X-MEN Children of The Atom
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ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | アーケード (CPS-2) [AC] セガサターン [SS] |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
人数 | 1~2人 |
メディア | CPS-2用カートリッジ(AC) CD-ROM(SS) |
発売日 | 1994年12月(AC) 1995年11月22日(SS) |
対象年齢 | 全年齢対象(SS) |
デバイス | 1レバー+6ボタン |
『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』 (X-MEN Children of The Atom) は、カプコンから1994年12月に、アーケードゲーム(CPS-2基板)として発売された2D対戦型格闘ゲーム。マーベル・コミックの人気アメリカン・コミックス『X-メン』のゲーム化である。
元がアメリカン・コミックスだけあり、日本以上にアメリカで爆発的にヒットしたようである。日本国内では1995年11月22日にセガサターン版が出たのが唯一の家庭用移植。プレイステーション版も予告されていたが、結局そちらはアメリカなどでの発売だけで日本では発売中止になった。
目次 |
[編集] 概要
当時、テレビ東京系で放送されていたテレビアニメ『エックスメン』の冠スポンサーであったカプコンが、タイアップの一貫として発売した。善悪入り乱れたミュータントのどれかを選び、それぞれの目的のために勝ち抜いていくストーリー。当時の格闘ゲームにしては珍しく、対人戦では可能だが対CPU戦では同キャラ対戦が一切発生しない。
隠しキャラとして、『スーパーストリートファイターIIX(以下、スパIIX)』の隠しボスである豪鬼が使用可能、以後のカプコンとマーベル・コミックのクロスオーバーの先駆けとなった。
タイアップしていたXメンのアニメでは番組の最後に「X-FIGHT」というミニコーナーがあり、本作での対戦動画を見ながら、ビースト (Beast) が実況、プロフェッサーX (Professor X) が解説するというもの。その週のエピソードをふまえた楽屋オチギャグなどが連発された。
[編集] システム
基本的に『ストリートファイターII』や『ヴァンパイア』などと同じ6ボタンの格闘ゲームだが、人間を越えた超能力を持つミュータント同士の戦いを再現するため、以下のような特徴がある。
- 方向キーを素早く下・上と入力するかキックボタン3つを同時に押す事で出るスーパージャンプ。
- 全ての技が空中ガード可能。
- Xパワーゲージを消費する事で、特殊技能「Xパワー」、必殺技より強力な「ハイパーX」などの技が使える。
- あらゆる通常技はヒットしようとしまいと必殺技でキャンセル可能。
- 通常技から通常技へのキャンセルも同様に、ヒットしようとしまいとチェーン可能。またそのチェーンの方向はヴァンパイアのような弱→中→強だけではなくキャラごとに全く違うものになっている。
また、
- 初心者用に、最初の対戦のみキャラが自動でガードしてくれる「オートマチックモード」が登載されている(ただし通常技でも必殺技扱い)。
- 試合開始前に移動ができ、間合いの調節が可能(攻撃は不可)。
- タメ技や複雑な長いコマンドが撤廃されており、初心者でも出したい時に出したい技が出せる。
- 通常技をキャンセルして出せるスーパージャンプ。それに伴う上下に広いステージや、足場の崩壊などのギミック。
- ベクトル理論と呼ばれる概念。例えばダッシュから攻撃を出すと技によっては軌道が大きく前方へ伸びる。またアッパーカットや浴びせ蹴りなど、攻撃によってそれぞれ相手のふっ飛ぶ角度と速度が違う上、殴られた側のキャラにそれぞれ設定されている体重も関係してくる。
- ダウンしている間は無敵では無く、逆に全くの無防備。
- 勝利ポーズをキャンセルし、試合終了後も倒れた相手を攻撃可能(ただし出せる技は通常技のみ。なおアーケードの初期稼動版のみこの際の攻撃でXパワーが増加したが、バージョンアップ後及びセガサターン版ではXパワーは増えない)。
などの、既存の格闘ゲームにない新しい要素も加えられている。
[編集] グラフィック
デモ画面や勝利セリフ画面など、戦闘中以外の一枚絵のグラフィックは全て原作の画風に忠実なもので、後のVS.シリーズに見られるようないわゆる「カプコンっぽい画風」は出て来ない。
