ダルシム
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ダルシム プロフィール
ダルシム(Dhalsim)は、カプコンが開発・販売している対戦型格闘ゲーム、『ストリートファイター』シリーズに登場するキャラクター。
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[編集] キャラクターの設定
インド出身の僧侶。ダルシムと言う名称はインド・パキスタン地方の伝説の勇者の名前である。開発時の名前はインド。ヨーガ(ヨガ)の達人であり、修行によって両肘と両膝の関節を自由に外したり、さらには空中浮遊したりテレポートしたり出来るようになった。既婚者であり、家族に妻サリー(サリーは美人で、ダッタ出産時17歳)と息子ダッタ(ガイルの娘・クリスとペンフレンドである)、コダルという名の象がいる。妻と共にヨーガの一環として「空腹を忘れる方法」を習得、托鉢のみで生活できるようになるが、そのような修行のできない息子ダッタが生まれたことで状況が一変。ヨーガは人を傷つける技術ではないと知りながらも、生活費を得るために必要悪としてストリートファイトに参戦する事になる。首には、貧困で死んでいった子供達(自分の子ではない)の骸骨をぶら下げている。
時間軸がⅡ以前となるストリートファイターZERO2では村を襲った疫病の薬を手に入れるためにストリートファイトで金を稼いでいる。
戦いでは、肘と膝の関節を外して距離がある敵を攻撃し、口から灼熱の炎(古代インドの火の神「アグニ」の力を借りたものらしい:ヨガファイヤーまたはヨガフレイム)を吹き、テレポートして一瞬で間合いを取る。移動スピードは遅い。
[編集] キャラクターの原型
手足を伸ばすというアイデアは映画「片腕カンフー対空とぶギロチン」に登場するヨガ使いタラシンをヒントにしたと言われている。また、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第1部の主人公ジョナサン・ジョースターも「ズームパンチ」なる技を使っており、こちらも関係していると見られる(ダルシムの各種通常技の名前は「ズームパンチ」「ズームキック」といったもの)。
特徴のある顔付きは高屋良樹の漫画『強殖装甲ガイバー』に登場する悪役、ラグナグ・ド・クルメグニクに酷似しており、また、象に乗ったヨーガ使いの格闘家という点に付いては、ゲームより先に宮下あきらの漫画『魁!!男塾』においてラジャ・マハールというキャラクターが存在しており、これらがアイデアの一つになったと思われる。
[編集] キャラクターの特徴
飛び道具を持つうえにリーチが異常に長いので、ザンギエフ等の足が遅い接近戦型の相手には無類の強さを誇る。初代ストIIでは使い込むプレイヤーが増えるにつれその技の強力さが明らかになり、ガイルと並び最強キャラの一角として君臨するまでになった。『ダッシュ』以降では徐々に弱体化が進むものの戦い方そのものは変化しておらず、シリーズを通して多くのプレイヤーに愛された。 非力で防御力がないため、一旦接近を許すともろいという傾向がある。
その際だった特徴のため、格闘ゲームでの「色物」的キャラクターの代名詞的な存在である。『ヴァンパイア』シリーズのアナカリス、『ストリートファイターIII』シリーズのネクロ、他社作品では『ワールドヒーローズ』シリーズのブロッケン等同系統のキャラクターも散見される。
[編集] 必殺技
- ヨガファイヤー
- 口から火の玉を吐き相手に飛ばす。最初はヒットすると必ず相手を燃焼ダウンさせていたが『スパⅡ』以降はボタンの強弱や飛距離によっては燃焼はするがダウンしない状態になる為、遠距離攻撃で追い討ちが可能になった。2chのAAボコボコにしてやんよシリーズでは、ヨガファイヤーVer.も登場し、今なおこのキャラクターが若者に与えた影響の大きさが計り知れる。
- ヨガフレイム
- 口から大きな炎を一定時間目の前に放射する。なぜか炎の根元にいるとヒットしない。
- レバーを後方から下を通り前方まで半回転させる操作はこれにちなみ「ヨガフレイムコマンド」「ヨガ」として今でも格闘ゲーム用語として残っている。前方から後方に半回転させる場合は「逆ヨガ」と呼ばれる。
- 『ストリートファイターZERO』シリーズ以降のヨガフレイムは「逆ヨガ」コマンドになっているが、用語としての「ヨガ」の指すものは変わらずにいる。
- ヨガブラスト
- 『ストリートファイターIIX』からの技。ヨガフレイムと同様の炎を上空に向けて放射する。
- ヨガフレイムの開発中名称でもあり、『ストリートファイターII』のインストカードに誤ってそのままヨガブラストと記載されてしまった経緯がある。そのため、「謎の必殺技」として一時期プレイヤーの間で物議を醸した。
- ヨガテレポート
