マブラヴ オルタネイティヴ
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マブラヴ オルタネイティヴ | |
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対応機種 | Windows98/2000/Me/XP |
発売元 | âge |
発売日 | DVD版:2006年2月24日 CD版※1:2006年3月3日 全年齢版:2006年9月22日 |
ジャンル | あいとゆうきのおとぎばなし |
レイティング | 18禁(CD版、DVD版) 全年齢(全年齢版) |
キャラクター名設定 | 不可 |
エンディング数 | 1 |
セーブファイル数 | 最大1,000 |
画面サイズ | 1024x768 ハイカラー以上 |
BGMフォーマット | PCM |
キャラクターボイス | フルボイス |
CGモード | なし |
音楽モード | なし |
回想モード | なし |
メッセージスキップ | 全文/既読 |
オートモード | あり |
備考 | ※1…CD版は完全受注生産。 |
マブラヴ オルタネイティヴはアダルトゲームメーカー âge(アージュ)の最新作となる恋愛シミュレーションゲームであり、「マブラヴ」の続編にあたるPCゲーム。
目次 |
[編集] 概要
当初は「マブラヴ」と一体のものとして開発が進められていたものの、製作に膨大な時間がかかってしまうことから、マブラヴ発売時に「マブラヴ オルタネイティヴ」として分割して発売されることが発表された。
発売日に関しては延期が続いてきた。当初は「2004年中」と発表されたが、「2005年4月28日」、「2005年7月29日」など数回にわたって発売予定日が延期された。そのため、Googleで「延期」という単語を検索すると、âgeオフィシャルホームページがトップに来る状態が2007年4月現在でも続いている。最終的に、DVD-ROM版は2006年2月24日、CD-ROM版は2006年3月3日に発売された。
作中では「君が望む永遠」の涼宮遙と速瀬水月、「君がいた季節」の伊隅みちるなど、âgeの歴代作品のヒロインが登場している。前作「マブラヴ」では後半の一部でしか登場しなかった人型兵器「戦術機」の活躍なども見所のひとつである。また、SF超大作とも言える作品で、アダルトゲームとは思えないほど完成度が高いストーリーや、âgeならではの演出も見所になっている。
テックジャイアン2006年5月号に神宮司まりもの過去が描かれたサイドストーリー「贖罪」、電撃姫2006年6月号に伊隅みちると、その姉妹たち(アージュが1999年に発売した「君がいた季節」に登場)が描かれるサイドストーリー「継承」が収録された。テックジャイアン2007年1月号からはアージュ・ボークス・テックジャイアン合同企画として、「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」として新サイドストーリーの連載が決定していたが、2007年2月号(2006年12月21日売り号)からの連載に延期された。
âgeオフィシャルホームページにて告知されている、ファンディスク「マブラヴ ALTERED FABLE(オルタード フェイブル)」が2007年夏頃に発売される予定。
[編集] 18禁版と全年齢対象版との違い
全年齢対象版が2006年9月22日に発売された。俗に「全年齢版マブラヴ オルタネイティヴ」などと呼ばれているが、正式には18禁版同様「マブラヴ オルタネイティヴ」である。âgeでは「限定解除版」と呼んでいる。
主な変更点は以下の通り。
- JAM Projectフルメンバーによる新主題歌「Name~君の名は~」の追加
