タッチ (漫画)
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タッチ | |
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ジャンル | 野球漫画 |
漫画 | |
作者 | あだち充 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
発表期間 | 1981年 - 1986年 |
巻数 | 26冊 |
テレビアニメ | |
監督 | ときたひろこ (総監督は杉井ギサブロー) |
アニメーション制作 | グループ・タック |
製作 | 東宝株式会社・グループ・タック・旭通信社 |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 1985年3月24日 - 1987年3月22日 |
話数 | 101話 |
映画: タッチ 背番号のないエース | |
監督 | 杉井ギサブロー |
制作 | グループ・タック(アニメーション制作) |
封切日 | 1986年4月12日 |
上映時間 | 93分 |
映画: タッチ2 さよならの贈り物 | |
監督 | はしもとなおと (総監督は杉井ギサブロー) |
制作 | グループ・タック(アニメーション制作) |
封切日 | 1986年12月13日 |
上映時間 | 80分 |
映画: タッチ3 君が通り過ぎたあとに | |
監督 | 永丘昭典 (総監督は杉井ギサブロー) |
制作 | グループ・タック(アニメーション制作) |
封切日 | 1987年4月11日 |
上映時間 | 83分 |
テレビアニメ : タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は… | |
監督 | 永丘昭典 (総監督は杉井ギサブロー) |
アニメーション制作 | グループ・タック |
製作 | 東宝株式会社・グループ・タック・旭通信社 |
放送局 | 日本テレビ系列 |
放送期間 | 1998年12月11日 - |
話数 | テレビスペシャル |
テレビアニメ : タッチ CROSS ROAD~風のゆくえ~ | |
監督 | 永丘昭典 (総監督は杉井ギサブロー) |
アニメーション制作 | グループ・タック |
製作 | 東宝株式会社・グループ・タック・旭通信社 |
放送局 | 日本テレビ系列 |
放送期間 | 2001年2月9日 - |
話数 | テレビスペシャル |
映画: タッチ(実写版) | |
監督 | 犬童一心 |
制作 | 「タッチ」制作委員会 |
封切日 | 2005年9月 |
上映時間 | - |
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日本の漫画作品 |
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『タッチ』は、あだち充作の野球漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)に1981年~1986年まで連載。アニメ化もされ、実写映画化もされた、あだち充の代表作。単行本全26巻、ワイド版全11巻、文庫版全14巻、完全版全12巻。単行本の総売上は1億部を超えており、あだち充の全作品の半分以上を占める売上である。高橋留美子の『うる星やつら』とともに1980年代前半の『週刊少年サンデー』の看板作となった。
第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。
目次 |
[編集] 概要
上杉達也、上杉和也は一卵性双生児。スポーツも勉強も出来る弟の和也に対して、何事にもちゃらんぽらんな兄の達也。そして隣に住む同い年の浅倉南。3人は同じ高校へ進む。『甲子園に連れて行って』という南の夢を叶えようと1年生でありながら野球部のエースとして活躍する和也だったが、地区予選決勝の朝に事故で亡くなる。そして達也は和也の夢を継ぐ。南の夢を叶えるという夢を。
高校野球と恋愛の2本を軸にしたストーリー展開で、性別や年齢層を問わず人気がある。分野は野球漫画だが、野球の経験がない人間にも受け入れられるのは、普遍的なテーマ性が作品全体に表れており、これは本作より先に『少年サンデー増刊』で連載して好評を得ていた『ナイン』の路線を踏襲したものである。
