めぞん一刻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
めぞん一刻 | |
---|---|
ジャンル | ラブコメ・青年漫画 |
漫画 | |
作者 | 高橋留美子 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグコミックスピリッツ |
発表期間 | 1980年11月号(創刊号) - 1987年19号 |
巻数 | 15冊(単行本) 10冊(ワイド版) 10冊(文庫版) 6冊(コンビニ版) |
テレビアニメ | |
アニメーション制作 | スタジオディーン |
放送局 | フジテレビ |
放送期間 | 1986年3月26日 - 1988年3月2日 |
話数 | 96話 |
映画: めぞん一刻(実写版) | |
監督 | 澤井信一郎 |
制作 | |
封切日 | 1986年10月10日 |
上映時間 | 97分 |
映画: めぞん一刻 完結篇 | |
監督 | 望月智充 |
制作 | キティ・フィルム |
封切日 | 1988年2月6日 |
上映時間 | 65分 |
ゲーム | |
※下記参照 |
|
■テンプレート使用方法 ■ノート |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『めぞん一刻』(-いっこく)は高橋留美子によるラブコメディ漫画作品。及びこれを原作としたアニメ(テレビ・映画)、実写版映画、テレビドラマ作品。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 連載誌
「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)誌上において、創刊号である1980年11月号から1987年の19号にかけて連載。ビッグコミックスピリッツは創刊当初は月刊であったが、月2回刊からさらに週刊へと変わり、掲載の頻度は増えていった。
単行本は全15巻。1992年から1993年にかけて、A5判のワイド版としても発売されている。
[編集] 映像化
1986年にはアニメ化、実写映画化され、1988年にはアニメ映画も作成されている。また、2007年春にはテレビ朝日系列でテレビドラマ化される。
[編集] 内容
「時計坂」という町にある「一刻館」という名の古いアパートに住む大学生五代裕作と、管理人としてやって来た若い未亡人音無響子を中心としたラブストーリー。1980年代のラブコメディー漫画の金字塔として名高い作品である。
人より苦労を背負い込んでしまう世渡り下手な青年・五代裕作と、生来の鈍感さと亡き夫への操ゆえの真面目さを合わせ持つ美人管理人・音無響子の織り成す恋愛模様が、常識はずれの面々が住むおんぼろアパート「一刻館」を舞台に、高橋独自のリズミカルでコミカルな展開で小気味良く描かれている。
[編集] 一刻館
「一刻館」の名は、建物にある時計台の時計が壊れて動かないことからつけられている(道理としては、建物が建った当初は動いていたと考えられるが)。坂の途中にある時計台のあるアパート「一刻館」が街の名前になっているとも推測されるが、単なる一アパートが街の名前になっていることは謎である。一刻館に風呂は無く、住人は銭湯を利用。トイレも共同である。
[編集] 時代背景
物語は、すれ違いと誤解の繰り返しが基本構造となっており、この展開手法は1990年代初頭に流行したトレンディドラマに影響を与えたと言われている。固定電話は普及していたが、五代は経済的理由で電話を引けない状態であり、アパートの電話は管理人室と共用にそれぞれ1台という設定がなされたことで生じ得た数々のすれ違いと誤解、住人たちの干渉などにより、物語が成立している。(携帯電話や電子メールは既に存在してはいたが本当に一部の人間のみ使用している段階であり、まだ一般的には普及しておらず、この時代では極めて限定された連絡手段であり、当時は個人を結ぶ連絡手段が多くはなかった。ちなみに携帯電話が普及するのは1995年前後、インターネット95年はパソコン通信からインターネットに変わっていくあたりで電話回線からISDNになり2000年代に入ってADSLが出て普及し始める。)
[編集] 登場人物の特徴
