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ヴァンパイア (ゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヴァンパイア (VAMPIRE) はカプコンが開発・販売した2D対戦型格闘ゲーム、およびその続編を含むシリーズの総称。1994年7月アーケードゲームとして第1作『ヴァンパイア』が出荷された。

本作に登場するプレイヤーキャラクターたちは、ほぼすべてが吸血鬼狼男をはじめとする伝承上のモンスターである。人間のキャラクターに行わせると突飛すぎるような動作であってもモンスターであれば違和感なく派手な演出を実現でき、結果、従来の格闘ゲームと比較してひときわ大きい存在感を放つゲームとなった。人間ではない分、キャラクターの身体が真っ二つに切断されるなど暴力描写もより過激である。

システム面では、複雑な操作をしなくても連続技の快感を味わえる「チェーンコンボ」と、防戦一方になっても反撃できる「ガードキャンセル」の2つが主軸となって、本作以前の『ストリートファイターII』型の格闘ゲームとは大きく異なる戦術がプレイヤーに求められるようになった。

キャラクターグラフィックはアニメ調でコミカルに描かれており、親しみやすいものである。アニメーションのパターンは膨大な枚数が用意されており、流麗な動きを実現している。これは当時の新世代ゲーム機であったプレイステーションセガサターンいずれにも完全移植が不可能であった。背景のゴシック・ホラー調の雰囲気と合わせ、グラフィックはプレイヤーから高評価を得ている[1]

続編のほか、いくつかのメディアミックスもなされた。1997年には第2作『ヴァンパイア ハンター』が『ヴァンパイアハンター The Animated Series』のタイトルで全4巻のOVAとしてアニメ化されている。

目次

[編集] 特徴的なゲームシステム

チェーンコンボ
タイミング良くボタンを押すことで、技から技へと連鎖するように攻撃を繋げることができる。複雑な操作ができない初心者の救済策として考案されたシステムであるが、初代『ヴァンパイア』ではタイミングが難しくその役には立っておらず、『ヴァンパイア ハンター』以降これは改善された。
チェーンコンボと正式に名付けられたのは『ハンター』以降で、『ヴァンパイア』では公式名称はなく、雑誌「ゲーメスト」などで俗に「目押しコンボ」と呼ばれていた。
ガードキャンセル
相手の攻撃をガード中に特定の必殺技コマンドを入力することで、ガードして動けない状態をキャンセルしてすぐさま攻撃できる。ガード操作(レバーを後方に入れる)と必殺技のレバー操作を同時に要求されるため難易度は比較的高いが、連続してガードさせられている間はガード操作をしなくても自動でガードするため、入力が容易になる。前述のチェーンコンボにリスクを負わせる存在として重要なものである。
これもやはり『ヴァンパイア』では公式名称はなく、『ハンター』でこの名が付けられた[2]。『ハンター』でこれを成功させると画面に "GUARD REVERSAL" の表示がされ、『ヴァンパイア セイヴァー』以降は画面表示も名称と同様の "GUARD CANCEL" となった。
アドバンシングガード
『セイヴァー』より追加。相手の攻撃をガード中に攻撃ボタンを連打すると、相手を強制的に後ろに押し下げ、連続してガードさせられる状況から脱出できる。失敗すると必殺技を空振りするリスクのあるガードキャンセルに比べ、こちらは失敗しても隙の少ない通常技が出るだけで済むため、ローリターンだが比較的ローリスクな行動である。上級者同士の対戦になると、攻撃すると見せかけて相手のアドバンシングガードを誘い、暴発した相手の通常技をガードしそれにガードキャンセルをかけるような高度な駆け引きも見られる。
スペシャルゲージ
スペシャルゲージと呼ばれるゲージが存在し、攻撃を出すなどの行動により徐々に溜まっていく。ゲージが一杯になると、以下の行動が可能になる:
ES必殺技
普段の必殺技の強化版。通常よりダメージが大きいなど単純に効果を増大させるものが多いが、中には全く性質が変わってしまうものもある。
EX必殺技
ゲージが一杯になっているときだけ使用可能な、特殊な必殺技。多くは派手な演出を伴い、大きいダメージを与える。
ダークフォース
『セイヴァー』より追加。一定時間キャラクター毎の特殊能力を発動できる。
『ヴァンパイア』ではゲージがMAXになった後一定時間の間にESもしくはEXの必殺技が1回だけ使えるという仕様であったが、『ハンター』以降はゲージが一杯になるとスペシャルゲージストックが1つ増え、これらの行動の度にストックを1つ消費するようになる。『セイヴァー』以降ではストックを2つ以上消費するEX必殺技なども存在する。
インパクトダメージゲージ
『セイヴァー』より採用。従来の体力ゲージは1ラウンドが終了する毎に両者とも体力が全快した状態で次のラウンドを開始するが、このシステムでは勝利側は受けたダメージを持ち越し、敗北側はバットマーク(ライフ残量で、これをすべて失うと負け)を1つ失った上でゲージが全回復する。またタイムのカウントも引き継がれるが、『セイヴァー2』および『ハンター2』では若干残り時間が延長される。
受けるダメージは、赤いゲージで示される「確定ダメージ」と白く点滅する「回復可能ダメージ」に分かれており、回復可能ダメージは、一定時間攻撃を食らったりガードしたりしなければ徐々に回復していく。回復可能ダメージを含む分、合計したダメージは全体的に高めとなり、そのためプレイヤー間の実力の開きがあるほど早く決着がついてしまう。