- 『II'ターボ』からの技。画面中の別の場所に瞬間移動する。ZERO2以降では豪鬼の阿修羅閃空と同様の使い方(相手の後方に回る、起き上がりキャンセルでタイミングをずらす、等)が可能であり、ダルシム上級者は必ず使いこなしていた。
- ヨガキャッチ
- 『EXシリーズ』のみの技。遠距離の相手を腕を伸ばして掴み、投げたり急接近する事が可能。
[編集] スーパーコンボ
- ヨガインフェルノ
- 『IIX』ではヨガフレイムの強化版で5回ヒットする。それ以外のシリーズでは炎を上下に激しく吹き散らす。
- 『ストリートファイターEX2 PLUS』・『EX3』ではメテオコンボとして使用していた。
- ヨガテンペスト
- 『IIX』のヨガインフェルノと同様の技。『ZERO3』ではX-ISM専用。
- ヨガストライク
- 『ZERO2』からの技。空中の相手を足でつかみ、地面に一回~三回叩きつける。
- ヨガストリーム
- 『ZERO3』からの技。地面を這うような炎を吐く。立ちガードができない。
- ヨガレジェンド
- 『EX』シリーズからの技(『SVC CHAOS』ではEXCEED)。スライディング(『SVC CHAOS』では手刀によるアッパー)で相手を浮かし、ヨガテレポートで空中の相手を追いかけて追撃する。
- ヨガボルケイノ
- 『CAPCOM VS. SNK』シリーズで使用。ヨガブラストの強化版で、上方向へ連続ヒットする炎を吐く。
- ヨガドリルキック
- 『EX』シリーズからの技。特殊技「ドリルキック」の強化版を放つ。『SVC CHAOS』ではヨガドリルアタックとして使用しており、その場合、弱は「ドリル頭突き」の、強は「ドリルキック」の強化版を放つ。
[編集] 他のメディアのダルシム
[編集] 映画
- 1994年のアニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』ではインドでの賭け試合でエドモンド本田と対戦する。背後から強い闘気を感じ取った隙に反撃されて、止めを刺される前にギブアップした。
[編集] テレビアニメ
- 1995年のテレビアニメ『ストリートファイターII V』では、インド・カルカッタ近郊のアキシュトラという村の僧侶として登場。リュウとケンは波動を教えてもらうためにダルシムの元を訪れる。
[編集] 漫画
- 神崎将臣が連載していた『ストリートファイターII-RYU』では、トーナメントでのリュウの対戦相手として登場。
[編集] その他
- ゲーム登場時、日本人の子供に「インド人は手足が伸びる」という間違った認識を植えつけた。
- 初期シリーズではダルシムはヨーガのことを「ヨガ」といっていたが、ヨーガが見直されブームになったのに合わせ、技名はそのままにダルシムの台詞も「ヨーガ」と表記されるようになった。
- プレイヤーからは愛称としてインド、ヨガ、ダル等と呼ばれる。
- 『ダッシュ』の開発中、急遽四天王をプレイヤーキャラとして追加する事が決定された為に、ほとんど不眠不休で作業を続けていたスタッフの前で、バグにより突如「足から火を出す」という奇態を演じ、スタッフ達の睡眠時間をさらに削る結果となった。
- フジテレビのCS番組『ゲームセンターCX』では、スーパーファミコン版「ストリートファイターII」を攻略する際有野晋哉がこのダルシムをお気に入りとして使用。有野は特定の間合いからヨガファイヤーを連発する戦法を決め手として攻略し死に物狂いでエンディングまで到達するが、スタッフの浦川がその方法の勝利に対し「卑怯な戦法かと思うんですが」とコメント、そんなコメントに対し有野は「一言多いんちゃうか!」と返していた。
- 週刊少年サンデー連載の漫画『焼きたて!!ジャぱん』では、登場人物の一人・河内恭介が「リアクション」でダルシムに変身。「地球は救われた!だが権利問題は…?」と著作権を気にしたコメントがつけられていた。なお作者の橋口たかしは、過去にコロコロコミックで『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』を連載しており、約10年ぶりにダルシムを描いたということになる。
- ダルシムステージの背景には複数の象がいる事が多い。特にストIIでは鳴き声が凄まじかった。
- ストⅡダッシュターボまではダルシムはコンティニュー時のセリフがなぜか上記の象の声になっていた。スーパー以降は「ヨガ」になり、ハイパーストリートファイターⅡでダッシュターボ以前のダルシムを選んでも「ヨガ」になる。
[編集] 主な登場作品
- ストリートファイターIIシリーズ
- ストリートファイターZEROシリーズ(ZERO2以降)
- ストリートファイターEXシリーズ(plus α以降)
- VS.シリーズ
- カプコン バーサス エス・エヌ・ケイ ミレニアムファイト 2000
- CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS