ノドン
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蘆洞 | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 노동 (韓) 로동 (朝) |
漢字: | 蘆洞 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
ノドン (韓) ロドン (朝) |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
ローマ字転写: | Rodong |
ノドンは
- 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)咸鏡北道の日本海沿いの町。
- 「ノドン」は韓国においての発音であり、北朝鮮では「ロドン」と発音される。
- 北朝鮮が開発した準中距離弾道ミサイルの名前。本項で詳述する。
ノドンは北朝鮮が開発した弾道ミサイル。「ノドン」とはこのミサイルが確認された地名からアメリカがつけたコードネームであり、北朝鮮では「木星」または「火星7号」(北朝鮮ではスカッド・ミサイルを「火星」と呼称しており、「ノドン」をスカッド改とした場合)と呼称される。日本の一部マスコミは当初「労働」という字を当てていたが、これは朝鮮語において「蘆洞」と「労働」が同音(ロドン)であることからの誤解である。
ノドンは1段式の弾道ミサイルで燃料は液体式、ペイロード約1t~1.2t、CEP(半数命中半径)は700m~800m、発射母体は車両や地下サイロ、射程約1,000~1,300km といわれ、ほぼ日本全土を射程に収める。韓国を攻撃するにはスカッドで十分な為、攻撃目標はアメリカの同盟国日本と在日米軍基地だと考えられている。機体は移動可能であり、旧ソ連の MAZ 543P を国産化したミサイル発射車両 (TEL) に搭載されて、山岳地域に建設されたと言われる地下施設で発射待機をしていると推測されている。発射された場合、6~7分以内に日本本土へ着弾させることが可能である。
目次 |
[編集] 能力
[編集] 概要
弾道ミサイル全般にもいえることだが、ノドンの CEP はそれほど狭くなく、通常弾頭の場合は戦術的には脅威となりにくい。第二次大戦時のドイツの V2 ロケットも、爆撃機ほどの効果はなかったことが知られている。湾岸戦争時にイラクがイスラエルに撃ったスカッド・ミサイル40発は、死者4人を出したのみと言われる。ただし、多数の同時発射や市街地が拡がる地域への攻撃では当然大きな被害が見込まれる。市街地に着弾した場合には最大で半径数百メートル程度に被害が及ぶと予想されている。
また、弾道ミサイルの持つ戦略的な効果は大きい。ある程度の射程を持つ弾道ミサイルには目下のところ有効な迎撃手段がなく、さらには政治・経済の中枢を直接狙うことができるという特徴がある。たとえ直接的な被害は少なくとも、国民に動揺が広がり、パニックや厭戦気分を生じさせる効果があるとされる。前述の湾岸戦争でも一時はイスラエルなどの国民に動揺が広がったことが知られている(パトリオットが迎撃を試みたこともあり、その後は終息に向かった)。
[編集] ノドンと大量破壊兵器
ノドンや、北朝鮮の核開発の現状については不明な点も多い。ここでは異なった複数の専門家の意見がある限り、両論を併記する形で提示する。
仮に、ノドンの弾頭に核兵器などの大量破壊兵器を搭載された場合は十分な脅威となる。北朝鮮の核弾頭については原子爆弾とされている。現在、北朝鮮は原爆開発の最終段階の1つである高爆実験を140回程度行っているとされ、これによって原子爆弾の小型化の最初の基準である1,000kg の壁を突破しているとの意見もあるが、北朝鮮の技術では核弾頭を小型化して核ミサイルに搭載するのは不可能と見る軍事専門家もいる。またパキスタンから流出したウラン爆縮式原子爆弾の弾頭設計図を手にしている可能性もあるとの指摘もあるが、明白な資料が示されたことはなく、真相は明らかになっていない。詳しくは北朝鮮核問題を参照。
また、既に実用的な核弾頭を開発できている、との意見も存在する。軍事評論家の江畑謙介氏は、2006年10月9日のNHKにて「(北朝鮮は)核弾頭を持ったと考えざるをえない」との発言をした。海外でも、GlobalSecurity の専門家などは、北朝鮮が実用的な核弾頭を持ったとする分析をしている。いずれにせよ、北朝鮮が核弾頭を開発したとの前提で周辺国は行動しなければならない、とも指摘されている。
その他、生物兵器や化学兵器も搭載が可能だとする意見もあるが、大気圏突入時に弾頭が高温となるため細菌・化学物質が変質する可能性があり、また空中散布についても高度な技術が必要である(散布高度が高いと薄まりすぎる、低いと散布範囲が狭くなる)ことから、北朝鮮の技術力では困難、ないしは有効な攻撃手段とならない可能性が高いと見られている。
[編集] 推定開発経緯
ノドンは1980年代後半からスカッド・ミサイルを元に開発を開始し、1990年代前半には開発を完了、1993年5月29日に試射が行われた。弾頭は日本海の能登半島北方350km 付近に着弾したと考えられていたが、後に日本を飛び越えて太平洋へ落下した可能性が示唆された(このとき、アメリカ合衆国と北朝鮮の間は核開発問題で緊張状態であり、一触即発の事態であった。この問題は、翌年に米朝枠組み合意として、一応の解決を見た)。軍はこのころから実戦配備を開始したと見られる。また、大型のテポドン1段目にもノドンを使用していると見られる。
