大河原町
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大河原町(おおがわらまち)は、宮城県仙南地域の中央に位置する町である。
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[編集] 概要
白石川堤の「一目千本桜」で有名。ここは、日本さくら名所100選に指定されている。桜の咲く時期、東北本線の大河原~船岡間は、乗客が花見を出来るように、低速(時速20km以下)で運転される。また、夏は町内中にかぐわしいラベンダーが咲き揃い、冬は白石川に白鳥が飛来する。白石川が母なる川なら、父なる山は蔵王になる。蔵王連峰の山並みは大河原盆地からの眺めが最も端正で秀麗に見える。
観光以外の面として、広域行政機関が揃う仙南行政の中心地という点が挙げられるだろう。更に、国道4号に面し、この道路沿いを核として、仙南の中心地に相応しい発展を遂げつつある。一方で、かつての中心街であった駅前や本町・中町の商店街は寂れ、仙台方面を志向する人々へのベッドタウン化が進んでいる。
[編集] 駅前周辺の補足
駅前には、行政主導で作られた複合商業施設があるが、1階の大部分がテナント未定である。また、駅前唯一のコンビニエンスストアまでが撤退してしまったため、町の中心は完全に国道沿いに移ったと考えて良い。特に、駅を利用する高校生がいなくなる午後9時以降は閑散としている。
[編集] 地理
町の中心部を白石川が流れる。
大河原町は、地理的に柴田町・白石市・角田市・村田町からの人や車の流れが交わる位置にあり、宮城県南部の交通の要衝と言える。このため、町内の国道4号線バイパス沿いには中小の店舗が林立し、県南部随一の集客力を持つ商業地区となっている。
[編集] 歴史
藩政時代に大河原村、小山田村、福田村、大谷村、平村、堤村、新寺村が立村し、奥州街道沿いの大河原村には大河原宿、平村には金ヶ瀬宿が設置され、宿場町を形成していた。
- 1889年(明治22年)4月1日、大河原村、小山田村、福田村、大谷村が合併して大河原町が成立。
- 1889年(明治22年)4月1日、平村、堤村、新寺村が合併して金ヶ瀬村が成立。
- 1956年(昭和31年)9月30日、大河原町と金ヶ瀬村が合併して現行大河原町が成立。
- 2002年(平成14年)12月25日、柴田町・村田町・大河原町合併協議会を設置し、合併に向かって協議を進めるが決裂し、平成17年3月31日をもって合併協議会は廃止された。協議決裂の原因は、市名が柴田市になったことに加え、合併後の市役所仮庁舎も柴田町役場に決まったことで、大河原町民に合併協議への不信感が生まれたことが要因となっている。
合併案廃止後は、大河原町、柴田町、角田市、亘理町の1市3町合併案が浮上している。
[編集] 1市3町合併案について
2006年現在、青年商工会といった団体が合併を主張し始めたばかりの段階だが、大河原町、柴田町、角田市、亘理町の1市3町を合併し、柴田市(仮称)にする案が浮上しつつある。幾つかの行政施設を擁した仙南地域の交通の要所である大河原町、町としては日本最大規模の人口を要する柴田町、工業が盛んな角田市、平均気温が高く農業が好調な亘理町の1市3町による合併が実現した場合、比較的バランスの取れた自治体になるのではないかと期待されている。
もっとも、亘理町や角田市のような沿岸部から大河原や柴田町の内陸部は、阿武隈川と山に隔ているため、合併は不合理であるという批判もある。また、柴田町は合併に乗り気で主導権を握ろうとする一方で、なかなか大河原町は町議会での見解が一致しない。このため、前回の廃止となった合併案と同様に、大河原町としては「(合併後は柴田町が中心になりそうなので)不便になるくらいなら合併したくない」という結果になりかねないと懸念されている。
また、白石市を含めて仙南地域一体を全て合併するという極論的な合併案もあるが、これは国政側の意見であり、現状にそぐわないとして特別話題に上ることはない。但し、白石市側は隣接する蔵王町周辺(刈田郡)を全て市に吸収合併させるという計画があり、上記の柴田市が成立しなかった場合、奥の手として白石市に合併してもらうという案もある。
大河原町が常に合併を志向し続けているのは、町財政が芳しくないため、合併による「アメ(報奨金)」で少しでも財政難を緩和したいという本音があるため。村田町が前回の合併に強烈に反対したのも、村田町の財政は比較的健全なため、合併することに何のメリットないことにも原因があった。
[編集] 町名の由来
「大きな川を有する原」という意味ではない。「多くの河が合流する(逢う)原」という意味である。即ち、「逢河原」から「大河原」へと変化した。その地に「大河原宿」が設置され、人、物の交流の場となって、今日の「商都・大河原」の基礎がつくられた。
[編集] 地域
[編集] 教育
[編集] 高等学校
[編集] 中学校
- 大河原町立大河原中学校
- 大河原町立金ヶ瀬中学校
[編集] 小学校
- 大河原町立大河原小学校
- 大河原町立金ヶ瀬小学校
- 大河原町立大河原南小学校
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] 道路
[編集] 産業
[編集] 本社を置く企業
- 菓匠三全(『萩の月』のメーカー)
- 菓匠三全中央研究所
- もち豚館(ブランド豚の飼育)
[編集] 名産品
「一目千本桜」という名称で、日本酒、味噌、醤油などが販売されている。また、菓匠三全の「萩の月」の産地でもある(但し、菓匠三全は「萩の月」を仙台銘菓としている)。
「もち豚」という名のブランド豚が飼育されている。この豚肉は、豚でありながら牛のように柔らかく絶品である。また余談だが、「もち豚」の経営者が敷地内で偶然にも天然温泉を発掘したために、突如として温泉宿も作られた。
[編集] 白石川の美景
地元の人間のみが知っている事だが、冬季の早朝に見る白石川は、本当に美しい。まさに山紫水明といった景観だ。また、白石川には、毎年、大量の渡り鳥(雁や白鳥)がやって来る。町民は、渡り鳥の訪れによって、冬の報せを知り、渡り鳥の旅立ちによって、春の訪れを知る事が出来る。 白石川の両岸には、隣の柴田町から桜並木が続いて居り、「一目千本桜」として町民に親しまれている。桜の季節には、直ぐ横を走るJR東北本線の電車もこの区間は徐行運転を行なう。