New Immissions/Updates:
boundless - educate - edutalab - empatico - es-ebooks - es16 - fr16 - fsfiles - hesperian - solidaria - wikipediaforschools
- wikipediaforschoolses - wikipediaforschoolsfr - wikipediaforschoolspt - worldmap -

See also: Liber Liber - Libro Parlato - Liber Musica  - Manuzio -  Liber Liber ISO Files - Alphabetical Order - Multivolume ZIP Complete Archive - PDF Files - OGG Music Files -

PROJECT GUTENBERG HTML: Volume I - Volume II - Volume III - Volume IV - Volume V - Volume VI - Volume VII - Volume VIII - Volume IX

Ascolta ""Volevo solo fare un audiolibro"" su Spreaker.
CLASSICISTRANIERI HOME PAGE - YOUTUBE CHANNEL
Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions
三河牧野氏 - Wikipedia

三河牧野氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

[分割]
項目分割の提案:この項目は、記事の一部を「聖眼寺扇の馬印の由来伝説」に分割することが提案されています。議論はノート:三河牧野氏を参照してください。なお、分割作業を行う際には履歴不継承にならないように注意してください。

三河牧野氏は、三河のうち、東三河の宝飯郡牛窪(豊川市牛久保)を本拠とした土豪であり、今川氏の家臣を経て、徳川氏に使え譜代となった。地元東三河出身の土豪と思われるが、そうではないとする論者もおり、発祥出自は不明である。越後長岡藩の当主の牧野氏の重臣の河井継之助の幕末の北越戦争の活躍から、研究者の間では神格化・美化されており注意を要する。[要出典]

目次

[編集] 牧野氏の元資料

牧野氏の発祥・事跡を詳細に記述した良質でメジャーな1級史料はない。その主な引用先は、1700年前後に成立したという軍記物の牛窪記(著者不明だが、牛窪近郊の住民の手によるものと思われる。または、密談記著者の中神善九郎行忠の著書の可能性もある。密談記は、加筆修正した改訂新版か?2書の製作年代が近似している。)と、山本勘助の記事を掲載した牛窪密談記の記述に依存している。 牧野氏および東三河偏向主観で記述されているため、大局的な史実や、他の1級史料と矛盾することが多い。そのため、論者は、異説、両論併記という手段で編集している。室町・戦国・江戸初期に、牧野氏の事跡を詳細に記述したものはないため、論者の後世の付会である可能性が高く、信憑性に疑問符が付く。東三河在住の郷土史家の論文が流布しており、原本としている場合も多い。[要出典]

[編集] 牧野氏の動向

[編集] 牧野平三郎系

牧野平三郎系はその後、応仁合戦に西軍一色義直麾下で参陣して疲弊しその勢力を著しく低下させたと思われ、一色義直家臣牧野成興(平三郎)は文明8年(1476)死去し、その主君義直が将軍足利義政に和睦を認められ三河守護職を放棄したため大いに衰えた。成興の子忠高は継嗣もなく、一族牧野成種(出羽守)・成勝を養子としたと云う。もっとも長岡藩主牧野氏所蔵でない牧野氏系図(以下、非長岡牧野系図と略す)には、氏勝・成勝の2人の男子(あるいは養子)があったとされるが、氏勝と成勝は同一人物とするのが有力である。

非長岡牧野系図には、牧野氏勝が牛窪記で有名な牧野出羽守保成の父であったとするものもあるが、氏勝(成勝)と出羽守成種が同一人物であったとするのには、成勝(氏勝)は天文3年4月8日・天文5年12月吉日に宝飯郡八幡の八幡宮の寄進状に「牧野民部丞平成勝」と記銘し、一方の成種は嫡男・保成が天文13年に田三郎と称しており(『東国紀行』)、保成が出羽守を襲名するまでは、成種自身が出羽守と称したと思われるので別人と考えられる。 牧野出羽守を称したこの系統は成種・保成・成元・成真と続いたが永禄9年に徳川氏に追放されて途絶した。

