烏江駅
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烏江駅(からすええき)は、岐阜県養老郡養老町烏江940-4にある近畿日本鉄道養老線の駅。養老線唯一の高架駅である。
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[編集] 駅構造
単式ホーム1面1線を持ち、列車同士の行き違いができない高架駅。高架上にホームがあり、そのホームから東西に階段が下りている。階段を下りるとそこはもう外で、間に改札口などは一切無い無人駅である。
高架化は平成9年(1997年)10月のことで、当駅の大外羽駅よりにある揖斐川支流の牧田川および杭瀬川の改修工事に伴い、この駅の前後の路線が高架化されたため行われた。この路線の高架化によって美濃高田駅と大外羽駅との間では一部路盤が移動されたため、結果的にこの駅も10mほど北に動くこととなった。
高架化前の烏江駅も単式ホーム1面1線の構造を持っていたが、盛り土上に位置する地上駅であった。単式ホームの大外羽駅方の端には古くからの木造で妻面に出入り口のある駅舎があり、駅員(近畿日本鉄道社員)も配置された直営駅であった。
この駅の無人化は先に述べた高架化と同時の平成9年(1997年)10月で、この駅に改札口などが無いのはそのためである。なお養老線では平成10年(1998年)の7月25日から日中など一部の時間に限り自転車の車内への持込が可能なサイクリング列車が運行されているが、当初はこの駅は高架駅であるためこの駅からの自転車の持ち込みができなかった。しかしながらその後しばらくして当駅の南側とホームを結ぶスロープが完成したため、自転車の持ち込みはこの駅からも可能になった。
[編集] 利用状況
- 2005年11月8日の調査によると、1日の利用客は955人。この数字は…
- 近鉄の全調査対象駅(323駅)中、253位。
- 養老線の駅(27駅、桑名駅含む)の中では、10位。
- 岐阜県内の近鉄の駅(22駅)の中では、7位。
[編集] 駅周辺
当駅北東約300mほどの地点では、共に揖斐川の支流である牧田川と杭瀬川が合流しているが、近鉄養老線も当駅の大外羽駅寄りで最初に牧田川、次に杭瀬川と二つの川をまとめて渡っている。この橋梁ではかつて、1888年製で元国鉄で使われていたものを近鉄が譲受したという歴史あるトラス橋梁が用いられていたが、平成9年(1997年)10月の当駅附近の高架化に伴い使用されなくなり、今はその一部が切り取られて当駅の駅前で展示されているのみである。なお、牧田川は養老町と大垣市の境でもある。
周囲は田圃の広がる田園地帯で、集落が散在している。国道258号までは当駅から南東へ約3km。
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[編集] 歴史
この駅は大正2年(1913年)の7月31日、養老鉄道が養老駅から大垣駅をへて池野駅までを開通させたのに伴い開業した。養老鉄道はその後大正11年(1922年)6月に揖斐川の電源開発を行う揖斐川電気(イビデンの前身)と合併したあと、昭和3年(1928年)4月には養老電気鉄道として分離され、そして昭和4年(1929年)10月には伊勢電気鉄道に合併されるも、昭和11年(1936年)5月には再び養老電鉄として分離されたので、この駅は養老電鉄の駅となった。
しかしながら昭和15年(1940年)の8月には次に参宮急行電鉄が養老電鉄を合併し、昭和16年(1941年)の3月にはその参宮急行電鉄を今度は大阪電気軌道が合併して関西急行鉄道となり、昭和19年(1944年)の6月には陸上交通事業調整法の影響もあって関西急行鉄道が南海鉄道と合併して近畿日本鉄道となったので、結局近畿日本鉄道養老線の駅に落ち着いた。
平成9年(1997年)10月には当駅の大外羽駅寄りにある牧田川および杭瀬川の改修工事に伴って当駅前後の路線が高架化され、現在に至っている。
[編集] 年表
- 1913年(大正2年)7月31日 養老鉄道の養老駅から池野駅までの開通に伴い開業する。
- 1922年(大正11年)6月13日 養老鉄道が揖斐川の電源開発を行う揖斐川電気と合併する。
- 1928年(昭和3年)4月6日 揖斐川電気の鉄道事業が養老電気鉄道として分離されこの駅も養老電気鉄道の駅となる。
- 1929年(昭和4年)10月1日 伊勢電気鉄道が養老電気鉄道を合併し同社の養老線としたのでこの駅も伊勢電気鉄道の駅となる。
- 1936年(昭和11年)5月20日 伊勢電気鉄道が養老線を分離し養老電鉄となったのでこの駅も養老電鉄の駅となる。
- 1940年(昭和15年)8月1日 参宮急行電鉄が養老電鉄を合併したのでこの駅も参宮急行電鉄の駅となる。
- 1941年(昭和16年)3月15日 大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し関西急行鉄道となったのでこの駅も関西急行鉄道の駅となる。
- 1944年(昭和19年)6月1日 関西急行鉄道が南海鉄道と合併し近畿日本鉄道となったのでこの駅も近畿日本鉄道の駅となる。
- 1997年(平成9年)10月4日 高架化により北側に10mほど移転、無人化。