- 性行為やショッキングなシーンの削除・改変、ならびにそれに付随するシナリオ・テキストの一部改変
- チャプターを選択してシーンを見られる機能の追加
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
[編集] あらすじ
2001年10月22日、主人公・白銀武は目が覚めると『並列世界』に放り出されていた。そこは数十年に渡る地球外起源種「BETA」との戦いで朽ち果てた柊町であった。何もかもが違う世界で成行きで国連軍に入隊した武は、その運命に翻弄されながら対BETAの切り札ともいえる人類救済計画「オルタネイティヴ4」に関る国連軍衛士として仲間と共に戦い続けた。しかし、12月24日、人類は戦うことを諦め、地球放棄計画「オルタネイティヴ5」を発動してしまう。(ここまで前作「マブラヴ」UNLIMITED編)
そして3年後、目覚めるとそこは自宅だった。『元の世界』に戻れたと浮かれていた武だったが、家の外には3年前に見た光景が広がっていた。カレンダーは2001年10月22日。武はタイムスリップしただけだったことに落胆していたが、未来を知っている唯一の人間として「オルタネイティヴ4」を遂行させるべく、国連軍横浜基地の門戸を叩く事を決意した。再び207部隊に編入した武は、3年間の軍事経験と未来の記憶、人並みならぬ覚悟だけでたった一人、戦いに望む。
残された時間はあと2ヶ月。果たして武は未来を変える事ができるのか。そして人類はBETAに勝利することができるのか―――。
[編集] 物語概要
本作は「マブラヴ」UNLIMITED編の続編で、主人公・白銀武が『並列世界』に初めて来た日である2001年10月22日にタイムスリップしたところから始まる。したがって、最初の展開はUNLIMITED編に近いが、未来を知る武が関わることにより、UNLIMITED編とは異なる展開を見せ始める。
また、本作はUNLIMITED編の続編であると同時にEXTRA編とも深い関わりがあり、双方に散りばめられた謎やイベントが、本作の物語の上で非常に重要な役割を果たすことになる。
一部に画像を含めてグロテスクな展開があり、またアージュの過去作から登場するキャラクターの扱いに、ショックを受けたユーザーも多かった。そのためかインターネット上の掲示板やブログ等でこの作品を批判する声も多く上がり、公式サイトのQ&A(質問番号101)に緩和パッチが公開された。
しかしその裏で、ダイナミックで細かい演出やストーリーに対する評価の声も高い。
[編集] 登場キャラクター
キャストは、18禁(オリジナル)版/全年齢版の順。
- 本作の主人公。国連太平洋方面第11軍横浜基地衛士訓練学校 第207衛士訓練部隊所属の訓練兵。UNLIMITED編では、白陵柊学園の生徒だった彼が、ある朝目覚めると人類と地球外生命体が戦争をしている別の世界になっており、なりゆきでその戦争に巻き込まれてしまった。本作では『並行世界』にとばされ同じ日にタイムスリップし、同じ状況に立たされる。衛士として類まれなる才能を持つ。UNLIMIMTED編との違いは、3年間の経験を積んでいることと、一部欠落しているが3年分の記憶があるということ。
鑑 純夏(かがみ すみか) 声:藤原理加/田口宏子
- 前作のUNLIMITED編では姿こそ見せなかったが、実は度々登場していた。今作におけるメインヒロインであり、最も重要な役割を担っている。
御剣 冥夜(みつるぎ めいや) 声:奥田秋/奥島和美
- 武と同じく横浜基地207部隊の訓練兵であり、大日本帝国の政威大将軍、煌武院悠陽(こうぶいん ゆうひ)の双子の妹。当然ながら身分が高く、大日本帝国の国民からは敬愛されている。前のこの世界では帝国を統治する将軍家の遠縁としか身分は明かされていなかったが、武は12・5事件をきっかけに全てを知ることになる。接近戦が得意。名刀・皆琉神威の使い手で、剣術のスペシャリスト。