それまでは原作者を立てたり、隔週連載だったあだち充にとって本作が初のオリジナルの週刊連載。タイトルのタッチはバトンタッチの意味が込められて、弟の夢を兄が受け継いでいくことを表わしている。この死者が生者を呪縛するテーマをもって漫画評論家の夏目房之介は、ラブコメの名作と評する一方で、『あしたのジョー』『エースをねらえ!』と連なる作品と位置付けた。この賢弟愚兄の設定は、あだち充と兄の漫画家のあだち勉の関係の反映という見方も存在する。バトンタッチ劇となる7巻までは連載当初から構想したもので、以後はストーリー展開が重くなるのをなるべく軽妙にしようとあだちが参考にしたのはテレビドラマ『池中玄太80キロ』であったという。
また途中時々出てくる「達也の悪夢」弟との比較がさまざまな形で出てくる夢が、 約束でもあり超えるべき壁だった甲子園出場を果たしてからは一切出てこないなど長期連載中にひそかに張られた伏線とその解消がある。 終盤、柏葉英二郎監督代行とその兄、柏葉栄一郎との気持ちの交錯も この作品を盛り上げている。
1970年代まで主流だった野球漫画のスポーツ根性ものの定石を否定、あるいはパロディ化するような面も見られる。たとえば、達也が甲子園出場間際に強豪ライバルとおぼしき面々が一堂に会して名乗りを上げるシーンがある。これは野球漫画のみならずスポーツ漫画によくあるシーンであるが、本作では「覚えきれない」としてこれらの面々がそれ以後描かれず切り捨てられている。甲子園で試合しているシーンも一切無い。また、最終回でライバルから再戦を要求されると達也は「疲れるから」と一蹴した。あだち自身も多く手がけた、『巨人の星』以降の梶原一騎的なスポ根熱血路線の野球漫画の世界を終焉させた作品という漫画史上の評価がある。
高校野球を題材にした恋愛漫画では、主である野球少年に対し常にマネージャーや観客としてヒロインは従の関係だったが、新体操のアイドルとしてヒロインを野球とは別の分野で大きく活躍させた点もそれまでに無いものであった。また、新体操という新しい競技の知名度向上に大きく貢献したことは間違いない。 TBS系列局では実写版で放送されていた。 2007/04/04から[KBS京都]テレビをはじめ多くの地域放送で過去にフジテレビ系列で放送された番組が放送されている。
[編集] 登場人物
[編集] 主な登場人物
[編集] 明青学園
- 原田正平
- 新田由加
- 西尾茂則
- 西尾佐知子
- 黒木武
- 片桐
- 佐々木
[編集] その他
- 新田明男
- 吉田剛
- 篠塚かおり
[編集] テレビアニメ
1985年3月24日から1987年3月22日までフジテレビ系列にて放映。全101話。
旭通信社(現・ADK)が長く担当して来たフジテレビの日曜日19時の枠は、1982年の『さすがの猿飛』(土田プロ)、1984年の『Gu-Guガンモ』(東映動画)と、小学館の週刊少年サンデー系の漫画を原作とする企画ラインが続き、本作もその延長上にある。企画を立てた旭通信社の片岡義朗プロデューサーは「キャラクター商品が売りづらい」と反対の声を押し切ってアニメ化を実現。
制作にあたり、1983年から1984年にかけて放映され、好評を得たあだち充原作のスペシャルアニメ『ナイン』3部作を担当した杉井ギサブロー、前田実といったクリエイターによりスタッフを編成し、東宝とグループ・タックが製作会社となっている。1985年12月22日放送で31.9%の視聴率をあげたのを始め、常に視聴率20%以上を稼ぐ人気番組となり、裏番組だった「アップダウンクイズ」(毎日放送制作・TBS系)と「びっくり日本新記録」(よみうりテレビ制作・日本テレビ系)、更には「世界一周双六ゲーム」(朝日放送制作・テレビ朝日系)を終了に追い込んだ。また、劇場アニメ映画が3作が製作された。
後番組は同じ布陣によるあだち充作品のアニメ化『陽あたり良好!』が放映されている。
人気のみならず、質の面でも評価を受け、アニメ業界関係者によって選考される日本アニメ大賞・アトム賞を受賞。背景美術を担当して作品を支えた小林七郎美術監督も本作により美術部門最優秀賞を獲得した。
本放送終了後、フジテレビが再放送権を喪失してからは、日本テレビにて再放送が度々放送されている(2006年は放送なし)。再放送は、夏休み期間の40日内の平日の午前中(多くの場合10:25~11:20)。最初の夏休みが1部と2部、次の夏休みが3部と4部。これを繰り返していた(これは作品のテーマでもある全国高校野球選手権大会の期間に一致)。また、日テレ系列で再放送される際は放送時間の長さの関係でオープニングは短くエンディングは放送されない事が多かった。