宗長手記によると大永7年(1527)7月に、伊奈の牧野平三郎方に宿泊したとの記事がある。

また天文13年(1544)に連歌師谷宗牧が東三河に訪れた際に牧野平三郎・平四郎兄弟が牛久保より出迎えた記事が「牛久保密談記」に見え、またこの牧野平三郎は牛久保城下伊奈出口に居住したといい、永禄のころに一時は伊奈本多氏に代わり伊奈城主であったとも云うので細々と存続していたらしい。

牧野平四郎は、名を政成と云い直系子孫は、諸侯となった牧野氏に随従して、上野国大胡・越後国長岡・越後国与板と移り、4代目牧野平四郎が、牧野八郎左衛門と通称を改めて、与板藩主・牧野康成の家臣となった。さらにその子孫は、藩主の信濃国小諸城主栄転に伴いその城代家老となり明治維新まで存続した。(出典 長野県小諸市役所元助役・小諸藩士族会元会長 牧野一郎所蔵文書)

この細々と存続していた牧野平三郎家は、牛久保城主となった形跡はないが、いうまでもなく平三郎系の嫡家であったのだから、成興の家系を汲むものでなければならない。成興の子忠高は没落していたが名門であったので、庇護を目当てに、実力があった一族を相次ぎ養子として、家柄と正当性を与えていたのかもしれない。忠高には実子がありながら、養子縁組をする一方で、その実子系が、牛久保伊奈口の住人となったと推察することもできる。

成種の系は牧野保成(出羽守)が継ぎ、戦国大名今川義元の庇護のもとに牧野一族の実質的な惣領となったが、義元戦死後は今川氏の衰退とともに徳川家康に屈して滅亡。その弟・牧野貞成(民部丞)は、断定はできないが成勝(氏勝)の系を継いだと思われ、享禄2年(1529)牛久保城主になった。

しかし戦国大名今川氏の支配を嫌い弘治2年(1556)には追放されたが、永禄4年(1561)徳川氏(当時松平氏)に味方し、養子の成定(右馬允)も永禄9年5月に岡崎で家康に謁見を受け徳川氏に帰属した(永禄9年5月9日牧野右馬允成定宛松平家康判物)。結局、この系より徳川譜代大名家の牧野氏(笠間藩田辺藩長岡藩小諸藩三根山藩)が生ずることになった。

[編集] 牧野田蔵系

宗長手記によると、大永7年(1527)7月に、今橋城(牧野田三)に宿泊したとの記事がある。

なお、牧野古白直系を継いだ牧野田蔵系は享禄2年(1529)5月(天文元年(1532)説もある)に岡崎城主松平清康の進攻を受け、吉田城(大永2年(1522年)、古白の子牧野信成により今橋城より改名)下の下地(しもじ、現・豊橋市下地町)合戦で壊滅し、信成居城吉田城も落城して滅亡、嫡子田蔵某は家臣神谷氏の縁で尾張国知多郡大野(現・常滑市大野町)に亡命した。

その系は織田氏・豊臣氏と所属を変遷し、関ヶ原合戦で徳川方に移り徳川氏旗本になった。この牧野氏は本姓を変えず田口としている。(大名家の牧野氏は清和源氏支流と公称した)

[編集] 牧野筑意

牧野筑意は牛久保城主牧野右馬允の分かれといい、照山城を居城としたというが、当初は城ではなくその隠棲の屋敷であったらしい。嫡子伝太夫もこれを継ぎ牛久保牧野家に付属したが、その子弥次兵衛尉成政は松平元康(徳川家康)の永禄4年4月の牛久保城攻めの際、徳川方に帰属して八名郡の国人領主西郷正勝に与力した。正勝戦死のあとも家康の命により西郷氏後嗣に合力・補佐したが元亀2年(1571)武田信玄が東三河を攻めた際、崇山八丁(豊橋市)で戦死した。成政の嫡子成勝(弥次兵衛)はその後も西郷家に客分として残留したが、西郷家が所替え(下総国生実5千石)になった際、家臣化されるのを嫌い、牛久保牧野家の牧野右馬允(康成)が上州大胡城主(2万石)になったのを機に同族の誼みでこれに付属、のち家臣となった(後の長岡藩士牧野弥次兵衛家)。

