松山港
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松山港(まつやまこう)とは、愛媛県松山市にある港湾。港湾管理者は愛媛県。重要港湾に指定されている。万葉集に歌われた「熱田津」(にぎたつ)は、松山港のうちの古三津に当たるとも考えられており、古くから瀬戸内海交通の重要拠点とされてきた。
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[編集] 港湾区域
松山市堀江町花見川河口左岸護岸突端(北緯33度54分2秒、東経132度44分30秒)から大ノ頭島(島頂)を経て、興居島神崎鼻先端まで引いた線、松山市西垣生町重信川河口右岸堤防基部(北緯33度48分12秒、東経132度41分34秒)から270度800メートルの点を経て、興居島黒崎鼻の先端まで引いた線及び陸岸により囲まれた海面のことをいう。ただし、高浜漁港及び泊漁港を除く。この中に堀江港、松山観光港、高浜港、三津浜港、松山外港、今出港がある。
[編集] 主な施設
[編集] 堀江港
かつて「仁堀航路」と呼ばれる国鉄連絡船が、呉市仁方との間を結んでいた。JR予讃線堀江駅より徒歩約5分。
[編集] 松山観光港
高浜港がカーフェリーをはじめとした船舶の大型化に伴って手狭になったため、高浜港の北に新たに設けられたもの。旅客ターミナルは新しい。伊予鉄高浜線高浜駅より連絡バス約2分または徒歩約10分。トンネル開通に伴い、トンネル経由の松山市内からの直行バス(車体に高速船をブルーでペイントした専用車両が投入され、「松山観光港リムジンバス」と称する)もある。なお、高浜駅からの鉄道の延伸構想も以前からあるものの、多額の事業費を要することから具体的な計画に至っていない(本件に関しては伊予鉄道高浜線を参照のこと)。
なお、イメージキャラクターとしてJINCO作の「まつやまかんこっこ」が採用されている。
[編集] 高浜港
松山港においては、もともと三津浜地区が藩政期からの港であり、高浜港は明治20年代に開かれた港である。
高浜港は興居島を前面にした天然の良港であることから、1892年に伊予鉄道が高浜へ鉄道を伸ばした。ところが、満足な港湾設備がなかったことからさしたる利用はなく、また1902年に宇品航路が開設されたものの、三津浜港を寄港地としていた。伊予鉄道では同航路を誘致しようと高浜港に桟橋を建設して高浜への変更に成功した。これは、もともと高浜への鉄道延伸自体を快く思っていなかった三津浜町(松山市への合併前)の反発を買った。その後、1906年に兵員輸送の必要性から軍の要請によって待合所・倉庫等の港湾整備が整備された。こうした高浜港の充実に古くからの港町であった三津浜町は激しく反発、当時の伊予鉄道社長・井上要は進歩党の代議士でもあったことから、政友会と進歩党との政界を巻き込んだ激しい争いとなり、三津浜派は1907年に伊予鉄道に対抗する形で松山電気軌道という新しい鉄道会社を設立し、1911年の開業後、激しい客引き合戦を行った。新鉄道会社は運営に苦しみ、鉄道院の勧告もあって1921年に伊予鉄道が吸収合併している。
その後、瀬戸内海においてカーフェリーが普及してきたが高浜港は中型以上のカーフェリーに対応できにくい桟橋の構造であり、柳井港との航路を有する三津浜港とは機能をすみわける形で共存してきた。さらに、手狭になったこともあり、関西、九州、広島方面などほとんどの航路は北の松山観光港へ移り、現在、高浜港を利用するのは忽那諸島や興居島への旅客船・カーフェリーのみとなっている。
伊予鉄道高浜線の高浜駅が道を隔てたすぐ近くにある。フェリー乗降口の隣に駐車場(有料)があり、有料切符売り場・待合所の建物も隣接している。
[編集] 三津浜港
伊予鉄高浜線三津駅より約1km、JR予讃線三津浜駅より約2km。伊予鉄松山市駅より三津港ゆきバス約30分終点下車。松山港のなかでは最も古くから開かれた地区である。夏目漱石が松山に赴任する際に降り立ったのはこの港であり、小説『坊っちゃん』の舞台ともなっている。もちろん、当時は港の設備といっても、東屋風の待合所があるのみで、満足な船着き場もなく、沖合いに停泊した船に、岸から小船で乗り移っていた。
今日では、柳井港へのカーフェリーのほか、中島方面へのカーフェリーの発着する港となっている。
港の中は入り組んでおり、奥部には小型船が多数停泊している。また、北岸に小型の造船所がある。
- 岩国松山高速運輸(松山-伊保田-岩国)- 2006年3月廃止
[編集] 松山外港
工業港としての性格を有する。最西部の埋立地には外貿コンテナふ頭があり、国際定期コンテナ航路が寄航している。
[編集] 今出港
今出港(いまずこう)は松山港の最も南、重信川河口に接しており、木材団地があることから木材船の入港が多い。
[編集] 外部リンク
- 松山港利用促進協議会
- 松山港湾・空港整備事務所 - 国土交通省四国地方整備局
- 呉・松山フェリー
- 関西汽船
- ダイヤモンドフェリー
- 瀬戸内海汽船
- 石崎汽船
- 防予汽船
- 中島汽船