地道な再放送の甲斐あって『タッチ』を自分たちのものにしていった日本テレビは、1998年12月11日に『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』、2001年2月9日に『タッチ CROSS ROAD~風のゆくえ~』を制作(いずれも『金曜ロードショー』枠で放送)。原作にないオリジナルの続編(作者のあだち充は原案者として)で、前者は大学に進学した達也と南を主軸とした物語、後者は「和也を知らない世界」での達也自身としての野球を目指して渡米し、独立系マイナーリーグチームで投げる達也を主軸とした物語であるが、とくに後者は野茂英雄のメジャーリーグでの活躍が影響して作られたとも言える。そして2005年公開の実写映画版の制作委員会にも当然日本テレビが名を連ねている。また、噂の域を出ないものではあるが、日本テレビでの新作アニメシリーズ化というものも何度か囁かれている。
余談だが、同じ原作者による作品『みゆき』『陽あたり良好!』もフジテレビで本放送された後、日本テレビにて再放送が行われたことがある。また、和也が死んだ際には、スタッフで和也の告別式が行われ、和也役の難波圭一が弔辞を担当した。
[編集] 声の出演
- 上杉達也 - 三ツ矢雄二
- 上杉和也 - 難波圭一
- 浅倉南 - 日高のり子
- 松平孝太郎 - 林家こぶ平(現・9代目林家正蔵)
- 新田明男 - 井上和彦
- 新田由佳 - 冨永み~な
- 原田正平 - 銀河万丈
- 坂田 - 稲葉実
- 黒木武 - 塩沢兼人
- 西村勇- 中尾隆聖
- 西尾茂則 - 北村弘一
- 西尾佐知子 - 鶴ひろみ
- 上杉信吾・パンチ - 千葉繁
- 上杉晴子 - 小宮和枝
- 浅倉俊夫 - 増岡弘
- 柏葉英二郎 - 田中秀幸
- 柏葉英一郎 - 内海賢二
[編集] スタッフ
- 企画 - 岡正(フジテレビ)、片岡義朗(旭通信社)
- 企画協力 - 宇佐見廉(オービー企画)
- プロデューサー - 中尾嘉伸(フジテレビ)、亀山千広(フジテレビ)、藤原正道、対木重次
- 美術監督 - 小林七郎
- 背景 - 小林プロダクション
- 撮影 - スタジオ・ぎゃろっぷ
- 音響監督 - 藤山房延
- 音響制作 - ザック・プロモーション
- 音楽 - 芹澤廣明
- 総作画監督 - 前田実
- シリーズ文芸構成 - 高星由美子、並木敏
- タイトルアニメーション - 杉井ギサブロー、前田実、永丘昭典
- アニメーション監督 - 前田庸生
- シリーズ監督 - ときたひろこ
- 総監督 - 杉井ギサブロー
- 制作協力 - スタジオジュニオ、スタジオ・ぎゃろっぷ、キティ・フィルム
- 製作 - 東宝株式会社、グループ・タック、旭通信社
[編集] サブタイトル
- 誰がなんと言おーとオレたち双子です!!
- 女の直感!チョッチ気になる達也の才能
- 思わず初登板!和也の名前でお騒がせ!?
- 見たか?見ないか!?南の日記!!
- 熱血バトンタッチ!ゴールは正確にネ!?
- ウワサは本当!?南と和也の気になる関係
- えッホント!!達也と南が結婚しちゃう!?
- 達也打ちます!!ホンキで兄弟対決!?
- 達也と原田クンのア・ブ・ナ・イ友情!
- みんな悩んで気分はすっかり高校生デス!
- 来たれ野球部!微妙に揺れる達也の心!!
- 初練習!ハツラツ和也とヨレヨレ達也!?
- 和也心配です!恋のスランプ孝太郎くん
- 不満です?南と和也はベストカップル!?
- これは事件です!達也が南を平手打ち!!
- せつないネ!和也のハートはレモン色!
- ファースト・キス!南より愛をこめて!?
- 達也の気持ちはちょっとフクザツです!
- 忘れたい忘れない!?二人の大事な思い出
- どーするの?達也の優しさすれちがい!!
- それでもカッちゃんは南のために甲子園
- いよいよプレーボール!和也VS寺島!
- 南に届け!出るか!?恋の逆転タイムリー
- 甲子園まであと1つ南の夢もあと1つ!
- 南の一番長い日!早く来てカッちゃん!!
- 試合終了!君がいなければ…
- 短かすぎた夏…カッちゃんにさよなら!
- 第2部開始 エースのいない野球部なんて…
- アレ?優しいタッちゃんボクサー失格!?
