洛南高等学校・附属中学校
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洛南高等学校・附属中学校(らくなんこうとうがっこう・ふぞくちゅうがっこう)は、京都市南区にある、学校法人真言宗京都学園が設立した高等学校、及び中学校である。学校は東寺の境内にある。
正式名称は「洛南高等学校」および「洛南高等学校附属中学校」。同じ学校法人に属し東寺が経営に参画する学校に種智院大学がある。種々の学校改革を断行し、1980年代より急激に大学進学実績を伸長させ、1991年から現在まで京都大学合格者数No.1(例年100名以上)を記録している。東京大学などの有数な国立大学にも大量の合格者を輩出する。また、バスケットボールやバレーボール、体操、陸上競技、吹奏楽などの部活動も盛んである。男子校(2006年から男女共学。将来は小学校も)で、III類(内部進学)、III類(高校入学)、I類一般、I類推薦(スポーツ・吹奏楽等)などで別々のクラスとなる。近年、III類(内部進学)には高校受験で若干の編入がある。
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実績
大学合格実績
1991年度から2007年度まで、京都大学合格者数は17年連続全国第1位である。2006年度東京大学合格者数は、近畿では灘、東大寺学園に次いで3番目である。
「京大なら洛南」とまで言われるほど京大合格には定評があり、京都のみならず、近隣府県からも多くの受験生が集まってくる、名実共に京都ナンバー1の進学校である。2006年度においては前期試験では西大和学園に京大合格数トップの座を明け渡したものの、2007年度においては、2位の東大寺学園に20名もの差をつけて圧勝した。
ここ数年は医学部人気の為か、国公立大学医学部医学科の合格者数も増加の傾向にあるため、東大合格者数は2005年度より14人減の全国20位である。国公立大学医学部医学科の合格者数は関西では灘、東大寺学園、四天王寺学園、智弁和歌山、洛星についで多く6番目である。
その他実績
バスケットボールのインターハイではここ30年以上京都代表として君臨し続けている全国で五本の指に入る強豪校。体操部も大阪の清風高校と実績を二分する。また、国際物理オリンピックの京都初の代表もここの出身である。
入試問題の特徴(中学、高校受験)
- 中学受験の国語の非読解問題(漢字等)が、平成教育予備校で出題されることが多い(過去にはたけし・逸見の平成教育委員会でも出題されていた)。
- 高校受験は、1999年度に入学した学年からIII類とI類の出題が完全に共通するようになっているので、III類を基準にすれば、以前よりも易化している。
洛南の歴史
現在の洛南高等学校[1]はそもそも平安時代の天長5年(828年)から続く真言宗の高等教育機関である種智院大学に対する、中等教育機関として真言宗京都学園が設立した東寺高校に端を発している。
1960年代、底辺校として不良の溜まり場になっていた東寺高校に対して、当時の校長三浦俊良らが中心になって学校内の改革を決断。校名を洛南高等学校と改称するだけでなく、校則を厳しくし不良生徒を退学などの処分を含めて大幅に取り締まり、また特別進学コースを設置して優秀な生徒を集めた。改革後の洛南高等学校は、風紀は堅く守られ、又、学問、スポーツともに成績全国トップクラスの進学校として生まれ変わった。21世紀になって緩くなったとはいえ現在でも洛南高校は校則が厳しいことで有名である。同様に底辺校から急成長した例として東大寺学園とよく比較される。
- ^ 現在の京都府立鳥羽高等学校の前身が第二次大戦後の学制改革時の学校再編時まで京都府立洛南高等学校(旧:府立京都二中)であったが両者の間には全く関係はない。
特記事項
- 進学校でありながら「勉強だけの人間はダメ」「掃除や挨拶のできる人間になれ」と教える。
- 附属中学校卒業生は原則全員が洛南高校のいわゆる「内部進学クラス」に進学することになっているが、中学3年間の間にスポーツなどで勉学以上に秀でた力を見せた場合、稀に一類に移ることを誘われることもある(一類については上記参照)。
- 教職員の大部分が同高校卒業生である。
アクセス
歴史・沿革
- 1962年6月 - 東寺高校から洛南高校に改称
- 1965年4月 - 自動車コース、特別進学コース創設
- 1978年4月 - 準特別進学コース創設
- 1982年4月 - コース呼称変更:普通科→I類、普通科(自動車コース)→II類、普通科(特別進学コース・準特別進学コース)→III類(特別進学コース→III類A、準特別進学コース→III類B)
- 1985年4月 - 洛南高等学校附属中学校開校(2クラス)
- 1993年4月 - II類(自動車コース)募集停止
- 1996年4月 - 洛南高等学校附属中学校2クラス増設
- 2001年4月 - 体育着(夏)がランニングシャツから半袖シャツへの移行が始まる
- 2002年4月 - 洛南高等学校附属中学校5クラスに(1クラス増設)
- 2003年4月 - 皮膚の弱い生徒に配慮し詰襟学生服が廃止され、ブレザーの制服(ネクタイは学年ごとに色が違う)への移行が始まる
- 2005年4月 - 制服がブレザーに完全移行
- 2006年4月 - 共学化
著名な卒業生
政治・行政
- 山井和則 - 衆議院議員(民主党・京都6区)
経済
マスコミ
芸能
- 森脇健児 - タレント
- 佐々木蔵之介 - 俳優
- 菊本和昭 - トランペット奏者、京都市交響楽団所属、日本音楽コンクール第1位
- 鏑木蓮 - 作家(第52回江戸川乱歩賞、第一回立教・池袋ふくろう文芸賞受賞)
- 横山ひとし - タレント、俳優、作家、FJレーサー。横山やすしの最後の弟子。
- 長瀬弘樹 - 作詞/作曲家、アレンジャー。ANNA inspi'NANA「黒い涙」(作曲)(アニメ「NANA」エンディングテーマ)、中島美嘉「見えない星」(作詞、作曲)(日本テレビ系ドラマ「ハケンの品格」主題歌)などを担当。
スポーツ
- 高岡寿成 - マラソン選手
- 竹内公輔 - バスケットボール選手
- 竹内譲次 - バスケットボール選手
- 中野大輔 - 体操競技選手
- 冨田洋之 - 体操競技選手
- 幸田高明 - 明治大学競走部
- 山口有希 - 陸上競技(400メートル日本ジュニア記録保持者・アテネオリンピック代表)