[編集] アニメ絵

カプコンの2D対戦型格闘ゲームでは、『ヴァンパイア』以降キャラクターの陰影を2~3階調で表現する、いわゆるアニメ絵の手法を用いるようになっている。この手法は、『ストリートファイターII』シリーズのようにドットパターンを駆使したグラデーションで陰影を表現する場合に比して、大量生産に向きクオリティを統一しやすいという利点がある。このために、現実的なコストでアニメーションパターンを増やすことに成功している。

[編集] シリーズ作品

[編集] アーケード

[編集] ヴァンパイア The Night Warriors

  • 出荷: 1994年7月
  • 日本国外タイトル: Darkstalkers: The Night Warriors

シリーズ第一作。独特の世界観と数々の画期的なシステムが話題を呼んだ。手塚治虫の『バンパイヤ』に関してか、このタイトルのみ「©手塚プロ」の表記が併記されている広告などがあったが、ゲーム内容には全く関連しない。

[編集] ヴァンパイア ハンター Darkstalkers' Revenge

  • 出荷: 1995年3月
  • 日本国外タイトル: Night Warriors: Darkstalkers' Revenge

前作ボスキャラクター・新キャラクターを2体ずつ追加。複雑だった必殺技コマンドを単純なものに見直し、チェーンコンボやガードキャンセルが成功すると画面に表示するなど、分かりやすさを重視した様々な調整を行ったもの。 対戦時のゲームバランスに関してきわめて完成度が高い。

[編集] ヴァンパイア セイヴァー The Lord of Vampire

  • 出荷: 1997年5月
  • 日本国外タイトル: Vampire Savior: Jedah's Damnation

新キャラクター4体を追加。インパクトダメージゲージシステムを採用し、よりスピーディーなゲーム展開になった。フォボス・パイロン・ドノヴァンは登場せず。ほとんどモリガン中心にストーリーが展開して行ってるとの評価もある。

このゲームが出た頃はSNKをはじめとした他社対戦格闘ゲームのCOM戦の難易度が高く、カプコンは比較的COM戦の難易度が低くクリアしやすいという評価が高かった。しかし本作はそれらのライバル作品を吹き飛ばすほどの高い難度の作品となり「対戦を想定した攻撃はあまりにも凶悪」との批判も相次いだ。

本作からナレーションの演出が追加されており、ラウンド開始・KO時だけでなく、コンボが決まった瞬間にもボイスが(他の声と違い、ほとんど低音処理されずに)追加された。ナレーションを担当したうえだゆうじの低声演技の聞ける数少ない作品である。

[編集] ヴァンパイア セイヴァー2 / ヴァンパイア ハンター2

日本発売のみ。どちらも『セイヴァー』のマイナーチェンジ版で若干の調整がなされ、フォボス・パイロン・ドノヴァンが復活している。『セイヴァー2』と『ハンター2』のシステムは基本的に同一であるが、ストーリーとキャラクターが異なり、『セイヴァー2』ではガロン・オルバス・サスカッチが、『ハンター2』では『セイヴァー』からの新キャラクター4体が削除されている。また、どちらもエンディングなどのデモは簡略化されている。