登場人物はそれぞれが際立った個性を持っている。"非常識のかたまり"とも言える一刻館の住人をはじめとして、アクの強いキャラクターたちがおりなす奇妙でおかしな行動の数々も、物語の重要な要素である。住人の苗字には、居住する部屋番号と同じ数字が入っている(ストーリー上の重要人物の三鷹瞬、七尾こずえ、八神いぶき、九条明日菜も含む)が、これは高橋が大ファンである筒井康隆の短編小説『死にかた』から発想を得たとも言われている。
[編集] 作品のきっかけ
高橋が大学時代に住んでいた中野のアパートの向かいにあった下宿屋の住人の様子が面白そうだったことから、下宿屋の人間模様(喜劇)を描いてみたいというのがこの作品のきっかけであり、当初は恋愛作品の予定ではなかったという。そのためか初期には浪人の五代を一刻館の住人がからかうストーリーが多かったが次第に恋愛中心のストーリーになっていった。
[編集] 現実世界との繋がり
この作品は、高橋の他作品『うる星やつら』、『らんま1/2』、『犬夜叉』などのファンタジー性の高い物語とは異なり、現実的で等身大の世界観を持つ作品である。そのため、これらの作品は苦手としても『めぞん一刻』だけは好きだというファンも少なくない。
タイトルにある「めぞん」の由来はフランス語の "maison"(家、住居)であり、「めぞん一刻」=「一刻館」を表しているが、連載開始時はまだ一般的でない外来語だったことから、多くの読者には意味不明なタイトルとなっていた。しかし、1980年代になって「メゾン~」と名付けられるアパートやマンションなどが増加し、この作品名の影響もあったと考えられる。「メゾン一刻」や「一刻館」と名付けられた建物も実在する。
執筆当時、高橋は東京都東久留米市に居住しており、本作品の舞台設定や風景描写にこの街の様子がうかがえる。例えば「時計坂駅」の外観は、西武池袋線の東久留米駅がモデルとなっている。駅舎やプラットホームの描写に同駅の特徴が見て取れる。なお、連載当時の東久留米駅は現在の北口駅舎(写真)しかなく、駅舎脇には「狭山そば」の店舗があった(作中でゆかり婆さんがそばを食べながら店を出てくるシーンがある)。だだ、アニメではアニメーターが黄色い車両を中央・総武緩行線と認識したのか(制作のスタジオ・ディーンは同線沿線の西荻窪にある)、アニメ31話「一刻館スキャンダル 五代君が同棲中!?」では「立川」、「津田沼」の行き先を出した電車が描かれており、92話「こずえちゃん結婚! 五代の愛は永遠に?!」では「西船橋」の行き先を出した電車が描かれているとファンサイトでも指摘されておりビデオ、DVDなどをスローや一時停止をすれば確認できる。
原作中では、一刻館宛の郵便物の住所などに「練馬区」の文字が見えるが、住民票の移動に「市役所」へ行くというセリフもあり、一刻館の具体的な住所は特定できないが、23区にほど近い東京都西部の設定であると考えられる。
主人公である五代裕作の職業は「保父(ほふ)」と劇中ではなっているが、これは正確には誤りである。これは「保母」が正式な資格名であり、男性では違和感があったことから劇中のみならず現実の男性保母の多くが保父と通称されていた。1999年の男女雇用機会均等法の改正により、男女どちらでも違和感の無い保育士に統一された。同様の例として看護婦から看護師への変更がある。
裕作の祖母ゆかり婆ちゃんを新潟の実家へ国鉄大宮駅まで一刻館の住人らで見送りに行き、ホームで酒盛りを始めてしまうエピソードがある。これは、国鉄がJRへ民営化されておらず、そして東北・上越新幹線がまだ全開通しておらず大宮駅を暫定で始点としていた頃{具体的には1982年(昭和57年)11月15日~1985年(昭和60年)3月14日の間}の作品であることが分かる。ちなみにアニメでこのエピソードを取り上げた時には上野駅の地下新幹線ホームにかえられている。東京駅始発になったのは1991年(平成3年)6月20日からである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物(原作・テレビアニメ)
[編集] 一刻館の住人
- 音無 響子(おとなし きょうこ)(声:島本須美)