- 栄光の背番号1やってやれない訳はない
- 剛腕達也!でもコントロールが課題です
- 俺は和也の恋女房デモ気になるバカ兄貴
- 誕生新体操の星!南はやっぱり天才!?
- がんばれ達也!ハラハラドキドキ初登板
- 何かと心配!?近頃ウワサの南ちゃん!
- 2人きり!南と達也のアブナイ夜!?
- めざせ甲子園!ただいま野球部合宿中!!
- 予選一回戦!頭脳派タッちゃん登場!!
- 実力拝見!クールな新田とガッツ西村!!
- 熱投2回戦!タッちゃんVSガッツ西村
- 雨の延長11回!2死満塁!!バッター西村
- もう一つの延長戦!?南をめぐる四角関係
- 揺れるエース達也!!新田と南が急接近!?
- 由加の探偵物語!南と達也はどこへ行く
- エースを狙え!僕が上杉のライバルだ!!
- ライバル宣言!上杉和也を越えてくれ!!
- 対決須見工!えッ!?ピッチャー吉田!!
- 逐に上杉登場!新田、オレと勝負だ!!
- ダメ兄貴返上!甲子園が見えてきた!!
- 放課後デート!?南と新田は危ない関係!!
- 納得しない!?南が達也に恋人宣言!!
- 恋の三元中継!ジャマ者はお前だ!!
- 達也の課外授業…思い過ごしも恋の内!
- 第2部完・いよいよ最後の甲子園だゾ!!
- 総集編I 思い出は美し過ぎて…
- 総集編II エースは誰にも渡さない!
- 第3部開始・謎の新監督がやってくる!!
- オレは柏葉!甘ったれは許さない!!
- 嵐の明青野球部!南が去ってまた一難
- 新マネージャー大苦戦!やっぱり南が一番
- オイ柏葉!南を賭けて勝負だ!!
- セピア色の2人!南と新田の海岸物語
- サングラスの奥の秘密!柏葉は何者?
- 仁義なき練習試合!鬼監督のお手並拝見
- ガンバレ南!ギブ・アップは似合わない!!
- 南が生徒会長?アイドルは何かと大変!
- ムムッ見えてきたぞ!柏葉監督の正体!!
- ストップ・ザ・達也!由加のむりやりデート作戦!!
- 夢は甲子園!退部届はあわてずに!!
- 夏まじか!どこまで続く落ちこぼれ騒動
- 夏合宿突入!鬼監督が待っている!!
- 鬼より恐い?お嬢様由加の合宿料理!!
- 包丁人由加!グルメの道は険しく遠い!!
- 逐にきた!南と由加のクッキング大戦争
- お料理騒動完結!?隠し味は南のスパイス
- 気にして新体操!南は達也を待っている!?
- 予選組み合わせ決定!いよいよ夏本番!!
- 総集編I・浅倉南18才!ただいま青春進行形!!
- 総集編II・ファイト明青!!柏葉なんか怖くない
- 本日予選一回戦!やる気だけは負けないぜ!!
- とんでもない一回戦!本当の敵は柏葉!?
- 見えたぞ!柏葉兄弟のふか~い謎
- どうする達也二回戦!孝太郎大ピンチ!!
- 由加チャン危機一髪!!押しかけデートもほどほどに
- 執念の対決?!今頃あいつがカムバック!
- 負けてたまるか三回戦!エースの力を見せてやる!
- 意外!?柏葉ロマンス!南に似ている恋心
- 復讐じゃない!?NOサインで4回戦!!
- 達也はエース?背中に感じるプレッシャー!?
- 準々決勝!明青VSピッチャーが3人!?
- 番狂わせ!?まだまだ勝負は判らない!
- せつないイメージ重なるネ!達也は南の予想以上!
- 出た!?監督命令!心に傷持つ柏葉采配!
- 準決勝真最中!なるかタッちゃん大記録!
- 祝決勝進出!運命は柏葉の手の中に!
- あと1つで甲子園!叶えたい!和也の約束
- GOGO明青!勝利に向かってプレーボール!
- 誰のための決勝戦!?本当の達也を見せて!
- もう後が無い!?出るか!柏葉サイン!
- 勝つぞ明青!甲子園は俺たちを待っている!
