鉄子の旅
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『鉄子の旅』(てつこのたび)は、2002年から2006年まで小学館の『月刊IKKI』に連載された(連載開始から7話目までは『週刊ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI』)、ノンフィクション漫画作品。
目次 |
[編集] 概要
作者は菊池直恵で、旅の案内人として横見浩彦が同行する鉄道紀行漫画。
コンセプトは、鉄道にまったく興味のない作者が鉄道好きのトラベルライターの横見に"嫌々"日本全国の鉄道に連れ回されるというもの。通常、旅をするメンバーは作者、横見、編集者で、時折ゲストが随行する場合もある。
略称は鉄子(てつこ)。主要な登場人物達も使用している。
なお、話数は「第~旅」で表記される。
足掛け5年に渡り連載が続いていたが、菊池の体力の限界を理由に2006年12月号の第48旅を持って終了した。全6巻。連載そのものは終わったが、アニメ化の話が進行しており、2007年1月号以降もコラムが掲載されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主要登場人物
- 菊池直恵(きくち なおえ) 声:富坂晶
- 全話に登場。「昼食は駅弁にする」ことを条件に、この漫画の漫画執筆を引き受ける。作中では「キクチ」と表記される。鉄道は「移動手段」としか思っていない普通の非「鉄」だったが、鉄子の旅開始以来、無意識のうちにじわじわと鉄道知識が刷り込まれ、第31旅ではタブレット閉塞の説明が出来るまでになってしまった自分に愕然としている。
- 横見浩彦(よこみ ひろひこ) 声:檜山修之
- 全話に登場。JR・私鉄9843駅全てを乗下車した程のテツ(鉄道好き)で、大抵の旅行はこの人の立案。とはいいながら、レールクイーンやデートコースなど、女性には相当興味がある40代独身。非「鉄」一般人の理解をはるかに超える価値観に基づく行動、言動でキクチを毎回驚愕の渦中に叩き込むが、本人にその自覚はほとんど(あるいは全く)ない。
- 石川昌彦(いしかわ まさひこ) 声:川島得愛
- 初代担当編集者。彼もまた鉄道好き。漫画中では「イシカワ」と表記される。第1旅~第7旅、第13旅、第31旅、第32旅、第43旅、第48旅に登場。第6旅で2代目のカミムラに交代した後も自費で旅行に参加したりしている。旅の途中で帰ってしまうのがお約束だったが、最終旅(第48旅)では最後まで同行した。独身の模様。キクチには「そんなんだから、嫁さんが来ないんだ」と突っ込まれる。地方の「競」が付く馬や自転車、ボート等を見に行っているうちに、鉄道好きになったらしい。第5巻によると現在は週刊少年サンデーのデスク(編集を総括する仕事)をしている。
- 神村正樹(かみむら まさき) 声:太田哲治
- 2代目担当編集者。この作品が初めての担当作品であるらしい。鉄道にはほとんど興味なし。第6旅以降全てに登場。漫画中では「カミムラ」と表記される。ボーっとした人物として描かれている一方、作中よく見ると仕事に対して常に前向きで、子供好きな側面もあるようだ。また、どうでもいい事まで逐一メモを取る。キクチと同じ年齢のようだ。
- 編集長(江上英樹) 声:古川登志夫
- 月刊IKKI編集部編集長。本編の中では本名を明かしていない。これまで第10旅、第20旅、第23旅、第24旅、第27旅、第28旅、第32旅、第40旅、第41旅、第42旅、第48旅に登場。松本大洋の『ピンポン』編集なども務めた。この人も実は鉄道好き、特にスイッチバックが好きで自身のホームページでもスイッチバックを仔細に紹介している事を含め、本編や単行本・メモの頁等に記載のとおり、その知識や思い入れについては枚挙にいとまがない(こちらをご参照のこと)。
[編集] 企画
- 生まれ
- 2000年頃、編集長が書泉グランデで横見著の『乗った降りたJR四六〇〇駅』を読み、イシカワに話す。偶然にもイシカワも知っており、二人で盛り上がる。そして、横見と何かしてみたいということになったが、ここではコラムやエッセイ等と考えていた。編集長とイシカワで横見に会った際、その場で横見が「横見と編集と女性漫画家で鉄道を旅するルポマンガというのはどうだ」と提案。さらに「編集も女性というのはどうか」といったが、流石に却下された。単に女性と旅行をしたかったという説もあり。さらに編集長がずっと鉄道漫画をやりたいと思っていたらしく、その影響も大(第23旅(第3巻収録)での編集長の証言)。