- 前作では、帝家縁者だったが、今作では将軍家縁者に設定が変更されており、それに伴い、月詠等の所属する「このえ」も、近衛から斯衛に変更されている。これは、近衛が君主を守護するための君主直属の部隊を意味するため。尚、「斯衛」と言う言葉は存在せず、造語。
榊 千鶴(さかき ちづる) 声:高柳香帆/倉田雅世
- 武と同じく横浜基地207部隊の訓練兵であり、元帝国陸軍中将、彩峰荻閣(あやみね しゅうかく)の娘。作戦よりも状況判断を優先し、そのことで榊と対立している。また、荻閣は敵前逃亡の罪で投獄されている。
- 武と同じく横浜基地207部隊の訓練兵であり、情報省外務二課課長、鎧衣左近(よろい さこん)の娘。サバイバルスキルが高い。武のいた『元の世界』の尊人と酷似しているが性別は女。分隊のムードメーカーでもある。
神宮司 まりも(じんぐうじ まりも) 声:南綾香/井上美紀
- 天才的な物理学者で、横浜基地の副司令であり「オルタネイティヴ4」の最高責任者。武を207部隊に編入させた張本人で、武にセキュリティレベルの高いIDを持たせるなど、いろいろと便宜を図ってくれた。しかし、その行動の目的は不明。なお、ヒロインキャラクターではないものの、物語の中心的人物であるために劇中では最もセリフが多い。
社 霞(やしろ かすみ) 声:栗林みな実/栗林みな実
- 横浜基地の地下19階にいる謎の少女。香月博士と行動をともにする「オルタネイティヴ4」の重要人物。そのため、制服の袖章には通常の「YOKOHAMA BASE」ではなく「ALTERNATIVE IV」と書かれている。毎朝、起床ラッパ前に武を起こしに来るなど謎の行動も多い。
伊隅 みちる(いすみ みちる) 声:湯川みゆき/渡辺久美子
- 横浜基地副司令直属の特殊任務部隊A-01(通称、伊隅戦乙女中隊(イスミ・ヴァルキリーズ))の部隊長兼A小隊長。階級は大尉でポジションは迎撃後衛(ガン・インターセプター)。面倒見がよく、とても部下思いな人。伊隅4姉妹の次女で、姉は大日本帝国内務省に在籍している。妹2人は帝国陸軍の衛士。4姉妹全員が同じ幼なじみに好意を寄せている。
宗像 美冴(むなかた みさえ) 声:隅谷直海/浅川悠
- 本作が初登場の新キャラクター。特殊任務部隊A-01の迎撃後衛(ガン・インターセプター)。実力は部隊ナンバー3で階級は中尉、C小隊長。冗談とも本気とも取れない発言が多く得体が知れない。中性的な外見が魅力的。京都出身で嵐山から見る京の風景が好きらしい。
涼宮 遙(すずみや はるか) 声:栗林みな実/栗林みな実
- 特殊任務部隊A-01のCP将校(コマンド・ポスト・オフィサー)で階級は中尉。戦域管制(オペレーター)を担当している。水月と同期で親友。茜の姉。見た目はおっとりしているが、とても芯が強く、怒ると怖い。総合技術演習の際に事故で大怪我を負い、両足の切断を余儀なくされた。疑似生体移植による再生手術を受けた為、現在は日常生活に支障がない程度には回復している。
- 特殊任務部隊A-01の突撃前衛(ストーム・バンガード)。部隊ナンバー2の実力を持ち突撃前衛長を務める。階級は中尉、B小隊長。遙とは親友でありライバル。酒は弱く、直ぐに酔ってしまう。酔うと誰かしらに絡む。
- 特殊任務部隊A-01の強襲掃討(ガン・スイーパー)。階級は少尉。遙の妹。千鶴とは親友で同期だったが、千鶴達の分隊が総合技術演習に不合格となったことで、結果的に2ヶ月ほど早く任官している。水月に憧れており、水月と同じ突撃前衛となった武にライバル心を燃やしている。
柏木 晴子(かしわぎ はるこ) 声:夏野巳琴/松浦チエ
月詠 真那(つくよみ まな) 声:上田亜紀子/星野千寿子