[編集] コンシューマー移植版

CEROレーティングは、全てC区分。

  • 1996年2月23日 ヴァンパイア ハンターセガサターン
  • 1996年3月29日 ヴァンパイア -The Night Warriors-プレイステーション
  • 1998年4月16日 ヴァンパイア セイヴァー -The Lord of Vampire-(セガサターン) - タイトルはセイヴァーだが、『セイヴァー2』のフォボス、パイロン、ドノヴァン、朧ビシャモンも追加されている。
  • 1998年11月5日 ヴァンパイア セイヴァー EX エディション(プレイステーション) - フォボス、パイロン、ドノヴァン、朧に加え、さらにマリオネットも追加。D.F.チェンジ(『セイヴァー』タイプ)、D.F.パワー(『セイヴァー2』タイプ)の2種類のキャラクタータイプを選択可能。「オリジナルキャラクターモード」では独自にキャラクターの色設定を変更・育成できる。
  • 2000年8月10日 ヴァンパイア クロニクル for Matching Serviceドリームキャスト) - 『セイヴァー2』が基本だが、シリーズの全キャラクターが登場。『ヴァンパイア』、『ハンター』、『セイヴァー』、『セイヴァー2』の4種類からキャラクタータイプを選択可能。
  • 2004年12月12日 ヴァンパイア クロニクル ザ カオスタワー(日本国外名: Darkstalkers Chronicle: The Chaos Tower)(プレイステーション・ポータブル) - 『ヴァンパイア クロニクル』のPSP版。3人のキャラクターで魔界にそびえる塔を登って行く「タワーモード」、イラストや過去の作品のエンディンを閲覧できる「クロニクルモード」を追加。
  • 2005年5月19日 ヴァンパイア ダークストーカーズコレクションプレイステーション2) - アーケード作品全5作の忠実移植に加え、隠し要素やアートギャラリーを収録した完全版。