- 本作のヒロインで、若く美しい未亡人。彼女が管理人として一刻館にやってくるところから物語がスタートする。性格は基本的には親切で真面目であり、堅物と言っても良いが、亡夫惣一郎と駆け落ち同然で結婚するなど激しい面も併せ持つ。ヤキモチ焼きで独占欲が強く身勝手な所もあり、早とちりの上、非常に鈍感であるため、それらが原因で次々と誤解が起こる。彼女の鈍感さは、着替え時にカーテンを閉めていなかったり、部屋のドアの鍵をかけない、といった無防備とも言える点からも伺える。トレードマークは「PIYO PIYO」と書かれたヒヨコのエプロンに竹箒。旧姓は千草。亡夫の姓を名乗り続けている。1959年生まれ。
- 五代 裕作(ごだい ゆうさく)(声:二又一成)
- 一刻館5号室の住人。気弱で優柔不断、典型的なラブコメ主人公(ただし作品上では音無響子が主人公であり、五代は主人公ではない。)。浪人時代、響子が管理人として赴任してきて以来、彼の気持ちは一途に響子に向き続ける。三流私立大学に合格し、苦労とハプニング続きの大学時代を経て、就職浪人。それから保育士という天職を見つけて響子にプロポーズするまでを描く本作は、彼の成長物語でもある。実家は新潟県新潟市で大衆食堂を営む。家族構成は両親・祖母・既婚の姉。1961年?月4日生まれ(アニメでは5月)。
- 一の瀬 花枝(いちのせ はなえ)(声:青木和代)
- 一刻館1号室の住人。詮索好きで世話好きのいわゆる典型的なオバサンだが、加えて騒動好きで酒好きの宴会好きという豪快な性格。昼間から酒を飲んでおり、酒樽体型(ただし、学生のころから同じ体型だった)。普段はちゃらんぽらんだが、響子に時折有効なアドバイスをするなどいざと言うときに頼りになる。五代と響子の関係を家族のような目で見守りつつも大変面白がっていて、常に事態を面白くさせようと行動するため、彼女が元凶となった誤解は数知れない。
- 一の瀬氏(声:矢田稔)
- 一の瀬花枝の夫。名は不明。気弱で存在感が薄く、管理人の響子でさえ長いことその存在に気付かなかったが、勤めていた会社が倒産した事により、初めて住人達にその存在を知られる。一の瀬家は一刻館で唯一家族で暮らしている。花枝との馴れ初めは社内結婚である。
- 一の瀬 賢太郎(いちのせ けんたろう)(声:坂本千夏)
- 一の瀬夫婦の長男で小学生。響子を含め一刻館の住人では最も常識人。母親を反面教師にしてか、大人びた子供である。中盤以降は全く登場しなくなり、最終話にのみ姿を見せた。
- 二階堂 望(にかいどう のぞむ)(声:堀川亮、テレビ版アニメには登場せず。劇場版には登場)
- 一刻館2号室の住人で大学生。高級マンションの立国館と一刻館とを間違えて入居してくる。母親に甘やかされて育ったせいか、他人の気持ちに疎く、察するということができない。転入直後の騒動以外では特に登場機会がなく、一刻館の住人でありながら端役であった。最終的には大学卒業まで一刻館に住んでいた。
- 三越 善三郎(声:堀勝之祐、テレビ版アニメのオリジナルキャラクター)
- 一時的に一刻館3号室の住人となる。一刻館を地上げする目的で来たが、最終的には何もせずに去っていった。なお、原作では3号室は一度も住人が住み着くことはなく、読者からは「開かずの3号室」と呼ばれた。
- 四谷(よつや)(声:千葉繁)
- 一刻館4号室の住人で、五代の隣人。名は不明。4号室と5号室の間の壁に穴を開けており、そこから何かと五代の私生活に干渉する。五代、響子などは職業など何をしているのか疑問を懐き尾行、調査をしたことがあったが四谷に見つかり結局なにも分からなかった。別の話でも五代は職業は何ですか?と聞いたが秘密と答えられて無職のくせにといったことがあったことから、病気などの理由で生活保護受給者ではないか、スパイ、公安警察、探偵ではないかなど色々な説がファンの間で飛び交った。趣味はのぞき、特技はたかり。年齢・職業・経歴などは一切不明という、変人ぞろいの一刻館の住人の中でも一際目立つ存在であり、四谷は何者なのか不明なままこの作品は終了した。
- 六本木 朱美(ろっぽんぎ あけみ)(声:三田ゆう子)
- 一刻館6号室の住人。一刻館の面々のいきつけスナック「茶々丸」勤務。普段着はスケスケの下着という扇情的な格好だが、住人たちは慣れっこになってしまっている。
[編集] 響子と裕作に関わる人々
- 惣一郎(さん)(犬♂)(そういちろう)(声:千葉繁)