この時、長男成義(次郎兵衛)のみ西郷家に残したが、成義は家康上洛の節に伏見で徳川頼宣付きに召し出された。子孫は紀伊徳川家家臣として連綿した。

[編集] 城趾・居館跡

牧野氏の築城した城として、宝飯郡内に牧野城牛久保城、正岡城、瀬木城などがある。また渥美郡に今橋城を築城した。

他に旧渥美郡内(現・豊橋市域)の和田地区に和田城、馬越地区に馬越城があり、いずれも牧野氏に由来のあるものと伝えられるが、事実関係は明らかにされていない。伝承が事実なら牧野古白の今橋築城以前の文明年間あるいはそれ以前に渥美郡内に牧野氏の根拠地があったことになる。 

宝飯郡牧野村(現・豊川市牧野町)に近年まで牧野氏の居館の讃岐屋敷があったが伊勢湾台風で壊れて荒れ果て、現在は豊川市に寄付され公園となっている(門のみ残っている)。讃岐屋敷の呼び名は牧野氏が讃岐国より来住したことによるという。館の主は牧野古白成時の長男・能成の子の田六宗成の末裔と伝える。

宝飯郡市田村(豊川市市田町)に牧野四郎左衛門館跡があった。近隣の久保神社に永正14年(1517)の古棟札があり、それには他の牧野氏一族と共に四郎左衛門の名がある。

宝飯郡三橋村字郷中(豊川市三谷原町)に牧野助五郎館跡(飯尾因幡守古城跡とも云う)があった。

八名郡賀茂郷照山(豊橋市賀茂町)に照山城があった。

城趾にある加納寺に残る伝承等によれば、初め質素な屋敷であったが、永禄末から天正初期には水堀を備えるなど本格的な城郭となったとされ、初代城主は牧野筑意と伝える。牧野筑意は長岡藩士牧野弥次兵衛家及び紀伊徳川家家臣牧野氏の始祖である。

[編集] 古棟札など

宝飯郡牧野氏の初見は、中条新草神社延宝9年の棟札に、『嘉吉3年 牧野右馬守御建立』と云う文字が読みとれるが、伝説に依拠して、後世に作られたものであり、信じがたいとする説が多く、確実なところでは、明応4年の財賀寺建立棟札に、『大旦那 牧野古白』とある。また三河国聞書及び、八名郡和田村(現・豊橋市和田町)の和田椙本八幡宮棟札(文明3年)に、牧野駿川(河)守とある。豊川市財賀町の財賀寺の文明4年11月15日棟札に牧野左京亮守成、牧野修理進利業の名もある。

[編集] 牛窪記等による徳川家康の金扇馬印、聖眼寺・牧野氏由来説

牧野氏が聖眼寺(豊橋市下地町)の太子堂に奉納した2本の金扇の1本を、徳川家康が今川勢の支配する対岸の吉田城を攻撃する時に同寺住職が家康に献上した物で、のちに徳川将軍家馬印に採用されたという。なお、天正18年(1590年小田原の陣の際に徳川家康は聖眼寺でのエピソードを話して、金扇の使用を遠慮していた牧野半右衛門に馬印としての使用を差し許した。(出典 聖眼寺伝説・牛窪記 牛窪密談記)

反論;しかしながら、信長記には、馬験之事に、〈永禄(1558‐70)ノ比マデハ馬験ト云事ナカリキ、元亀(1570‐73)ノ比ヨリ初リ。とあり、1563年時点で、家康の馬印があったとしている牛窪記の記述には信憑性がないと思われる。

また、徳川幕府の古記録である柳営秘鑑では本多忠高本多忠勝父子を由来としており、牛窪記の記述と矛盾する。

なお牛窪記は、続群書類従・合戦部に他の軍記物と併せて収録されており、その記述には軍記物特有の虚実入り混じっているものと思われ、取り扱いには注意を要する。

[編集] 牧野氏一族

  • 牧野成富

応永4年(1397)、勝定院(足利義持)の命により讃岐国より三河国にまねかれ同国宝飯郡牧野村に牧野城を構えたとされる人物。渡来当初は田内左衛門尉と称したが、支配地牧野村から牧野を名字としたと云う。(讃岐より渡来は父親とされる成方の代とする説がある)。実名は成留とも書く。のち入道して、春興と号した。延徳2年(1490)3月今川家に与して討死と云う。子に牧野成時がある。

