機動戦士ガンダム 一年戦争
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機動戦士ガンダム 一年戦争(きどうせんしがんだむ いちねんせんそう)は、2005年4月7日にプレイステーション2で発売された3Dアクションゲーム。開発はナムコ、販売はバンダイである。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第1話から最終話までの戦い(一年戦争)を、1本のゲームで再現しているのがセールスポイント。
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[編集] 発売の経緯
本作は、ガンダムシリーズの版権(主にゲーム化権)を独占するバンダイがナムコに開発を依頼してガンダムゲームを販売するコラボレート企画PROJECT PEGASUS(プロジェクトペガサス)の第1弾である(ペガサスとは、ガンダムの母艦であるホワイトベースの艦級名)。同様の開発をした例としては、カプコンが開発した「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」が存在する。
PS2で発売されたガンダムシリーズのゲームはこれまで最低でも50万本程度の売り上げ実績があり、開発技術力に定評のあるナムコと提携することで『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』の90万本を上回る100万本超を目指す大作ソフトとして位置づけられていた。 (参考リンク)
しかし、実際に発売されたソフトは発売週で15万本程度しか売れなかった。現在のゲーム市場を考えればこれでも十分ヒット作といえるが、バンダイ側が積極的に売り込みをしていたことと、小売側が「ガンダムなら安心」などと強気の発注をしていたことから大量の不良在庫が発生し、あっという間に販売価格が暴落した。消費者も「こんなに急に値段が下がったということは内容に問題があるのでは」と懐疑的になっており、ゲーム内容以前にクソゲー扱いされているのが現状である。ガンダムのゲームなら何でも売れるという「ガンダムバブル」の崩壊を示す現象として注目された。
決して出来の悪い作品ではなく、ナムコらしくリッジレーサーシリーズやエースコンバットシリーズなどでノウハウを培った美麗なCGなど水準以上の出来であり、3Dアクションゲームとしてのまとまりもよく、原作のイメージにも忠実につくられている。だが、わかりやすいマイナス面も確かにあった。まず、あまりにも何度も作られてきた題材であるということ。ガンダムのゲームというだけでなく、「プレイヤーがアムロになり、ガンダムに乗って一年戦争を追体験する3Dアクションゲーム」という内容のゲームは、本作が発売されていた時点で出ていただけで「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」に続き4作目であり、さらに一年戦争・アムロ目線という枠をはずし「ガンダムに乗って戦うアクションゲーム」となると「機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」「機動戦士ガンダム戦記」「ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079」なども入る。しかもこれはPS2に限った話であり、他ハードのゲームも含めるとかなりの数である。そして、登場するメカ・キャラ・エピソードなどがそれまでの同系列のゲームとほぼ同じでガンダムゲームとしても目新しさがあまりないこと、ひとつ前のPS2作品「機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム」の発売から4ヶ月しか経過していなかったこと、すでに出ている同系列のゲームと見た目は似ているのに違う操作系など、「急いで買う必要のないゲーム」と判断される材料はあった。しかし、それ以後もガンダムゲームは定期的に発売されており、発売直後の並外れた価格の下落はこの一作のみで食い止めたようだ。
なお、バンダイとナムコは2005年9月に持株会社バンダイナムコホールディングスを設立し経営統合を行なったが、本作の共同開発がそのきっかけとなったとしている(参考リンク)。しかし、本作以降PROJECT PEGASUSの動きはない(2006年12月現在)。
[編集] ゲーム内容
アムロ・レイが主人公ということもあり、使用する機体は概ねガンダムである。但し、原作に即して一部ステージのみガンタンクやガンキャノンを使用する。
各ステージでは特定の敵を特定の武器を使って倒すといった具合に原作のシチュエーションを再現すると「メモリアルアクション」という特別なデモシーンが発生し、全ての『メモリアルアクション』を発生させると、エクストラ機体として、GMやガンダムNT-1などのモビルスーツが使用可能となる。
使用可能な武器は基本的にビームライフル・ビームサーベル・頭部の60ミリバルカン砲のみで、ステージ27においてのみハイパーバズーカが使用可能となる。尚、この場合はビームライフルは使用できない。
ただ、メモリアルアクションを全て発生させハードモードをクリアすれば隠し機体はすべて出現するため、やりこみ要素は薄く、飽きも早い。
[編集] 関連商品
2005年3月に、ゲームで使用したガンダムの3Dポリゴンモデルを再現したプラモデル(ガンプラ)「マスターグレードRX-78-2ガンダム Ver.ONE YEAR WAR 0079」が新規金型で発売された他、ザク、ドム等の在来商品が存在するモビルスーツもゲーム内の色設定に合わせたキットが発売されている。
[編集] 関連項目
- ガンダムシリーズゲーム作品一覧
- ACE COMBAT(ナムコ側開発チームの制作した空戦ゲーム)