新八代駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新八代駅(しんやつしろえき)は、熊本県八代市長田町に所在する九州旅客鉄道の駅である。現状九州新幹線の始発駅となっている。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
在来線用の相対式2面2線のホームと、新幹線用の島式1面2線のホームを持つ。在来線ホームは地平で番号は1・2番線、新幹線ホームは高架で番号は11・12番線となっている。
1 | ■特急「九州横断特急」「くまがわ」 | 人吉方面 |
---|---|---|
■鹿児島本線 | 八代方面 | |
2 | ■特急「九州横断特急」「くまがわ」 | 熊本・大分方面 |
■鹿児島本線 | 熊本・大牟田・鳥栖方面 | |
11 | ■特急「リレーつばめ」 | 熊本・博多方面 |
12 | ■九州新幹線「つばめ」 | 川内・鹿児島中央方面 |
在来線は八代側、熊本側共に渡り線があり、折り返しが可能になっている(一部の肥薩おれんじ鉄道線の列車が当駅で折り返している)。さらに、熊本側には肥薩おれんじ鉄道車両の待機のための留置線がある。在来線の改札は2階にあり九州新幹線用のホームへは一旦改札を出て駅舎間の通路を通って行く事となる。在来線口は九州交通企画が駅業務を行う業務委託駅でPOS端末機および自動券売機を設置。
九州新幹線ホームは「つばめ」と「リレーつばめ」が対面方式で接続を取る。ホームドアが設置されている。このホームに発着する列車は「つばめ」「リレーつばめ」に限られるため、駅名標の博多方の次駅は「熊本」となっている(これについては、「つばめ」号記事を参照されたい)。新幹線口はJR九州直営でマルス端末機の設備がある。なお、新幹線駅前からは熊本空港連絡バスが発着している。
また、新幹線の高架上にはもう1面1線のホームと線路があり、現在は保守車両用となっている。将来の延伸時にはこれを上り線、現在の新幹線ホームを下り線とし、リレーつばめ用線路は改軌の上保守用に転用し、新幹線乗り場としては相対式2面2線とする計画がなされている。従って、延伸後も新八代駅以南では、新水俣駅で上り本線を横断しないかぎり、下り列車の追い抜きができない計画である。さらにホームの博多方に引き上げ線があり将来的にはこれが本線に流用される。
なお高架ホーム博多方には、引き上げ線の構造物から分岐する形でリレーつばめ専用の鹿児島本線へのアプローチ線が建設されている。構造物そのものは複線規格で建設されているが、上り線相当部分には新幹線下り本線から分岐する形で標準軌の線路が、下り線相当部分には鹿児島本線上り線に接続する狭軌の線路が敷設されているため、アプローチ線としては単線である。九州新幹線工事誌によると、この設備は保線用に建設したものを暫定的に営業用として使用しているもので、博多~新八代間が開業した後は保線専用に戻す予定である。元を正せば、博多~船小屋間が未着工だった当時のスーパー特急計画に基づき、博多から在来線を走行してくるスーパー特急を新八代以南のフル規格の線路へ乗せるために着工されたものと考えられる。これは、九州新幹線のスーパー特急からフル規格への格上げの政府決定が新八代駅建設開始の後でなされていることや、アプローチ線全線が当初から新幹線複線規格で建設されていることからも推し量ることができる。つまり、フル規格格上げの計画変更にあわせ、既に着工してしまった構造物を無駄にすることなく、新幹線と在来線の対面連絡を実現する形で有効利用したものと考えられる。
アプローチ線の地上部分には、新幹線線路と在来線の線路の間で軌間変更を行なうフリーゲージトレイン試験用の軌間変換装置が建設されている。これはあくまでも試験用の施設であるが、早期にフリーゲージトレイン実用化の目処が立った場合、この施設が営業用として恒久化してしまい九州新幹線鹿児島ルートでも平坦区間になる博多~新八代間の建設に対して何かしらの影響が出るのではないかと地元の経済界では警戒感を示す者もいるが、新幹線は2010年度開通予定で建設が進められている一方、フリーゲージトレイン実用化の具体的時期は決っていないため、実際ところは全くの杞憂であると言える。
[編集] 駅周辺
八代駅側は八代市の郊外住宅地であり、住宅があるが、駅前はほとんどが田畑である。現在、駅正面で東横インが開業している。
- 熊本県八代地域振興局
[編集] 歴史
当初の予定では八代駅に新幹線を通す予定であったが、八代駅北側の工場がルート上のネックとなったため代わりにこの地に新駅を開設した、という経緯がある。