- 新しいスタートライン・上杉達也は浅倉南を…
[編集] 主題歌
第1期オープニングテーマ「タッチ」を筆頭に、岩崎良美が歌った主題歌がヒットした。レコード会社ポニーキャニオン側は当初、プロモーションのため新人歌手の起用を提示したが、監督の杉井ギサブローがこれに抵抗。話し合いがもたれるうちにあだち充の世界を表現できる実力のある歌手ということで岩崎良美で落ち着いたのだという。第2期エンディングテーマ「青春」は1986年の第58回選抜高校野球大会の入場行進曲となった。第4期オープニング・エンディング(エンディングは最終回まで)のみ夢工場が主題歌を担当した。また「タッチ」は現在でも高校野球のヒッティングマーチの定番とされている。
[編集] オープニング
- 「タッチ」(第1話~27話)(歌・岩崎良美)
- 「愛がひとりぼっち」(第28話~56話)(歌・岩崎良美)
- 「チェッ!チェッ!チェッ!」(第57話~79話)(歌・岩崎良美)
- 「ひとりぼっちのデュエット」(第80話~93話)(歌・ 夢工場)
- 「情熱物語」(第94話~101話)(歌・岩崎良美)
[編集] エンディング
- 「君がいなければ」(第1話~27話)(歌・岩崎良美)
- 「青春」(第28話~62話)(歌・岩崎良美)
- 「約束」(第63話~79話)(歌・岩崎良美)
- 「君をとばした午後」(第80話~101話)(歌・夢工場)
フジテレビ系 日曜19:00枠 | ||
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前番組 | タッチ | 次番組 |
Gu-Guガンモ | 陽あたり良好! |
[編集] 劇場アニメ
テレビアニメ版のスタッフとキャストによる劇場版だが、原作に忠実だったテレビアニメに対して、オリジナル要素を織り交ぜて再構成されている。(例えば、野球部マネージャー・西尾佐知子が姓名を変えて教師役として登場、新田の妹・由加が出ていないこと、南が新体操を辞めて野球部のマネージャーに復帰したことなど)製作は、東宝、フジテレビ、グループ・タック、旭通信社など。東宝系で公開。また、主題歌もアニメ版とは違い、ラフ&レディ(「背番号のないエース」)、ブレッド&バター(「さよならの贈り物」)、THE ALFEE(「君が通り過ぎたあとに」)が担当した。
[編集] 実写ドラマ
1987年6月1日にフジテレビ系列で19時30分から20時54分までの月曜ドラマランド枠で放送された。南役は1986年に開催されたミス南コンテストグランプリの浅倉亜季。達也と和也は男闘呼組の岡本健一が一人二役で演じた。プロデューサーは岡正、音楽は芹澤廣明がアニメと共通だった。その他のスタッフ、キャストは以下のとおり。
[編集] スタッフ
- 脚本 - 胡桃哲
- 演出 - 植木善晴
[編集] キャスト
[編集] 実写映画
[編集] ストーリー
原作ベースにしたオリジナルストーリー。
[編集] 原作との相違点
- 主役が達也→南に変更。
- 達也の甲子園出場年次が原作時3年→映画版2年。
- 和也は、スライダーも投げていた。
- 明青学園は原作では東東京地区であったが、映画版では西東京地区。ただし、神宮球場まで試合中に家を出て駆けつけられるので、多摩方面ではない。
- 柏葉監督が登場しない。
- 西村勇が登場しない。
- 新田の妹(由佳)が登場しない。
- 佐々木が登場しない。そのため、対戦相手データ収集は南が行なったことになっている。
- 原作では連載開始時から既に他界していた南の母が登場。
- 達也が少年時に野球経験あり。
- 南が野球部に正式に退部届けを提出した。
- 応援席で原田の隣にいるのが南でなく、ソノコという新登場人物。
- 明青学園 - 須見工の決勝戦で、先攻後攻が逆(明青学園が後攻)。そのため、最後の新田との対戦がホームランでサヨナラになるようなピンチではなくなっている。
- 須見工のユニホームが無地ではなく、縦縞になっている。また、ロゴもローマ字から漢字の縦書きに替わっている。
- 新田が左バッターになっている(右投左打)。そのため、最後のシーンではショートがサードではなくセカンドのほうに寄るよう松平から指示が出ている。
- 明青の制服がグレーのブレザーになっている(漫画では黒のシンプルな学ラン)。
