琴錦功宗

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琴錦功宗（ことにしき　かつひろ、1968年 6月8日 - ）は群馬県群馬郡箕郷町（現・高崎市）出身の元大相撲力士。佐渡ヶ嶽部屋所属。本名は松澤英行。血液型はB型。趣味はテレビゲームと野球観戦。プロ野球・千葉ロッテマリーンズのファンでもあり、同球団の始球式を務めたこともある。また、角界一のアンチ巨人を自負するほどで、水戸泉がジャイアンツが優勝した時、彼に優勝話を聞かせたら「イヤミを散々言いやがって」と激怒したほど。また大相撲部屋別歌合戦では「俺は角界一TUBEの似合う男。プロレスのように土俵入りの時に入場テーマがあるなら、絶対俺はTUBEだよ」と言って周囲を爆笑させた。最高位は東関脇。現・年寄竹縄。引退後もしばしば大相撲中継の解説を勤めているが、その分かり易い解説は毒舌の北の富士勝昭からも絶賛されている程である。

[編集] 来歴

[編集] 入門まで

中学時代は柔道部に所属し活躍していたが、相撲大会にも借り出され全国大会にも出場した。当初は高校進学が決まりかかっていたが佐渡ヶ嶽親方の再三に渡る勧誘により入門を決意。1984年 3月場所に初土俵を踏んだ。入門当初から期待され、初土俵から2年ほどで幕下に昇進した。

[編集] 琴錦襲名

西幕下5枚目で迎えた1987年 9月場所には先代・佐渡ヶ嶽親方（元小結・琴錦）の四股名でもある『琴錦』と改名した。このとき下位の力士に同音の虎勝錦がおり、本来は改名できないはずであったが、格違いで譲ってもらい改名を果たしている。実は『琴錦』の四股名は入門する直前に友達と考えて出来た四股名とまったく同一であり、先代と相撲の型（のみならず容貌、性格も似ていたといわれる）が似ていたこともあって先代夫人の許しを得たものであった。だが当の本人は先代の現役時代の四股名が琴錦だったということは全く知らず入門後に聞いて驚いていた。

[編集] 十両昇進～新三役

その場所は2勝5敗と負け越しはしたものの、翌11月場所・1988年1月場所と2場所連続して5勝2敗の好成績を挙げ、3月場所に十両に昇進した。1場所で幕下に陥落したが、同年7月場所に再び十両に昇進すると十両に定着。その後は順調に番付を上げて行き、1989年 5月場所に幕内に昇進した。小柄な体から繰り出される、速攻の突き・押しの取り口から「F1相撲」と評された。これに因んだか、『風のエール』という応援歌も作られている。このほか角界のマイク・タイソンと評した力士もいた。1990年9月に小結に昇進し9勝6敗と勝ち越し、2度目の殊勲賞を獲得した。

[編集] 大関を逸する

翌11月場所には関脇に昇進。1990年11月に10勝5敗、翌1991年1月には11勝4敗と、2場所連続して2桁の勝ち星を挙げいよいよ大関の声が掛かるようになった。しかし、次の3月場所前に女性問題を起こした事により、譴責処分を受けた影響もあってか、9勝6敗に終わって大関昇進の好機を逃した。その後も5月場所は8勝7敗と勝ち越したが、7月場所は4勝11敗と不本意な成績に終わり関脇から陥落した。東前頭5枚目まで番付を下げた翌9月場所は貴花田、若花田には敗れたものの13勝2敗で幕内優勝し、7月場所場所に優勝した同部屋の琴富士に続き平幕優勝を成し遂げた。翌場所は小結だったが場所前に当時の二子山理事長から「連覇なら大関も検討する」と言われ大関小錦と優勝を争ったが千秋楽に負けてしかも左足首を負傷、12勝3敗に終わり連覇はできず大関にもあと一歩及ばなかった。またこの場所9日目には、新入幕の貴ノ浪に負けたのが痛かったとも言われている。その後も1992年9月には前頭筆頭で11勝4敗、11月に小結で13勝2敗とし、翌1993年1月に関脇に返り咲き再び大関のチャンスだったが、場所直前の膝の故障が響いて7勝8敗と負け越してしまった。

