船木鉄道
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | 船鉄(せんてつ) |
本社所在地 | 757-0216 山口県宇部市船木980番地 |
電話番号 | 0836-67-0321 |
設立 | 1913年6月 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 乗合バス事業、貸切バス事業他 |
代表者 | 大谷昭治 |
主要株主 | サンデン交通 249,451株 宇部興産 149,142株 他 |
主要子会社 | 船鉄観光 |
外部リンク | www.sentetsu.biz-web.jp/ |
船木鉄道株式会社(ふなきてつどう)は、山口県宇部市・山陽小野田市・美祢市周辺をエリアとするバス事業者である。通称は船鉄(せんてつ)。
事業者名が示すように、かつては宇部~船木町~吉部(きべ)間に鉄道路線を持っていたが、1961年に路線を廃止し鉄道事業から撤退した。撤退後も社名はそのままとしている。
目次 |
[編集] 沿革
社名の由来となっている船木(ふなき)は、旧楠町(2004年11月に宇部市に編入)の中心市街である。江戸時代は旧山陽道の宿場町として栄えていたが、1900年に敷設された山陽鉄道は船木を避けて南方を迂回したため(船木の住民が鉄道を忌避したとする説もある。)、船木は交通拠点としての重要性を失っていった。
1911年、船木の有力者により鉄道設立発起人会が結成され、1913年には船木軽便鉄道が設立された。当時の船木周辺には小規模な炭坑が点在し、石炭運搬鉄道としての役割も期待されていた。
1916年、約2ヶ月の工事の後、軌間762mmの軽便鉄道として、宇部駅~船木町駅間4.9kmが開業した。1918年、社名を船木鉄道へ改称した。この頃、路線延長と輸送力増強(軌間拡大)が計画され、1923年に船木町~万倉(まぐら)間4.7kmの延長と1067mmへの全線改軌がなされた。1926年には、万倉~吉部(きべ)間8.1kmが延長し(全線17.7km)、これが同鉄道路線の最長延長となった。(ただし、さらに大田(現美東町)まで路線延長する免許も取得していた。)
大東亜戦争期の1944年、鉄材供出に伴って万倉~吉部間が休止した。昭和30年代に入ると石炭産業の斜陽化、バス交通への転換が一気に進み、1961年10月ついに宇部~万倉間も休止となり、全線廃止となった。結局、電化されることはなく、ディーゼル車が宇部~万倉間を約25分で結んでいた。最後に運転された車両の一つであるキハニ51(芸備鉄道キハユニ17改造)は、廃線後加悦鉄道に譲渡され、京都府与謝野町(旧加悦町)の加悦SL広場にキハユニ51として保存されている。鉄道廃線跡は各所に見られ、例えば旧船木町駅は船鉄バスのターミナルとして使用され、万倉付近には軌道敷の築堤盛土が残存しており、その他、県道へ転用された部分も多数ある。
その後、船木鉄道はバス事業へ転換し、山口県中西部に路線を延ばすとともに、観光バス事業も展開し、現在に至っている。
[編集] バス事業
山口県中西部の山陽側一帯に路線を持つ。かつて鉄道路線があった宇部市では、旧楠町地域を含む西部一帯を営業エリアとしている。ほか山陽小野田市・美祢市の全域に路線網を持つ。
[編集] バス営業所(車庫)所在地
[編集] 主なバスターミナル
[編集] 車両
一般路線車はベージュ色に赤・青・灰色の帯の塗装である。ノンステップバスは赤色地の塗装である。貸切車は白地に茶色系濃淡4色の帯。
[編集] バス路線
[編集] 一般路線バス
- 船木 - 有帆 - 宇部駅 - 平原 - 宇部新川駅 - 宇部中央
- 際波台 - 宇部駅 - 平原 - 宇部新川駅 - 宇部中央
- 船木 - 有帆 - 小野田駅 - サンパークおのだ - 公園通 - 流川 - 平原 - 宇部新川駅 - 宇部中央
- 船木 - 有帆 - 小野田駅 - 中川通 - 公園通 - 小野田港 - 西ノ浜 - 刈屋
- 船木 - 有帆 - 小野田駅 - 中川通 - 公園通 - 小野田港 - 西ノ浜 - 南浜河内 - 本山駅 - 本山岬
- 船木 - 有帆 - 小野田駅 - サンパークおのだ - 公園通 - 小野田港 - 西ノ浜 - 南浜河内 - 本山駅 - 本山岬
- 船木 - 中央病院前 - 厚狭駅
- 平沼田 - 清安寺口 - 中央病院前 - 厚狭駅
- 美祢駅 - 山中 - 厚狭駅 - 小野田駅 - 中川通 - サンパークおのだ - 公園通 - 流川 - 東割 - 平原 - 宇部新川駅 - 宇部中央
- 厚狭駅 - 小野田駅 - サンパークおのだ - 公園通 - 流川 - 平原 - 宇部新川駅 - 宇部中央
- 厚狭駅新幹線口 - 小野田駅 - 中川通 - サンパークおのだ - 公園通 - 小野田港 - 西ノ浜 - 南浜河内 - 本山駅 - 本山岬
- 東高畑 - いこいの村 - 小野田駅 - 中川通 - サンパークおのだ - 公園通 - 小野田港 - 西ノ浜 - 刈屋
- 中央病院 - 厚狭駅 - 山野井 - 埴生上市 - 埴生 - 青年の家前 - 老人センター
- 中央病院 - 厚狭駅 - 山野井 - 埴生上市 - 中村 - 上福田
- 上福田 - 中村 - 埴生 - 青年の家前 - 老人センター
- 中央病院 - 厚狭駅 - 厚狭駅新幹線口 - 渡場 - 梶汐湯
- 船木 - 有帆 - 小野田駅 - ポリテクセンター - 縄地口 - 西高泊 - 黒葉山
- 小野田駅 - ポリテクセンター - 縄地口 - 西高泊 - 黒葉山
- 船木 - 万倉 - (藤ヶ瀬) - 吉部小前 - 吉部(きべ) - 今小野
- 船木 - 万倉 - 堀越
[編集] コミュニティバス(運行受託)
[編集] 鉄道事業
[編集] 歴史
- 1916年(大正5年)9月16日 - 宇部~船木町間が開業。
- 1923年(大正12年)10月12日 - 船木町~万倉間が開通。
- 1926年(大正15年)7月1日 - 万倉~今富間が開通。
- 11月1日 - 今富~吉部間が開通。
- 1944年(昭和19年)3月1日 - 万倉~吉部間が不要不急線に指定され休止。
- 1961年(昭和36年)11月19日 - 宇部~万倉間及び、休止中の万倉~吉部間が廃止。全線廃止。
[編集] 駅一覧
宇部駅 - 有帆駅 - 字中村駅 - 船木町駅 - 裁判所前駅 - 宗方駅 - 伏附駅 - 万倉駅 - 矢矯駅 - 今富駅 - 峠駅 - 大棚駅 - 吉部駅
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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