- 地区大会決勝の須見工戦での達也のホームスチールが単独ではなく一塁三塁の場面であり、さらにアウトになる。
- 西尾監督のキャラが大きく違い、また娘の佐知子も登場しない。
- 南が新体操部員ではないため、レオタード姿も無し。
[編集] キャスト
- 上杉晴子 - 風吹ジュン
- 津川英二 - 本田博太郎
- 上杉信悟 - 小日向文世
- 浅倉俊夫 - 宅麻伸
- 草野球チーム(茨城ゴールデンゴールズ)監督:萩本欽一
[編集] スタッフ
[編集] テーマ曲
[編集] 主なロケ地
[編集] ゲーム
テレビアニメと映画を制作した東宝より、ゲーム化作品が発売された。1987年1月にパソコンPC-8801シリーズ向けにアドベンチャーゲームの『タッチ』、1987年3月14日よりファミリーコンピュータ向けのアクションゲーム『CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE』である。ただしファミコン版の内容はパラレルワールドに落ちた犬を救い出すため、ボールを投げて敵と戦うという、原作とは似ても似つかない内容になっている。
[編集] 名称・名前の由来
- 上杉:越後(現・新潟県)の戦国大名上杉氏が有名である。元々上杉の姓は、作者あだち充の出身地群馬県(旧国名:上野)の関東管領・上杉憲政が名乗っていた。後に、上杉憲政が長尾政虎(のち景虎、出家後は謙信)を養子とし、関東管領職と姓を贈ったことで上杉を名乗る。
- 浅倉:越前(現・福井県)戦国大名朝倉氏から名前を一字変えた。ちなみに変えた一字は、朝倉氏と同盟した近江(現・滋賀県)戦国大名浅井氏の字と同じであり、そこからとったと推測される。
- 新田:作者あだち充の出身地群馬の土豪新田氏から。
- 松平:徳川家康の旧姓、松平氏から。なお公式に松平氏は源氏として新田嫡流を名乗っており、松平の祖は作者の出身地群馬県太田市の徳川(旧尾島町)出身となっている。
- 波佐農高校:作者あだち充の出身地群馬の佐波郡にあった佐波農業高校からの改名。現在は伊勢崎興陽高校という名前になっている。
[編集] 備考
- 第2部終了時に放送された総集編I・IIでは全て過去に放送されたシーンでありながら、一部に台詞や口調が違っていたりする場面が見られるため、アフレコのみ再度録り直されている物と思われる。
- 原作の最終話の最後の数コマで明青学園が甲子園で優勝したことが明かされている(達也の部屋に優勝記念の盾が飾られている)。また、南もインターハイ新体操で個人総合優勝を果たしている。
- アニメでは原作の最後まで描いていない優勝決定後に明青一行が大阪府(実際は兵庫県)に到着した直後に達也が南に電話で告白することで一応の完結を見ている。
- 達也・和也の生年月日は1968年6月16日⇒高校3年の時甲子園で優勝、盾に「1986年大会」と書いてある。しかも達也は「誕生日は6月16日」と話している(南の生年月日は誕生日の表記がないが、3年次の8月8日時点では17歳、1年次秋の新人戦地区大会直後の雑誌記事では16歳となっていたことから、この間であるとみられる)。
- 設定上、予選の地区が連載開始当初は西東京になっていたが、最終回では東東京に変わっていた。
- TV第25話「南の一番長い日!早く来てカッちゃん!!」で和也の代わりにピッチャーとして出場している黒木の背番号(5)が何故か途中「1」に変わる場面がある。
- 吉田が日本に帰ってきた後、すぐに公式戦に出場しているが、実際は転校・編入生はよほどの事情がない限り、1年間は公式戦には出場できない(帰国子女という事情から認められる可能性がないとはいえないが、それでも同じ地区の別の学校ではよほどの事情に当たるかは微妙なところであろう)。
- 阪神甲子園球場は兵庫県にあるのに、野球部が新大阪駅で下車したり、「大阪城見に行きませんか?」といった新田由佳の台詞が見られるが、これは矛盾点には当たらない。
- 新神戸駅では行き過ぎ(東京方面から見て)の上、不便でもあるので現実での甲子園出場高校も新幹線利用の場合は大部分が新大阪駅を利用する。地域的な面からも大阪府内が宿泊先であることはままあることである。「ドカベン」でも新大阪駅から芦屋市内の宿舎へ移動する描写は多く描かれていた。甲子園のある西宮市は兵庫県内でも大阪市に程近く、甲子園から新大阪駅、大阪城まではともに直線距離で十数km程度である。新田由佳の台詞はこの、遠くはないが近いとも言えない位置関係を承知の上でのものと捉えることができる。ただし、甲子園が大阪にあると思いこんでいたという作者が、執筆時(連載末期)に以上の事実のうちどれだけを把握していたかは不明である。
