ジム・コマンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジム・コマンド (GM COMMAND) は、オリジナルビデオアニメーション『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する、架空の兵器。地球連邦軍が開発した量産型モビルスーツである。本項では、ジム・コマンドのバリエーションについても記述する。
目次 |
[編集] 概要
短期間でモビルスーツを最前線へ配備するために、優秀と言われたガンダムの基本設計を無視する形で廉価版として生産されていたRGM-79ジム前期量産型(または先行量産型)に代わるものとして、基本設計により忠実な機種の数々が一年戦争終盤に開発され、後期量産型と呼ばれた。これら後期量産型のジムこそが本来の「量産型RX-78ガンダム」であり、そのスペックは数値の上ではガンダムと同等以上のものを持っている。その一種がジム・コマンドである。
前期量産型との大きな差異として、頭部・胸部に代表される外部装甲やランドセルの形状と、レーザー通信機の搭載による通信機能の向上が挙げられる。またビームサーベルの形状や取り付け位置、シールドの形状も変更されている。
ジム・コマンドという名称は、主に指揮官用として配備されたためという説があるが、詳細は不明である。
[編集] バリエーション
- RGM-79D ジム寒冷地仕様
- RGM-79G ジム・コマンド
- RGM-79GS ジム・コマンド宇宙戦仕様
- RGM-79GS ジム・コマンド "ハンマーヘッド"
- RGM-79GS ジム・コマンド・ライトアーマー
- RGM-79SP ジム・スナイパーII
- RGM-79ARA (RGM-79X-PT) NT試験用ジム・ジャグラー
[編集] ジム寒冷地仕様
ジム寒冷地仕様 | |
型式番号 | RGM-79D |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 44.7t |
ジェネレーター出力 | 1,250kW |
スラスター総推力 | 60,000kg |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
武装 | マシンガン ビームサーベル 60mmバルカン砲 シールド |
ジム寒冷地仕様(ジムかんれいちしよう、GM COLD DISTRICTS TYPE)は、オリジナルビデオアニメーション『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する架空の兵器。地球連邦軍が開発した量産型モビルスーツである。ジム・チリー・コマンドと呼ばれたこともある。(型式番号:RGM-79D)
[編集] 機体解説
連邦軍の量産型モビルスーツ・ジムの後期量産型に分類される。拠点防衛用として北極基地などの地球上の寒冷地へ配備された。胴体部や腕部、脚部など外観はジム・コマンドシリーズと共通する部分が多い。ただし、頭部は頬部ダクトがある他は前期量産型のものに近く、またバックパックはジム改と同型である。機体各所には氷結対策、防寒処理が施されている。
白色と黒色に彩色されており、専用のマシンガン(イギリスのステン短機関銃に似た円筒形の本体と右へ突き出したマガジンが特徴)と前期量産型のものと同形の六角形シールド(十文字の紋章は省略されている)を装備している。
そもそも本機が開発された経緯は、ホワイトベース隊のガンダムによる寒冷地でのテストが行われなかったことにより、前倒しで実験機を配備する必要があったためだとされる。本来はジム・コマンドシリーズのバリエーションとして生産される予定であったが、開発が早められた都合上フレームのみが流用され、ジム・コマンドシリーズのプロトタイプという意味も与えられた。
[編集] 劇中での活躍
『0080』第1話冒頭で、北極基地を襲撃したジオン軍サイクロプス隊のモビルスーツに応戦する姿が描かれている。
[編集] 備考
デザインは出渕裕が担当した。当初はアクア・ジムとしてデザインされていた。『0080』製作当初、第1話冒頭に登場するジムは、初代『機動戦士ガンダム』に登場したジム(大河原邦男:画)の外見をリファインしただけのものであり、設定上は同一のもの(塗装のみ寒冷地用に塗り直されている)と見なされていた。しかし『0080』第1巻が発売される直前になって、このジムは初代に登場したジムそのものではなく性能向上されたものであるという設定に変更された。この件については統合整備計画の項も参照。