- 帝国斯衛軍第19独立警備小隊の隊長で階級は中尉。神代巽・巴雪乃・戎美凪の三人の部下を引き連れている。冥夜やその他皇族に忠誠を誓っている。非常に真面目で自他共に厳しい性格ではあるが、根はとても優しい人物である。通常機よりもハイスペックな彼女専用の紅い武御雷(00式戦術歩行戦闘機)に搭乗し、衛士としての実力もトップクラス。
- 帝国斯衛軍所属であり月詠の部下。冥夜と上官である月詠に絶対の忠誠を誓っている。階級は少尉。白い武御雷に搭乗。
巴 雪乃(ともえ ゆきの) 声:宮内裕香/笠井律子
- 帝国斯衛軍所属であり月詠の部下。冥夜と上官である月詠に絶対の忠誠を誓っている。階級は少尉。白い武御雷に搭乗。
- 帝国斯衛軍所属であり月詠の部下。冥夜と上官である月詠に絶対の忠誠を誓っている。階級は少尉。白い武御雷に搭乗。
ハウル・ラダビノッド 声:若本規夫/若本規夫
- 横浜基地の司令官。前作で主人公達に「オルタネイティヴ4」の終了を告げた人物。階級は准将。
鎧衣 左近(よろい さこん) 声:福武一之/沢木郁也
珠瀬 玄丞斎(たませ げんじょうさい) 声:番菜判斗/稲田徹
- 国連事務次官であり、壬姫の父。相当な親馬鹿。
- 帝国本土防衛軍帝都防衛第1師団・第1戦術機甲連隊所属の衛士で階級は大尉。12.5事件首謀者。不知火(94式戦術歩行戦闘機)に搭乗しその錬度はかなりのもの。
アルフレッド・ウォーケン 声:前島貴志/前島貴志
- 米国陸軍第66戦術機甲大隊所属。階級は少佐。12.5事件で一時的に国連軍に編入された。搭乗機は米国の最新鋭機・F-22A(ラプター)。
イルマ・テスレフ 声:大友清里/浅井清己
- 米国陸軍第66戦術機甲大隊所属。階級は少尉。フィンランド出身で、BETAによって消滅した祖国を再建することが夢。
イリーナ・ピアティフ 声:高野直子/高野直子
- 横浜基地通信士官で階級は中尉。香月副司令の秘書官も勤める。
京塚 志津江(きょうづか しづえ) 声:喜田あゆ美/喜田あゆ美
穂村 愛美(ほむら まなみ) 声:雨宮麻紀/尼子真理
- 横浜基地所属の衛生兵。
一文字 鷹嘴(いちもんじ たかはし) 声:十文字隼人/子安武人
伊隅 あきら(いすみ あきら)
- 伊隅四姉妹の四女で帝国陸軍衛士、階級は少尉。甲21号作戦では第133連隊に所属しウィスキー部隊に参加する。
小沢艦長 声:飯塚昭三/飯塚昭三
- 作戦旗艦「最上」艦長。甲21号作戦で帝国軍を指揮する。
安部艦長 声:浜五郎/小杉十郎太
- 帝国連合艦隊第2戦隊、戦艦「信濃」艦長
田所艦長 声:巌蝉秋/秋元羊介
- 帝国連合艦隊第3戦隊、戦艦「大和」艦長
斯衛部隊指揮官 声:杉崎和哉/谷山紀章
- 甲21号作戦で斯衛軍第16大隊を指揮する。青い武御雷に搭乗。
[編集] 世界観
EXTRA編の武がいた『元の世界』の史実は殆ど現実世界と変わらない設定だが、UNLIMITED編や本作の物語の主体である『並列世界』の史実は特に1944年以降が大きく異なっている。
第二次世界大戦(大東亜戦争)では、日本は敗れはしたものの、1944年に終戦しているために2発の原爆攻撃を受けておらず、無条件降伏もしていない。そのため、現在でも国号は「大日本帝国」となっている。この後、米国軍は日本に駐留していたが、欧州へのBETA侵攻を機に撤退している。また、ソビエト連邦も解体されずに残っている。
日本の首都は大政奉還後も京都であり、東京は経済中心地として発展してきた。しかし、BETAが日本に侵攻した1998年に京都が壊滅したため東京に遷都している。
科学技術も、特に軍事方面では格段に進んでおり、遅くとも1966年には月に国際月面基地の建設が完了している。
物語が始まる2001年10月22日時点では世界の総人口は10数億人で、日本の人口も6,000万人程度になっている。