一般には入道名の牧野古白として知られている。古白はまた古伯と書かれることもある。三河牧野氏の中興の祖。一色城主のち今橋城主。永正3年(1506)11月、今橋城陥落の際に戦死または支城の瀬木城に逃れそこで自害とも云う。古白以外の通称は田蔵左衛門尉・右馬允・平馬允・右馬頭・平朝臣など。また成時以外に実名を利成とも云う。墳墓は豊川市牧野町柳貝津にあり。法名・養林院殿法印大僧都古白方順大禅定門または月譽古白大禅定門。また、豊橋市新吉町の吉田山龍拈寺も古白入道の菩提寺(子の信成建立と伝わる)とされる。

  • 牧野成朝

太郎、あるいは太郎兵衛尉。田口教良の長男。牧野村に住し、承久の乱に鎌倉方で参陣。

  • 牧野成継

平三郎。田口教良の三男。兄に同じく承久の乱に鎌倉方で参陣、恩賞で牧野村ほか数ヶ村の地頭となったと云う。

[編集] 牧野氏の発祥出自をめぐる諸説

牧野氏先祖は四国の出身 蘇我田口朝臣蝙蝠(そがのたぐちのあそんかわほり)の後裔という阿波守田口息継(おきつぐ)の子孫は阿波国桜間郷などで土着し、その子孫田口成良(たぐちのしげよし)の時、平清盛に仕えて、対源氏の一ノ谷合戦に活躍。また、清盛の福原遷都構想にともなう大和田泊(現在の神戸港の前身)の築堤工事にも加わったと云う。清盛死後、京都を源氏に追われた安徳天皇と平氏一門を自領の讃岐国屋島に招き、仮御所を築造し四国の武士たちを糾合して安徳天皇を守護した。その功により従四位下民部大輔(また阿波守)に叙せられたとも云う。しかし、源義経の四国上陸後は義経軍に敗れ、とくに嫡子田口教良が千余騎の軍兵と共に義経に投降すると、成良は俄に源氏に通じて壇ノ浦合戦では源氏軍に参陣した。しかし平氏滅亡後にこの返忠は認められず、鎌倉に護送された成良は処刑された。成良嫡子田口教良(たぐちののりよし)は助命され、御家人三浦氏に預けられ、三浦氏の自領相模国三浦の地で幽閉されていたとも三浦氏に仕えたとも云う。しかし、建久8年(1197)三浦氏の一族和田義盛に三浦浜で斬られて死んだ。一方、教良の子ども達はなお生存し後に牧野氏先祖になったとされる。(参考図書・角田文衛「平家後抄」)

牧野氏の三河渡来の時期 三河発祥の牧野氏は、鎌倉時代、四国の阿波・讃岐国の豪族田口氏の子孫という牧野氏先祖が、承久の乱の時に鎌倉幕府(北条執権政権)の軍に参陣し、鎌倉方の勝利でその戦功の恩賞として三河国宝飯郡牧野村の地頭に補せられ、その地の名を名字としたという鎌倉時代(及びそれ以前)渡来説と、室町時代の応永年間に阿波・讃岐の豪族であった田口氏の一族が三河国に渡来、同郡の牧野村に牧野城を築城してその地の領主となったという室町時代渡来説がある。

