森田実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
森田 実(もりた みのる、1932年10月23日-)は政治評論家。静岡県伊東市出身。ニッポン放送の番組やフジテレビ系列『めざましテレビ』で政治評論のコーナーを長年担当していたことでも有名。
目次 |
[編集] 概略
東京大学工学部卒業。東大時代は香山健一とともに全国学生自治会総連合の指導部を形成し、反基地闘争(反米武装闘争)などを指導。その後、共産党を除名されると多くの学生党員らと、共産主義者同盟を結成し、主に労対関係の任に当たっていた。その後、日本評論社出版部長、『経済セミナー』編集長を経て、1973年から政治評論家として活動。
2005年9月の総選挙での自民党圧勝を、自らのWEBサイト等で「電通の力が大きい」と主張。実質的にこれが引き金となって、以降テレビにはほとんど登場せず、インターネットでの言論活動や全国での講演活動に主軸を移している。
2000年頃からTV出演時は和服を着るようになっていた(当初はスーツ着用)。
[編集] 思想
政治評論家として独立以来、ほぼ一貫して保守本流である宏池会(旧宮沢派)を支持し、その「経済重視、平和外交」路線を支持して来たが、自民党分裂や昨今の宏池会分裂を経て、自民党内でもそれまで親しくなかった亀井系を支持するなど方針転換をし、現在は反小泉・反安倍の急先鋒として知られる。実際、宮沢政権誕生前夜には、金丸信の暗躍を正面から批判する数少ない評論家として活躍し、当時、三塚派成立の際に中堅として尽力した小泉純一郎についても、「正直で信頼できる人間」「竹下派支配に立ち向かう信念ある政治家」「21世紀初頭の総理候補」と激賞している。宮沢支持や小泉への好意と、金丸・小沢の闇支配批判の明確な姿勢は、当時の森田の著作(「政変」徳間書店 等)にも明白である。
現在の森田の政治スタンスは、内政においては「修正資本主義」に近く、外交においては「反米・アジア協調」、とりわけ日中友好論者で台湾独立には反対している。「平和主義」「護憲」を主張している。政治評論家としてはめずらしく政治家・政党の支持・不支持を明確にしており、亀井静香や野中広務といった、いわゆる抵抗勢力や河野洋平、加藤紘一、二階俊博ら親中派の支持者である。郵政民営化に代表される新自由主義路線に反対の立場で、旧来型の公共事業は地方活性化のためには善であると主張する。また、今日では犯罪であり左右を問わず批判のある談合についても、わが国の古き良き慣習であると肯定し、談合批判は米国の陰謀であるとまで主張する。新自由主義政策を推し進める小泉前政権への批判を展開していた。その小泉前首相の後を継いだ安倍晋三首相(当時は内閣官房長官)についての批判はそれ以上にヒートアップしたもので、北朝鮮が2006年7月、弾道ミサイルテポドン2号を発射した際は、日朝平壌宣言に明確に違反した北朝鮮への批判はまったくと言っていいほど行わず、ひたすら安倍への批判に終始した。また、北朝鮮による日本人拉致事件についても、「対米従属助長のための陰謀」と断言している。
かつては各選挙において各党の獲得議席をほぼ正確に当てるなど、選挙予測の正確性で高い評価を得ていた。例えば、1989年の参議院選挙で当時の社会党が大勝した際「社会党にとって終わりに始まりになる」と予測。森田の予測通り、その前後に起こった冷戦崩壊により社会党は衰退への道をひた走ることになる。しかし近年では、予測の大胆さが増す一方で正確性は揺らいでいる。代表的な例を挙げると、2003年9月の自民党総裁選の際は、小泉再選は100%ないと断言。2005年9月の衆議院総選挙の際は自民党は惨敗して120まで議席を落とすと予測し、郵政造反組が選挙後のキャスティング・ボートを握ると断言した上、小泉純一郎前首相の小選挙区での落選すら主張していた(結果は自民は296議席を獲得し、小泉は1996年以降の小選挙区制で最高得票数を獲得し当選した)。郵政選挙で自民党が圧勝した後も、2006年3月に経済失政で小泉内閣は退陣に追い込まれ、後任には谷垣禎一がつくと断言。また、2007年4月の東京都知事選では早い段階で「(現職石原慎太郎の)3選はあり得ない」と断言して注目されたが、結果は石原の圧勝に終わった。こうしたことから、選挙の福岡政行、軍事の田岡俊次、経済の紺谷典子とともに、ネット上では「逆神」の異名で呼ばれることも多い。
電通を表だって批判した言論人は森田実が最初である、と自サイトにおける友人の投稿の形で表明しているが、言論人では田原総一朗が1981年に著作『電通』で、既に電通の社内事情や政治との癒着を明らかにしている。
[編集] 主著
- 『森田実 時代を斬る』 (日本評論社、2003年) ISBN 4-535-58375-7
- 『公共事業必要論』 (日本評論社、2004年) ISBN 4-535-58397-8
- 『小泉政治全面批判』 (日本評論社、2006年) ISBN 4-535-58466-4
- 『アメリカに食い尽くされる日本』(日本文芸社)(副島隆彦との共著)ISBN 4-537-25406-8
[編集] 外部リンク
- 写真・プロフィール(システムブレーン)
- MORITA RESERCH INSTITUTE CO.,LTD(森田総研)
- JAPAN UNITED CORPORATION (森田実の日本の未来を切り開く)
カテゴリ: 1932年生 | 日本の評論家 | 人物関連のスタブ項目