[編集] 幕内時代

その後は三役と平幕を往復する生活が続いていたが常に前頭の一桁を保っていた。1998年9月場所では東前頭7枚目で5勝10敗と負越、11月場所には西前頭12枚目に下がった。”負け越せば引退”と覚悟を決め土俵に上がったが初日から11連勝し優勝争いに加わり、12日目に横綱の若乃花に敗れた1敗のみで最終的には14勝1敗の好成績で2度目の平幕での幕内優勝（史上初）を飾り、同時に殊勲賞と技能賞を獲得した。翌1999年1月場所には小結に復帰したが6勝9敗と負け越したがその以降も幕内上位で活躍。史上初の平幕2回優勝を決めた1998年11月場所から6場所連続で対横綱戦勝利（最高位が関脇以下の力士としては史上初）を挙げるが、2000年3月場所4日目の安芸乃島との相撲で右肘内側側副靱帯を損傷し休場。翌場所には初めて西十両筆頭に陥落した。その場所は公傷認定され全休したが7月場所は8勝7敗と勝ち越したが、幕内復帰が見送られた。9月場所は東にまわり東十両筆頭の番付だったが初日から5連敗し7日目に敷島に敗れたのを最後に現役を引退。準年寄・琴錦を襲名した。

なお、現在の幕内最高優勝制度のもとで二度平幕優勝したのは、2005年9月場所終了時点で琴錦ただ一人である。最高位が関脇以下の力士で唯一複数回の優勝を経験した力士でもある。また、関脇在位は同じ佐渡ケ嶽部屋の長谷川勝敏と並ぶ21場所で史上1位の記録となっている。

[編集] 年寄・甲山襲名騒動

2002年7月場所後に甲山部屋の力士がすべて引退し、甲山部屋は事実上消滅した。当初、9代甲山親方（元前頭1・大雄辰實）は9月場所後を目処に退職し年寄・甲山を琴錦に譲ると公式に表明し、琴錦自身も年寄・甲山を襲名することを発表した。しかし、9代甲山親方が周囲に説得され退職せずに湊部屋に移籍することとなったため、この話は9月場所開場直前に白紙となった。

このままでは琴錦は2002年9月場所後に準年寄としての2年間の資格期間が満了となり退職となってしまうため、一門外ではあったが年寄・若松を一宮章氏（元小結・富士錦猛光）から借り受け、13代若松を襲名した。その後、2003年9月に空き名跡となっていた年寄・竹縄を花田茂廣氏（元横綱・栃ノ海晃嘉）から借り受け、若松から竹縄に名跡変更をしている。現在では年寄・竹縄の所有者名義は栃乃洋泰一に変わっているが、引き続き栃乃洋から借り受けている。

2005年5月26日に9代甲山親方は定年を迎えたが、琴錦は襲名することができず、準年寄であった元前頭11・大碇剛が翌5月27日に10代甲山を襲名した。後に年寄・甲山の所有者名義は、正式に大碇に変更されている。

[編集] 主な成績

生涯成績：663勝557敗58休（100場所）
幕内成績：506勝441敗43休（66場所）
幕内最高優勝　2回（1991年7月場所、1998年11月場所）

[編集] 金星

（金星：8個）

千代の富士 - 1個（1990年7月場所中日）
北勝海 - 1個（1990年5月場所12日目）
曙 - 1個（1998年5月場所中日）
貴乃花 - 3個（1995年7月場所中日、1998年11月場所13日目、1999年7月場所2日目）
若乃花 - 2個（1999年3月場所3日目、1999年5月場所7日目）

[編集] 三賞

殊勲賞　7回（1990年7月、9月、11月、1991年11月、1995年7月、1998年5月、11月）
敢闘賞　3回（1990年5月、1991年9月、1993年7月）
技能賞　8回（1990年11月、1991年1月、1992年11月、1994年3月、1995年9月、1996年9月、1998年1月、11月）

[編集] 改名歴

松澤英行（まつざわひでゆき）1984年3月
琴松沢英行（ことまつざわ-）1984年5月～1987年9月
琴錦功宗（ことにしきかつひろ）1987年11月～1994年9月、
琴錦玄教（ことにしきひろのり）1994年11月～1995年9月
琴錦英行（ことにしきひでゆき）1995年11月～1996年5月
琴錦功宗（ことにしきかつひろ）1996年7月～2000年9月

[編集] 年寄変遷

琴錦功宗（ことにしき）2000年9月～2002年9月〔準年寄〕
若松英行（わかまつ）2002年9月～2003年9月
竹縄英行（たけなわ）2003年9月～

カテゴリ: 群馬県出身の大相撲力士 | 1968年生