日吉大社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日吉大社(ひよしたいしゃ)は、滋賀県大津市坂本にある神社。俗に山王権現とも。日本全国に約2000社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮である。
西本宮と東本宮を中心に、400,000m²の境内を持つ。 猿を神の使いとして崇拝することで知られている。
11月には「日吉大社もみじまつり」が行われ、さまざまな行事のほか坂本地区一帯をふくめライトアップが行われる。
目次 |
[編集] 祭神
[編集] 歴史
- 715年(和銅5年)の『古事記』に「大山咋神、亦の名を山末之大主神。此の神は近淡海国の日枝の山に坐し」とある。
- 近江京遷都に伴い、大物主神が大神神社より勧請された。
- 794年(延暦13年)の平安京遷都に伴い、平安京の表鬼門を守護する神社として崇敬を集めた。また、やはり延暦年間、比叡山上に延暦寺ができたこともあって神仏習合が進み、山王神道の拠点となった。中国の天台山国清寺の山王祠にならって山王権現と呼ばれるようになる。
中世に比叡山の僧兵が強訴のために担ぎ出した神輿も、この日吉大社のものである。1571年(元亀2年)、織田信長の比叡山焼き討ちにより日吉大社も灰燼に帰したため、現在見られる建造物は安土桃山時代以降に再建されたものである。
[編集] 文化財
- 西本宮本殿 - 1586年(天正14年)の建立。檜皮(ひわだ)葺きで、屋根形式は「日吉造」という、日吉大社特有のもの。正面から見ると入母屋造に見えるが、背面中央の庇(ひさし)部分の軒を切り上げ、この部分が垂直に断ち切られたような形態(縋破風)になっているのが特色。
- 東本宮本殿 - 1595年(文禄4年)の建立。建築形式は西本宮本殿に似る。昭和初期までは「大神神社本殿」と呼ばれていた。
以下の建造物は東照宮(江戸時代の建立)を除いて安土桃山時代の建立である。
- 西本宮拝殿
- 西本宮楼門
- 東本宮拝殿
- 東本宮楼門
- 日吉三橋(大宮橋、走井橋、二宮橋) - いずれも石橋である。
- 摂社宇佐宮本殿 - 西本宮本殿、東本宮本殿と同様、屋根は日吉造である。
- 摂社宇佐宮拝殿
- 摂社樹下神社(じゅげじんじゃ)本殿 - 樹下神社は東本宮と同じ敷地にあり、東本宮の参道と樹下神社の参道が直角に交わる、特異な配置になっている。
- 摂社樹下神社拝殿
- 摂社白山姫神社本殿
- 摂社白山姫神社拝殿
- 摂社牛尾神社本殿 - 牛尾神社と三宮神社は八王子山に位置し、拝殿は懸崖造になっている。
- 摂社牛尾神社拝殿
- 摂社三宮神社本殿
- 摂社三宮神社拝殿
- 末社東照宮本殿・石の間・拝殿
- 末社東照宮唐門
- 末社東照宮透塀
- 日吉山王金銅装神輿 7基
[編集] 交通アクセス
[編集] 鉄道
- JR西日本湖西線 比叡山坂本駅から西へ1.2km。
- 京阪石山坂本線坂本駅から西へ0.6km。
- 比叡山上とはケーブルカーの比叡山鉄道(坂本ケーブル)で結ばれている。日本最長距離(2025m)のケーブルである。