肝心のキャラグラフィックはと言うと、同社のヴァンパイアからの「アニメ調の絵による多枚数の滑らかな動画」という路線が本作でも引き継がれ、さらなるクオリティで動くようになっている(隠しキャラの豪鬼以外)。また、アメリカン・コミックスらしさを出すためか、ヒットスパークなど各種エフェクトは派手、かつ大きなものになっている。
[編集] 登場キャラクター
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[編集] X-MEN
- ウルヴァリン (Wolverine)
- 地上最強の金属アダマンチウムの爪で戦う。突進系の技を数多く備え、Xパワーとして体力回復能力「ヒーリング・ファクター」と、一時的に移動やモーション全般が高速化させる「バーサーカーチャージ」を持つ。スピーディーで、連続技が入りやい。身長160センチという原作通りの小柄な設定を再現しており、作画も小さめに描かれている。
- サイロック (Psylocke)
- 忍術を体得したテレパス。二段ジャンプ、分身などを持つ。
- サイクロップス (Cyclops)
- X-メンのリーダー。技はストIIのリュウやケンに似た構成で使いやすい。二段ジャンプができるがサイロックのものと性質が違い、サイクロプスの二段ジャンプは空中での通常技をキャンセルして出せる。なぜか必殺技「ライジングアッパーカット」を出す際、技名ではなく「Gene Splice」と言っている。
- ストーム (Storm)
- 天候を操る能力を持ち、竜巻や電撃など遠隔系の技が充実。風を操っての「飛行」のXパワーなどを持つ。スタートボタンを使った強力な隠し技を持つ。
- アイスマン (Iceman)
- 氷を操る。遠隔系。ハイパーXのアークティックアタックのヒット数が多い。「レーザー耐性」(一部の飛び道具に対し、ガードした際の削りダメージを無効化する)を持つ。
- コロッサス (Colossus)
- 殴って良し投げて良しのパワーファイター。通常技でもガードの上から敵の体力を削れる。発動すると敵の攻撃を受けても仰け反らなくなるXパワー「スーパーアーマー」を持つ。
[編集] ヴィラン
- スパイラル (Spiral)
- ミュータントではなく異次元からやってきた人造生命体。6本腕での不思議なダンスで様々な能力を発揮する(なお、そういった“ミュータント能力で無い物”もこのゲームでは便宜上Xパワーと呼ぶ)。
- シルバーサムライ (Silver Samurai)
- 日本のヤクザ。刀を使った攻撃ではガードの上から敵の体力を削る事ができ、さらにXパワーでその刀に炎や氷の闘気を纏わせて攻撃力を上げられる。
- オメガレッド (Omega Red)
- ロシアの超人兵士にしてウルヴァリンの因縁の敵。金属の鞭カーボナディウムコイルで相手を捕らえ、ヒーリング・ファクターとは正反対の力「デスファクター」で敵の体力を、「エナジードレイン」でXパワーを吸収する。
- センチネル (Sentinel)
- 対ミュータント用巨大ロボット。Xパワーで「飛行」が可能、身体は全身が武器の塊。通常技でもガードの上から敵の体力を削れる。
- ジャガーノート (Juggernaut)
- 中ボス。アーケード版ではプレイヤーは使用不可だが、セガサターン版は裏技で対戦モードでのみ使用可能。ミュータントではなく、偶然に魔法の宝石を手に入れて怪力を得た人間である。本作随一のパワーキャラで、ステージに刺さっている鉄骨を掴んで振り回す攻撃は威力、リーチともに驚異的。また不完全ながらも常時「スーパーアーマー」の状態にあり、打撃で仰け反らせにくい。
- マグニートー (Magneto)
- 最終ボス。アーケード版、セガサターン版ともにプレイヤーは使用不可。重力と電磁力を自在に操る地上最強クラスのミュータントの一人。宇宙に浮かぶ軌道要塞アバロンで待ち受けている。通常技も必殺技も高性能な技ぞろいで、さらに何もせずともXパワーゲージが溜まっていくという特性を持つ恐るべき敵。
[編集] 隠しキャラ
- 豪鬼 (Gouki / Akuma)
- 新技が一部追加されてはいるが、グラフィックは『スパIIX』の流用である。当然、画風もアニメパターンの枚数も他のキャラとは全く違っているのだが、当時不思議と違和感無く受け入れるユーザーがほとんどであった。なお『スパIIX』では豪鬼にはスーパーコンボ(本作ではハイパーXになるが)が無かったので「滅殺豪波動」「滅殺豪昇龍」は本作が初出となる(後に豪鬼の代表的な技となる瞬獄殺はこの時点ではまだ無い)。
- 空中から急降下で飛び蹴りを決める必殺技「天魔空刃脚」が導入され、ミュータント相手に遜色のない派手な空中戦ができるようになった(天魔空刃脚が必殺技扱いなのは本作及び以降のマーヴルVS.シリーズのみ)。
- CPU戦では下記の条件を満たすと6戦目のCPUキャラとして乱入してくる。なおその条件は対CPU戦のみで進んだ場合と、途中に対人戦があった場合とで二通りある。