日本の政治体制は内閣総理大臣を国家元首とする『元の世界』とは異なり、「皇帝」を大日本帝国の元首とし、皇帝より任命された「政威大将軍」(将軍)が政務と軍の指揮権を委譲されるという形で統治している。その下に、内閣総理大臣(榊千鶴の父)が位置しており、本来は将軍の政務を補佐する役割であるが、将軍の意志が十全に政治に反映されていないのが実情である。このことが、一部の帝国軍によるクーデター『12・5事件』の理由の一つとなっている。
[編集] 略年表
- 1944年
- 大東亜戦争終戦
- 1958年
- 米国探査衛星「ヴァイキング1号」が火星に到達。生物らしき影が映った地表写真が地球に送信される。後に火星全体に生息している「火星外起源種」であることが判明。
- 1966年
- BETAとの和平交渉、諜報活動を目的とした対話計画「オルタネイティヴ1」を発動。
- 1967年
- 国際恒久月面基地「プラトー1」にて地質調査チームが月面に火星に存在する生物と同種の存在を確認後、行方不明となる(サクロボスコ事件)。後にこの生物を「BETA」と命名。
- 1968年
- 「オルタネイティヴ1」を破棄し、BETAの調査を目的とした生態調査計画「オルタネイティヴ2」発動。
- 1973年4月19日
- 中国・新疆ウイグル自治区喀什(カシュガル)にBETAが搭乗した着陸ユニットが飛来。核攻撃をおこなうも殲滅できず。この後、BETAの思考リーディングを目的とした思考解読計画「オルタネイティヴ3」を発動。
- 1974年7月6日
- カナダ・サスカチュワン州アサバスカにBETAが搭乗した着陸ユニットが飛来するも、核攻撃で殲滅させる。この時点で喀什に飛来したBETAはヨーロッパ、西アジア、東アジア、中央アフリカへ侵攻し、大地もろとも都市を殲滅。
- 1995年
- 「オルタネイティヴ3」を接収し、人類救済計画「オルタネイティヴ4」を発動。
- 1998年
- BETA日本侵攻。近畿・中国・四国・九州地方が壊滅。首都京都が壊滅したため東京へ遷都。
- 1999年
- BETAが関東侵攻するも、これを退ける。
[編集] BETA
BETA(ベータ)とは Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race の略で、人類に敵対的な地球外起源種のこと。人類と同様の炭素系生命体。火星や月は既にBETAに支配されており、地球では1973年のBETA来襲以来、28年間にも渡って人類との戦争が続いている。人類は再三BETAと接触しているが、生命体として認識されていない。BETAの言語やコミュニケーション手段は一切不明だが、高度な科学技術と、生物が生きる上で過酷な環境にも適応する能力を備えている。
地球に来た目的なども不明だが、『ハイヴ』と呼ばれるBETAの「巣」から外宇宙へシャトルのようなものを発射されているのが確認されている。地球周辺の宇宙空間も既にBETAが支配しているが、衛星軌道上の人工衛星や、ラグランジュ点で建造中の地球脱出用宇宙移民船などは攻撃を受けていないため、BETAは地球そのものに対して、なんらかの目的があると思われている。
地球上で確認されているのは以下の種。
- 光線属種
- 光線(レーザー)属種は重光線級と光線級の2種が確認されている。光線属種が放つレーザーは大気や気象条件で威力の減衰が期待できない程の高出力を持ち、捕捉されると逃げられず、戦術機の装甲でも数秒しかもたない。また、味方への誤射は絶対にしない。しかし、標的を補足し、照射準備にはいると動きが止まり、標的の追尾以外行動をとらない。一度レーザーを照射すると、再照射までエネルギーの充填時間がある。再照射までは光線級で12秒、重光線級で36秒かかる。
- レーザー照射器官などを除き、光線級と重光線級との生物学的な共通点はない。
- 光線級
- 全長:1.2m/全幅:1.6m/全高:3m/俗名:ルクス