- 響子の愛犬。響子の亡夫・惣一郎が帰宅途中に買った焼き鳥に釣られてついて来て、そのまま音無家に居ついてしまった、風采の上がらない雑種の白犬。惣一郎は「シロ」と名付けたがその名にはほとんど反応せず、響子が「惣一郎さん」と夫を呼ぶたびに反応していたことから、夫の死後はその名を受け継いだ。
- 三鷹 瞬(みたか しゅん)(声:神谷明)
- 響子の通うテニススクールのコーチ。金持ちでスポーツ万能、容姿端麗で女性にもてるという典型的なライバルキャラで、白い歯がいつも輝いている。愛車はZ10系トヨタ・ソアラ(ただし、原作での愛車はS110日産・シルビア)。テニススクールに通い始めた響子と出会って直後から以来ずっと積極的なアプローチを続ける。重度の犬恐怖症だが何故か犬になつかれ、そのたびに失神寸前になる。物語の後半で意を決し、響子との結婚の最大の障害となる惣一郎さんを克服する為に子犬マッケンローを飼い始めた。その甲斐あって犬恐怖症を克服したが、三鷹の意に反して大の犬好きであった見合い相手との縁が深まることになる。1955年度生まれ。
- 七尾 こずえ(ななお - )(声:冨永み~な)
- 五代のガールフレンド。1962年度生まれ。独特の無邪気さや積極性でエピソードのきっかけを作ることが多い。独特のペースを持ち、周囲の人間はその雰囲気を容易には崩すことができない。五代とは1歳違いだが、五代が一浪しているため大学の学年は同じ。大学1年の夏休みに酒屋のバイトを通じて五代と知り合った。その後、偶然か故意か怪しい再会をし、五代へ積極的にアプローチをする。五代にネクタイ着用させ、不意打ちで自宅に連れて行き家族に紹介するなど、ちょっとした策略家でもある。時々、五代はこずえに迫ろうとするが、タイミングが合わず2人はプラトニックなままである。また、五代が別れ話を切り出そうと決意したときも、なぜかしら不成功に終わる。物語終盤には、こずえの早合点から複数の大騒動が起きるが、「雨降って地固まる」結果となる。結局最後まで五代が響子のことを好きなことを知らなかった。
- 八神 いぶき(やがみ - )(声:渕崎有里子)
- 五代が響子の母校へ教育実習に行った際、受け持ったクラスの委員長。1967年度生まれ。美少女で成績も良いが、決して優等生タイプではない。ある誤解から五代に恋をし、一刻館に度々押しかけては騒動を巻き起こす怖いもの知らずの女子高生。就職活動に苦しむ五代を見かね、大手商社の人事部長である父に五代の入社を依頼し、逆に不利に追い込んでしまうこともあった。物語終盤には原作者が、こずえや三鷹などの関係を整理することで精一杯だったのか登場しなくなり、後述のとおり完結編で五代との関係にケリをつけることになる。
- 五代 春香(ごだい はるか)
- コミック最終話に登場。裕作と響子の間に生まれた娘。
[編集] 響子の縁者
- 音無 惣一郎(おとなし そういちろう)(声:田中秀幸)
- 響子の亡夫。響子の通っていた高校の地学講師で、響子より10歳以上年長である。響子との結婚後、わずか半年で亡くなってしまった。ストーリー開始時点ですでに故人であり、その姿が直接描かれることはなかった。彼の存在は常に大きな意味を持ち、五代の最大かつ最強の恋敵である。名前の由来は、連載誌スピリッツの担当編集者だった「鈴木総一郎」と言われている。
- 音無惣一郎の父(声:槐柳二)
- 原作では名は不明。アニメでは音無老人。響子の義父で、惣一郎亡き今でも響子は「義父さん(おとうさん)」と呼んでいる。穏やかな老人で、未亡人となった響子のことを気にかけている。一刻館の大家で、入居契約や契約更新もその役目であるようだ。響子の母校である女子高の理事でもあり、それゆえ惣一郎が講師として教鞭をとることにもなり、裕作の教育実習先にもなった。
- (音無)郁子(いくこ)(声:荘真由美)
- 惣一郎の姪。響子を「おばさま」と慕い、五代を「おにいちゃん」と慕っている。郁子の強い要望により、中学の3年間五代が家庭教師をした。賢太郎の初恋の相手だが、郁子本人はその好意に気づいていない。原作では姓が「音無」かどうか確定できず、ファンの間でも意見の分かれるところとなっている。テレビアニメ版ではテキストに「音無郁子」の記名が確認できるシーンがある。
- 郁子の母(声:峰あつ子)
- 惣一郎の実姉あるいは義姉。音無老人や響子との言葉遣いからは音無老人の実子とも受け取れるが確定していない。
- 千草 律子(ちぐさ りつこ)(声:松島みのり)