- 対CPU戦のみの場合
- 使用キャラが豪鬼ではない。
- ゲーム開始時にマニュアルガードを選択している。
- 6戦目到達まで全勝で進む(勝ち方はなんでも良い。ドローは不可)。
- 6戦目到達までの全てのラウンドでファーストアタックを取る。
- 6戦目到達までの5割以上のラウンドでハイパーXをヒットさせる。
- 各キャラごとに設定されたコンボ数を1回以上出す。
- ウルヴァリン 8ヒット以上
- サイロック 10ヒット以上
- サイクロップス 17ヒット以上
- ストーム 25ヒット以上
- アイスマン 50ヒット以上
- コロッサス 3ヒット以上
- スパイラル 21ヒット以上
- シルバーサムライ 28ヒット以上
- オメガレッド 10ヒット以上
- センチネル 10ヒット以上
- 対人戦を含んでいる場合
- 使用キャラが豪鬼ではない。
- ゲーム開始時にマニュアルガードを選択している。
- 対人戦で13人抜き以上する。
- CPU6戦目到達までの5割以上のラウンド(対人戦を含む)でファーストアタックを取る。
- CPU6戦目到達までの5割以上のラウンド(対人戦を含む)でハイパーXをヒットさせる。
- CPU6戦目到達までに、各キャラごとに設定されたコンボ数を1回以上出す。(必要なヒット数は上に同じ)
- 対CPU戦のみの場合
- また、以下の隠しコマンドでプレイヤーキャラとして使用可能。なおver1.00と2.00以降で異なり、サターン版はver2.00以降に準じる。またアーケード版発売からver2.00への差し替えまでが早く、一般的にはver2.00以降のコマンドのみ、それも特に1P側の物だけが知られている。最後の同時押しのシビアさから意図せずしてver2.00以降の1P側で最後にカーソルが合うシルバーサムライを選んでしまうことが多かったため、当時のゲーム情報誌ゲーメストでは「豪鬼を失敗しても」とというキャッチコピーでシルバーサムライ用の攻略ページが組まれた。
- アーケード版ver1.00
- 1P側:選択画面で、まずサイクロップスにカーソルを合わせ、一秒待つ。その状態から右、右、下、右、上、左、左、右、右の順に入力する(ここまでに間違いが無ければカーソルはセンチネルの位置に来ているはずである)、そしてまた一秒待つ。最後に強パンチ、弱キック、強キックの3つのボタンを同時に押して決定する。
- 2P側:選択画面で、まずストームにカーソルを合わせ、一秒待つ。その状態から右、右、下、左、左、右、右、右、右の順に入力する(ここまでに間違いが無ければカーソルはスパイラルの位置に来ているはずである)、そしてまた一秒待つ。最後に強パンチ、弱キック、強キックの3つのボタンを同時に押して決定する。
- アーケード版ver2.00以降、及びセガサターン版
- 1P側:選択画面で、まずスパイラルにカーソルを合わせ、一秒待つ。その状態から左、左、左、左、右、上、右、右、下の順に入力する(ここまでに間違いが無ければカーソルはシルバーサムライの位置に来ているはずである)、そしてまた一秒待つ。最後に強パンチ、弱キック、強キックの3つのボタンを同時に押して決定する。
- 2P側:選択画面で、まずストームにカーソルを合わせ、一秒待つ。その状態から右、下、左、左、左、左、下、右、右の順に入力する(ここまでに間違いが無ければカーソルはスパイラルの位置に来ているはずである)、そしてまた一秒待つ。最後に強パンチ、弱キック、強キックの3つのボタンを同時に押して決定する。
- アーケード版ver1.00
[編集] 関連項目
- 続編
- VS.シリーズ
- 原作コミック
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ストリートファイター | ストリートファイター - II - ZERO (ZERO FG) - III - EX - RBOF - 登場人物 |
ヴァンパイア | ヴァンパイア - ハンター - セイヴァー - ダークストーカーズコレクション |
マーヴル VS. シリーズ | X-MEN - MSH - X-MEN vs SF - MSH vs SF - MARVEL VS. CAPCOM - MARVEL VS. CAPCOM 2 |
CAPCOM VS. SNK | CAPCOM VS. SNK - CAPCOM VS. SNK 2 |
ジョジョの奇妙な冒険 | ジョジョの奇妙な冒険 - 未来への遺産 |
その他(2D) | スーパーマッスルボマー - サイバーボッツ - ウォーザード - ポケットファイター - CAPCOM FIGHTING Jam |
その他(3D) | スターグラディエイター - ジャスティス学園 - キカイオー - ファイナルファイトリベンジ - 史上最強の弟子ケンイチ |