山形県野球場
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山形県野球場 | |
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Yamagata Prefectural Baseball Stadium | |
施設統計 | |
所在地 | 山形県東村山郡中山町大字長崎5081(中山公園内) |
開場 | 1980年 |
所有者 | 山形県 |
管理・運用者 | 中山町商工観光公社(指定管理者) |
グラウンド | 内野:クレー舗装 外野:天然芝 |
照明 | 照明塔:6基 最大照度:投捕間2000Lx 内 野1500Lx 外 野1000Lx |
設計者 | |
使用チーム、大会 | |
東北楽天ゴールデンイーグルス(二軍・2005年~) | |
収容能力 | |
25,000人 | |
規模 | |
グラウンド面積:12,690.8m² 両翼 - 91 m 中堅 - 120 m |
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フェンスの高さ | |
山形県野球場(やまがたけんやきゅうじょう)は、山形県東村山郡中山町の中山公園内にある野球場。施設は山形県が所有し、中山町が運営する第三セクター・中山町商工観光公社が指定管理者として運営管理を行っている。プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの二軍が本拠地としている。
目次 |
[編集] 歴史
山形市の北郊にある中山町に1980年竣工。以来高校野球、社会人野球などアマチュア野球公式戦が行われている。1985年、プロ野球のナイター開催に対応した照度を確保できる照明設備が追加設置された。
2005年シーズンから東北楽天のファームがこの球場を本拠地として使用しており、東北楽天主催のイースタン・リーグ公式戦の多くがこの球場で開催されている他、パ・リーグ(一軍)公式戦も不定期で開催されている。
県は2006年春から、この山形県野球場と山形県総合運動公園陸上競技場の命名権(ネーミングライツ)の購入先を募集している。しかし、野球場を年間1,000万円とした1回目の募集では応募がなかった。そこで県は8月、野球場を年間800万円、競技場を2,000万円とした2回目の募集を行った。興味を示した企業が数社現れたものの、野球場が二軍の本拠地であり、また競技場をホームとするJリーグ・モンテディオ山形もJ1昇格を逃すなど露出機会の増加が見込めなくなった上、施設内容などを考慮すると設定額の割高感が払拭できず、この2回目の募集でも応募企業は現れなかった。2007年に更に値下げを行った結果、陸上競技場は売却先が決まり、呼称を「NDソフトスタジアム山形」としたが、野球場は現在も売却先が決まっていない。
[編集] 主なエピソード
- 1987年に開催された日本ハムファイターズ対南海ホークス戦で、南海・山本和範の打球がライナーで外野フェンスの金網部を直撃し、そのままフェンスをすり抜けてスタンドイン。エンタイトル二塁打となる珍事があった。
- 1989年5月13日に開催された日本ハムファイターズ対ロッテオリオンズ7回戦で、ロッテ先発村田兆治が、完投でプロ通算200勝を達成した。199勝目を挙げてから川崎球場でのロッテ主催試合に2度先発したものの、いずれも勝ち投手にはなれなかった。球団は営業面のメリットなどから、本拠地の川崎で且つ集客の見込める週末の試合での達成を期待していたが、その思惑が外れた格好となった。その後半月近くローテーションが開いた後、ようやく山形でのビジター戦で達成した。地方球場での200勝達成は稀少例。現在、球場正面には村田の「マサカリ投法」のフォームをモチーフにした200勝達成記念レリーフが設置されている。
- 1990年に開催された日本ハムファイターズ対オリックス・ブレーブス戦の試合中、照明が突然消灯。試合が一時中断するハプニングが発生した。これは草野球等の一般利用で照明設備を使用する際、タイマー制御によって21時になると照明が自動的に消灯(減光)する設定が組まれていたのを、職員がタイマーを解除し忘れたため、消灯したもの。
- 1992年に開催された秋季国民体育大会(べにばな国体)の、高校野球・硬式(公開競技)星稜高等学校対尽誠学園高等学校戦で、星稜・松井秀喜が第4打席で高校通算60本目となる本塁打を放った。これが松井の高校最終打席。松井は同年オフに4球団からドラフト1位指名され、抽選の末に交渉権を引き当てた読売ジャイアンツ(巨人)に入団した。
- 1999年7月11日に開催された横浜ベイスターズ対ヤクルトスワローズ戦は、25,000人収容のスタンドに27,000人が入場するという異例の事態に。入場券の濫発に加え、前日県営宮城球場で開催予定だった同カードが雨天中止になったこともあいまって、特に外野席は立錐の余地もない混雑を見せた。試合は打ち合いとなり、延長10回、石井琢朗の適時打で横浜が7x-6でサヨナラ勝ちした。
- 2005年、初めて行われた東北楽天のパ公式戦(対オリックス・バファローズ戦2試合)は、4月27日は6,053人、翌4月28日も6,362人と動員数が伸び悩んだ。翌2006年はセ・パ交流戦1試合(横浜戦)が組まれたもののシーズン開幕前に開催取り止めとなり、これにより1985年から続いていた山形県内での一軍公式戦の開催が遂に途切れることになった。なお、2007年も一軍戦の開催予定はない。
- 2006年9月30日に開催されたファーム日本選手権で、ウエスタン・リーグ優勝の阪神タイガースがイースタン・リーグ優勝の千葉ロッテマリーンズを6-0で降し、ファーム日本一の座を手にした。続く2007年シーズンも、ファーム選手権は県野球場で9月29日に開催されることが決定している。
- その他にサッカー公式戦での使用例もある。1994年、当時JFLに昇格したばかりのNEC山形サッカー部(現モンテディオ山形)が公式戦前半戦の数試合を開催した。当時山形県内には規定の照度を確保できる照明設備のある球技場・陸上競技場がなく、窮余の策として照明が整っている県野球場を使用したもの。ピッチは天然芝が敷設されている外野のフィールドに加え、更に内野やファウルエリアにも芝生を仮に敷設して使用した。6月9日に行われたJFL・NEC山形対柏レイソル戦は平日にもかかわらず15,835人の観衆を集めた。試合はカレカが前半まででハットトリックをマークし計4得点を挙げるなど、柏が終始圧倒。結局7-0で柏が勝利した。NEC山形は後半の日程も一部試合で県野球場を使用する予定だったが、その後の調整で山形県総合運動公園陸上競技場などに開催地を変更した。
[編集] 施設概要
- グラウンド面積:12,690.8m²
- 両翼:91m、中堅:120m
- 内野:クレー舗装、外野:天然芝
- スコアボード:磁気反転式
- 照明設備:6基
- 収容人員:25,000人