クイズ・ドレミファドン!
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クイズ・ドレミファドン!は、1976年10月3日-1988年4月3日にフジテレビで放送されていた、音楽番組を兼ねているクイズ番組。渡辺プロダクションが制作して、放送時間は毎週日曜日の12:00-13:00だった。番組は原則関東ローカルだったが、一部地域にもネットされていた。番組終了後は、毎年正月に「スーパーイントロ大作戦」のタイトルで放送されている(一部ネットで、司会は中山秀征と松本明子、現在は「お正月だよ!クイズ・ドレミファドン!」として健在中である)。
後に日本中で認知されるところになった曲当てクイズ、いわゆる「イントロクイズ」の元祖。但し、この番組は純粋に曲のイントロのみで曲名を当てる。解答者は2名1組の5組による対抗戦。優勝チームにはグァム島旅行をかけたクイズに挑戦する。クイズの内容は、曲を聴いてそれを誰が歌っているかというもの。大概、歌い手はものまねのような感じで歌っているが、ほとんど分かる形となっている(但し、数ヶ月に1回程度行われたチャンピオン大会で優勝したチームは自動的にアメリカ西海岸旅行獲得となる。)。
なお、歌手何人かがゲストとして出演するため、最新ヒット曲を披露するコーナーもあったことから、クイズ番組でありながら音楽番組の役割も果たしていた。しかし、ステレオ放送は実施されていなかった (同時期の日曜日に放送された「スーパージョッキー」(日本テレビ) は、バラエティ主体にもかかわらずステレオ放送だった。)。
目次 |
[編集] 司会
[編集] ドッキリ扉の人物
[編集] 主なコーナー
[編集] 冒頭
- 特定のゲスト1名が、オケなしで鼻歌のような感覚で曲を歌い、それが何の曲かあてるもの。
[編集] スター今昔クイズ
- ある芸能人の「今」「昔」「大昔」に関するエピソードから早押しクイズを出題する。2人が登場するので、計6問。
[編集] スタージョーズクイズ
- 今昔クイズに代わって行われたクイズ。映画「ジョーズ」の海底を模したセットに挑戦者が座る。5枚のパネルから1枚を指定すると、芸能人の写真が現れ、その人に関するクイズが本人の音声で出題される。全8問で1問正解につき5点獲得だが、不正解のたびに鮫の人形が回答席に近づく。4問不正解すると、鮫が席の上の風船を割って失格、得点は没収となる。
- 後に「インディ・ジョーンズ」を模した「岩石落としクイズ」が行われるが、鮫が大岩になった以外はルールは同じ。
- ほぼ同様のルールで、「ふんばりショック」というクイズもあった。挑戦者はすべり台に座り、不正解のたびにすべり台の傾斜がきつくなり、落ちたら失格というルール。
[編集] ウルトラ歌合戦
- 予め設置された円形テーブルに回答者各組1名づつ5名が座り、あたまに両手をおいた状態で、曲が流れる。
- テーブルの真ん中で浮いているピンポン玉を最初にとった人に歌う権利が与えられ、うまく歌ったら得点となる。
- 最後は司会の「両手を頭の上にやって! ・・・ウルトラ歌合戦はここまでー」というセリフがお約束になっている。
[編集] ゲストクイズ
- ゲストに纏わるエピソードクイズ。音楽講座的な企画の場合もある。計3問出題され、お手つきをすると×マークのマスク(通称・バッテンマスク)を装着しなければならない。
[編集] ドレミファパズル
- いわゆるクロスワードパズル。答えの頭文字をマスに埋めていき、わかったところでワードを答える。
[編集] ドッキリ扉
- 3つ扉が用意されており好きな扉を選べる。扉にはそれぞれハイカラマン、セイロクマン、そしてその週のゲストがいる。曲名と人名をルーレットで選択し、出題者のゼスチャー、ヒントから曲名や人名を回答する。
- ハイカラマンはヒントがわかりやすいが、喋るテンポが非常に速いので時々わかりにくいこともある。
- セイロクマンは喋るテンポが遅く、ヒントが非常にわかりにくいため、得点できないまま扉が閉まることが多い。
- セイロクマンの前に、俳優の志賀勝が「ピラニアマン」として登場していた。出題傾向はセイロクマンと同じだが、回答者に睨みを利かせて答えを出し渋る、嫌味な役として人気があった。 のちに、バニーガール風の外国人「ハイカラねえちゃん」なども出た。
[編集] 逆さ歌クイズ
逆回転で再生された歌の、曲名を当てる。
[編集] イントロクイズ・ウルトライントロクイズ・超ウルトライントロクイズ
- 後半戦の目玉となるコーナー。
- 曲の出だしから曲名を早押しで当てる、番組中のクライマックスといえるクイズ。
- 曲の出だしは、コーナーが進むごとに短くなる。「超ウルトラ~」ではほとんど最初の一音しか流れない。得点はイントロクイズが一問5点、ウルトラは一問10点、超ウルトラは一問20点。
- イントロクイズの冒頭の数問は、「CMソング」、「今年のヒット曲」、「曲名に数字がつく」などのテーマが設けられることもある。
- お手つきをしたり誤答をすると赤い×マークのマスク(通称:バッテンマスク)を装着し、後ろの席に座り、コーナー終了まで以降の解答権を失う。そして、早押し順2位のチームに解答権が移る。ペアのどちらもがお手つきをすると失格(リタイア、得点は0にならずに、5点減点した上で、得点表示板の上に巨大な赤い×が貼られる)となり、コーナー終了後に得点を全て没収され再び参加できる。
- 出題時の司会者のかけ声は「ドレミファ・ドン!」(イントロクイズ)、「ウルトラ・ドン!」(ウルトライントロクイズ)、「超ウルトラ・ドン!」(超ウルトライントロクイズ)だった。
- 優勝した解答者は歌手当てクイズに挑戦。このクイズに正解すればグァム島旅行獲得となり、天井に吊るされているくす玉が割られて紙吹雪と風船が降る。
[編集] 提供スポンサー(フジテレビのみ)
- 呉羽化学(現・クレハ)
- 資生堂
- 丸八真綿
- コカ・コーラボトラーズ
- キッコーマン
- パロマ
- ケンタッキーフライドチキン
- 旭化成
- 三菱電機
- 森永製菓
- LION
- 大王製紙
- 日産火災(現・損保ジャパン)
- 新日本証券
- 井関農機
- 殖産住宅
- 日清紡
- TOTO
- 養命酒
- 大洋漁業 (現・マルハ)
- キユーピー
- 日本鉱業
- アートネイチャー
- マクドナルド
- 三井不動産
[編集] その他
- 曲名当てクイズ番組としては、その昔「シャープさん・フラットさん」(NHK、1962年-1970年)というのがあったが、イントロ段階で激しく早押しを競うようなスタイルではなかった。
- 全体のチャンピオンだけでなく、コーナーごとのチャンピオンにも賞品を獲得できるチャンスがあった。
- 前期ルールでは、迷路状に線が引かれたボードが用意され、てんとう虫ロボットを任意のスタート地点に置くと、ゴールを目指して進む。ゴールは賞品がもらえるものが3つ、スカ(ハズレ)が2つ。 残念賞でネピアのトイレットペーパーが贈られた。
- 後期ルールでは、トミー(現タカラトミー)が発売しているパーティーゲーム「黒ひげ危機一発ゲーム」に挑戦する。ひとりが黒ひげの入った樽に短剣を刺していき、黒ひげが飛び出たら、もうひとりが黒ひげをお玉で受け止める。受け止めに成功すると、刺した短剣の数(多いほど豪華になる)によって賞品を獲得。
- 前期ルールの前にも、黒ひげ危機一発を使用していたことがあった。この時は、黒ひげが飛び出た時点で失敗になるので、任意の時点で短剣を刺すのをやめるルールだった。
- スカを引いたり、黒ひげを落としてしまうと、残念賞として「ぬかよろこび」(森永製菓が発売)なる、漬物の素が贈られた。
- 元々黒ひげ危機一発は、黒ひげを飛び出させて救出させたほうが勝ちというのが正式なルールだったが、この番組のイメージによって「飛び出させたほうが負け」という遊ばれ方をされるようになる。
- 前番組は1976年4月にスタートした現・参議院議員の柏村武昭と女優の水沢アキが司会を務めていた「クイズ!家族ドレミファ大賞」として、当時は家族対抗戦としてスタートしたが、裏番組「大正テレビ寄席」(テレビ朝日ほか)に苦戦を強いられた。そのため、この年の10月に司会者と番組タイトル、また家族対抗からペア大会形式に変え、再スタートを切った。その後当初は中盤の1コーナー「イントロクイズ」が好評を呼び視聴率を急上昇し、日曜昼の番組として20%を越え驚異的な視聴率を出す人気番組に成長した。
- また、「速報!歌の大辞テン!!」(1996年10月~2005年3月 日本テレビ)ではたまに「クイズ!ドレミファドン」の映像が流れたことがあった。これは当時「紅白歌のベストテン」(1969年10月~1981年3月23日 同系)の裏番組だった「みごろ!食べごろ!笑いごろ」(テレビ朝日)にナベプロ所属歌手が出演していたことに関係していると考えられる。
- 曲当てクイズの元祖はCBCラジオと毎日放送で1951年9月1日のラジオ開局の日に放送された「ストップ・ザ・ミュージック」が元祖でもあり、イントロの元祖はこのフジテレビの「クイズ!ドレミファドン!」である。
- 番組の最後に視聴者プレゼントとしてアポロン音楽工業からレコードやミュージックテープのプレゼントコーナーがあった。無論、ここの母体でありこの番組の企画・制作に名を連ねていたナベプロとの関連である。
- 後に高島忠夫がレギュラー回答者になる「クイズ!年の差なんて」では、司会の山田邦子が思わず答えをぽろっと言ってしまいそうな問題のときに、ドレミファドンで生まれたバッテンマスクをつけていた。
- 東海テレビと関西テレビでは改編前、12時から「花の新婚!カンピューター作戦」を放送されていたが、関西テレビでは1時間遅れの放送となり、のちに金曜16時に移動となり後にネットが打ち切られた。対して、東海テレビでは日曜12時は「ドレミファドン」となりカンピューターは平日深夜に移動しその後打ち切られた。両地区での両方の番組の扱いは対照的だったといえる。
[編集] 番組の終焉
[編集] 特別番組
レギュラー番組としては1988年4月3日に終了したものの、その後も毎年新春の時期には必ず復活している。
- 「新春イントロ大作戦」(1989年~1994年)
- 「新春イントロ大作戦」(1995年と1996年)
- 「お正月だヨ!ドレミファドン」(1997年以降)
また、1990年から1992年までは年に1回、「金曜ファミリーランド」枠で「スーパーイントロ大作戦」が放送された。
[編集] 前後番組の変遷
フジテレビ 日曜12時台(1976年10月 - 1988年4月3日) | ||
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