鎌倉時代(及びそれ以前)渡来説 旧越後長岡藩主牧野家の家史(「牧野家家史」)、牧野家譜に代表される長岡藩系統の先祖由来はこの立場をとっている。但し、家史の記述は戦国時代以前では不正確や不明確な面が多くあることも否定できない。(例えば牛久保領正岡住で天文5年(1536)今橋城主になり、同6年戸田金七郎宣成に城を奪われた牧野田兵衛尉成敏を牧野城城主歴代とするなど)この説を補強する内容として、室町時代以前の記述がある。吾妻鏡承久3年(1221)の記事に鎌倉方武士として牧野太郎兵衛尉の名がみえる。また、『牧野氏系図・紀姓』(長岡中央図書館蔵)に元弘3年の鎌倉攻防戦に牧野平三郎時成が戦死(この時牧野氏は足利尊氏方に属していたと云う)、その恩賞としてその子・孝成に三河国内において大沢・二川・杉山・小池・赤羽等の地を室町幕府より加えられたとする(これらはいずれも旧渥美郡内の地である)。

室町時代渡来説 代表的なものに寛政重修諸家譜巻652の田口氏流牧野氏の伝に、田口成清の代まで讃岐国に住し田内成富が応永年中(1394-1428)将軍足利義持の命により三河国宝飯郡中條郷牧野村に来住したとする説。なお同じ寛政重修諸家譜の巻367(丹後田辺藩牧野氏の譜)では、成富は細川氏に従って三河国に移り宝飯郡牧野村に住したとする。阿波屋形と呼ばれた細川持常が三河守護になっているが、この細川氏の被官衆に田口氏・桜間(桜庭)氏もしくは牧野氏は見えず、牧野氏主君とされる一色氏とこの阿波屋形細川氏は三河守護職をめぐり対立していた事から細川氏に随従した事実は疑わしい。

応永年間渡来の説は多くみられるが、成富以外でも、桜間助成遠(田口成良一族に桜間介良遠などがあったがその子孫か)応永4年(1397)三州牟呂津(現・豊橋市牟呂町)に着船(牛久保密談記・三河国宝飯郡誌)や、田口成清の子孫和田(野)民部紀重成・則成父子が讃岐国より三州牧野村に移住(三州吉田記・八名郡誌)など。なお、豊橋市石巻本町和田にあった和田城の城主は往古に和田民部という人物が在城したという伝承がある(のち当地の土豪渡辺氏の居城となる)。また、近隣の馬越城にも牧野氏が在城したと云う。馬越地区には牧野氏の支配を示す古棟札が馬越素盞嗚神社にある。

しかし応永年間渡来を否定する内容もある。牧野村字郷中にあった云う福昌禅寺は牧野氏創建と伝えるが同寺住職の筆という大般若経が現在も伝わり、その奥書に応永より古い康応2年(1390)庚午5月2日の日付がある。但し、桜間介良遠の法名が福昌院殿という伝承はあるが、この寺院開基が牧野氏である客観的な確証は今のところ無い。

鎌倉・室町期複数渡来説 長岡藩々主家の牧野系図(『牧野系図・紀姓』・『牧野家系図(本国三河・田口朝臣姓)』いずれも長岡中央図書館蔵)の記述内容によれば、三河の牧野氏先祖は鎌倉時代に阿波国の土豪田口氏が三河国牧野村に移住し、その後、残留していた同族も室町期に数度にわたり牧野村の先住組を頼って渡ってきたと思われる。(上記系図の記述に従い以下に示すが、しかし同時代文書に乏しく、伝承の域を出ないものである)鎌倉時代承久の乱までに田口教良の子成朝・成継兄弟が阿波国(または讃岐国)より三河国中條郷牧野村に移住、当地の開拓領主であったものが承久の乱(1221)で鎌倉幕府北条執権政権に加勢して功を認められ地頭になった。その後、成朝の系は数代を経たが無嗣のためか続かず、成継の平三郎系が牧野氏の主流となる。平三郎系は時成のとき元弘の乱(1332)で足利尊氏に味方し、子の孝成が三州渥美郡内に恩賞の地数カ所を得た。その子成國のときには三河守護一色範光に属し、その孫・平三郎成興は応仁の乱で一色義直に従い京合戦に参陣したと云う。

