ミネラルウォーター
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ミネラルウォーターとは、容器入り飲料水のうち、地下水を原水とするものを言う。特に、原水の成分に無機塩添加等の調整を行っていないものは、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターと呼ぶ。一方、原水が地下水でないものは、ボトルドウォーターと呼ぶ。これらの区分については、農林水産省がガイドラインを定めている。
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[編集] 概要
この製品は当初、地下水などの硬度が高過ぎて飲用とし難い欧州を中心に、味の良い地下水のある地域の物を瓶詰めとして飲料水に販売した事に始まる。特に欧米では飲用に適する上水道と排水を流す下水道の他に、入浴や洗濯などに用いられる生活用水(飲用には適さない)を供給する中水道が存在している地域もあり、上水道であっても硬度が高いために味の悪い水しか出ない地域もある。イギリスのロンドンでは上水道を沸かすやかんや、湯を沸かすボイラーの内側にもカルシウムやマグネシウムの結晶が大量に付着する事が知られている。
このような事情により、特に水事情が悪い都市圏を中心にミネラルウォーターの販売が普遍化したが、近年では「自然である」や「健康に良い(有害な不純物を含まない)」として、世界的にも愛飲者が広く存在する。だがその一方で、ミネラルウォーターとの名称から、ミネラル(無機物)を多く含んだ飲料水のことと思っている人も多いが、ミネラルウォーターにはミネラル成分の品質規定があるわけではない。
市販品では、ミネラルの取得による栄養補給という面よりも、各地の名水や大自然のイメージを前面に押し出しているものが多い。もっとも、ミネラルウォーターに含まれる程度の量ではミネラル摂取の効果は全く期待することはできない。基本的に水であるため、大量に摂取すれば摂取するほどに尿の量も増え、それに伴ってミネラル分も吸収した傍から排出される。当たり前であるが、ミネラル分はきちんと食事から摂取した方が良い。
近年では、比較的水事情の良いと思われていた日本国内でも、大都市圏などの水道水には、水源の有機物系の臭いや水道配管の錆、さらには消毒のための塩素の臭いやトリハロメタンの危険性など、水質に問題があると感じる消費者も増えている。ミネラルウォーターはこのような地域を中心に売上を伸ばす傾向にあり、コンビニエンスストアなどでも普遍的に見かける定番商品と成っている。また、これらから製造された氷も見掛けられる。
なお、水道水よりも水質基準がゆるく(砒素濃度が水道水の5倍まで認められるなど)、また水質検査間隔などの規制もゆるい。あくまで、飲料のみの用途を想定しているためであり、日常的に料理等に使用するのは基準の想定外である。
[編集] 炭酸含有の有無
欧米では、ミネラルウォーターの原料となる水に元々炭酸が含まれているものがあり、ミネラルウォーターといえば炭酸水を指すことが多い(代表例:サンペレグリノ)。炭酸水を冷やさずに常温で飲むと独特の味わいになるため、日常的に炭酸水を飲む習慣がない日本人には馴染めないことがある。特に「ガスなし」と断らないと炭酸水が出てくることがあるので注意すること。
「ガスなし」ミネラルウォーターには、炭酸を抜く工程を加えたもの(例:サンペレグリノの無炭酸)や、元々炭酸を含まない水を利用したもの(例:エビアン)などがある。
なお、オーストラリアでのミネラルウォーターとは日本で言う炭酸水である。無炭酸の物はスティルウォーターと呼ばれる。
[編集] 健康食品的なミネラルウォーター
従来は、単に風味の良い水として販売されていたミネラルウォーターでは在るが、近年においてバナジウムが糖尿病抑制効果があるとして、このバナジウムを含む地下水が健康食品の一種として販売されている。なお、このバナジウムの糖尿病抑制効果には明確な裏付けがある訳ではなく、あくまでも「そのような説が発表された」という段階なのだが、早くも多くの中小の健康食品メーカーがこれらバナジウムを含む地下水の販売を行っている模様で、既に大手清涼飲料水メーカーの一部にもこれを扱う所が見られる。
古くより、水は生物の生存に欠く事の出来ない要素として挙げられている訳だが、それだけに健康食品や健康グッズの分野に於ける注目度は高く、中には様々な「怪しい」商品も散見されている。これを指して「水商売(元来は風俗業を指す言葉)」と揶揄する向きもある一方、これらに多大な出費を行って健康を得ようとする人も見られる。
ただ、日本国内においては水道水という「常に安全で生命維持に問題がないよう配慮された物」が供給されている事もあり、極端にこれらの商品に耽溺する事は、フードファディズムの一種であるとも思われている。
[編集] ミネラルウォーターの表示区分
ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン(農林水産省:平成2年3月30日食品流通局長通達「2食流第1071号」、平成7年2月17日「7食流第398号」改正)により内容物の表示を定めている。
- 適用範囲
- 地下水等のうち飲用適の水(カルシウム、マグネシウム等(硬度)及びpH値を除き、水道法第4条に適合する水をいう。)を容器に詰めたもの(炭酸飲料の日本農林規格(昭和49年6月27日農林省告示第567号)に規定する炭酸飲料を除く。これを「ミネラルウォーター類」という。
- ナチュラルウォーター
- 特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの
- ナチュラルミネラルウォーター
- ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む。)をいう。)を原水としたもの
- ミネラルウォーター
- ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラル調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの
- 飲用水、ボトルドウォーター
- ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもの
[編集] 代表的なミネラルウォーター
[編集] 硬水
[編集] 軟水
- ボルヴィック
- 六甲のおいしい水
- クリスタルガイザー
- 梵珠百水(モンドセレクションで、グランドゴールドメダルを5年連続受賞、国際最高品質賞受賞)
- VOSS
- アクアパンナ
- サントリー天然水
- 日田天領水
- 大峯山神泉洞の水
- マサフィー
- 温泉水99
- 高牧の森の水
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ミネラルウォーター協会 -- 業界団体
- MIKIO'S WEBSITE -- 世界のミネラルウォーターコレクション
- ミネラルウォーター大全 -- 数百のミネラルウォーターのデータベースと複数の検証人が実際に飲んだ感想の記録
- ミネラルウォーター、おいしい水比較80選 -- 日本のミネラルウォーター69種、海外のミネラルウォーター11種を比較解説。
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