ブルネル賞
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ブルネル賞(Brunel Award)は、鉄道関連では唯一となる国際デザインコンペティションである。
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[編集] 概要
1985年、欧米を中心とした世界各国の鉄道関連のデザイナー、建築家によって構成されるワトフォード会議によって創設された賞で、近年完成あるいはリニューアルされた鉄道関連のあらゆる分野のプロジェクトを対象に顕彰することを通じて、鉄道事業者の経営に対するデザインの効用の認識を高めるとともに、鉄道の社会的役割に対する一般の意識の向上を目的としている。コンペは2~3年毎に開催され、2005年には第9回を迎えるに至った。賞の名称はイギリス・グレートウエスタン鉄道の技師、アイサムバード・キングダム・ブルネル(1806-1859年)にちなんでいる。
日本の鉄道事業者の参加は、1989年に東日本旅客鉄道(JR東日本)が「世界鉄道デザイン会議」を主催したことを契機として、同年の第3回コンペ(オランダ)から認められ、以来毎回受賞している。特に車両関連では欧米各鉄道に劣らぬ受賞実績を挙げている。
[編集] 日本の鉄道事業者の受賞歴
日本の鉄道事業者の過去の受賞実績は以下の通り。左より、受賞対象/受賞事業者/デザイナー名の順。
[編集] 最優秀賞
- 第3回(1989年)
- 駅からマップ/JR東日本/日本グラフィックマップ(洲嵜春彦)
- 第4回(1992年)
- 第5回(1994年)
- 第6回(1996年)
- 第8回(2001年)
- 第9回(2005年)
[編集] 奨励賞
- 第3回(1989年)
- 新橋駅チップ制トイレ「パウザ・ディ・クロマ」/JR東日本/デザイナー名不明
- 保津川の5橋梁/JR西日本/デザイナー名不明
- とうきょうエキコン・東京ステーションギャラリー/JR東日本/デザイナー名不明 ※1
- 651系電車「スーパーひたち」/JR東日本/TDO※2 ※1
- 第5回(1994年)
- 新千歳空港駅/JR北海道/デンマーク国鉄+安井建築設計事務所
- 新千歳空港駅のアートワーク/JR北海道/ペア・アーノルディ
- 255系電車「ビューわかしお・さざなみ」/JR東日本/GK(菅泰孝)
- 209系通勤形電車/JR東日本/GK(菅泰孝)
- 改造お座敷列車/JR東日本/東急車輛製造?
- 「つばめ」の客室乗務員制服/JR九州/ドーンデザイン研究所(水戸岡鋭治)
- 23000系電車「伊勢志摩ライナー」/近畿日本鉄道/木村一男+手銭正道+山内陸平+近畿車輛
- 第6回(1996年)
- 磐城塙駅/JR東日本/伊藤邦明
- E217系近郊形電車/JR東日本/GK(菅泰孝)
- 保守用車のカラーリング/東海旅客鉄道(JR東海)/TDO※2
- 二条駅・花園駅/JR西日本/浦辺設計+建築環境研究所
- 「ソニックにちりん」用883系電車の動く彫刻「空想の旅」/JR九州/高田三郎
- 会社案内・列車のパンフレット/JR九州/デザイナー名不明
- 第7回(1998年)
- 新幹線500系電車/JR西日本/アレキザンダー・ノイマスター(基本デザイン)+木村一男+近畿車輛
- 第8回(2001年)
- 第9回(2005年)
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- ※1:審査員特別推薦
- ※2:TDO:Transportation Design Organization。木村一男、松本哲夫、福田哲夫の各氏が中心となって活動しているデザイン組織。おもにJR東日本とJR東海の車両デザインを担当。デザイン実務は内装:剣持デザイン研究所、外装:A&F。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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