マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター
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ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | アーケード (CPS-2) [AC] セガサターン[SS] プレイステーション[PS] |
発売元 | カプコン |
人数 | 1~2人 |
メディア | CPS-2用カートリッジ(AC) CD-ROM(SS) CD-ROM(PS) |
発売日 | 1997年3月(AC) 1998年10月22日(SS) 1999年2月25日(PS) |
デバイス | 1レバー+6ボタン |
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』(-バーサス-) (MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER) は1997年にカプコンがアーケードで発売した対戦格闘ゲーム。本項目においてはゲームのタイトル、及び当時の記述にならいMARVELの表記をマーヴルに統一する。なお、ストリートファイターのキャラが複数登場するのに単数形なのは“ゲームとしての『MARVEL SUPER HEROES』と『ストリートファイター』両タイトルの対決”という図式であるため。略称は『マヴスト』など。
1998年10月22日に4メガ拡張RAM専用ソフトとしてセガサターン版が発売され、また1999年2月25日には対戦中の交代がないなどのアレンジを加えた『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター EXエディション』としてプレイステーション版が発売された。
目次 |
[編集] システム
前作『X-MEN VS. STREET FIGHTER』同様の2対2のチーム戦。戦闘は一度に画面に4人が出るわけではなく基本は1対1、しかし好きなタイミングで交代が可能でプロレスのタッグマッチに近い形式で行われる。スーパージャンプやエリアルレイブなど、基本のアクションについても概ね前作同様である。
通常、4本の体力ゲージと2本のハイパーコンボゲージが画面には表示され、体力ゲージは各キャラごとに1本ずつ、ハイパーコンボゲージはチームごとに2人で1本を共有しており、3レベルまで溜められるというシステムになっている。
体力面のシステムは、前作と同じで以下のようなルールからなる。
- 体力ゲージは現在の体力量を表す黄色のゲージと、体力の回復上限を表す赤のゲージからなる(これは同じ形、大きさのものがぴったりと重なって表示されているため、奥側の赤ゲージは最初全く見えない)。
- 攻撃を受け体力が減る時は両方のゲージが短くなっていくが、その際、常に赤ゲージの方が減り方が緩やかである。また、必殺技を防御した際のいわゆる『削りダメージ』が発生するのは黄ゲージのみで、赤ゲージが減る事はない。
- 赤ゲージの残量に関わらず、黄ゲージが尽きてしまえばキャラはKOされてしまう(1人をKOされれば交代を含む後述の「ヴァリアブル~」と名のつく行動は全て出来なくなり、そのまま2人目をKOされればそれで敗北である)。
- 戦闘を離脱し休んでいるキャラの黄ゲージは時間の経過によって『赤ゲージと同じ長さまで』を上限に徐々に回復して行く(赤ゲージは休息では変動しない)。
- 離脱して休んでいたキャラが再度交代して戦闘に復帰する際、赤ゲージはその時点での黄ゲージの残量に合わせ、切り捨てられてしまう(つまりキープされていた回復幅がゼロになってしまう)。
これは、ひとえに交代という行為にメリットを設け必然性を与えるためのシステムだと言える。タイミングを見極めての交代で、キャラを休ませ体力を回復させる事で勝負が有利になるのである。そのため本作には従来の1対1の対戦格闘ゲーム(『KOF』シリーズのような交代の無い勝ち抜き制のゲームを含めて)には無かった戦略が生まれている。しかし、時間がたちさえすれば控えのキャラは回復していくというシステム上、『全く攻めずに逃げ回って時を稼ぐ』という消極的戦術が従来のゲーム以上に非常に有効に機能してしまうのも事実である。
パートナーを呼び出す行動は本作では以下の4種類である。そのうち3種類が交代を含んでいる。
- 「ヴァリアブルアタック」
- 通常の交代。休んでいるパートナーが飛び蹴りなどの体勢で画面に飛び込んでくる。前作にあったものと同じ。
- 「ヴァリアブルカウンター」
- 敵の攻撃をガードしている最中、ハイパーコンボゲージを1レベル分消費してパートナーを呼び、援護攻撃をしてもらった後交代する。前作にあったものと同じ。