- 響子の母。なかなかの策略家で、響子の音無家からの離籍や再婚に執念を燃やす。
- 響子の父(声:富田耕生)
- 名は不明。大変な愛娘家。響子と音無家の縁を切りたい点では妻の律子と同意見だが、再婚には反対。できれば娘をずっと手元に置いておきたいと思っている。
[編集] その他
- 九条 明日菜(くじょう あすな)(声:鶴ひろみ)
- 三鷹の見合い相手で旧華族の令嬢。性格はおとなしく世間知らずで引っ込み思案だが、芯はしっかりしている。本気で三鷹に思いを寄せ、三鷹が響子にアプローチしていることを知っても決して引かない。一時三鷹に振られそうになった時は失意のあまり倒れ、出家して生涯結婚しないと言い出し三鷹を困惑させた。もの凄く声が小さいことを表すため、原作では吹き出しの活字がいつも小さい。大の愛犬家であり、6匹の飼い犬を自分の弟や妹と呼びかわいがっている。
- 五代 ゆかり(ごだい ゆかり)(声:京田尚子)
- 五代の祖母。働く両親の代わりに五代を育てた。矍鑠としていて、上京時にはディスコにも繰り出すほど。三鷹に負けじと歯が光る。新潟弁を話す。一人称は「オレ」たまに「ワシ」という場合もある。アニメではとてつもなく背丈が小さく見える。
- 五代 晶(ごだい あきら)
- 裕作の従姉妹。幼少の頃は色黒でボーイッシュ。その頃に裕作とは結婚する約束をしたが、本人は忘れているようである。成長して美少女になっていた。裕作の骨折による入院で世話をしに登場したが、それは駆け落ちのカムフラージュだった。テレビ版アニメには登場せず原作のみ登場。
- 坂本(さかもと)(声:古川登志夫)
- 五代の悪友。予備校・大学ともに同輩。大学卒業後はしょっちゅう無断欠勤するスチャラカ社員となっている。キャバレーの仕事を斡旋し、終盤の物語に大きな影響を与えている。また、五代を風俗に連れて行くことで五代に女性経験をもたせている。五代は響子に性体験があることに衝撃を受けていたが、異性経験について同じステージに上がっていることが、響子との性交渉にも大きな影響を与えていると思われる。
- 黒木 小夜子(声:島津冴子(TV版)、榊原良子(劇場版))
- 五代の大学の同級生。人形劇クラブに五代を誘う。卒業後「しいの実保育園」に勤務。就職にあぶれた五代をこの保育園のバイトに誘い、彼が天職に出会うきっかけを作ることになる。
- マスター(声:若本紀昭)
- スナック「茶々丸」のマスター。茶々丸の2階が住まい。作中の数少ない常識人。実は既婚者だったが最終話で離婚したことを朱美に伝え、同棲を始める。
- 飯岡(声:富山敬)
- キャバレーの従業員。原作では名前が無かったが、アニメ版で「飯岡」という名前が付いた。坂本の高校時代の先輩であり、その縁で仕事にあぶれていた五代がキャバレーで働くようになる。外見や言葉遣いに似合わず親身な人物で、物事の本質を突く洞察力もあり、五代をどぎまぎさせることが多い。
- 上荻先生(声:沢田敏子)
- 八神の担任で響子の恩師。原作では姓名不詳。響子のことを「往生際が悪い」と言う八神に対して、響子の心情を説明する。
- マッケンロー(犬♂)
- 三鷹が犬恐怖症克服のために飼い始めたポメラニアン。雄。飼い主に似て歯が光る。九条の愛犬・サラダとの出会いが三鷹と九条の結婚のきっかけを作る。
- サラダ(犬♀)
- 九条の愛犬のうちの1匹で、ポメラニアン。マッケンローと出会ってポッとなり、ついて行く。サラダの妊娠報告が、身に覚えはなかったものの明日菜自身の妊娠報告と三鷹は誤解し、三鷹は明日菜との結婚を決意することとなった。
[編集] アニメ
[編集] テレビアニメ
[編集] 概要
1986年3月26日から1988年3月2日まで96回にわたり、30分作品のアニメがフジテレビをキー局として放映された。
うる星やつらでの次回予告枠で、この作品が新番組として告知された際のキャッチフレーズは『坂の途中に愛がある』であった。
[編集] キャスト
登場人物(原作・テレビアニメ)参照
[編集] スタッフ
- 制作 - 多賀英典
- 企画 - 岡正(フジテレビ、1-76話)、落合茂一(キティ・フィルム)
- チーフディレクター - やまざきかずお(1-26話)、安濃高志(27-52話)、吉永尚之(53-96話)
- アシスタントディレクター - 吉永尚之(49-52話)