[編集] 登場キャラクター

キャラクター名の英字表記のうち、"/" に続けた後半は日本国外版におけるキャラクター名称。英語版ウィキペディアに各キャラクター記事があるものはリンクを示す。

[編集] ヴァンパイア

デミトリ=マキシモフ (Demitri Maximoff) (声: 檜山修之
魔界の支配を企むヴァンパイアの貴族。ルーマニア出身。身長197cm、体重101kg。1483年生まれ。全作品登場。公式に言及されてはいないが、ゲームタイトルからして彼が主人公と思われる。過去にベリオール=アーンスランドに破れ、魔界を追放された。プライドが高く、それに見合った強い魔力を持っている。『セイヴァー』では魔界に復帰し、一大勢力を築いた。べリオールの死後はモリガンに目をつけ、彼女に何度も戦いを挑もうとする。
ストリートファイターII』のリュウケンのように飛び道具、対空技、突進技を備えたオーソドックスな性能を持ったキャラクター。但しそれぞれの技は癖があるため、単純にリュウらの感覚では扱えない。
『セイヴァー』で習得したガード不可能なEX必殺技「ミッドナイトブリス」は、相手を女性に変身させてから血を吸う技で、デミトリが出演する作品のキャラクター全員に個別にグラフィックが用意されていることで話題になっている。このフィーチャーはアナカリスにとどまらず同時期のSNK作品『真サムライスピリッツ』などでもみられたが、のちにSNK制作の『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』で正式に仕様として採用され、SNKキャラクターが女性化させられた。
ガロン (Gallon / Jon Talbain(ジョン=タルバイン)) (声: うえだゆうじ
魔界の貴族の血を引くワーウルフと人間のハーフ。人間に戻るため、己の限界を超えようとする。人間体のときに見られる服装や、必殺技「ミリオンフリッカー」で使用するヌンチャクからうかがえるように中国拳法を会得している。イギリス出身。身長186cm、体重70kg。1940年生まれ。『セイヴァー2』以外で登場。
突進技と素早いチェーンコンボを武器とした攻撃型のキャラクター。
ビクトル=フォン=ゲルデンハイム (Victor von Gerdenheim) (声: 徳丸完
ドイツで、狂気の博士・ゲルデンハイムによって作られたフランケンシュタイン・モンスター。博士はビクトルを起動させた落雷によって同時に死亡しており、「死」を理解していないビクトルは動かなくなった博士を起こす方法をあてもなく探している。激闘に身を投じているのは、最強を示すことが博士を喜ばせる方法と考えているため。『セイヴァー』では、人造人間の妹、エミリーが電気切れによって動かなくなり、やはり起こす方法を探している。身長249cm、体重230kg。1830年製造。全作品登場。
カプコン製格闘ゲームにおける、いわゆる「レバー1回転投げキャラクター」。接近して威力の高い投げ技を決めていく戦術がメインで、また、タメ技も強力である。ボタンの押しっぱなしにより打撃技が帯電するという特殊な性能を持っている。
ザベル=ザロック (Zabal Zarock / Lord Raptor(ロード=ラプター)) (声: うえだゆうじ
冥王オゾムに従う元パンクロック歌手のゾンビオーストラリア出身。さらに強い力を手に入れるために他のダークストーカーに襲いかかる。ル・マルタという相棒(オゾムが遣わした監視役でもある)を持つ。野心性が強く、オゾムに対しても最終的にはその座を奪おうと考えている。同じ死体仲間という理由でレイレイに一方的なラブコールを送る。身長180cm、体重39kg。1889年生まれ。全作品登場。
リーチが延びる手足と突進技、トリッキーな空中移動などを駆使する変則的なキャラクター。ヴァンパイアセイヴァーにおいては「潜在能力はトップクラスに高いものの、操作が難しく完全には誰も使いこなしきれない」という性能の持ち主になっている。
モリガン=アーンスランド (Morrigan Aensland) (声: 神宮司弥生
ベリオール=アーンスランドの養女でアーンスランド家次期当主のサキュバススコットランド出身。本人は当主の座に興味がなく、退屈しのぎの為に人間界に赴く。『セイヴァー』ではその驚くべき出生の秘密がリリスのサイドストーリーで明らかになる。身長172cm、体重58kg。スリーサイズはB86、W56、H83。1678年生まれ。全作品登場。なお、前述の「ミッドナイトブリス」を受けるとなぜか人形になる。
『ストリートファイターII』におけるリュウ・ケンのように飛び道具・対空技・突進技を持ったスタンダード系のキャラクター。斜め上に進んでいく変則的なダッシュを生かした攻めも特徴。比較的扱い易いが、デミトリ同様やや癖があるので多少の慣れが必要。
ストリートファイター』シリーズの豪鬼が使用するスーパーコンボ「瞬獄殺」で有名なコマンド(弱パンチ×2・レバー右・弱キック・強パンチの順に入力する)が初登場したのは初代『ヴァンパイア』における彼女の「ダークネスイリュージョン(分身して左右から連続攻撃を繰り出す技)」である。
アナカリス (Anakaris) (声: 徳丸完
古代エジプトの王の魂が宿ったミイラ。自らの王国が既に滅びた事に失望し、復活を企む。『セイヴァー』では復活した古代の王国から、王政を否定するジェダを倒すべく登場。メッセージが残響音を含むのが特徴。身長270cm、体重500g~500kg(可変)。紀元前2664年生まれ。全作品登場。
画面の端まで届くほどの通常技や、画面端から反対側の画面端までワープ移動出来たり、空中に留まったりと、モンスターを主人公にした『ヴァンパイア』らしさを感じさせる変則キャラクター。非常に独特な性能を持ち、使いこなすには慣れが必要。また、唯一通常の投げ技ができない。
相手を変身させ一定時間無力化させる技「王家の裁き」から、他のゲームでも同様の技を受け無力化されることを「裁かれる」とする言い方が、ALL ABOUTシリーズなどで多用されている。
フェリシア (Felicia) (声: 荒木香恵
人間のシスター・ローズに拾われ育てられたキャットウーマンアメリカ出身。悪者をやっつけて有名になろうと戦いに赴く。『セイヴァー』のエピローグでは孤児院を経営。身長168cm、体重58kg(猫時4.1kg)。スリーサイズはB88、W61、H87。全作品登場。(なお、キャットウーマン族は名前上オスは存在せず、人間の男との子供も普通の人間になるため、どうやって子孫を残すのかは不明。)
素早い動きと突進系の技を使う、攻撃型のキャラクター。特殊なキャラクター揃いのヴァンパイアのキャラの中でも最も使いやすくバランスの取れたキャラクターである。
ビシャモン (Bishamon) (声: 徳丸完
日本出身。血を求める呪われた鎧「般若(ハンニャ)」と呪われた名刀「鬼炎(キエン)」に取り憑かれたサムライ。解放された後は僧となり、妻、おりんと共に般若を封印するための法力を得るために各地を渡り歩く。『セイヴァー』では、般若自身が憑いている怨霊を実体化させることで自律的に動いている(「ビシャモンという名が気に入ったので名乗っている」という理由により、キャラクター名はビシャモンのまま)。身長190cm、体重60kg(鎧のみ)。延宝元年(1673年)生まれ。全作品登場。
刀を使うためリーチ・攻撃力ともに高く、絡め魂からの一発やダッシュ攻撃を交えたラッシュは強力。ガードキャンセル専用技「鬼炎斬」も出るのが早く攻撃範囲が広い。
オルバス (Aulbath / Rikuo(リクオ)) (声: うえだゆうじ
ブラジルアマゾン一帯を住処にしていたマーマンの王。海底火山噴火の原因であるパイロンを探す。『セイヴァー』では、行方不明になった息子・アルバを探すために魔次元に赴く。身長184cm、体重62kg。1953年生まれ。『セイヴァー2』以外で登場。
突進系の技を主体としたスピード系キャラクター。また、EX技を絡めたガード不能連携も特徴。
『ヴァンパイア』ではしゃがみ大パンチがしゃがみガード出来ないという強力な特性を持っており、速攻で相手をしゃがみ状態に押さえ込んで大パンチでひっくり返すのが主流だった。相手の起きあがりにしゃがみ大キック(しゃがみガードでないと再び転倒)としゃがみ大パンチ(立ちガードでないと再び転倒)のどちらかを重ねる駆け引きもあった。
このしゃがみ大パンチは『ハンター』以降の作品では普通のしゃがみガード可能な攻撃に変更された(初代の設定を単なるバグだったとする意見もある)。
なお『ハンター』では前作カラー(キャラクター選択時に大キック、もしくはスタートボタン)使用時に限り、EX必殺技として使用可能となっていた。
『ハンター2』ではしゃがみ大パンチとは別のEX必殺技(ゲージを消費する代わりに初代の性能を継承)として存在。
サスカッチ (Sasquatch) (声: 徳丸完
カナダに群れで暮らすビッグフットの青年。村で最強クラスの戦闘力を誇る。村の外の危険な存在を感じとり、それを取り除きにゆく。『セイヴァー』では、ジェダに捕まった村民を助けに行く。バナナが大好物。身長166cm、体重180kg、幅208cm、足80cm。1903年生まれ。『セイヴァー2』以外で登場。
戦闘中は真剣な怒り顔はおろか相手をたたきつけて喜ぶ凶悪な表情も見せるが、作品が進むにつれ純粋にコミカルなキャラクターに変貌(ビッグフット一族も初代では世界征服を企んでいたが、セイヴァーでは「礼儀(バナナ等)を知っている人間は丁寧にもてなす」といった具合に変化している)。ゴマちゃんを彷彿とする照れた表情も浮かべる。
投げ技、飛び道具、リーチの長い突進系技を持った攻撃型の重量級。重量級だが素早く、ダッシュからのガード崩しは強力。
フォボス (Phobos / Huitzil(ヒューチル))
メキシコの古代マヤ文明の人々を守り続けたガーディアン・ロボット遮光器形土偶に似た外見をしている。地球上の他の生命を滅ぼそうとする。『ヴァンパイア』及び『ハンター』系列の中ボス。『セイヴァー2』ではマヤ族の血を引く少年、セシルを主人にしている。身長222cm、体重2.27t。520年製造。『セイヴァー』以外で登場(ただし、初代『ヴァンパイア』ではプレイヤーが操作出来ないノンプレイヤーキャラクター)。実は『セイヴァー2』『ハンター2』で、グラフィックがほとんど総描き直しに近い規模で地味に一新されている。
豊富な飛び道具とリーチの長い通常技で相手を寄せ付けない。最高点で一定時間止まって下へのレバー入力で降下するというジャンプが特徴的。
また『ヴァンパイア』ではビーム攻撃のダメージが、ヒット時よりガード時のほうが高いという特徴をもっていた。
パイロン (Pyron) (声:檜山修之)
「ヴァンパイア」及び『ハンター』系列の最終ボスである地球外生命体。ヘルストーム星出身。地球を自らのコレクションにする事を望む。不定形のエネルギー状生命体であるが、自らのポリシーから戦闘時には人間に近い形を取る。『セイヴァー』以外で登場(ただし、初代『ヴァンパイア』ではノンプレイヤーキャラクター)。
操作は比較的スタンダードだがボスらしく高い性能を持っている。
『ヴァンパイア』では通常技を含むすべての攻撃にケズリ効果(ガードしている相手にダメージを与える)をもっている。