- なぜか明青学園は、春のセンバツの予選である秋季大会には出場しない。ただし、ライバルである新田明男のいる須見工はセンバツに出場して準優勝をおさめている(決勝戦での敗因は新田のエラー)。
- 同時期に連載が進んでいた「陽あたり良好」「みゆき」の登場人物・高校が一部登場する。
- 「みゆき」の舞台である青華高校は、和也が1年生の時の甲子園地区予選1回戦で明青学園と対戦し敗れている。
- 新田由佳に絡んだ不良(先に手を出したのは由佳)をいなした原田が「おれは青華高校の間崎」と偽称するシーンがある。
- 「陽あたり良好」の舞台である明条高校が甲子園地区予選を戦った球場は「タッチ」などに登場するものと同規格である。
- また、「みゆき」と「陽あたり良好」の間にも、鹿島みゆきにナンパを試みる美樹本、青華高校の女生徒を不良から助ける高杉(その後間崎も登場する)などのシーンがあり、この3作は同時期・同地域で展開されているものとみられる(ただし、「陽あたり良好」の舞台である明条高校は県立高校)。
- 同サンデーに連載されていた「炎の転校生」の登場人物である滝沢昇が登場するシーンも存在する。
- 明青学園はこれ以降甲子園出場からは遠ざかることになるが(後のテレビスペシャルでもその低迷振りが見て取れる)、16年後に2度目の甲子園出場を果たす(あだちの後作「KATSU!」にて語られる/ただし実況のみ)。
- 明石家さんまが本作品の大ファンである。それだけでは特に珍しくもないが、さんまの場合、トーク中に頻繁に南の台詞を口にする。
- 大阪・北陽高校に上杉達也と同姓同名の選手がいる。チームのキャプテンとして2007年の春のセンバツ出場を決め話題を集めている。なお、投手もこなすが本職は野手である。彼の母が本作のファンだったことから命名された。あだち充は「大変名誉なこと」と喜び、「上杉達也」選手の活躍にエールを贈っている。
- ドラマ「天国に一番近い男」に「浅倉南」というバスガイドが登場するが、
これは鮫島春樹役の袴田吉彦が大のあだち充ファンである事からのネーミングである。
[編集] 関連項目
- 阪神甲子園球場
- 高校野球
- 私立明青学園高等学校
- 1980年代
- 亀梨和也(KAT-TUN)※亀梨の名前は親戚の姉が「和也」から取った物であり、亀梨本人も小学生時代は野球少年だった。
- ザ・たっち(二人の名前は母親がこの作品から考えた)
[編集] 参考資料
- 根岸康雄取材・文『オレのまんが道2 まんが家インタビュー』(1990年、小学館)
- 夏目房之介『消えた魔球 熱血スポーツ漫画はいかにして燃えつきたか』(1991年、双葉社)
- 『別冊宝島288 70年代マンガ大百科』(1996年、宝島社) - スポ根ものとの関係。
- 岡田斗司夫『オタク学入門』(1996年、太田出版) - 「少年マンガ国盗物語」でマンガ誌の部数争いにおいて果たした役割に言及。
- 夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか その表現と文法』(1997年、日本放送出版協会)
- 西村繁男『まんが編集術』(1999年、白夜書房) - ライバル誌だった『週刊少年ジャンプ』からの見方。
- 米沢嘉博『戦後野球マンガ史 手塚治虫のいない風景』(2002年、平凡社)
- 大塚英志『キャラクター小説の作り方』(2003年)、講談社現代新書) - ラブコメマンガ史における位置。
- 伊集院光『球漫 野球漫画シャベリたおし!』(2003年、実業之日本社)
- 宇都宮滋一『「ダメ!」と言われてメガヒット 名作マンガの知られざる制作現場』(2004年、東邦出版)
- 夏目房之介『マンガの深読み、大人読み』(2004年、イーストプレス)
- 竹熊健太郎『マンガ原稿料はなぜ安いのか? 竹熊漫談』(2004年、イーストプレス)
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