さらに、北朝鮮は外貨獲得を目的としてノドンをイランやパキスタンなどに輸出していると見られ、パキスタンのガウリ、イランのシャハブ3はノドンと同様か、若干の改良を加えたものと見られる。実際に北朝鮮はミサイルの輸出を実行しており、イエメン行きの北朝鮮貨物船を臨検した際、大量のスカッド・ミサイルが発見され、衝撃を与えた。しかしノドンは北朝鮮でも最高機密であり、その映像・写真は全く公表されておらず、どのような形態をしているかなどは未知であるが、いくつかの要目は諜報活動などによって推測もしくは確認されている。誘導方式は、スカッド-B が積載している3基のジャイロコンパスが1組になった慣性誘導装置を使用しているとされている。FASによれば最近Hwasong6でCEP50m、NodongでCEP190mと判明したとされており、Previously thought to be several thousand metersと記載されているので北朝鮮の貧しさや日米身贔屓感情に幻惑されて、迂闊に敵国の軍事技術を過小評価するのは不適切と言う批判もある。ロシアスカッドDの終末レーダー補正誘導装置(米国のパーシング2の同種の精密誘導装置に対抗して開発された)か中国のGPS補正誘導装置を導入してCEP向上を図っているのではないかと見られている。また、射程を約1,300~1,500km に延ばしたノドン2も開発したといわれ、実戦配備されたとの説もある。
北朝鮮は2006年7月5日に7発のミサイルをロシア沖の日本海に向けて発射したが、分析の結果、このうち2発目はノドンと分かった(朝日新聞2006年7月13日)。現在ノドンは約200基が実戦配備されているとみられている。
なお、近年では旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイル R-27 (SS-N-6) を基盤にして、ノドンB(あるいは BM-25)と呼ばれる新型のノドンも開発、配備されたとも言われる。数は不明で、基本的には移動式とされる。この新型のノドンは射程が3,000km から4,000km にもなるとみられ、CEP は1,000m 程度と推定されている。射程4000km移動式が実戦配備段階ということは、テポドンだけ見て北朝鮮のICBM開発は旧式な固定・液体式と速断するべきではなく、スカッド並みに常温保存液体燃料の「移動式」である可能性も考慮すべき状況と言えよう。
北朝鮮はミサイル開発においてイランやパキスタン、あるいはシリアに技術支援という名目で接近し、ミサイル/核爆弾の代理実験をさせていた疑惑が浮上しているが、イランにおいて2006年1月に試射され、成功をおさめたとされる。なおパキスタンの核実験には北朝鮮の委託実験も含まれていた疑惑があることを江畑健介が指摘しており、最近「北朝鮮はミサイル搭載可能な核弾頭3個を保有している」という報道もあった。
[編集] 日本のミサイル防衛
MDの項も参照されたい。
現在、日本は実質ノドン対策としてパトリオットミサイル (PAC-3) とスタンダードミサイル (SM-3) の配備を決定している。SM-3 は従来現実に想定されるより安易な状況での迎撃を中心的に行っていたものの、近年ではブロック I、ブロック IA と改良が続けられ、ノドンクラスの弾頭の迎撃に試験では成功している。現在はブロック IB および、日米共同でブロック II の開発が行われている。PAC-3 においては、迎撃対象として射程1,000キロ程度までの弾道ミサイルを想定しているため、最大射程で発射されたノドンの迎撃は厳しいとみられる。
アメリカ、欧州、日本の軍事衛星や陸域観測衛星が常に巡回をしているため、ミサイルの固定発射施設の存在はある程度判明しているが、ノドンミサイルは移動可能なため、発射の兆候はつかみにくいとされる。
2002年5月16日に、内閣法制局は「ある国が日本を攻撃する為に、予備役の招集、軍人の無許可移動の禁止、非常呼集を行う等の兆候が見られ、日本を攻撃する為と推定される軍事施設の新たな構築を行う、等が認められた場合、『武力攻撃が予測される事態』とみなし、これをもって先制攻撃を行うことは許容される」との憲法判断を行った。また2006年3月27日には自衛隊法の一部改正が施行され、自衛隊法に第82条の2「弾道ミサイル等に対する破壊措置」が追加された。これは、北朝鮮のミサイル攻撃への対処について法整備を行ったものである。
これは従来に比べると画期的ではあるが、米軍ですら湾岸戦争でのスカッド狩りは成功したとは言えず、北朝鮮は特殊な条件のために核抑止も効かないので、実効性のある国民保護は米国に依頼して/憲法9条改定して北朝鮮が建設中の大型原子炉が完成する前に空爆破壊して、北朝鮮が数十発以上の核弾頭を持つ事を阻止する以外にないとの意見もある。
- 「我が国に飛来するおそれがある場合、防衛庁長官は首相の承認を得て部隊に対し、我が国領域または公海上空で当該ミサイルの破壊を命ずることができる(1項)
- 事態が急変し、首相の承認を得るいとまがない場合、事前に作成した「緊急対処要領」に従い、長官は自衛隊の部隊に対し破壊措置を命令することができる(3項)
[編集] 関連項目
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