[編集] ヴァンパイア ハンター

前作の2体のボスキャラクター、フォボスとパイロンがプレイヤーキャラクターとして使用可能になり、また以下2体のキャラクターが新規に追加された。

ドノヴァン=バイン (Donovan Baine) (声: 檜山修之、小杉十郎太
人間とダークストーカーのハーフ。己の宿命のため魔物を狩り続ける。魔剣ダイレクと巨大な数珠を扱い、魔人化することもできる。自分と似た境遇の少女、アニタを保護する。身長194cm、体重98kg。設定は『吸血鬼ハンターD』、ポージングや技は『ジョジョの奇妙な冒険』の影響が感じられるキャラクター。(初代)『ヴァンパイア』、『セイヴァー』以外で登場。タイトル「ヴァンパイアハンター」から、彼が主人公であると推測される。
レイレイ (泪泪、Lei-Lei / Hsien-Ko(ヒシェンコー))(声: 荒木香恵、根谷美智子
中国出身。袖に多くの武器(暗器)を隠し持つ女性のキョンシー。元は人間であるが、故郷の村に伝わる禁術「異形転身の術」の力で、自らこの姿に変化した。戦闘時は姉のリンリンが御札となって彼女を制御している。ダークストーカーズを封じるために犠牲となった母親の魂を開放するために闘う。『セイヴァー』では転生を果たしており、魔次元に捕らわれながらも前世の記憶を思い出しつつ姉とともに闘っている。OVA版のフルネームは「少 泪泪」で、『ポケットファイター』でもこの名字の設定が使われている。身長156cm、体重43kg。スリーサイズはB83、W59、H86。1730年生まれ。(初代)『ヴァンパイア』以外で登場。母の魂を救うためダークストーカーと戦うという設定上、彼女も「ヴァンパイアハンター」の1人であり、今作の物語のヒロイン的な存在といえよう。