- 防御力、耐久力は低いが、高出力レーザーは30kmも離れた標的を撃ち落す程の威力を持つ。一般的に光線級という場合は、重光線級を含めた光線属種のことを指す。
- 重光線級
- 全長:15m/全幅:11m/全高:21m/俗名:マグヌス ルクス
- 高出力レーザーは高度500mで低空進入した飛行物体を約100km手前で撃ち落してしまう程。
- 要撃級
- 全長:19m/全幅:28m/全高:12m/最大全幅:39m/俗名:メデューム
- 要撃(グラップラー)級は頑強な前腕が特徴。近接戦闘能力は非常に高く、その前腕で殴られると戦術機といえども一溜りもない。大きい割には俊敏。
- 突撃級
- 全長:18m/全幅:17m/全高:16m/俗名:ルイタウラ
- 突撃(デストロイヤー)級は破壊力が凄まじく、前方は強固な甲殻に覆われているため防御力は高い。BETA戦では必ず先頭にいる。機動性や対人探知能力は全BETA中で最低。直線的な機動は優れており、最高時速は170kmにも上る。しかし、後方はほぼむき出しの状態であるため、防御力が低い。後方であれば36mm弾での攻撃が通用する。
- 要塞級
- 全長:52m/全幅:37m/全高:66m/俗名:グラヴィス
- 要塞(フォート)級は地球上で確認されているBETAの中では最大。10本足だが、体構造は昆虫に似ている。防御力、持久力共に高いが図体がでかい分、機動力は低い。尾節には全長50mもの触手がある。触手の先端(衝角)は何かに触れると強酸性溶解液が分泌される。胎内から小型種が出現するという事例が報告されている。
- 小型種
- 小型種は3種が確認されている。特徴として対人探知能力は極めて高く、動きが俊敏。攻撃力も防御力も高くはないが、大群で攻めてくる。
- 戦車級
- 全長:4.4m/全幅:1.9m/全高:2.8m/俗名:エクウスペディス
- 戦車(タンク)級は軍用トラックと同じくらいの大きさで最高時速は80km程。顎が強く、戦術機の装甲も噛み砕いてしまう。集団で戦術機に取り付かれると一巻の終わり。ハイヴ坑内では多く出現する。
- 闘士級
- 全長:1.7m/全幅:1.5m/全高:2.5m/俗名:バルルスナリス
- 闘士(ウォーリアー)級は俊敏だが戦術機相手には敵わない。象の鼻の様な腕が特徴で、人間の頭をもぎ取る力を持っている。
- 兵士級
他にも、未確認ではあるが、隔壁の様な属種やハイヴ内の坑道を掘り進んでいると見られる大型トンネル掘進機の様な属種も存在している。
[編集] 戦術機
戦術機(せんじゅつき)は対BETA戦用人型兵器のこと。正式には「戦術歩行攻撃機」という。それまでは航空機を中心にした制空権争いが戦争の主体だったが、BETAの光線属種の出現により航空機が全く役に立たなくなった。その為、1974年に対BETA戦用に開発されたのが人型兵器「戦術機」である。
戦術機は第1世代機から第3世代機まで存在し、第1世代機では機動性より防御性、耐久性を重視した重装甲装備が特徴である。第2世代機では耐熱対弾複合装甲の使用を主要部に限定し、機体重量の軽量化と機動性の向上させている。第3世代機では新素材による装甲の軽量化やデータリンクの高速大容量化、機動性重視の設計が特徴で、それまでの第1、第2世代機と比べて機動性だけでなく、柔軟性、即応性も大幅に向上している。
- F-4「ファントム」
- 米国が開発した人類初の戦術機。いわゆる第1世代戦術機。日本など30ヶ国で採用され、派生機体も数多く存在する。装備や主機などのマイナーチェンジを繰り返し、初採用から37年経っても国連軍や各国軍の中核を担っている。
- F-4J「撃震」(げきしん)
- 米国軍F-4「ファントム」を帝国軍がライセンス生産した戦術機。「ファントム」同様、マイナーチェンジを繰り返し、帝国軍で最も多く実戦配備されている。武達がUNLIMITEDで主に使用した。
- F-15「イーグル」
