中信地方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中信地方のデータ | ||
国 | 日本 | |
地方 | 中部地方、中央高地 | |
松本地域+木曽郡 | ||
面積 | 3,413.82km² | |
総人口 | 460,349人 (2005年3月31日) |
|
松本地域+木曽郡+諏訪郡 | ||
面積 | 4,129.22km² | |
総人口 | 669,293人 (2005年3月31日) |
中信地方(ちゅうしんちほう)とは、長野県(信州)を四分割した内の中央の地域を指す。地方中心地は松本市。
俗に中信州(なかしんしゅう)とも呼ばれるが、外の別名としては、筑摩地方(ちくまちほう)、安筑地方(あんちくちほう)、松本諏訪地方(まつもとすわちほう)などがある。
目次 |
[編集] 範囲
- 行政区分としての中信地方で、県庁が地域区分をする時に、この範囲とされる事が多い。
- 東筑摩郡+南安曇郡+木曽郡+諏訪郡
- 自然地理や交通、又は一般的分類としての中信地方で、一般的に中信州と呼ばれるのも、この範囲が多い。
- 気候では、北安曇郡(大北地域)は日本海側気候を呈しているので、水内地方(北信)として区分されたり、木曽は県内では比較的少雪温暖のため伊那と共に南部地方として区分される事もある。
この場合、気候が同じ内陸性気候で、鉄道でも同じ中央本線沿線である諏訪郡(諏訪地域)を中信地方に含める。この場合、代表的な都市から松本諏訪地方と呼ばれる事もある。
[編集] 概要
中央本線が幹線として東西を横断し、中山道と甲州街道の合流地に位置する地方である。
廃藩置県当初は筑摩県に属していた。筑摩県が分割されて以後は長野県に属する。北信地方との繋がりは浅い。
一方で、中央自動車道や中央本線の沿線である山梨県や岐阜県東濃地方との繋がりが深い。又、太平洋側では、中央本線を通じて東京都や愛知県尾張地方の双方との交流が多い。
[編集] 自然地理
典型的な内陸性気候の地方である。地理教科書などでは、日本海側・内陸側・太平洋側を対比する時に、内陸側の代表的な都市として、松本が出される事が多い。
又、諏訪湖から糸魚川静岡構造線と中央構造線が分岐しており、糸静線沿線に飛騨山脈が位置している。
- 地形(※ 諏訪郡を含めて、北安曇郡を除く。)
- 山地:飛騨山脈、木曽山脈
- 山:槍ヶ岳、穂高岳、焼岳、乗鞍岳、御嶽山、木曽駒ヶ岳
- 峠:和田峠、塩尻峠、鳥居峠
- 川:梓川、木曽川、天竜川
- 湖:諏訪湖
- 温泉:上諏訪温泉、上高地温泉
- 盆地:松本盆地、木曽谷、諏訪盆地
- 高地:上高地、安曇野
[編集] 地域
※ 所属自治体は各地域のページを参照する事。
- 東筑摩郡と南安曇郡に相当する。中心地は松本市 (~2005年3月)。
- 松本城や上高地、安曇野などの観光地を抱える。上高地では、伊豆半島や安倍川上流域と列んで、ワサビの栽培が多い。
- 江戸時代には松本藩の領土であった。
- 木曽郡に相当する。中心地は木曽町(旧木曽福島町)。
- 中央高地を代表する林業地帯の一つで、木曽桧の生産が有名である。中山道の福島宿や妻籠宿など、有名な宿場町も列んでいる。
- 糸魚川静岡構造線(糸静線)よりも西側に位置し、江戸時代には尾張藩の領土であったためか、西側志向が見られる。
- 諏訪郡に相当する。中心地は諏訪市(上諏訪宿)や下諏訪町など。
- 明治時代に、養蚕業の中心地になった地方の一つ。第二次大戦後には精密機器工業が多く立地しており、一時期は「日本のスイス」と呼ばれた。
- 江戸時代には高島藩の領土であった。
- 諏訪湖が天竜川の水源ともなっている為、場合によっては南信地方として扱われる事もある。
- 地域間交流としては、西側志向というよりも東側志向が見られる。これは、中央本線で新宿駅からの直通特急(あずさなど)が出ているためかと見られている。
[編集] 交通
塩尻が「塩の道」の東海側(掛川)と北陸側(糸魚川)からの合流点で、下諏訪が中山道と甲州街道の合流点になっている事からも判るように、中信地方には、中央高地における交通の要衝が集まっている。
山梨県や東濃地方(岐阜県南東部)との交流は、中央自動車道や中央本線などを通して行われている。一方で、中信地方と飛騨地方(岐阜県北部)との間に、中部縦貫自動車道を通す構想が練られている。
[編集] 鉄道
[編集] 道路
|
|
[編集] メディア
- 新聞
- 信州市民新聞グループ(諏訪地域)
- 市民タイムス(松本)
- 諏訪毎夕新聞
- 湖国新聞
[編集] 作品
中信一帯を舞台にした作品としては、ご当地ソングの『あずさ2号』や、テレビドラマの『いま、会いにゆきます』が代表的である。この外にも、松本を舞台にした『白線流し』などがあり、近年ではドラマ作品の舞台としても中信地方は注目されている。
これら中信地方を舞台とした作品は、山国の純朴な青年像を描いているのが特徴的である。
詳しい作品一覧については「長野県を舞台にした作品」を参照すること。