フランスブルボン朝
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フランスにおけるブルボン朝(ブルボンちょう, Maison de Bourbon)は、近世フランスの王朝である(1589年 - 1792年、1814年 - 1830年)。文化史の分野では『ルイ王朝』と呼ばれることがある。これはこの王朝に『ルイ』という名の王が多数いるからである。
ヴァロワ朝が断絶し、ブルボン家のアンリ4世がフランス王として即位したことでブルボン朝が成立した。ルイ14世の時代には領土拡大などの成果を上げたが、国民には重税を課しフランス革命を招いた。ブルボン家は革命で王位を追われた後、ナポレオン1世の失脚により王政復古を成し遂げたが、七月革命によって再度王位を追われた。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 成立
ヴァロワ朝断絶後、ブルボン公であったアンリがアンリ4世として国王に即位したことによりブルボン朝が成立した。アンリ4世は優れた人物で、ナントの勅令による国家の統合と内紛で疲弊した経済の再建を目指したが、やはり宗教紛争の影響により1610年に暗殺された。
1610年に即位したルイ13世は幼かったものの、王母マリー・ド・メディシスと摂政となったリシュリューの政策によって、フランスの絶対主義体制が整えられていった。またドイツで起こった三十年戦争を表裏一体となって、支援介入し、国際的地位を確立していった。ただしフランス王を神聖ローマ皇帝に戴冠するという野望は挫折した。
[編集] 太陽王の時代
アンリ4世の孫が、「太陽王」として有名な絶対君主・ルイ14世である。ルイ14世は摂政であったマザランの死後、親政を開始した。このルイ14世の時代にフランスの絶対王政が確立し、フランス文化(ベルサイユ文化)と呼ばれる文化も発展した。
ルイ14世はネーデルラント継承戦争やオランダ侵略戦争を仕掛けて領土を拡大し、国際社会におけるフランスの地位を向上させた。その反面、相次ぐ戦争などにによって軍事費が膨張し、さらにナントの勅令の廃止(フォンテーヌブローの勅令)のためにフランス資本の海外流出するなど、フランス経済の混乱を招き、財政再建を国民の重税で賄うという悪政を敷いた。
[編集] 大革命へ
ルイ14世の死後、その後を継いだ曾孫であるルイ15世も、オーストリア継承戦争をはじめとする対外戦争にたびたび出兵して膨大な軍事費を国民の重税で賄うという悪政を敷いた。こうしてフランス革命の遠因を作ることとなった。
ルイ15世の孫・ルイ16世の時代である1789年、遂にフランスの財政は破綻した。このため、ルイ16世はそれまで特権階級であった貴族や聖職者にも税を払わせようとしたが、これが原因で三部会が紛糾し、それがフランス革命勃発の直接の原因となった。
フランス革命では、革命政府内部でも権力闘争が起こり、さらにフランスの縁戚であったオーストリアなどの干渉もあってフランス国内は混乱が続いたが、1792年に国民議会によって遂に王権は停止され、1793年にルイ16世が処刑されたことで王政は廃止となった。
ルイ16世の死により、その息子である幼少のルイ17世が「フランス国民の王」として祭り上げられたが、革命政府からぞんざいな扱いを受け、1795年に病死した(生存説もある)。この時点でフランスは王国ではなくなったが、ルイ16世の弟プロヴァンス伯爵(後のルイ18世)が亡命国でフランス王を自称した。
[編集] 王政復古
フランス復古王政を参照
その後、フランスではナポレオン1世によるフランス帝国が成立したが、ロシア遠征の失敗でナポレオンは1814年、失脚することとなる。そしてウィーン会議のもと、ロシア帝国やオーストリア帝国など対仏大同盟諸国の意向を受けて、ルイ18世がフランス王として即位し、ブルボン朝が復活した。
ルイ18世の死後、後を継いだシャルル10世は、絶対王政の復活を目指して議会の解散を行なおうとしたため、国民が反発して、1830年に七月革命が起こる。この革命によってシャルル10世はイギリスに追放され、フランスにおけるブルボン朝は滅亡した。
[編集] 歴代国王
[編集] 歴代国王
- アンリ4世(1589年 - 1610年)
- ルイ13世(1610年 - 1643年)
- ルイ14世(太陽王、1643年 - 1715年)
- ルイ15世(1715年 - 1774年)
- ルイ16世(1774年 - 1792年)
[編集] (復古王政)
[編集] 関連項目
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