- 米国軍が「ファントム」をベースに開発した世界最強の第2世代戦術機。「イーグル」をベースにした派生機、F-15E「ストライク・イーグル」が米国軍の主力機になっている。他にも各国で実戦配備されているため、様々な派生機が存在する。
- F-15J「陽炎」(かげろう)
- 帝国軍が第3世代純国産戦術機開発へ向けたノウハウ収得の為、米国軍F-15「イーグル」をライセンス生産した戦術機。「撃震」同様、帝国軍内で多く実戦配備されている。
- F-22A「ラプター」
- 米国軍の第3世代の最新鋭機で次期主力機。機動性や攻撃力は「イーグル」を圧倒する。レーダーブリップが小さいため、レーダーで捉えにくいのが特徴。対BETA戦というよりは対戦術機戦を意識した戦術機。非常に高性能だが、機体完熟度と搭乗者の錬度の差で「不知火」に多数撃破されている。ただし、12.5事件では数の上でも大差があったため一概に比較はできない。
- A-6J「海神」(わだつみ)
- 米国軍A-6「イントルーダー」をベースにした帝国軍の水陸両用戦術機。重装甲と固定武装が充実している。
- 97式戦術歩行高等訓練機「吹雪」(ふぶき)
- 帝国軍がF-15J「陽炎」をベースに第3世代戦術機の研究を目的に開発した試験機。「不知火」の完成を受けて訓練機に転用された。武たちがオルタネイティブで初めて乗った訓練用戦術機でもある。性能的には「撃震」に勝っているため、後に「不知火」の量産パーツを流用した派生機種が実戦配備されたが、「撃震」の配備数や安定性などを理由に配備数は少ない。
- 94式戦術歩行戦闘機「不知火」(しらぬい)
- 1994年に帝国軍が開発した初の純国産戦術機。「陽炎」と「吹雪」をベースにした第3世代機。帝国本土防衛軍帝都防衛隊や富士教導隊などのエリート部隊に配備されている。国連軍では横浜基地A-01部隊にのみ配備されている。米国軍の「ラプター」と比較した場合、スペックデータは劣るものの、その差は機体慣熟度と衛士の技量でカバーすることも可能である。ただし12.5事件では数の上でも大差があったため、一概に比較はできない。
- 00式戦術歩行戦闘機「武御雷」(たけみかずち)
- F-4改造機「瑞鶴」に代わる帝国斯衛軍専用の第3世代純国産戦術機。途轍もなく高性能な戦術機であり、斯衛軍のシンボルともなっている。しかし、斯衛軍の戦術思想や任務内容によるものか、自律誘導弾システム(ミサイルランチャー)が装備不可である等、兵器としては汎用性に欠ける点が見られる。
- 武たちの「吹雪」が搬入された際に月詠が冥夜専用の戦術機として持ってきた紫の武御雷は元々、将軍専用機であるが、冥夜は受け取りを拒み、実戦では最後の作戦で使用したのみである。他にも月詠中尉専用の紅い武御雷や斯衛軍第19独立警護小隊の白い武御雷など、様々なカラーバリエーションが存在し、それに応じたチューンアップもなされている。具体的には冠位十二階の順番にならっており、黒はカメラ部分の塗装の違いにより2種類が存在する。将軍機である紫に至っては完全なワンオフチューンアップが成されており、生体認証まで備える。
- XG-70b「凄乃皇弐型」(すさのおにがた)
- 米国のHI-MAERF計画が生み出した戦略航空機動要塞の試作機。一般的な戦術機の約5倍もの大きさを誇る。備えられたムアコック・レヒテ型抗重力機関から発生するラザフォード場により、光線属種のレーザー照射を無効化できる。また、主砲には荷電粒子砲を装備している。単独でのハイヴ攻略の要になると期待されたが、ラザフォード場がコクピット内部にも発生し、搭載されているコンピュータの演算能力の問題で、人間が搭乗できないことや、G弾の開発により計画はお蔵入りとなってしまった。後にオルタネイティヴ計画に接収される。
- XG-70d「凄乃皇四型」(すさのおよんがた)
