広島電鉄200形電車 (2代)
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広島電鉄200形電車(ひろしまでんてつ200かたでんしゃ)とは、1988年に姉妹都市のドイツハノーバー市より寄贈された、広島電鉄の路面電車である。初代200形については広島電鉄200形電車 (初代)を確認の事。
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[編集] 概要
1988年にハノーバー市との姉妹都市提携5周年記念に広島市が寄贈した茶室のお返しとして、広電にやって来た。元々1928年に製造、戦災復旧のため1950年に車体更新、1976年まで活躍していた。 戦時下のドイツで開発され、ドイツ、及びオーストリア・ポーランド等、当時の関連諸国に向けて大量生産されたKSW型(kriegsstrassenbahnwagen:戦時型路面電車)を基本として、これを改良した戦災復旧用標準車体を持つ、いわゆるaufbauwagenの典型である。広電入線時に、木製ベンチシートの難燃化や、ワンマン運転設備の新設、連結器の撤去と排障器の新設等が行われた。しかし大きな窓は固定であり、屋上に抵抗器が載っている為、冷房改造が不可能であることから毎年、秋以降に使用される。電飾を施したクリスマス電車が有名である。 また、11月~3月の間は横川線(横川駅~江波)で日曜日、祝日に営業運行する。なお、広島電鉄公式ホームページに時刻表が載っている。普段は江波車庫で休んでいる。尚、ハノーバーのものをはじめ、同型車はいまも旧西ドイツ各地に事業用や動態保存車として残っており、中でも真っ赤な車体にイラストが描かれた、フランクフルト・アム・マインの街を週末に走る“Ebbelwei Express”(リンゴ酒電車)は特に有名である。
固定の大窓のほか、4輪単車のわりにはかなり大柄であること、武骨な板台枠の台車、出入口と客室が区切られた内部構造、屋上の抵抗器、付随車牽引でも遜色ない走りを見せる大出力の主電動機など、アメリカの電車を基本に進化してきた日本の電車とはかなり異なる、ドイツの電車の系譜を随所に読み取ることができる。 直接制御だが、制御器は床下に水平に装備され、両運転台から延びたシャフトによって操作する。
101・156・653等と共に、動態保存車グループの一角をなす車両といえる。
[編集] 主要諸元
- 製造初年:1928年
- 全長:11100mm
- 全幅:2280mm
- 全高:3750mm
- 自重:10.1t
- 車体構造:半鋼製
- 定員(着席):46(24)人
- 出力・駆動方式:46kw×2、吊り掛け式
[編集] 参考文献
- 『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編』(JTBパブリッシング・寺田裕一) ISBN 4533047181
- 『広電が走る街今昔』(JTBパブリッシング・長船友則) ISBN 4533059864
etc
[編集] 外部リンク
ハノーバー路面電車博物館(英文):同系車236号車が動態保存されている。
現役 市内線 現役 直通車 消滅 市内線 消滅 宮島線専用 |
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