨てゲー - ゲーム開始直後や序盤で重要な稼ぎに失敗した際、速やかにゲームを終了すること。もしくはゲーム内で様々な実験を行うこと。
- 発狂 - 敵の攻撃が厳しいこと。特にボスの攻撃の中でも特に厳しいもののことを「発狂パターン」などともいう。また弾幕の厳しいゲームを「発狂シューティング」と呼ぶこともあり、これをクリアできると「発狂シューター」と言われることもある。
- 脊髄反射 - シューターが敵弾を紙一重でよける様を表現した語。「悟り」「見切り」という語も使われる。
- コンコン避け - 敵の遠隔攻撃が自機の居た場所を正確に狙ってくるシューティングゲームでは文字通り「コン、コン」とレバーを小さく叩いて移動する事で難なく攻略できる状況、およびその動作のこと。(別称として、チョンチョン避け、ドット避けとも呼ばれる)
- アチョー - 気合。映画俳優ブルース・リーの代名詞でもある「アチョー!」という怪鳥音を発しながら困難な場面を乗り越える行為。もしくはそれを行うシューターのこと。ゲーム専門雑誌「ゲーメスト」等によって広まった用語らしいが正確なルーツは不明。
- ヌルシュー - 簡単な(難易度がヌルい)シューティングのこと。あまり上手でないシューターが自称して「ヌルシューター(ヘタれシューター)」ということもある。
- 解説君 - ゲーム中の人のプレイ内容やそのシーンの攻略方法について実況する人。シューターの多くの性格上、その場でのトラブルに発展する事は稀だが電子掲示板上では忌み嫌われている。
[編集] シューターの歴史
シューティングゲームの歴史も参照。
- 1978年 - スペースインベーダーのブーム。年端も行かない幼児や児童なのに異常にゲームが上手い「インベーダー小僧」が各地に現れる。
- 1983年 - ゼビウスのブーム。カウンターストップ(表示可能な最高得点に達する)を達成する者や、後のファミコン版で一億点を達成する者、また「名人」を名乗る者が現れる。コンピューター雑誌内での特集記事。
- 1984年 - スターフォース。攻略に「連射」が必要となる(高橋名人を参照)。
- 1985年 - グラディウス。1000万点プレイを達成するために、「復活パターン」の研究がされる。
- 1986年 - スターソルジャー。スターフォースの流れを汲む連射ゲームで、発売元株式会社ハドソンの広報社員「高橋名人」の16連射を頂点とする、玩具のシュウォッチやゲームソフトに組み込まれた連射測定機能と共に日本全国を巻き込む一大超連射STGブームを巻き起こす(キャラバン)。
- 1987年 - R-TYPE。緻密なパターン化や復活パターンが長期間にわたり研究された。
- 1986年 - 沙羅曼蛇。完全ノーミスを要求されるゲーム内容ながら、数周目で難易度上昇が打ち止めであることが発覚し、カウンターストップを達成する人も出る。
- 1988年 - グラディウスII、達人。この年前後がシューティングブームの一つの絶頂期。難易度高騰が発生しイメージファイトなど極端な高難度化・パターン化が進み、一般人離れが起こる。
- 1989年 - グラディウスIII - シューティングゲームの一つの転換期。難しすぎて一周クリアできるシューターも限られ、攻略にも一ヶ月以上を要した。
- 1994年 - シューターには評判の良い作品をコンスタントに発売してきた東亜プランが倒産。主力商品をシューティングゲームとしてきた老舗の倒産により「シューティングゲームは儲からない」という認識がゲーム業界に定着。
- 1995年 - 家庭用ゲーム機プレイステーションとセガサターンが登場。この頃のアーケードシューティングゲームの移植、特に2D画面上でスプライトを多用したシューティングゲームの移植においてはセガサターンの方が都合が良かった。トップシェアにあり多彩なゲームが遊べるプレイステーションよりも良質なシューティングゲームが自宅でも遊べるという点でセガサターンはシューターに歓迎される。
- 1997年 - 怒首領蜂(どどんぱち) 。弾幕系シューティングゲームというカテゴリーが生まれ2007年現在まで攻略方法はほぼ画一化している。
[編集] 萌えとシューター
コンピュータゲームのなかで極めて早期に登場したシューティングゲームは、多くのほかのコンピュータゲームのジャンルと比べ、特に硬派志向が強く、萌え(例えば、アニメ絵)を持ちこむことは上級シューターの間では(プレイヤーの趣味に関わらず)嫌われる傾向にあり、アダルトゲームとの結びつきも薄く、2007年に至っても市販のアダルトのシューティングゲームは数えるほどしか存在しない(『セーラー服戦士フェリス』、『スチームハーツ』、『とびでばいん』など)。
2007年3月現在では硬派志向の根強さはそれほどでもなくなり、萌えを取り入れた作品はそれなりに見られる。
同人ゲームでは萌え系やアダルト系のシューティングゲームが頻繁に見られる。
[編集] 萌え系シューティングとシューターの歴史
- 1988年 - フェリオス(ナムコ)。面クリアごとにヒロインのビジュアルデモが流れる。
- 1988年 - メルヘンメイズ(ナムコ)。不思議の国のアリスがモチーフ。
- 1989年 - プラスアルファ(ジャレコ)。
- 1989年 - ワルキューレの伝説(ナムコ)がゲーメスト大賞を受賞。突出したゲーム性が無くともキャラクター性でゲームが売れることを証明。
- 1991年 - 出たな!ツインビー(コナミ)。クリアごとにデモが流れる。ゲーム外でアイドルプロモーションを展開。
- 1991年 - ゼクセクス(コナミ)。デモに加えて有名声優を起用。当時のアーケードゲーム全体から見ても斬新な試みで、物議を醸した。
- 1991年 - コットン(セガ/サクセス)。デモの内容が漫才的で面白く、シリーズ化する。
- 1994年 - ガンバード(彩京)。自機(キャラクター)の中に生身の女性キャラがいる。
- 1995年 - ツインビーヤッホー(コナミ)。
- 1995年 - ゲーム天国(ジャレコ)。
- 1995年 - シルバーミレニアム(PARA)。自機が全て生身の女性キャラな韓国製の縦STG。
- 1996年 - ティンクルスタースプライツ(ADK)。
- 2001年 - 式神の城シリーズ(アルファ・システム)。
- 2004年 - 虫姫さま (ケイブ/エイエムアイ)。
- 2006年 - トリガーハート エグゼリカ(童)。主人公の服装があまりにもスクール水着や競泳水着に似ている。
- 2007年 - オトメディウス(コナミ) - グラディウスのパロディ。