- HI-MAERF計画とオルタネイティヴ計画の混血機。ハイヴへの単独侵攻、単独制圧を目的とした「弐型」の完成機であり、オリジナルハイヴ攻略用の切り札として横浜基地の最深部で調整が続けられている。主砲の荷電粒子砲を始め、設計段階においては、2700mm電磁投射砲、120mm電磁速射砲、36mmチェーンガン等が装備されおり、「弐型」の欠点の一つであった攻撃装備不足を解消している。その攻撃力は絶大。また、ラザフォード場の制御問題がクリアされている為、人間の搭乗も可能となっている。ただし、搭乗できる人間にはかなり厳しい制限がある。
他にも米国軍のF-35「ペリグリー」、A-12「アベンジャー」、EU軍のEF-2000「タイフーン」などが存在しているが、劇中には名前以外登場しない。
[編集] スタッフ
オープニングアニメとエンディングのスタッフスクロールでスタッフの担当表記が一部異なっている。感動的なエンディングに馬鹿らしいふざけた名前が出てくるのでは感動を壊してしまうという理由故らしい。また、パッケージ・マニュアルにはスタッフの記載はない。下記はオープニングアニメ等での表記に基づく。
- 原画・キャラクターデザイン:Bou
- 原画:プロパガンダ通・シン
- 原案:吉宗鋼紀
- シナリオ:タシロハヤト、松永北斗、吉宗鋼紀
- プログラム:號滋樹
- サウンドディレクション:伊藤善之
- 音楽制作:株式会社ランティス
- アニメーション作成:有限会社スタック、有限会社シルバー
- メカニックデザイン:吉宗鋼紀、仁Niθ(ニトロプラス)、吉成鋼、星野秀輝
- 製作総指揮:吉宗鋼紀
[編集] 主題歌
- アバンオープニングテーマ「未来への咆哮」
- 歌:JAM Project featuring 影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、福山芳樹
- 作詞・作曲:影山ヒロノブ/編曲:須藤賢一
- グランドエンディングテーマ「マブラヴ」
- 歌:栗林みな実/作詞:江幡育子/作曲:SAGE KOIZUMI/編曲:飯塚昌明
- 挿入歌「翼」
- 歌:影山ヒロノブ/作詞・作曲:影山ヒロノブ/編曲:須藤賢一
- 挿入歌「Carry on」
- 歌:遠藤正明/作詞:影山ヒロノブ/作曲・編曲:河野陽吾
- 全年齢版追加曲
- アバンオープニングテーマ「Name~君の名は~」
- 歌:JAM Project
[編集] 関連商品
- 「マブラヴ オルタネイティヴ Insertion song Collection」 (LACM-4197、2005年5月25日)
- 挿入歌「未来への咆哮」、「翼」、「Carry on」を収録した挿入歌集CD
- 「マブラヴ」 (LACM-4209、2005年8月10日)
- 主題歌「マブラヴ」の2005年新収録バージョンとマブラヴ サプリメントの挿入歌「桜の花が咲くまえに」を収録したCD
- 「マブラヴ オルタネイティヴ オリジナルサウンドトラック Vol.1」 (LACA-5508、2006年3月24日)
- 「未来への咆哮」「翼」のゲームサイズバージョンを含むサウンドトラックCD第1弾
- 「マブラヴ オルタネイティヴ オリジナルサウンドトラック Vol.2」 (LACA-5524、2006年6月7日)
- 「マブラヴ(2005 Ver.)」「Carry on」のゲームサイズバージョンを含むサウンドトラックCD第2弾
- 「“MUV-LUV ALTERNATIVE” collection of Standard Edition Songs 『Name』」 (2006年12月6日)
- 全年齢版挿入歌「Name~君の名は~」等が収録されているヴォーカル集
[編集] 関連項目
- マブラヴ
- 君が望む永遠
- 君のぞらじお
- ニトロプラス
- 山田オルタナティブウイルス(同ウイルスの名称に由来する)