[編集] ヴァンパイア セイヴァー

前作のキャラクターのうち、『セイヴァー』ではフォボス、パイロン、ドノヴァンが登場せず、その代りに以下の4体が新規に追加された。

ジェダ=ドーマ (Jedah Dohma) (声: 千葉一伸
魔界の救世主。魔界三大貴族の一つ、ドーマ家の当主。『セイヴァー』系列の最終ボス。他者の魂を自分に同化させる能力を持ち、その能力を利用して、魔界すべての魂を融合し唯一完全の生命体になろうと企む。身長216cm、体重12~1002kg(可変)。紀元前4045年生まれ(1890年頃に一度死亡した後再生)。『デビルマン』を思わせるデザイン。『セイヴァー』、『セイヴァー2』で登場。
リリス (Lilith) (声: 小西寛子
モリガンとほぼ同様の能力を持つ、モリガンの魂が過去に3つに分割された内の1つ(残りの1つは消滅している)。身長168cm、体重54kg。スリーサイズはB74、W56、H83。『セイヴァー』、『セイヴァー2』で登場。『NAMCO x CAPCOM』に登場した時は今井由香が声の代役を務めた。
バレッタ (Bulleta / Baby Bonnie Hood, B. B. Hood(ベイビーボニーフード)) (声: 松下美由紀
赤ずきんのような姿をした、頭巾と手持ちのバスケットがトレードマークの人間の少女。北欧某国出身。犬のハリーを連れている。外見は可憐だが、魔物を狩るプロの凄腕ハンター。服の中などあらゆる部分に武器を隠しており、残酷でハードボイルド。その金銭に対する執着心は異常で、金のためなら容赦なく敵を惨殺する事を厭わない。人間でありながらその魂はダークストーカーと同質だという。身長142cm、体重37kg。スリーサイズはB70、W58、H75。『セイヴァー』、『セイヴァー2』で登場。
キュービィ (Q-Bee) (声: 松下美由紀)
魔界に生息するハチに似た習性と人間に似た外観を持つ昆虫型の生物、「魔蟲族」(まちゅうぞく)の一派、ソウルビー族の長 (Queen-Bee → Q-Bee) 。魂を食糧としており、肉食。全長1250mm、個体重38200g。各部径は、腹部860mm、擬似腹部575mm、擬似臀部875mm、腹部(蜜嚢部)1100mm。人間の女性の姿をしているのは、人間の男を引寄せて捕食するためであり、人間の顔のように見える部分も擬態で、頭頂部の複眼が本当の目。知性は低く、カタコトでしか話せない。『セイヴァー』、『セイヴァー2』で登場。

[編集] 隠しキャラクター

朧ビシャモン (Oboro Bishamon)
修行の末に法力を得て、般若に操られること無くその力を行使できるようになったビシャモン。延宝元年(1673年)生まれ。『セイヴァー』ではノンプレイヤーキャラクター。『セイヴァー2』、『ハンター2』ではプレイヤーキャラクターとして使用可能。
ダークガロン (Dark Gallon / Dark Talbain(ダークタルバイン))
魔次元によって生み出された、人間への未練を捨てきったもう一人のガロン。キャラクター性能は通常のガロンとほぼ同じ(ドラゴンキャノンの能力のみ若干変化している)。『セイヴァー』で使用可能。
シャドウ (Shadow)
影のような謎の存在。倒した相手にとり憑き操って、さらに他のキャラクターを倒す、を繰り返している。『セイヴァー』以降使用可能。
マリオネット (Marionette)
操り人形の形をしたシャドウ同様の謎の存在。闘う相手と同じ姿になり、同じ闘法で闘う。『セイヴァー2』、『ハンター2』で使用可能。
ディー (Dee)
デミトリの通常技とドノヴァンの必殺技で闘う謎の男。『ハンター』のドノヴァンのエンディングから推察して、ダークストーカーの血に染まってしまったドノヴァンである、という見方が有力。『ダークストーカーズコレクション』の『セイヴァー』・『ハンター2』・『セイヴァー2』のアレンジバージョンでのみ使用可能。