- シリーズ構成 - 土屋斗紀雄(1-26話)、伊藤和典(27-52話)、高屋敷英夫(53-96話)
- 音楽 - 杉山卓夫(1-26, 38-96話)、川井憲次(27-96話)
- カラーコーディネート - 保田道世(27-52話)
- キャラクターデザイン - もりやまゆうじ(1-26話)、高田明美(27-96話)
- 美術監督 - 朝倉千登勢
- 撮影監督 - 小沢次雄
- 音響監督 - 斯波重治
- 作画監督 - 河南正昭、服部圭子、音無竜之介、土器手司、中嶋敦子、高岡希一、小川博司、清水恵蔵、鈴木俊二
- プロデューサー - 松下洋子(キティ・フィルム)、久保真(スタジオディーン)、加藤裕子(フジテレビ、1-76話)、中尾嘉伸(フジテレビ、77-96話)、河野雄一(フジテレビ、77-96話)
- アニメーション制作 - スタジオディーン
- 制作 - キティ・フィルム、フジテレビ
[編集] 主題歌・挿入歌等
- オープニング
- エンディング
[編集] こぼれ話
- ギルバート・オサリバンが唄ったテレビアニメ24話のオープニング・エンディング(実写劇場版のテーマ曲を流用)は諸般の事情で1回きりの放送となり、25話では当初のOPに戻された。理由については「アニメージュ」等の当時のアニメ雑誌で番組の広報担当者が、『映画用の曲をテレビ版に使用した際の権利関係の調整が不十分だった』と著作権上の問題であったことを弁明。しかしアニメ誌以外では事情説明がなかったため情報が広まらず、一部ファンの間では「OP自体の作画が悪かったから」「ある種突然の洋楽ということで抗議が多数あったから」等と風説が流布した。いずれにしても珍品。客観的に見ると、オサリバンの曲は19時のアニメとしてはやや暗いのは否めない。事情があったにせよ、明るいアップテンポの初代OPに戻したのは正解であろうとする声となぜ1回きりなのかと疑問の声の賛否両論がある。なお、27話 「消えた惣一郎!? 思い出は焼鳥の香り」では権利関係の調整をしたのか挿入歌として「アローン・アゲイン」が流された。なお、DVD化された、劇場版「めぞん一刻完結編」の特典映像として収録された、歴代オープニング・エンディング集では権利関係の調整ができず24話のオープニング・エンディングは無音となっており「製作の都合AloneAgainと Get Downは音声が収録されていませんご了承下さい」とことわりの字幕を表示した。
- 「PIYO PIYO」と書かれたヒヨコのエプロンは、映画『犬夜叉 時代を越える想い』で日暮かごめが料理を作るときに着けている。
- うる星やつらの項にも記載してあるアニメーターの「お遊び」的な作画があった。第15話「あぶない二人の人形劇!僕もうダメです」の学園祭のバックでセーラー服を着たラムとランが登場した。また、原作でも、単行本7巻しわのあるキューピッドにて「ラム」やコタツ猫などがおもちゃ屋に展示しているおもちゃとして登場した。
- 高橋留美子は五代がいつまでも童貞でいるのは「正しくない」という考えを持っていて、五代が1人で北海道旅行に行く話でその旅行で出会った大口小夏を初体験の相手にしようとしたらしいが、編集部から五代君は純潔を貫かなければならないと反対され、断念したとされている。また大学のクラス会で出会った白石衿子とラブホテルに入りそうになった所で響子に見つかり断念した話もそういった事情からか、これらの話はアニメ化されなかった。その後、五代の初体験は、後にソープランドに行く話であいまいに描いた。(実際に体験したのかは不明)
- 青年誌に連載されていたこともあって、終盤に、響子と五代が結ばれるシーンがあったり、性に関する発言などがあったが、アニメでは夜7時代のゴールデンタイムでの放送のため、カットしたり、セリフを一部変えるなどした。
[編集] OVA
番外編一刻島ナンパ始末記
単行本6巻巻末に収録された同名のストーリーをOVA化したもので、三鷹のクルーザーで三鷹と五代、響子を始め一刻館のメンバーがクルージング中に難破し、無人島に漂流する話。OVAでは以前にあったこととして回想シーンとして描かれ、無人島以外のオリジナルストーリーも少し含まれている。エンディングにテレビアニメ版最初のオープニングテーマ曲「悲しみよこんにちは」が流れる。アニマックスでは毎年夏頃に放送されている。
