ホームスクーリング
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ホームスクーリングはホームスクール、ホーム・ベイスト・エデュケーションなどともいい、学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことをいう。
ホームスクーリングを行う理由は子供によって様々であるが、比較的多い理由は次のようなものである。
- 家庭が学校から遠い。(デンマーク、オーストラリア、そして米国の農村部に多い。この場合、遠隔地教育という言い方もする。)
- いじめなど学校の様々な教育問題のため、登校したくない。
- 宗教的、思想的な理由などで、子供や保護者が学校での学習内容に満足できない。
ホームスクーリングを始める経緯は、次のように大別出来る。
ホームスクーリングを教育形態で分類すると、大きく2つに分けられる。
- ラーニング・アット・ホーム 教科書などを使い、保護者等が教師役をつとめて、教育を行うもの。
- アンスクーリング 子供の自主性に任せて、子供の学習する意欲・興味に従って教育を進めるもの。
日本では法令上、児童・生徒が、授業に出席する義務、授業を受ける義務、考査試験を受ける義務を負う旨を定めた明文の規定はない(東京地方裁判所判決 平成9年(行ウ)第92号)。また保護者は、学齢期(6歳から15歳)にある子女(子供)を学校に就学させる義務を負っているが(学校教育法第22条・第39条)、子女を病気欠席させることなどは、一般的に「正当な事由」とされ保護者が義務を怠っているとはされない(学校教育法施行令第20条・第21条)。
このためホームスクーリングは、子女を出席させない「正当な事由」(例として、いじめによる不登校は「正当な事由」になる可能性がある)が保護者に認められるときに、日本国憲法第26条第1項が定める「国民が、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を子供が享受する手段としても機能する。さらにホームスクーリングは、病弱、発育不完全などのために保護者が就学猶予・就学免除を受けた子女とって、教育を受ける手段として重要なものになりうる。
米国のクロンララ校が、数あるフリースクールの中で、公的なホームスクーリングの支援校として早くからその方面で実績を重ねている。日本の不登校の子供たちでも、日本国内の小学校・中学校に建前上学籍を置きながら、クロンララ校でホームスクーリングの支援を受けるという場合が増えてきた。同校には日本人のスタッフもいる。
現在、米国では全州においてホームスクーリングは合法とされている。ホームスクーリングをおこなう家庭を法的に支援するための民間団体として設立されたホームスクール法律擁護協会(HSLDA 本部 ワシントンD.C.)の働きがみられる他、各地の草の根ネットワーク活動が活発である。ホームスクーリング関連のウェブサイト、ホームスクーラーむけの参考書や教科書、インターネットスクールが多数。主な大学のほとんどが、ホームスクーリング出身者の入学を受け入れている。
[編集] ホームスクールで教育を受けた有名人
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ポラリスルーム
- ゼロネット
- ホームスクーリングネットひめじ
- 東京ホームスクーリングネットワークひなたぼっこ
- チアにっぽん
- クロンララスクール
- ジャックポット
- 全国クリスチャンホームスクーリング支援センター
- ホームスクール法律擁護協会(米国サイト)
- 東京シューレ ホームシューレ
- NPO法人フリースクール全国ネットワーク
- ステップアップスクール・サイト
カテゴリ: 家庭教育 | 教育制度 | アメリカ合衆国の教育