ヴァンガード
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ヴァンガード(vanguard)は、英語では「先鋒、前衛」という意味の名詞で、語源はフランス語のアヴァンギャルド(avant-garde:頭音消失)。船や潜水艦、宇宙船などの名前に好んで用いられている。
- ヴィッカース・ヴァンガードは、英国製の民間航空機:ビッカース ヴァンガードを参照のこと。
- 英国海軍の伝統的艦名:ヴァンガード (英海軍)(HMS Vanguard)を参照のこと。
- アメリカ海軍の開発した三段式ロケット、打ち上げられた衛星および計画全体の名称:ここで記述する。
- ヴァンガード・クラシックスはアメリカのクラシック系レコード・レーベル。
ヴァンガード ロケット | ||
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段数 | 3 | |
1段目 | エンジン | X-405 × 1 |
推力 | 134.7 kN | |
燃焼時間 | 248 秒 | |
燃料 | 液体酸素/ケロシン | |
2段目 | エンジン | AJ10-118 × 1 |
推力 | 33.8 kN | |
燃焼時間 | 115 秒 | |
燃料 | 硝酸/ヒドラジン | |
3段目 | エンジン | GCRC × 1 |
推力 | 11.6 kN | |
燃焼時間 | 31 秒 | |
燃料 | 固体燃料 | |
最初の打ち上げ成功 | 1958年3月17日 | |
ペイロード | 1.36 kg ~ 22.7 kg |
ヴァンガード(Vanguard)はアメリカ合衆国の海軍が開発した、初期のロケットである。1955年、アメリカ発の衛星打ち上げロケットとして、空軍のSM-65アトラス、陸軍のSSM-A-14レッドストーンの派生型、海軍のRTV-N-12aバイキング観測ロケットを元にした3段式ロケット、の3つの案のうち、海軍案が選定されたことで開発された。
ソビエト連邦のスプートニク打ち上げに対抗するため、急遽"グレープフルーツ"と呼ばれる試験用衛星を搭載して打ち上げられることになった。結果、1957年12月6日の打ち上げでは発射数秒後に爆発、アメリカの宇宙計画始まって以来の大失敗に終わった。
1958年3月17日、3度目の衛星(ヴァンガード1号)打ち上げで遂に目標を達成したが、その頃には既に陸軍のジュピターCが衛星(エクスプローラー1号)打ち上げを達成しており、アメリカ初の座を逃すこととなった。 このヴァンガード1号は、ビーコン発信器と電池を積んでいるだけの試験衛星だが、世界で最初に太陽電池を搭載した人工衛星として知られている。直径は6.4インチ、重さは3.5ポンド。その信号は1964年に途絶えたが、先に打ち上げられたスプートニク1, 2号およびエクスプローラー1号が落下して久しい現在でも軌道上にある、最古の人工天体でもある[1]。
翌1959年に打ち上げられたヴァンガード2号では直径20インチ、重さ21ポンドまで大きくなった。軌道上から雲の写真を記録・撮影する機能を搭載し、気象衛星の先駆けとなった。
[編集] 関連項目
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