- 「ヴァリアブルコンビネーション」
- ハイパーコンボゲージを2レベル分消費してパートナーを呼び、2人同時のハイパーコンボで敵を攻撃した後交代する。前作にあったものと同じ。
- 「ヴァリアブルアシスト」
- 今作で新しく加わった行動。パートナーを呼び出し、援護攻撃をしてもらう。攻撃後、交代はせずにパートナーはそのまま下がっていく。
当然ながら、交代を含まないヴァリアブルアシスト以外の3種の行動は、前述の『赤ゲージの切り捨て』を招いてしまうため注意がいる。また、援護射撃時に相手の攻撃を受けた場合はダメージとみなされる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場キャラクター
各キャラについては()内のリンク先である英語版ウィキペディアの独立記事も参照されたい。日本版のゲーム中に表示されるアルファベット表記と英語表記が異なるキャラクターは、日本版/北米版の順に併記する。
[編集] マーヴル・スーパーヒーローズ:通常キャラ
- ウルヴァリン (Wolverine)
- 『X-MEN Children of The Atom』からの皆勤賞キャラ。超回復能力「ヒーリングファクター」と破壊不可能と言われる金属「アダマンチウム」で覆われた骨格を持ち、同じくアダマンチウムで覆われた鋭利な爪を武器に戦う。原作での細かな設定などについてはX-メンの項目を参照されたい(他のX-MENキャラも同様)。前作に引き続き豪鬼との因縁がエンディングで描かれる。
- オメガレッド (Omega Red)
- 前々作『MARVEL SUPER HEROES』からの再登場キャラが多い中、さらにその前の『X-MEN Children of The Atom』から再登場したキャラ。手首から伸びる特殊合金製の鞭「カーボナディウムコイル」で戦う。
- キャプテン・アメリカ (Captain America)
- 本名スティーブ・ロジャース、第二次大戦の頃の「超人兵士計画」によって産み出されたスーパーソルジャー。北極で氷漬けになった事で数十年に渡り冷凍睡眠の状態にあったため年をとっていない。超強度の合金で出来た盾を装備しており、戦闘においては攻防にそれを駆使する。いわゆる「波動昇龍タイプ」だが、飛び道具である盾は投げるたびに一々拾わねばならないという点が特徴的である。通常ヴァリアブルコンビネーションで出すハイパーコンボは各キャラ1種類だが、キャプテン・アメリカは自分がハイパーコンボを始動する側だった場合と呼び出される側だった場合とで出す技が異なる。
- サイクロップス (Cyclops)
- X-MENの初代リーダー。両眼から迸る強烈なビームが武器である。
- シュマゴラス (Shuma-Gorath)
- 前々作『MARVEL SUPER HEROES』への登場で国内外を問わず一気に知名度が上がり(マーヴル社側ですらそれまでこのキャラを忘れ去っていた)、本作にも再度登場した。語尾に「シュ」をつけた「でシュまシュ口調」とでも言うべき喋り方をするが、これは日本語版のみの個性である。前々作では1Pカラーが紫色、2Pが緑色だったが、本作では配色が修正され逆になった。
- スパイダーマン (Spider-Man)
- 本名ピーター・パーカー、蜘蛛の能力を身につけた超人である。戦闘中のキャラにスパイダーマンが含まれていない場合に限り、テレビ局ステージの背景キャラとしてピーター・パーカーらしき人物が現れる。原作での細かな設定などについてはスパイダーマンの項目を参照されたい。
- ハルク (Hulk)
- 緑色の怪力巨人。マーヴル世界において怪力の代名詞のようなキャラで、力の強さを表す際に「ハルクと互角のパワー」などと良く比較対象にされる。映画化の影響で最近は国内でも知名度が高い。常時軽いスーパーアーマー状態にある。その代わり通常技のモーションが遅くなりチェーンコンボがつながりづらくなってしまった。
- ブラックハート (Blackheart)
- 魔界の王メフィストの息子だが、その父を憎んでいる。通常技やハイパーコンボでは配下の亡者や魔物を多数召喚して戦う。このゲームより新技「ジャッジメントデイ」が追加された。
[編集] マーヴル・スーパーヒーローズ:シークレットキャラ
特定のコマンドによって使用可能。この3人は固有エンディングを持っていない。
- アーマースパイダーマン (Armored Spider-Man)
- 普段と違うコスチュームで重装甲のスパイダーマン(画像はスパイダーマンの色を白黒にしただけ)。技などはノーマルのスパイダーマンと同じだが、少しなら敵の攻撃を受けても仰け反らない。