なお、『0080』発表当時は、バンダイからインジェクションプラモデルキットは発売されなかった。2003年7月にはバンダイからハイグレード・ユニバーサルセンチュリー(HGUC)シリーズで1/144スケールのキットが発売された。
[編集] ジム・コマンド
ジム・コマンド | |
型式番号 | RGM-79G |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 43.5t |
全備重量 | 56.4t |
ジェネレーター出力 | 1,330kW |
スラスター総推力 | 67,000kg |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
武装 | ブルパップ・マシンガン ビームサーベル 60mmバルカン砲 シールド |
ジム・コマンド (GM COMMAND) は、オリジナルビデオアニメーション『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』、『MS-ERA 機動戦士ガンダム戦場写真集』に登場する、地球連邦軍の量産型モビルスーツである。ジム・コマンド コロニー戦仕様と呼称することもある。(型式番号:RGM-79G)
[編集] 機体解説
ジム・コマンドシリーズのノーマルタイプであり、いわば地上戦仕様に位置する機体であるが、本機が開発されたころには地球上での戦闘は収束に向かっていたため、主に宇宙の拠点防衛用として配備された。
クリーム色と黒色に彩色された機種はスペースコロニー内とその周辺での活動を主としたコロニー戦仕様機として運用された。このカラーリングはコロニー守備隊の制式カラーとして、RGM-119ジェムズガンなどにも採用されている。
主武装として、コロニー壁面を破損しないようビーム兵器ではなく実体弾式のブルパップ・マシンガンを装備している。
『MS-ERA 機動戦士ガンダム戦場写真集』には、ジオン軍によって鹵獲使用されている機体が登場し、シールドは六角形の初期型、マシンガンはジオン製、カラーリングはザク系のグリーンとなっている。
[編集] 劇中での活躍
『0080』第1話で、中立コロニー群サイド6・リボーコロニーの内部に威力偵察で進入したジオン軍のモビルスーツ部隊を迎撃する姿が描かれている。なお第4話で連邦軍の強襲揚陸艦グレイファントムから出撃する機体については、「クリーム色と黒色に彩色されたジム・スナイパーIIである」との意見もある。
[編集] 備考
デザインは出渕裕。製作当時の表記は「ジムコマンド」。ジム・コマンドについては、もともとジムの改良型としてデザインされている。準備稿での名称は「ジムコマンドカスタム」であり、ジム・スナイパーカスタムのような特定用途用の改修機として考えられていたようである。
なお、『0080』発表当時に、バンダイから1/144スケールのインジェクションプラモデルキットが発売された。また2004年5月にはバンダイからハイグレード・ユニバーサルセンチュリー(HGUC)シリーズで1/144スケールのキットが発売された。
[編集] ジム・コマンド宇宙戦仕様
ジム・コマンド宇宙戦仕様 | |
型式番号 | RGM-79GS |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 44.6t |
全備重量 | 75.0t |
ジェネレーター出力 | 1,390kW |
スラスター総推力 | 74,000kg |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
武装 | ビーム・ガン ビームサーベル 60mmバルカン砲 シールド |
ジム・コマンド宇宙戦仕様(ジム・コマンドうちゅうせんしよう、GM COMMAND SPACE)は、オリジナルビデオアニメーション『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する、地球連邦軍の量産型モビルスーツである。ジム・スペース・コマンドと呼ばれたこともある。(型式番号:RGM-79GS)
[編集] 機体解説
連邦軍の量産型モビルスーツ・ジムの後期量産型に分類される。広範囲の宇宙空間での戦闘用として配備された。本体の外観について、背部のランドセルが姿勢制御バーニアの数が増加された型に置換されている以外はコロニー戦仕様機との大きな差異はない。白色と赤色に彩色されており、実体弾式のマシンガンより高威力のビーム・ガンを装備している。
[編集] 劇中での活躍
『0080』第2話で、中立コロニー群サイド6・リボーコロニー周辺宙域にてジオン軍のモビルスーツ部隊と戦闘する姿が描かれている。
