毒まんじゅう
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毒まんじゅう(毒饅頭、どくまんじゅう)とは、毒の入ったまんじゅうをいう。
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[編集] 史話
1611年の徳川家康と豊臣秀頼の二条城での会見の直後、会見場で秀頼を護衛した加藤清正が急死する。それを受けて、まことしやかな「毒饅頭暗殺説」が巷間ささやかれ、後に歌舞伎の題材にもなった。それによると、家康は会見場において秀頼の毒殺を図り、意を受けた腹心の平岩親吉は遅効性の毒のついた針を刺した饅頭を、自ら毒見した上で秀頼に勧めたが、それを察した清正は自ら毒饅頭を食べてしまい秀頼を守ったという。史実において平岩も会見後に死去している。
[編集] 政界
旨そうに見えるが、それを食べると相手の術中に落ちてしまうような事を例えて、「毒まんじゅうを食う」と言い、悪い意味で使われる。転じて、俗に悪徳グループの仲間入りをする事を指す。また、東京佐川急便事件以来、賄賂の隠語でもある。
- 2003年の橋本派
2003年の自民党総裁選において、橋本派の会長代理である村岡兼造が自派の藤井孝男ではなく森派の小泉純一郎へ支持したことに、野中広務が「(村岡氏は)毒まんじゅうを食らったのではないか」と発言した。2003年第20回「流行語大賞」年間大賞を受賞した。
又、当時、テレビ朝日の記者が、村岡兼造の自宅前にまんじゅうを置いて激怒させたという。
名指しされた村岡は、同年11月の総選挙で落選し引退。その後、橋本派の一億円ヤミ献金事件で刑事訴追された(一審では無罪判決)。
野中は、流行語大賞授賞式で「上手に食った人もいるが、食い損ねて大変な傷を負った人もいる」と語った。
[編集] トヨタ
不良品零を目指す、作り込みの品質の思想の説明に使われる表現。「万に一つ、百万に一つの不良なら許してよいか?」という問いに対して、「皿に山と盛られたまんじゅうの中に、一つだけ毒まんじゅうが混じっているとしたら、その山にあなたは手を付けられるか?不良は零を目指さないといけない」という説明が為される。
[編集] ナインティナインのオールナイトニッポン
お笑いコンビのナインティナインがパーソナリティを務めるニッポン放送系の深夜放送、『ナインティナインのオールナイトニッポン』(木曜25:00-27:00)において、下ネタなどの酷い葉書を送ったリスナーに対して送られる。毒まんじゅうを送るかどうかは岡村が判断し、自分でも判断し難い場合には、角銅秀人ディレクターの判断によって決められる。送る時は岡村が「毒まんじゅうを差し上げときましょう」と言う。
元は、岡村隆史が流行に乗り遅れている事から発想し、当時に前述の「毒まんじゅう」が流行語となっていたことから。
[編集] その他
仙台市の菓子「どくまんじゅう」は、独眼竜(伊達政宗)の饅頭という意味であり、毒とは関係無い。