総集編移りゆく季節の中で
テレビアニメの総集編で、最初は白黒(文字のみ色付)で響子が総一郎の墓参りをしているところから始まり、最後もお墓の前で終わる。ただ、中期のストーリーがあまり描かれていない。
[編集] アニメ映画
『めぞん一刻 完結篇』のタイトルで1988年に映画化。「完結篇」と銘打ってはいるが、TVアニメ版で既に完全な結末を迎えているため、実際には外伝的な作品に仕上がっている。同時上映された『うる星やつら 完結篇』の話題性が高く、本作はどちらかというとサブ的な役割であった。
原作やアニメで触れられなかった、五代と八神の関係がどう決着したかにスポットを当てたストーリーとなっており、一刻館での一晩の出来事が描かれている。このため、物語はほぼリアルタイムで進行し、TVアニメに登場しなかった「二階堂」が登場している。
[編集] 主題歌
[編集] あらすじ
一刻館の管理人・響子といよいよ結婚することになった五代。2人を見守り続けた一刻館の住人たちは、結婚式を翌日にひかえた夜、祝福の大宴会を開こうと計画する。一刻館の常で、酒が回るにつれて大狂乱になっていく宴会。そんな中、響子は誰かからの手紙を待っているらしい。五代は不審がり、不安になる。周囲の酔っ払いたちは、無責任な想像をして、そんな五代の不安をあおりたてる。沈黙する響子の秘密とは??
[編集] その他
- 作画、キャラクターデザインが意図的に劇画調のタッチにされた。これに違和感を感じる者も少なくない。そのためか、ビデオ・DVDのパッケージには原作の絵が描かれている。
- 同時上映された『うる星やつら 完結篇』を意識してか、八神が「ダーリンはウチのものだっちゃ」と五代に抱きついてラムのモノマネをした。
- 五代と響子の結婚式の前日の話なので、原作やアニメを見ないで急にこの話を見ても理解し難い所があるので、原作かアニメをある程度見た上でテレビアニメ版最終回の前に見たほうが楽しめる。しかし、五代と響子が三鷹、明日菜に会って明日菜の妊娠を知るのは、劇場版では結婚式の前日、テレビアニメ版では結婚式の後になっており、その点では矛盾が生じる。
[編集] 実写版
[編集] 映画
『めぞん一刻』のタイトルで、石原真理子主演のもと映画化されている。人物構成以外は原作から離れ、独立した一本の作品として制作されたオリジナルストーリーである。原作にあった軽妙さや、高橋留美子独特のコミカルな『間』などはほとんど描かれず、澤井監督の感性が貫かれた、しっとりとやや暗いイメージの不思議なラブコメディとなっている。
従って原作ファンからの評価はあまり高くなく、一般客にとってもやや地味な内容のせいか、その後も話題に登ることは少なかったが、配役は原作のイメージを再現出来る俳優を厳選しており、特に一刻館の曲者3人組を演じた伊武雅刀、宮崎美子、藤田弓子の3人は絶妙。中でも四谷役の伊武雅刀は、はまり役との呼び声が高く、逆に伊武本人が四谷のモデルなのではとの説も流れた。原作者の高橋留美子はこれを否定している。五代を演じた石黒賢は本作が本格的な初主演作である。
公開時期に合わせて、ギルバート・オサリバンが歌う本作の主題歌は、同時期に放送されていたテレビアニメ版とのタイアップのため、同番組の主題歌としても使用されたが、前述のようにわずか1回で使用が中止される珍事態となった。
[編集] キャスト
- 音無響子 - 石原真理子
- 五代裕作 - 石黒賢
- 四谷 - 伊武雅刀
- 六本木朱美 - 宮崎美子
- 一の瀬花枝 - 藤田弓子
- 七尾こずえ - 河合美智子
- 茶々丸マスター - 深見博
- 一の瀬賢太郎 - 中垣克麻
[編集] テレビドラマ
伊東美咲の主演で、初のテレビドラマ(スペシャルドラマ)化が決定している。
- 放映時期 - 第一回「浪人編」は2007年5月12日21:00~
- 放送局 - テレビ朝日系列
[編集] キャスト
- 音無響子 - 伊東美咲
- 五代裕作 - 中林大樹
- 一の瀬花枝 - 岸本加世子
- 四谷 - 岸部一徳
- 六本木朱美 - 高橋由美子
- 五代ゆかり - 菅井きん
- 三鷹瞬 - 沢村一樹
- 音無老人 - 細川俊之
- 坂本 - 橋爪遼
- 七尾こずえ - 榮倉奈々
- 五代春香 - 森迫永依
- 茶々丸のマスター - 柳沢慎吾
[編集] STAFF
[編集] 制作協力