[編集] その他のキャラクター

設定上のみで本編に登場しないものも含む。

ベリオール=アーンスランド (Belial Aensland)
モリガンの養父でアーンスランド家の長。かつての魔界三大魔族の一人であり、魔界最強の存在だったが、デミトリを魔界から追い出す際に負った怪我がきっかけで衰退が始まり、『ハンター』のエンディングで没する。ぺジとムドという執事がいる。
ゲルデンハイム博士 (Professor Gerdenheim)
ビクトルを創ったマッドサイエンティスト。人造人間の魅力に取り付かれ、ビクトルの体のパーツを手に入れるために墓荒しや殺人を犯していた狂気の男。ビクトルの起動時に落雷で死亡した。ビクトルのダークフォースやホームステージ(ドイツの研究所)で幽霊となって登場している。
エミリー (Emily)
ビクトルの妹(正確にいえばビクトルのプロトタイプ)。ゲルデンハイム博士によって創られた人造人間。ビクトルとは違い、とても人間らしい姿をしている。
アクエリア (Aqueria)
オルバスの妻のマーメイド。海底火山噴火の際、ただ一人オルバス以外で生き残った。のちに息子アルバを授かる。
アルバ (Alba / Ricky(リッキー))
オルバスとアクエリアの間に生まれた息子。
オゾム (Ozomu)
かつてのジェダの部下。ジェダを裏切り、自滅させることで彼の後釜につく。黒い魂を持つザベルを部下にし、より高次な魂になった所を喰らおうとしていたが、『セイヴァー』直前で復活したジェダに魔次元の基礎として吸収されてしまう。
アニタ (Anita)
ドノヴァンが保護し常に連れている少女。超能力者であるがゆえに幼い頃から迫害を受け、感情と声を失った。常に首のとれた人形を持ち歩いている。ドノヴァンと同じ宿命を背負っているらしい。身長84cm、体重13kg。
『ハンター』ではドノヴァンのエンディングにて成長した姿で登場し、『ダークストーカーズコレクション』ではディーのエンディング中にダークハンターとして成長した姿で彼と対峙するが、プレイヤーキャラクターとしては使用できない。
なお『セイヴァー』のジェダのエンディングで、すべての魂を同化したジェダが目指そうとした次の敵の女とはこのアニタのことである。『セイヴァー』にはアニタは一切登場しないため問い合わせがあり、スタッフがゲーム雑誌でアニタであると説明する事態となった。前後やドノヴァンのストーリーと比較すると唐突な設定である。結局この意味での謎を明かす続編は作られず、ドノヴァンと別れた後のアニタの未来は『ダークストーカーズコレクション』のみで描かれ、ストーリーとしてつながりがなくなる結果となった。
リンリン (鈴鈴、Lin-Lin / Mei-Ling(メイリン))
中国出身。レイレイの双子の姉。道士であり、体術専門のレイレイを術者としてサポートする。戦闘時にはお札に変身してレイレイの額に張り付き、彼女の力が暴走しないように制御する。ゲーム中はその姿を対戦前デモ、ダークフォース、勝利ポーズ、エンディングなどで見ることが出来る。アニメでは本人も戦っていた。『セイヴァー』では衣装のデザインが一部変更されている。
セシル (Cecil)
人間の少年。戦火で家や家族を失い遺跡に迷い込み、魔次元に飛ばされてしまうが、その際にフォボスが起動し、彼を主人と認識する。中性的なキャラクターであり直前に出たゲーム『わくわく7』の六条麦(女性)に似ていることから女性と疑われたが、その後正式に男性と発表された。なおストーリーの分化をはかるため、セシルが登場した『セイヴァー』の続編の『セイヴァー2』には登場するが、登場していない『ハンター』の続編である『ハンター2』には(フォボスのグラフィックは『セイヴァー2』と共通するものの)登場しない。
シスター・ローズ (Sister Rose)
フェリシアの育ての親のシスター。孤児院の前に捨てられていた赤ん坊のフェリシアを拾い、わが子のように育てた。フェリシアからは「MAMA(ママ)」とよばれ慕われた。フェリシアが町を出る数年前に病没。
ル・マルタ (Le Marta)
ザベルの相棒の一つ目の小型怪獣。オゾムが暴走しがちなザベルの監視役として遣わした(そのため本質的にはオゾムの部下)。さまざまな形に変身でき、ザベルのギターも実はル・マルタの一部。バレッタに一目惚れしている。ちなみに『ワンダー3』に「ルマルタ」という姿がよく似たキャラがおり、それがル・マルタのモデルになったとされる。