- 鉄子
- 「鉄子」とは、女性の鉄道ファンを示すためにつくられた造語である。この作品の影響もあって徐々に一般化しつつあるともいわれる。鉄道趣味雑誌「鉄道ダイヤ情報」の読者ページには、女性投稿者限定の「鉄子の部屋」というコーナーがある。
- レールクイーン
- 「レールクイーン」とは、横見が制定したもので、鉄道界のアイドルのことらしい。理想的には、凄く鉄道に興味があり、少し知識があり、若くてかわいい子だそうである。漫画上でもレールクイーンとして、「きなこちゃん」など数名の女性が登場する。横見のホームぺージ(横見浩彦WEB鉄道)によると、現在6人存在する。
- 鉄ヲタブランド化計画
- 「鉄ヲタ(鉄道おたく)=かっこいい」という世の中にしようという横見の計画。
[編集] 参加した主なゲストなど
(敬称略)
- きなこちゃん(保母。横見の友達の友達で「妹分」。初代レールクイーン。ちょくちょく横見浩彦と交際してることが疑われる) - 第5旅(1巻)、第13旅(2巻)、第32旅(4巻)、第47旅(6巻)
- 眞鍋かをり(タレント) - 第8旅(1巻)
- みえさん(フリーター。横見と「みえちん」「ひろっち」と呼びあう) - 第9旅(2巻)
- 山田あさこ(吉本興業芸人。口数多し) - 第13旅(2巻)
- 笠井信輔(フジテレビアナウンサー)、ユウくん、はるボン(笠井アナの息子達。鉄道好き) - 第21旅(3巻)。笠井信輔は第32旅(4巻)も
- 牛山隆信(横見の友人で「秘境駅」提案者) - 第25旅(4巻)
- 谷(JR東海広報) - 第26旅(4巻)
- 大塚桂、木本一花、高橋沙耶香、山際良太、下村克彦(「鉄子ツアー」参加者) - 第31旅(4巻)
- 豊岡真澄、南田裕介(ホリプロ所属タレントとその「鉄」分濃厚なマネージャー) - 第34旅と第35旅(5巻)
- 豊田、佐藤(タイトー社員。ゲーム「電車でGO!」の制作者と宣伝担当) - 第36旅(5巻)
- 矢野直美(鉄道フォトライター) - 第37旅(5巻)
- ユウくん、はるボン、すずくん、ますみさん(笠井アナの息子達と夫人)、コウジくん(ユウくんの友達で鉄道の師匠) - 第38旅と第39旅(5巻)
- 鈴木(「バー銀座パノラマ」店主)- 第40旅(5巻)
- 中山樹(銀座「クラブ プティットセリーズ」のホステスでバー銀座パノラマの常連客。700系新幹線の鼻っ柱(エアロストリーム)にしがみつくのが夢という鉄道好き) - 第40旅(5巻)
- 村井美樹(横見の著書のキャンペーンに同行した女優) - 第40旅(5巻)、第46旅(6巻)
- 柳(ユー)、趙(チョウ)、金(キム)(出版社・ソウル文化社の社員) - 第41旅(6巻) 柳氏は第42旅(6巻)も
- 朴(パク)、林(イム)(韓国の鉄道ファン)- 第41旅(6巻)
なお昨今は、菊池の「いつもの3人ではもう味気ない」という提案(第37旅)により、ほぼ毎月ゲストが登場していた。
[編集] その他
- 小学館発行の月刊誌「ラピタ」2005年3月号に「番外編」が掲載された。このときの「旅の案内人」は鉄道フォトライター(写真家)の矢野直美。舞台は明知鉄道であった。
- 「鉄道ピクトリアル」2007年1月号に、「鉄子の旅 幕間散歩」と題して本作の裏話ともいうべき記事が掲載されており、対談形式で菊池、神村および江上編集長も参加している。
- 高橋留美子の担当編集者がゲストで登場した回では、漫画をほとんど読まない横見がめぞん一刻を全巻持っている事が判明。横見もやはり音無響子が大好きであり、その回の最後には高橋が書いた本物の音無響子が登場している。同じ小学館だからこそ成せる技だろう。
[編集] テレビアニメ
2007年6月頃にアニメ化されることが決定しており、SUPER BELL"Zがその主題歌と本編音楽を担当する。なお、放送は、CSのファミリー劇場でのみ放送されることが決まっており、地上波での放送は行わない模様。
[編集] スタッフ
- 監督:永丘昭典
- 脚本:相馬和彦
- 音楽:SUPER BELL"Z・Attic Arcade
- オープニングテーマ:SUPER BELL"Z
- エンディングテーマ:SUPER BELL"Z
- アニメーション制作:グループ・タック
- 製作: 『鉄子の旅』製作委員会(東映ビデオ・東北新社)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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