- メフィスト (Mephisto)
- ブラックハートの父親。原作コミックでは全く違うのだが、本作ではブラックハートの画像の使い回しで同じ姿をしている(ただしコミックの設定ではメフィストは色々な姿に変身できる)、そのため技も同じだが、一部の通常技に相手を炎焼させる演出がある。
- U.S.エージェント (U.S. Agent)
- 初代が行方不明になった後、二代目のキャプテン・アメリカだった人物。初代の復帰後はキャプテン・アメリカの名を返上し自分はU.S.エージェントを名乗っている。本作では画像はキャプテン・アメリカの使い回しで技も同じ。勝ちゼリフはキャプテン・アメリカとは違い、かなり荒い口調で話す。
[編集] ストリートファイター:通常キャラ
- 春日野さくら (Sakura Kasugano)
- VS. シリーズには本作が初登場。もともと「波動昇龍タイプ」のキャラの中では変則的な部類に入るが、本作では波動拳を撃つ方向が斜め上に固定されていたりとそれに拍車がかかっている。
- ケン (Ken)
- 前作から波動拳と竜巻旋風脚の仕様が変更された。通常ヴァリアブルコンビネーションで出すハイパーコンボは各キャラ1種類でケンの場合「昇龍裂破」だが、リュウとチームを組んだ場合のみ普段は出せない「真空波動拳」に変わる。本作の発売(1997年3月)より先に発売されていた『ストリートファイターIII』(1997年2月)でのスーパーアーツ「疾風迅雷脚」が、ハイパーコンボとして追加されている。
- 豪鬼 (Gouki / Akuma)
- 本作では隠しではなく普通に選択画面にいる。前作と違い瞬獄殺はハイパーコンボゲージ3レベル分が必要になった。一発の攻撃力がかなり低いので注意が必要。
- ザンギエフ (Zangief)
- ダッシュの性能が他のキャラと違い、相手と密着すると自動的に掴むようになっている。また、バックダッシュは無い。打撃系のハイパーコンボを持っていないため、前作のヴァリアブルコンビネーション時には必殺技の「ダブルラリアット」の強化版を出していたが、今作ではパートナーと2人がかりでの投げ技「ダブルファイナルアトミックバスター」を身につけている(ただしダブルファイナルアトミックバスターを使用するのはザンギエフがヴァリアブルコンビネーションを始動させた場合のみ。呼び出される側だった場合は前作同様ダブルラリアットを使用)。
- 春麗 (Chun-Li)
- 必殺技の「天昇脚」がタメコマンドではなくなっている。
- ダルシム (Dhalsim)
- 前作と違い、一定時間の間、空中を浮遊する技が追加された。また、ハイパーコンボの「ヨガインフェルノ」が、本作からは空中でも出せるようになっている。
- ダン (Dan)
- エンディングで、敵にとどめを刺そうとするダンに背後から「やめて!お兄ちゃん!」と声をかける妹らしき人物が登場する。SNKのゲーム『龍虎の拳』のエンディングのパロディであるが、本作のこのエンディングが後の『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』でダンとリョウ・サカザキ(龍虎の拳主人公)が組んだ場合の「やめて!おにいちゃんズ」というチーム名の由来である。「プレミアムサイン」「漢道(おとこみち)」という新技が追加されている。
- 憲磨呂 (Norimaro)
- テレビ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』との連携企画から生まれた新規のキャラクター。同番組の出演者木梨憲武(とんねるず)が、番組内で演じる画家キャラクター「木梨憲太郎」として同番組中にデザインし、ゲーム中の声も担当した。また、キャラクターの名前は同番組内の一般公募により決まった。マーヴル・コミック側から「こんな情けないキャラにうちのキャラクターが倒されるのは我慢ならない」というような事を言われた(カプコンの開発者がゲーム誌のコメントで語っていた)ため、日本版のみに登場するキャラクターとなっており、日本国外では出せないよう、2コイン以上1クレジットの設定ではキャラクター選択画面に登場しないという工夫がなされている。一見その見た目からイロモノに見えるが、実は多段ヒット突進技、飛び道具、対空がバランス良く揃っている、きわめてスタンダードな性能のキャラクターである。雑誌などで「憲麻呂」「憲麿呂」などと誤表記されることも多い。製作段階では必殺技に「カンチョー」などがあったが、マーブル側の反対や、女性キャラに行うのはあまりにも下品だということで却下された。
- 隠し操作により、4段ジャンプができるバージョンも使用可能となる。
- ベガ (Vega / M. Bison)
- リュウ (Ryu)