[編集] OVA

全4巻。またDVD-BOXも発売されている。

  • THE ANIMATED SERIES ヴァンパイアハンターVol.1「蘇れ.闇に集いし者ども」
  • THE ANIMATED SERIES ヴァンパイアハンターVol.2「闇の血.闇の力」
  • THE ANIMATED SERIES ヴァンパイアハンターVol.3「闘争神(PYRON)降臨」
  • THE ANIMATED SERIES ヴァンパイアハンターVol.4「闘いは誰がために…」
  • 「VAMPIRE HUNTER(ヴァンパイアハンター) The Animated Series Complete DVD Box」

[編集] スタッフ

  • 企画: 宮下昌幸
  • プロデューサー: 財前健一郎、大西敏樹
  • キャラクターデザイン作画監督: 村瀬修功
  • 原画: 田崎聡、戸倉紀元、濱田邦彦、桜井邦彦、金田伊功、新岡浩美、北尾勝、野田卓雄、新留俊哉、藤川大、佐々木昌彦、金亨一、高(日火)楠、李承宰
  • 動画チェック: 坂詰かよ、大島明子、梅岡徹、柳京我、金錦樹
  • 動画: 山田勝哉、根津直良、石井久美、小林冬至夫、河合正紀、磯崎幸治、DR・MOVIE、車東錫、金敬子、金明變、李錫仁、金弼康、金容植、李正弼、黄水珍、李閏熙、鄭允姫、崔用、李茉宣、文英任、朴素連、李知恩、李恩實、BUSAN DR・MOVIE
  • 色彩設計: 三笠修
  • 色指定: 金丸ゆう子
  • 仕上げ検査: 山本智子、鎌田千賀子
  • 仕上げ: 中山佳奈、大野春恵、DR・MOVIE、羅美愛、朴容慶、朴辰彩、李東禧、金貞花、李永心、申京花、金我珍、柳美貞、呉美玉、金賢淑、BUSAN DR・MOVIE
  • 特殊効果: 谷藤薫児、前川孝、榊原豊彦
  • 美術監督: 金子英俊
  • 背景: アトリエ・ブーカ、西川増水、吉村敏幸、臼田安成、石白博文、岡本有香、川嶋優嘉、岡田真弓、勝井和子、金子則子、中島裕一郎
  • 撮影監督: 山口仁
  • 撮影: 斎藤敦朗、増本由紀大
  • 音楽プロデューサー: 太田敏明(BORDER LINE)
  • 音楽: 大谷幸
  • 音響監督: 鶴岡陽太
  • 効果: 倉橋静男
  • 録音: 浅倉務、阿部幸雄
  • 録音スタジオ: 東京テレビセンター.アバコ・クリエイティブスタジオ、DOLBY SURROUND
  • 音響制作: アーツプロ、杉山好美
  • 編集: 尾形治敏、伊藤勇喜子、寺内聡
  • 製作プロデューサー: 丸山正雄
  • 演出: 星川孝文
  • 制作担当: 大武正弘
  • 制作デスク: 中川真紀
  • 制作進行: 川村賢一、西田正時
  • 現像: 東京現像所
  • タイトル、リスワーク: マキ・プロ
  • 宣伝プロデューサー: 松村傑
  • 宣伝協力: 鈴木誠二(フィールドワイ)
  • アニメーション製作: マッドハウス
  • 製作: アミューズビデオ.デジタル・メディア・ラボ
  • 脚本監督: 池田成

[編集] 主題歌

  • エンディング「THE TROUBLE MAN」(作詞: Andrew Gold 作曲・歌: 矢沢永吉) - プレイステーション版『ヴァンパイア』のOP曲でもある。

[編集] キャスト

[編集] 関連商品

[編集] 『ヴァンパイア』キャラクターの登場する他のゲーム

プレイヤーキャラクター・敵キャラクターとして登場する作品・キャラクターのみを記述。 背景・技などの演出・セリフなどでしか登場しないキャラクターは除外する。

[編集] メディアミックス作品

  • 小説
    • ヴァンパイア MIDNIGHT FLYER(著者: いさき玲衣)
    • ヴァンパイアハンター外伝 モリガン編 紅い月の魔女(著者: 嬉野秋彦
    • ヴァンパイアハンター外伝 レイレイ編 終わらない春(著者: 嬉野秋彦)
    • ヴァンパイアセイヴァー 上巻 冥き王(著者: 嬉野秋彦)
    • ヴァンパイアセイヴァー 下巻 魂の還るところ(著者: 嬉野秋彦)
    • ヴァンパイアハンター MIDNIGHT ELEGY(著者: いさき玲衣)
  • 漫画

[編集] 関連項目

[編集]

  1. ^ 新声社ゲーメスト」Vol. 136(1994年12月27日)第8回ゲーメスト大賞・グラフィック部門1位
  2. ^ セガサターン版『ヴァンパイア ハンター』操作説明書 p. 28

[編集] 外部リンク

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