- 東北新社クリエイツ
- 小学館・ビッグコミックスピリッツ
[編集] コンピューターゲーム
- めぞん一刻 ~想いでのフォトグラフ~
- 1988年、ボーステックより発売。ファミリーコンピュータ用ソフト。アドベンチャーゲーム、上記のPC-9801シリーズと内容はほぼ同じ。
- めぞん一刻完結篇 ~さよなら、そして……~
- 1988年、マイクロキャビンより発売。PC-9801シリーズ、MSX2他。アドベンチャーゲーム、こちらはPC-9801のみの発売。
- めぞん一刻 ~想いでのフォトグラフ~/めぞん一刻完結篇 ~さよなら、そして……~
- 1997年、マイクロキャビンより発売。Windows95。アドベンチャーゲーム、内容はほぼ同じだがグラフィックやサウンドが各段に上がっている、定価30000円で3000個限定販売。
完結篇は、原作の終盤と映画版完結編のストーリーに沿ったゲームとなっているが、ストーリーが読めるため面白みが薄いとも言える。
X68000版は、シナリオ・グラフィック・BGM等に一部差異があり、また響子さんのセリフの一部にサウンドが付いている。
「想いで~」は、原作の序盤を元にしたゲームオリジナルストーリーである。何も知らずに始めると、とりあえずの目的すら分からない、しかも四谷の機嫌が悪いと五代が死ぬ展開もあるという、かなり不親切な作りであるが、それが故にうろうろしたり、金欠に困ったりと、原作の五代同様の行動をプレイヤーは繰り返すという不思議な作りである。なお、セーブはトイレで行なう。トイレで下着姿の響子を見られるという裏技もあった。響子のハートをつかむことに成功したエンディング後、収支報告が表示される。しかし普通にプレイするとまずマイナス(借金)になる厳しい展開で、この金運のなさは原作どおりである。さらに郁子のケーキや祖母のお小遣いをたかりまくり一切借金しないようにプレイすることも可能である。しかし報告書に表示される収支は「-1円」である。
PCエンジン版、PC版はほぼ同じ作りであるが、ファミコン版はエンディング等が追加されており、ファミコンにしてはかなりグラフィックがよい。
Windows95版は、パソコン版の「想いで~」と「完結篇」の2作を、Windows用にリメイクしたもの。ディスクは通常のCD-ROM用ケースに入れられ、木製・オルゴール付の特製ケースに収められている、また3000個限定で販売された為未開封の物は数万円の値段がつく事もめずらしくない。
オリンピア (パチスロ)よりパチスロ機「めぞん一刻 (パチスロ)」が2006年11月下旬からリリースされた。原作のエピソードをゲーム化しているが、テレビ版とは別の声優陣が出演している。
[編集] 関連項目
- 1980年代
- 東久留米市
- 高橋留美子
- アニメ・漫画のテレビドラマ化作品一覧
- じゃじゃ馬グルーミン★UP! - 本作のオマージュ作品であると言われている。
[編集] 外部リンク
- テレビドラマ公式サイト
- テレビドラマ公式サイト「中林大樹ブログ 現在役者浪人中。」
- キティライツ&エンターテインメントアニメ版サイト
- TOKYO MX アニメ版紹介サイト
- めぞん一刻 Homepage - 非公式ファンサイト
- めぞん一刻小事典 - 「一刻館の思いで」の復刻に関与
- めぞん一刻用語集
- IKKOKU館 ~P.S.五代家~ - 二次小説創作 非公式ファンサイト
- Life at Maison Ikkoku(英語)
- Kyoko.org(英語)
- A moment of togetherness(英語)
- Rumiko No Sekai Maison Ikkoku section(仏語)
フジテレビ系 水曜19:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | めぞん一刻 | 次番組 |
うる星やつら | F | |
TOKYO MX 金曜21:00枠 | ||
不明 | めぞん一刻 | - |
カテゴリ: 予定 | 高橋留美子 | 漫画作品 め | ビッグコミックスピリッツ | 恋愛漫画 | アニメ作品 め | フジテレビ系アニメ | スタジオディーン | 1986年のテレビアニメ | 日本の映画作品 | 1986年の映画 | 2007年のテレビドラマ