広島電鉄750形電車

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広島電鉄750形電車（ひろしまでんてつ750かたでんしゃ）とは、1965年に登場した広島電鉄の路面電車である。

[編集] 概要

広島駅

千田車庫　2002年6月撮影

1960年代当時の広島電鉄市内線は、150形や400形をはじめとする、戦前から活躍する4輪単車が大量に使用されていた。本形式は、輸送力の小さいこれら単車を置き換え、大幅な輸送力増強を図るために導入されたものである。広島電鉄では、これら旧大阪市電の13ｍ級車両3形式を導入する際、1601形（1600形と呼ばれる事もある）1651形（1650形と呼ばれる事もある）1801形（1800形と呼ばれる事もある）を全て750形として統合し、形式順に連番とした。現在は車齢の古い元1601形は残っていない。元1651形と元1801形の外観の違いは少ないが、ドア回りの処理が微妙に異なる。現在残っている車両は全車が冷房改造された他、表示幕の大型化、中央ドアが鋼製のものに交換されている。廃車後に一部のモーターや機器は700形へ流用した。導入当時は広電標準色のクリームとグリーンであったが、その後旧神戸市電や旧大阪市電2601形（900形）導入の際、経費節減から塗り替えずに使用されたことが、観光客等に電車博物館と呼ばれて好評を博す結果となり、追って本形式も大阪色のクリームと茶色に戻されている。つまり実質的に広電が“動く電車博物館”の異名を持つに至ったルーツといえる車輌である。低床車の増備により旧型車の急速な淘汰が進む中、残存車は中央両開き扉の大型車体を生かし活躍している。

[編集] 元1601形

1928年から1929年にかけて製造された。ウィンドウシル、ヘッダー、1段下降窓を持つ古めかしい形態が特徴である。その後700形新製のため機器を提供するため廃車となったため本グループは現存しないが、花電車用に改造された2両が貨50形になって残っている。また、750形にはならなかったが、元1601形の中には2500形に改装された車両もある。

[編集] 元1651形

1940年に、散水車を改造して作られた。761～763がそのグループに当たる。木南車輌製で、1701形や、1711形などの原型となり、同一メーカーの650型も車体長は異なるが形態的な共通点は多く、兄弟分に当るといえる。形態のルーツは米国Pacific･Electricのハリウッドカーこと600クラス辺りにあると思われ（現車がロサンゼルス近郊の博物館に保存されている他、映画“ロジャー・ラビット”にレプリカが登場する）、アメリカンスタイルを日本風に消化したデザインといえる。

[編集] 元1801形

1950年に製造された。768,769,772がそのグループに当たる。1651形グループとは、扉上部に小Rが無いことが識別点である。766号は1982年、テレビドラマ“西部警察”のロケにあたって、広電宮島（現広電宮島口）駅構内で爆破シーンの撮影に使用されたことは有名。路面電車の乗客と運転士を人質にとっての電車ジャックの後、犯人が電車に仕掛けた爆弾が大爆発、というストーリーであった。撮影に先駆けて755号と車番を交換している。撮影の時は766号は登録上は755号だった。