[編集] 備考
デザインは出渕裕。『0080』発表当時に、バンダイから1/144スケールのインジェクションプラモデルキットが発売された。また2004年11月にはバンダイからHGUCシリーズで1/144スケールのキットが発売された。
[編集] ジム・コマンド・ライトアーマー
[編集] ジム・スナイパーII
ジム・スナイパーを参照。
[編集] NT試験用ジム・ジャグラー
NT試験用ジム・ジャグラー | |
型式番号 | RGM-79ARA (RGM-79X-PT) |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 試作機 |
武装 | 60mmバルカン砲 90mmマシンガン (ジム・コマンドから流用) 遠隔誘導操作用ボールユニット×2 (各ユニットにビームライフル×2) |
主な搭乗者 | ベルナルド・モンシア ゼロ・ムラサメ 他 |
NT試験用ジム・ジャグラー(ニュータイプしけんようジム・ジャグラー、GM JUGGLER)は、ゲーム『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』に登場する、地球連邦軍のニュータイプ専用試作型モビルスーツ。単にジム・ジャグラーともいう。(型式番号:RGM-79ARA あるいは RGM-79X-PT)。
[編集] 機体解説
地球連邦軍によって計画されたモビルスーツで、ソロモンの戦い後の掃討戦においてジオン公国軍のMAN-03ブラウ・ブロやMAN-08エルメスなどのニュータイプ用モビルアーマーのオールレンジ攻撃に強いショックを受けた連邦軍が、自軍の技術でそれを行うべく開発した機体である。
しかしニュータイプ研究ではるかに遅れている連邦軍にサイコミュシステムが開発できるはずもなく、結局既存の機体を流用し、遠隔誘導攻撃のみを設置して開発されることとなった。そのため機体名に付けられた「NT試験用」はガンダムNT-1と同じく、ほぼハッタリに近い。
ベース機はRGM-79GS ジム・コマンド宇宙戦仕様、攻撃ユニットにはRB-79 ボールを改造して用いており、コクピットをTGM-79ジム・トレーナーから流用し複座機にすることで、「砲手(ガンナー)がレーザー通信で攻撃ユニットを手動制御する」という方法をとり、一応類似的なオールレンジ攻撃が可能になっている。
しかし、攻撃ユニット操作時にはベース機の動きを抑える必要がある為、その対策としてチョバムアーマーで増加装甲を施す事で機体の防御力を高めている。だが手動制御によるオールレンジ攻撃の戦闘力は決して満足の行くものでなく、加えてベース機の機体バランスも悪かった。
計画立案がソロモンの戦いの後(一年戦争終結の1週間前)であったため、完成することなく(おそらくは設計も行われない段階で)終戦を迎えていると思われ、戦後はジオンのサイコミュに関する研究データも収集出来るようになった為、機体の存在価値も無くなり、計画自体が白紙になる。
ホビージャパン社の雑誌「ホビージャパン」2005年2月号によれば、完成した機体のボールユニット(ポッドとも呼ばれる)は2基であったが、さらに2基追加して全4基にする計画もあったという。また、ボールユニットの武装もビームライフル以外にマシンキャノン、ドリル、チェーンソーなども検討されていたようだ。
[編集] 劇中での活躍
なお、ゼロ・ムラサメ(プロト・ゼロ)が搭乗した際には既にサイコミュシステムが搭載されていたのか、一人で操縦したとされる。
[編集] 備考
ゲーム製作当時の表記は「NT試験用ジム ジャグラー」。
[編集] 関連項目
ガンダムシリーズ (カテゴリ) | ||
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム | |
世界観: | 宇宙世紀 - 未来世紀 - アフターコロニー - アフターウォー - 正暦 - コズミック・イラ - SDガンダム | |
ガンダムシリーズの映像作品 | ||
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース | |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 - - GUNDAM EVOLVE | |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 | |
ガンダムシリーズの劇中項目 | ||
劇中項目一覧: | 人物一覧 - 機動兵器一覧 - 艦船及びその他の兵器一覧 - 用語一覧 | |
テンプレート |