これとは別に、遅れて応永年間に讃岐国より渥美郡牟呂津の牟呂八幡宮に寄宿したという田口成方の子・成富(成留)の系がある。成富の系はその子成時(古白)、孫の信成と続く後の今橋城主の系(田蔵系)となる。 長岡牧野氏の系図には田口教良の次男に成教があり、成朝・成継兄弟とは異なり承久の乱後も阿波国の自領に残り、子孫数代は連綿して兵衛尉を務めたが、中途、延文2年(1357)3月に讃岐国真木郷(現在地名不詳)に移住。田口成清に至り、応永15年(1408)上京すと云う。その子、田口成方(平馬允)は応永年間、三州牟呂津に渡来、当地の牟呂八幡宮に寄食し、のちその神官になったと云う。成方は牧野村に先住の同族牧野成高(田二)の未亡人を娶った。この牧野成高は牧野成興(平三郎)の兄であるが、成高は平三郎系と別流をなしたが、嘉吉3年(1443)3月に戦死(理由不明)した。このため再婚した牧野成高の未亡人は亡夫・成高のものと思われる遺領を再婚相手の田口成方の嫡子・成富に相続させたと云う。その成富の子が牧野成時すなわち古白である。(異に成良・成直を親子とする系図も存在する)成富ははじめ、田内(または田口)姓を名乗りのち牧野村の領主になったとされることから、相続した成高の遺領とは牧野村であったと考えられる。牧野成高を経て、牧野村惣領分は田内(牧野)成富、その子牧野成時(古白)と引き継がれた。


牧野氏先祖は四国の出身としない仮説

牧野氏の遠祖が、四国の出身であるとするのは、伝説に基づいて創作された江戸時代の系図・文献を根拠としているに過ぎないという説もある。牧野氏が故地として、四国を求めるのは、三河国の守護職、細川氏が、一色氏の後任として讃岐国から赴任したからではないかと推察している。細川氏は、三河国額田郡細川郷発祥の足利氏族なので、四国から渡来したわけではない。

神官・牧氏庶流説

加藤誠一が唱える説で、牧野氏は、愛知県豊川市中条町にある中条神社(正五位下・加知天神)神官・牧氏のうち、開発領主として、その近隣に進出して、根を張ったものではないかとする。要旨は、全国的にみて牧姓と、牧野姓が多く混住している地域では、多くの場合、両者は同族異流である。牧野氏の伝説のうち、讃岐国真木郷(現在地名不詳)は、実は宝飯郡真木村(後に瀬木と改称)のことではないかとする。以上から、牧野氏の伝説の内、『三州牟呂津に渡来、当地の牟呂八幡宮に寄食し、のちその神官になった』とあるは、粉飾であり、実は河内国より当地に渡来してきた加知天神の神族・牧氏(槙氏)の縁者の一人が牟呂八幡に寄食していたか、あるいは真木村発祥の在地の小領主であった牧野氏(或いは牧氏・真木氏)の一人が牟呂八幡に寄食したのではないかとする。そして後に故地の真木村に瀬木城を築城したのではないかと推察する。この説によると真木氏(或いは牧氏)の一生懸命の地が真木村であり、その庶流が牧野氏と云う可能性も排除できないことになるが、真木村と真木氏との関係は未解明であり史料学的根拠もない。また河内国には、古墳時代に蘇我氏の支配下にあった帰化系鍛冶職人が多数、居住していた。中条神社の所在地の室町・戦国期の支配者は、真木氏(あるいは槙氏)であるが、中条神社神官・牧氏一族のうち、鍛冶屋及びその指導者・支配者として台頭した系が、真木氏(あるいは槙氏)である。真木氏・槙氏のうち、支配階級は、諸侯となった牧野氏の家臣団に加えられて、越後長岡藩・客人分連綿や、信濃小諸藩家老などとなった。一方被支配階級であった人々の多く、特に鍛冶職人は、繁栄の中心が豊橋に移ったので、江戸時代初期、豊橋に集団移住した。中条神社社記にある1350年の牧氏(槙氏)の河内国からの渡来は、大集団による一度だけのものではなく、実は三河国の牧野氏が四国から当地に渡来したとする伝説と同じく、数次にわたって、同族(あるいは、同業集団)を頼って、移住して来たものとみられている。

[編集] 外部リンク

[1]武家家伝牧野氏

Static Wikipedia (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2007 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2006 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu

Static Wikipedia February 2008 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu