国府駅 (愛知県)
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国府駅(こうえき)は、愛知県豊川市久保町にある名古屋鉄道の駅である。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅概要
豊川市西部の玄関駅であり、豊川市の中心駅である豊川駅より列車本数は多い。名古屋方面からの終電も豊橋駅より一時間ほど遅く、道路事情も良いため、遠方からパークアンドライドによる利用者も多い。それは周辺の宝飯郡や豊橋市北部から、飯田線沿線である豊川市東部から新城市辺りまでと広範囲である。そのため、駅に隣接する形で名鉄協商の駐車場が併設されている他、駅周辺には個人経営の駐車場が数多くある。 年始には、豊川稲荷への初詣客による名古屋本線と豊川線の乗り継ぎ駅として賑わう。その際、国府駅では臨時でホームに係員を配置し、乗客を誘導するなどに努めている。更に、豊川線の路線管理(行き違い駅・信号場での信号操作や、本線との連絡等)もほとんどがこの駅で担当している為、通常2人で担当している運転室(路線管理や放送等を行う場所)も、豊川線専用の係員を設け、対応している。 この駅から豊川線の急行などが加わり東岡崎方面の列車の本数が増える。
なお、ローマ字表記では「KO」と2文字(長音記号がOにつくが)になるため、粟生駅、飯井駅、頴娃駅、小江駅、大江駅(名鉄)、大江駅(北近畿タンゴ鉄道)、府中駅と共に日本最短の駅名となる(漢字・仮名表記では津駅が最短)。
「こう」と表記するが、発音は平板化した「こー」が一般的である。車掌による車内放送や、他駅での肉声放送では「こ」にアクセントを付けて発音される場合もあるが、国府駅での放送や、他駅での自動放送、車内自動放送では必ず平板化された発音で放送されている。
さらに「国府」と書いて「こう」と発音する地名が少ないこともあり(難読地名参照)、名鉄沿線の住民でもこの駅名を読めない(または「こーふ」など誤って読む)場合が多く見受けられる。
[編集] 放送
国府駅の放送は今でも全て肉声で、テープ放送は行っていない。これは豊川線の乗り換えに対応しているものである。乗り換え駅でのテープ放送は他駅にも見られるが、国府駅は下記に記すように発着番線が複雑であるためである。
例えば、10:18に特急豊橋行きが3番線に到着したとする。この列車の豊川線接続列車は、10:29発の急行豊川稲荷行きで4番線から発車する。しかし、4番線には既に10:21発の普通伊奈行きが停車中であるから、のりば案内掲示板が「4番線」と表示されているだけでは、誤って普通伊奈行きに乗車してしまう可能性がある。また、ただ「4番線でお待ちください」と放送するだけでは、同じような事象が起こってしまう。そのため、「急行豊川稲荷行きは、普通伊奈行きが出た後、同じ4番線に入ります。豊川稲荷行きご利用の方は、降りたホームでしばらくお待ちください」といった内容を流すことが必要になる。ただし、これは放送員の個人差が大きく、詳しく放送しない者もいる。
また、昼間の毎時10分と40分発の急行(快速急行)岐阜行きは、5番線から発車するため、発車時刻近くになると1・2番ホームで「今度の急行岐阜行きは5番線から発車します」という放送を流すのが通例である。
[編集] 駅構造
島式3面6線のホームを持つ橋上駅舎である。東側に、留置線が2本あり、夜間停泊などに使用されている。名古屋本線の列車は待避可能な構造となっている。国府駅は、長い直線区間(約8km。私鉄では地上の直線区間としては日本一の長さ)の途中に位置するため、通過列車の速度は120km/hであることが多い。
自動券売機・改札機が設置されているが、自動精算機はない。自動券売機と出札窓口はそれぞれ1つずつしかなく、切符を買うために客が並んでいる姿もしばしば見受けられる。のりばは下記の通り複雑であるため、ホームにはのりば案内の電光掲示板が2002年頃設置された。これは、先発列車と次発列車の種別とのりばを交互に表示するもので(豊橋方面は先発列車のみ)、名鉄の他の駅では見られないオリジナルのタイプである。また、3,4番線に設置されているものは、「4番線列車案内」が横に並んで設置されている(画像参照)。これは放送の項で述べたように、4番線からの誤乗を防ぐためと考えられる。尚、この電光掲示板が設置される前には、行灯式ののりば案内が設置されていた。これは種別に関係なく、次に発車する列車の番線だけを行灯で表示するもので、現在と同じ3方面別に表示していた。ただし、この行灯式とは、他の名鉄の駅で使用されているものとは違い、表示されているもの以外は暗くて見えない(バスの降車ボタンと同じ仕組み)。これも異彩を放つ存在であったと言える。
発車案内表示機は改札を入ったすぐのところにある。LED式ではなく、いわゆる「パタパタ式(ソラリー式)」が使用されている(ホームにこのタイプのものは設置されていない)。方面別に3台あり、先発列車と次発列車ののりば、種別、行き先を表示する(ただし、豊川稲荷方面は先発列車の1段のみ)。両数も表示されるが、豊川稲荷方面は、シールで隠されている。また、備考の欄が設置されていないため、特別停車がある列車の場合、行き先欄に行き先の横に括弧書きでその旨が記されている。
1 | ■名古屋本線 | 東岡崎・名古屋・岐阜・中部国際空港方面(主に普通) |
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2 | ■名古屋本線 | 東岡崎・名古屋・岐阜・中部国際空港方面(主に優等列車) |
3 | ■名古屋本線 | 伊奈・豊橋方面(主に優等列車) |
4 | ■名古屋本線 | 伊奈・豊橋方面(主に普通) ※稀に東岡崎、名古屋方面の列車も発着 |
■豊川線 | 豊川稲荷行き(朝・夜以外の殆どの豊川稲荷行き) | |
5 | ■名古屋本線 | 東岡崎・名古屋・岐阜方面(殆どの豊川稲荷始発列車) |
■豊川線 | 豊川稲荷行き | |
6 | ■豊川線 | 豊川稲荷行き(豊川線内折り返し用) |
売店はない(かつては西口に存在した)。しかし、駅周辺にはコンビニエンスストアが2軒あり、飲食物などはそこで購入できる。東西連絡通路で喫茶店が1軒営業しており、西口には旅行代理店が併設されている。トイレは改札内にある。当駅はバリアフリーには対応しておらず、エレベーターも設置されていないが、エレベーターに関しては2007年度に設置が予定されている。
[編集] 駅周辺
[編集] 西口
[編集] 東口
[編集] バス路線
バス停は西口にある。下記の路線の他、ロータリーを有する特急停車駅ということで、名電赤坂駅方面にある企業・東海理化電機製作所音羽工場への通勤者を運ぶバスも運行している。
[編集] 歴史
[編集] 1番線の使用について
1番線は名古屋本線下り副本線として機能しており、主に列車待避用に使用されるが、中には列車待避を行わないにもかかわらず、1番線に入線する列車がある。例として、8:10発急行岐阜行き(911列車)が挙げられる(平日)。理由は、その直前に、8:08発特急新鵜沼行き(283列車)があるからである。
通常、列車が駅構内に進入する際は、万が一停車できなかったことを想定して、駅の先に安全なルートを確保する必要がある。しかし、駅の先に列車が存在する場合(この場合は283列車がそれ)、そのルートが確保できない。その際は構内に進入しようとする列車(同911列車がそれ)を慎重に進入させるため、2番線へ入れる場合、場内信号で警戒信号を現示させる必要がある。しかし、そうすると一つ手前の閉塞信号では注意信号を現示させる必要があるため、かなり駅の前から列車を抑制させることになってしまう。そこで国府駅では、1番線に進入する際の制限速度が25km/hと、駅構内への進入速度が警戒信号と同じにすることができ、さらに、場内信号は注意信号のままでよいから、一つ前の閉塞信号は進行信号を現示できる。結果として駅進入時の時間短縮を図ることが出来るのである(但し、駅を出発するときも制限速度を受けることが欠点である)。
このような副本線の使用法は、他の駅では余り見られない。
[編集] 利用状況
愛知県の統計によれば、2003年度の乗車人員は1日平均4,829人。豊川線の駅では、最も利用客が多い。 名古屋市内(または近隣)の駅に比べると利用者は少ないものの特急停車駅に指定されているのは、名古屋市への所要時間が比較的かかることと、近接する豊橋市への利便性、並びに豊川線(豊川稲荷への参拝客への配慮)や本線普通列車との接続などを考慮した上でのことと考えられる。
[編集] 隣の駅
- 名古屋鉄道
- 名古屋本線
[編集] 関連項目
豊橋 - (平井信号場) - 伊奈 - 小田渕 - 国府 - 御油 - 名電赤坂 - 名電長沢 - 本宿 - 名電山中 - (舞木信号場) - 藤川 - 美合 - 男川 - 東岡崎 - 岡崎公園前 - 矢作橋 - 宇頭 - 新安城 - 牛田 - 知立 - 一ツ木 - 富士松 - 豊明 - 前後 - 中京競馬場前 - 有松 - 左京山 - 鳴海 - 本星崎 - 本笠寺 - 桜 - 呼続 - 堀田 - 神宮前 - 金山 - 山王 - 名鉄名古屋 - 栄生 - 東枇杷島 - (枇杷島分岐点) - 西枇杷島 - 二ツ杁 - 新川橋 - 須ヶ口 - 丸ノ内 - 新清洲 - 大里 - 奥田 - 国府宮 - 島氏永 - 妙興寺 - 名鉄一宮 - 今伊勢 - 石刀 - 新木曽川 - 黒田 - 木曽川堤 - 笠松 - 岐南 - 茶所 - 加納 - 名鉄岐阜