- 本作の発売(1997年3月)より先に発売されていた『ストリートファイターIII』(1997年2月)でのスーパーアーツ「真・昇龍拳」が、ハイパーコンボとして追加されている。また、エンディングで使われる絵の画風も『ストリートファイターIII』風である。余談だが、MVSシリーズの『波動拳』は球状の飛び道具ではなく、ビーム状というのにふさわしいグラフィックである。そのグラフィックが『ドラゴンボール』の『かめはめ波』に酷似している。
[編集] ストリートファイター:シークレットキャラ
特定のコマンドによって使用可能。マーヴル側の隠しキャラ3人と違いこちらの3人は固有エンディングを持っている。
- シャドウ (Shadow)
- 「ベガを追っていたナッシュ (Charlie) だが、シャドルーの手に落ち改造人間にされてしまった」という前作のナッシュのエンディング内容を受けてのキャラクター。本作のエンディングではまたもシャドルーの手に落ち、さらなる改造を施されてしまっている。ナッシュがそのまま黒くなったような姿をしており、必殺技も通常のナッシュとほぼ同じだが、技名が少し異なり技を出す時に目を光らせる演出がある。また、専用のLv.3乱舞ハイパーコンボ「ファイナルミッション」も追加されている。ちなみに通常のナッシュらしき人物も最終ステージの背景で姿を見せているが、シャドウを使用している場合は出現しないなど芸が細かい。
- 日焼けしたさくら (Dark Sakura)
- 「殺意の波動に目覚めたリュウ」(本作には登場していない)のセルフパロディで、春日野さくらの色と性能をそれっぽくアレンジしたもの。しかし性能としてはむしろ豪鬼のイメージに近く、ゲーム中では豪鬼とのタッグで乱入もしてくる。
- メカザンギエフ (Mech-Zangief)
- 鋼鉄の身体を目指すあまりベガの口車にのせられ改造されてしまったザンギエフ(本作でのエンディングで明らかになる)。常にスーパーアーマー状態で敵の打撃に対して仰け反る事が無いが、動きが非常に遅くガードも出来ない。
[編集] ボスキャラクター
- アポカリプス (Apocalypse)
- 本作の中ボス。前作同様パートナーはいない。なお通常の位置だとその巨体で覆い隠してしまうためか、体力ゲージの表示位置が他のキャラと違っている。新たな攻撃方法として目からビームを出すようになったが、前作より防御力が低下しているのが大きく、比較すると弱くなっている。
- メカ豪鬼 (Mech-Gouki / Cyber-Akuma)
- 本作の最終ボス。アポカリプス同様パートナーはいない。だが、攻撃力・防御力が非常に高く、シャイニング豪ショック(メカ豪鬼版瞬獄殺)がLv.1で出せる上に動作が超高速など、尋常ならざる強さを持っている。なお、設定では「アポカリプスによって改造された豪鬼」との事だが、本作では使用キャラとして通常の豪鬼も登場しており、その上ウルヴァリンのエンディングにおいては完全に別人として同時に存在している。結局どういう存在と解釈すべきなのかははっきりしていない。
[編集] 関連項目
- エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム
- マーヴル・スーパーヒーローズ
- VS.シリーズ
- エックスメン VS. ストリートファイター
- マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター
- マーヴル VS. カプコン
- マーヴル VS. カプコン 2
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ストリートファイター | ストリートファイター - II - ZERO (ZERO FG) - III - EX - RBOF - 登場人物 |
ヴァンパイア | ヴァンパイア - ハンター - セイヴァー - ダークストーカーズコレクション |
マーヴル VS. シリーズ | X-MEN - MSH - X-MEN vs SF - MSH vs SF - MARVEL VS. CAPCOM - MARVEL VS. CAPCOM 2 |
CAPCOM VS. SNK | CAPCOM VS. SNK - CAPCOM VS. SNK 2 |
ジョジョの奇妙な冒険 | ジョジョの奇妙な冒険 - 未来への遺産 |
その他(2D) | スーパーマッスルボマー - サイバーボッツ - ウォーザード - ポケットファイター - CAPCOM FIGHTING Jam |
その他(3D) | スターグラディエイター - ジャスティス学園 - キカイオー - ファイナルファイトリベンジ - 史上最強の弟子ケンイチ |